キャッシュレス化が進み、クレジットカード決済が可能なお店が実店舗・通販問わず増えてきています。そんな中、クレジットカードの手数料を気にしている方も多いのではないでしょうか。この記事ではクレジットカードにかかる手数料について消費者とEC業者の2つの立場から解説します。
目次
クレジットカードの手数料とは
クレジットカードの手数料は、クレジットカードで商品やサービスを購入する消費者と、販売をするECサイトや店舗などの事業者のそれぞれが負担します。クレジットカードはカード会社が利用者と事業者(加盟店)の間に立ち、支払いの立て替え払いをしているサービスです。クレジットカードによる支払いでは利用者の購入代金をカード会社が加盟店に支払い、その後で利用者からカード会社が料金を請求する流れになっています。
カード会社はクレジットカードサービスを通じて利益を得なければ事業を継続できません。クレジットカードのサービスを提供する中でカード会社は手数料を請求して利益を得ています。消費者もEC事業者も手数料を請求される対象になります。
クレジットカードの手数料の仕組み
クレジットカードの手数料には、クレジットカードを利用する消費者が負担するものと、クレジットカード決済を導入するEC業者が負担するものの2つに分かれます。
消費者(ユーザー)が支払う手数料の仕組み
消費者がカード会社に支払う手数料は、「年会費」と「分割払い・リボ払い」の手数料です。
「年会費」はそのクレジットカードを利用するために1年に1回支払わなくてはならないものです。年会費が高いと、海外旅行保険などの特典があったり、利用可能額が大きくなっていたりすることが多いです。なお、年会費無料のクレジットカードも中にはあります。
また、支払い方法で「分割払い・リボ払い」を選んだ場合は毎月手数料がかかります。手数料は分割回数や残債によって決まります。分割回数が多いときやリボ払いで支払い期間が長くなるときには手数料によって支払い総額が大きくなります。なお、一括払いや2回払いの場合は手数料がかかりません。
EC業者が支払う手数料の仕組み
EC業者は、カード決済手数料として、消費者が支払った金額の数%をカード会社に支払います。カード決済手数料は一律ではありません。業種や消費者が使用したカードブランド、取扱高などによって変動するのが一般的です。
クレジットカード決済手数料としてEC業者がカード会社に支払うのが3.0%だったとすると、20万円の購入があったときには6,000円の決済手数料がかかります。決済額によって金額が決まるので、200万円の購入にかかる決済手数料は10倍の6万円です。決済手数料の料率は収益に大きな影響があるため、カード会社や決済代行会社を比較して手数料を抑えることが大切です。
クレジットカード決済を導入するEC業者のメリット
支払い方法として、クレジットカード払いを選択肢に入れることは、EC業者にとって決済手数料の負担があるのがデメリットに思えます。しかし、クレジットカード決済には様々なメリットがあるため、導入しているEC事業者が多くいます。
顧客数の増加が見込める
ECサイトの顧客数の増加を促せることがクレジットカード決済導入のメリットです。消費者にとっては、クレジットカードは一括払いであれば手数料無料ですぐに決済できる便利な支払い方法だからです。銀行振込では振込手数料がかかり、代金引換では代引き手数料がかかります。コンビニ払いではコンビニまで行って支払いをしなければなりません。顧客にとってクレジットカードはオンラインで簡単に、かつ手数料もかけずに済む便利な決済方法です。
他のECサイトで同じ商品を同じ価格で販売していたときに、代金引換しか対応していないサイトと、クレジットカードに対応しているサイトでは後者が便利なので選ばれるでしょう。使いやすいサイトとしてリピーターになる可能性もあります。その後も購入を続けてくれるロイヤルカスタマーになる可能性もあるでしょう。
また、消費者にとってはクレジットカードは翌月まで現金支出が発生するタイミングを延ばせるという魅力があります。「現金では今すぐに買えなくても、クレジットカード払いなら買える」となり、商品やサービスが売れる可能性もあります。
売上拡大が見込める
ECサイトでクレジットカード決済を導入すると上記の理由から顧客数が増加するので、売上も伸びると予想できます。顧客数が増えれば商品購入の機会も多くなるため、一般的には顧客全体としての購入数が増えて売上が高くなります。
また、高額な商品やサービスでも、クレジットカード払いであれば分割払いやリボ払いを利用して購入することができます。現金が手元にないという理由で購入を諦める利用者が少なくなるでしょう。
代金未回収リスクと入金管理の業務負担が軽減できる
消費者から代金を回収できないトラブルを回避しやすいのはクレジットカード決済を導入するメリットです。EC業者の請求先はカード会社であって、ECサイトで購入した消費者ではないからです。消費者がクレジットカードで支払いをしたあと、EC事業者は商品を提供し、カード会社からは代金を受け取ります。もし消費者がカード会社への支払いを滞納したとしても、EC業者はカード会社から支払いを受けられます。
代金未回収は銀行振込などの直接の請求ではしばしば起こります。入金されないトラブルがあると督促などの管理負担が大きくなるのが問題です。クレジットカード決済を導入すると、入金管理の業務負担を減らせます。
クレジットカード決済を導入する際の注意点
クレジットカード決済を導入する際は、決済手数料以外にもコストがかかります。クレジットカード決済に対応するためにかかる費用は以下の通りです。
費用 | 内容 |
初期費用 | クレジットカード決済サービスの導入にかかる費用 |
月額料金 | 決済金額にかかわらず決済システムの利用に毎月かかる費用 |
決済手数料 | 決済金額に比例してかかる費用 |
トランザクション費用 | 決済金額に比例してかかる費用 決済代行会社でデータ処理をするときに取引回数に比例してかかる手数料 |
その他の費用 | 事務手数料などの個別にかかる費用 |
クレジットカード決済はトランザクション費用に注意が必要です。トランザクション費用は決済代行会社を利用するときにかかります。一回の手数料は数円~数十円程度ですが、販売数が多いと金額が意外と大きくなるコストです。
EC事業者なら初期費用は比較的抑えられます。実店舗の場合にはクレジットカードを読み取る端末の導入も必要ですが、ECサイトであれば必要ありません。
クレジットカード決済を導入すると継続的に費用かかるので、収益予測を立てて利益を出せるように事業を進めましょう。
なお、クレジットカードの決済手数料は、商品やサービスの価格に上乗せすることはクレジットカードの規約違反になるので注意しましょう。クレジットカード払いをした消費者だけ決済手数料として3%の料金を請求するということは認められていません。決済方法によらず、商品代金を一律で3%上げることは問題ありません。
経理業務を楽にするならINVOY
クレジットカード決済システムを導入すると経理業務が複雑になります。消費者からの銀個振込や代金引換などによる取引だけでなく、クレジットカード会社との取引も発生するからです。請求書の発行や決済手数料の支払いなどの経理業務はINVOYを導入すると便利です。請求書の発行や管理を自動化し、請求書への支払いにも対応している便利なシステムです。クラウド型で導入しやすいシステムなのでぜひ検討してみてください。
まとめ
クレジットカード決済を導入するとEC事業者には決済手数料の負担が発生します。しかし、消費者は一括払いやであればクレジットカード払いをしても決済手数料はかかりません。利用者にとって、手間が少なくメリットが多い決済手段なので、クレジットカード決済に対応すれば顧客を増やして売上を伸ばせるでしょう。クレジットカード決済導入後の請求書管理はINVOYがあると便利です。経理業務の負担を軽減するツールなので、クレジットカード決済を始めるときには合わせて導入しましょう。
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