請求書の管理 領収書の収入印紙とは?印紙税額一覧や貼り方、注意点を解説 最終更新日: 2023/06/16   公開日: 2022/04/21

税金や手数料など、国への支払いを目的に発行される証票の収入印紙。収入印紙にかかる金額は領収書等に記載の金額などによって定められているため、収入印紙を貼り付ける際は間違えないように注意する必要があります。本記事では、収入印紙の基本を解説し、収入印紙にかかる金額や収入印紙が必要なシーンと購入場所、注意点について解説します。

収入印紙とは何か?

収入印紙とは国に対する税金や手数料等の支払いを目的に発行される証票のことです。収入印紙と収入証紙を同じものとして捉えている人も時々見受けられますが、この二つは異なるものなので注意しましょう。収入印紙は国に対して支払いを行うのに対し、収入証紙は地方公共団体に対して支払いを行います。

収入印紙は印紙税法に基づく課税文書の作成時に必要となります。課税文章は請負に関する契約書や運送に関する契約書など20種類あります。

収入印紙が必要な課税文書の例

ビジネスシーンで使うことの多い代表的な課税文書の例として、以下が挙げられます。

・売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書

・請負に関する契約書

・約束手形

・為替手形

・預金通帳

・貯金通帳

・定款

なお、ここで挙げた「売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書」とは、領収証・レシート・受取証などを指します。

参照:印紙税額|国税庁

どんな時に収入印紙が必要か?

必要な時

収入印紙が必要なのは以下の場合です。

・印紙税法上の課税事項を証する目的で作成された、課税事項が記載された文書(課税文書。受取書、証書、契約書などが該当)
・一定の非課税文書に該当しないこと(下記「不要な時」参照)

不要な時

収入印紙が不要な場合として、以下のような例があります。

・電子契約で締結した場合
・印紙税の課税事項を証する目的以外の目的で作成された文書
・課税事項が記載されていない文書
・記載された受取金額が5万円未満の領収書
・営業に関しない領収書
・債務がある事業者同士が取引を行い、代金を相殺した場合の領収書(相殺部分は非課税となるため)
・準委任契約の契約書
・契約期間が3ヶ月未満かつ更新の定めがない動産売買契約書
・契約金額が1万円未満の金銭消費貸借、請負、不動産売買等の契約書

収入印紙にかかる金額は?

領収書に貼る場合

商品やサービスなどの取引金額について証明する領収書では収入印紙が必要となります。ただし、5万円未満の領収書は非課税扱いになるので収入印紙は必要ありません。また、営業に関しない領収書は金額を問わず非課税です。

領収書の受取金額収入印紙の金額
5万円未満不要
5万円以上~100万円以下200円分の収入印紙
100万円以上~200万円以下400円分の収入印紙
200万円以上~300万円以下600円分の収入印紙
300万円以上~500万円以下1,000円分の収入印紙
500万円以上~1,000万円以下2,000円分の収入印紙

収入印紙が必要かどうか確認する方法

貼り付けを行う収入印紙の金額や規定は細かく決まっています。収入印紙を貼り間違えた場合、必要以上の税金を余分に納めることになります。また不足している場合や貼り忘れた場合は過怠税として本来納付すべきだった金額の3倍の金額が発生することもあるので注意しましょう。

収入印紙が必要なのか、どの区分に該当する収入印紙が必要なのか知りたい人は、国税庁の公式サイトで確認してみてください。

印紙税の手引|国税庁

収入印紙の額面の種類と組み合わせ

収入印紙には以下の31種類があります。

・1円、2円、5円

・10円、20円、30円、40円、50円、60円、80円

・100円、120円、200円、300円、400円、500円、600円

・1,000円、2,000円、3,000円、4,000円、5,000円、6,000円、8,000円

・1万円、2万円、3万円、4万円、5万円、6万円

・10万円

基本的には指定された金額の収入印紙を貼り付けますが、2枚以上の収入印紙を組み合わせて使うことも可能です。

参照:収入印紙の形式改正について|国税庁

収入印紙の購入場所

郵便局・法務局・役所

郵便局・法務局・役所では収入印紙の取り扱いも多く、全ての収入印紙を基本的に扱っています。

ただし、小規模な郵便局で高額な収入印紙を複数枚購入する場合は在庫が足りないこともあるので、事前に確認することをおすすめします。

▼コラム▼
収入印紙を郵便局で購入する方法とは?郵便局以外の購入場所や用途についても解説

コンビニエンスストア

コンビニエンスストアで扱っている収入印紙は200円のものに限定されることがほとんどです。200円以下の収入印紙や高額な収入印紙の取り扱いは基本的に行われていません。

個人経営のコンビニエンスストアの場合、収入印紙の取り扱いは店主の判断によります。一切の取り扱いをしていないコンビニエンスストアも中にはあるので、事前に確認しておくことをおすすめします。

金券ショップ

収入印紙を少しでもお得に購入したい人には金券ショップの利用がおすすめです。金券ショップでは額面よりも割安で購入可能です。

金券ショップで収入印紙を購入した場合、消費税の課税や仕訳時の勘定科目が変わるため間違えないように気をつけましょう。

収入印紙の還付方法は?

収入印紙を間違って貼り付けてしまった際は、以下の条件に該当する場合に限り、還付を受けられる可能性があります。

・規定の金額よりも高額の収入印紙を貼付した時

・課税文書ではない文書に収入印紙を貼付した時

・課税文書に収入印紙を貼付したが、使う見込みがなくなった時

これらの条件に該当する際は、税務署に「印紙税過誤納確認申請(兼充当請求)書」を送付することで還付の申請ができます。誤って貼り付けてしまった文書も忘れずに同封しましょう。

文書を作成した日から5年を経過したものについては、還付金の請求権が消滅するため、申請することができない点に注意しましょう。また、登録免許税や特許手数料の納付のために収入印紙を使用した場合には、印紙税法における還付の対象にはなりません。

参照:No.7130 誤って納付した印紙税の還付|国税庁

収入印紙の貼り方

収入印紙の貼り方に決まりはありません。貼り付け場所の指定がないため、好きな場所に貼っても良いでしょう。ただし、複数枚貼る場合は注意が必要です。収入印紙は上下又は左右に並べて貼ることが一般的です。あちらこちらに散らばるような貼り方は控え、一箇所にまとめて貼り付けるようにしましょう。

収入印紙を貼り付けた後は、署名か押印を収入印紙の彩紋と領収書に半分ほどかかるように行います(消印)。

収入印紙を貼る際の注意点

収入印紙を貼る際の注意点は以下の通りです。

・分かりやすく消印する
・通常の方法では取り去れない方法で消印を行う

上記を満たすものは印鑑かボールペンになります。印鑑を使う場合、会社名又は担当者の氏名が分かればゴム印でも問題ありません。ボールペンを使う場合は、消せるボールペンは用いず、会社名や商号、あるいは担当者の氏名を自筆してください。なお、課税文書の印鑑 / 署名と同一の印鑑 / 署名でなくても問題ありません。

収入印紙を貼り間違えた場合、消印前かつ収入印紙が破れていない場合に限り、国税庁で新しいものと交換してもらえます。

もし収入印紙を貼らなかったらどうなるのか

収入印紙が必要であるにもかかわらず、貼り付けを怠った場合には納めなければならない税金を納めていないという扱いになります。

収入印紙の有無によって書類や領収書が無効になることはありません。しかし、収入印紙を貼り付けなかった場合、税金を納めていないことになるので過怠税が課されることになります。

領収書を受け取った側にペナルティはある?

印紙税は文書を発行する側に支払い義務が発生するものであるため、収入印紙を貼り付けていない領収書を受け取っても、受け取った側にペナルティが発生することはありません。通常通り経理業務を行いましょう。

領収書の収入印紙の交換方法

誤った金額の収入印紙を購入してしまった場合や、間違って収入印紙を貼り付けてしまった場合には、一定の条件に基づいて郵便局で交換してもらえます。なお、交換する際は収入印紙1枚につき5円の手数料が発生します。

参照:収入印紙の交換制度|国税庁

交換可能な収入印紙と交換する例

以下の条件に該当する収入印紙に関しては、郵便局で他の金額の収入印紙と交換可能です。

・未使用の収入印紙

・明らかに課税文書ではない文書に貼り付けた収入印紙

どこにも貼り付けていない収入印紙のほか、白い紙や封筒・登記申請書・パスポート引換券などに貼り付けてしまった収入印紙は、交換の対象となります。

郵便局に2,000円の収入印紙を持参すると、5円の手数料を支払うことで、200円の収入印紙10枚と交換してもらうことが可能です。反対に、200円の収入印紙10枚を2,000円の収入印紙に変えてもらうときは、50円の手数料が発生します。

交換ができない収入印紙

前項の条件に該当する場合であっても、以下の条件に当てはまれば、交換はできません。

・汚損、き損されているもの
・租税や国の歳入金の納付に用いられた疑いがあるもの
・一度文書に貼り付けられ、その後切り取られたもの

「汚損、き損されているもの」の項目の中には、すでに消印されているものも含まれています。

「租税や国の歳入金の納付に用いられた疑いがあるもの」に関しては、税務署に対して文書を提示し、税務署長から収入印紙が納付のために用いられていないという確認を受けられた場合には、郵便局で交換可能です。

収入印紙は電子化するのがおすすめ

領収書を電子データとして発行してPDFなどで送付する際は、実際に文書を発行したことにならないため、収入印紙は不要です。

書類はデータで発行してメールやメッセージで送れば、郵送や紙、保管場所にかかるコストを削減できるメリットもあります。会社のルールなどにもよりますが、可能であれば領収書を電子化することが望ましいでしょう。なお、その場合も紙に印刷してしまうと課税対象となるため注意しましょう。

経理業務を簡単にするならINVOY

前項で解説した通り、領収書をデータとして発行することには収入印紙などにかかるコストを削減できるメリットがあります。また、電子的に書類を発行・保存することに関する法律である「電子帳簿保存法」の動向を鑑みても、今後も電子的に事務処理を行う流れは加速していくものと考えられます。

弊社のサービスである「INVOY」は、領収書や請求書など経理業務に関する書類をシステム上で発行・管理できるシステムです。他にも、経理や経営に関するさまざま機能を提供しています。

INVOYはほとんどの機能を無料で使えますので、この機会にぜひ利用をご検討ください。

▼無料会員登録はコチラ

まとめ

収入印紙は国への税金や手数料等の支払い時に発行される証票です。商品やサービスの金額などによって必要となる収入印紙は異なりますので、間違えないように貼り付けなければなりません。

収入印紙は郵便局や役所、コンビニエンスストアなど身近な場所で購入できます。ただし、購入場所やタイミングによっては希望している収入印紙の取り扱いがないこともあるので注意しましょう。

この記事の投稿者:

shimohigoshiyuta

関連記事