個人事業主でもビジネスカードを持てる?メリット・デメリット、選び方のポイントを紹介 最終更新日: 2024/03/22   公開日: 2024/03/22

仕事に個人用のカードを利用している方がいるかもしれません。しかし、専用のビジネスカードを持つことには多くの利点があります。この記事では、個人事業主のビジネスカードの取得について解説し、ビジネスカードの利用上のメリットや留意点、そしてカードを選択する際の重要なポイントについて説明します。

個人事業主でもビジネスカードの発行は可能か

ビジネスカードは法人カードの一種であり、中小企業や個人事業主を対象としているため、法人だけでなく、個人事業主でもビジネスカードを利用できます。個人事業主が事業目的で使用するためのカードとして、支払口座は個人口座(屋号名義含む)に設定できます。

法人向けのカードは、「ビジネスカード」、「コーポレートカード」の2つに区分されます。機能はほぼ同じですが、ビジネスカードは中小企業、個人事業主を対象としているのに対して、コーポレートカードは大企業向けです。

ビジネスカードを持つと、事業に役立つ付帯サービスや特典が充実しているため、個人事業主でも検討する価値があります。

関連リンク:コーポレートカード(法人カード)とは?ビジネスカードや個人カードとの違いを紹介

個人事業主がビジネスカード利用するメリット

メリットは主に以下の5つです。ビジネスカードの導入を検討されているのであれば、参考にしてください。

・経費の管理が容易になる
・付帯サービスや優待特典が充実している
・事業支出・プライベート支出の区別ができる
・利用限度額が大きい
・急な支出に対応できる

それぞれのメリットを見ていきましょう。

メリット1. 経費の管理が容易になる

カードの利用では、毎月利用明細が発行されます。明細書にはいつ、何の支払いに、いくら使ったかが明確に記載されています。支払いをカード決済にまとめると、支出内容が一覧で確認できるため、経費の計上漏れなどのリスクを回避できるでしょう。ビジネスカードの明細は事業に関連する支払いのみが記録されるので、経費の管理がしすくなることは大きなメリットです。利用明細データを会計ソフトに取り込むと、会計処理が自動化され、さらに業務効率が向上します。

メリット2.付帯サービスや優待特典が充実している

提供されているサービスや特典の充実度もメリットの1つです。たとえば、業務相談に対応するコンサルティングサービス、接待に利用できるレストラン、そして仕事に便利なコワーキングスペースなどのサービスが付いていることがあります。さらに、国内や海外旅行の際には、損害保険付きのビジネスカードを利用することで、出張中に病気やケガに見舞われた際のトラブルにも対応できるので、非常に便利です。

メリット3.事業支出・プライベート支出の区別ができる

ビジネスカードでは、事業支出とプライベート支出を明確に区別することが可能です。個人のカードを仕事関連の支払いに使用すると、仕訳作業や経費の管理などに手間がかかります。個人カードとビジネスカードを使い分ければ、細かい経費でも明確に分けることができるようになり、後で明細を確認したときに、事業かプライベートなのかで迷うことがありません。

メリット4.利用限度額が大きい

ビジネスカードやコーポレートカードなどの法人カードは、利用限度額が高く設定されています。事業にかかる費用は、個人的な支出よりも通常大きな金額となることが多く、個人カードを使用すると利用限度額を超える可能性があります。その場合、銀行振り込みなどの他の支払い方法が必要になるかもしれません。そのため、日頃カード決済をどの程度利用するのか考慮する必要があります。その上で、高い利用限度額を持つ法人カードを使用すれば、個人カードでは扱えないような金額でもスムーズに支払いができます。

メリット5.急な支出に対応できる

ビジネスでは、資金不足や突発的なトラブルに直面し、現金不足に陥るリスクもあります。しかし、カード払いなら、即時に現金で支払う必要はないため、慌てなくて済みます。当座の現金がなくても、カードで支払いを行うと、実際の支払いは1ヵ月後となるため、余裕を持って対処することが可能です。

個人事業主がビジネスカードを利用するデメリット

個人事業主がビジネスカードを使用する際には、デメリットも確認しておきましょう。
カードの発行時や利用するときだけではなく、記帳時にも注意すべきことがあります。
以下が主な注意点です。

・年会費が必要
・リボ払いや分割払いに対応していないカードがある
・確定申告と記帳の際に注意が必要
・審査に通りにくい場合がある

それぞれのデメリットについてくわしく解説します。

デメリット1. 年会費が必要

個人カードは年会費無料のものが多いですが、ビジネスカードの利用には、通常年会費がかかります。年会費は一般的に、サービスや特典の充実度に応じて設定されていますので、高額な年会費はときに負担となる可能性があるかもしれません。法人カードの年会費は経費として計上できますが、年会費の金額と付帯されるサービス・特典をよく比較して、「支払いが無理なくできる金額か」「コストに見合うサービスか」などをしっかり見極めましょう。

デメリット2.リボ払いや分割払いに対応していない場合も

ビジネスカードは通常、一括払いが主流であり、リボ払いや分割払いには対応していないことがあります。このため、支払い方法が制限されることが不便とされる場合があります。また、一般的な個人カードに備わっているキャッシング機能も、ビジネスカードではほとんど利用できません。ただし、一部のカードでは一括払い以外の支払い方法を選択できる場合もあります。一括払いだけでは心配な場合は、カードを取得する前に支払い方法を事前に確認することをおすすめします。

デメリット3.確定申告と記帳の際に注意が必要

確定申告や帳簿の管理方法において注意する点があります。たとえば、個人事業主が個人カードを事業の支払いに利用すると、それは事業に個人の資金を投入したことになるため、「事業主借」という仕訳が必要です。逆に、ビジネスカードで私的な支払いを行った場合は、事業の資金を私的な目的に使ったことになりますので、「事業主貸」での記帳が必要になります。つまり、使用するカードの種類によって、記帳のタイミングや仕訳の勘定科目が異なることを理解しておきましょう。

デメリット4.審査に通りにくい場合がある

個人事業主がビジネスカードを入手する際、審査が厳しく、通過が難しいことがあります。法人カードの審査基準は、個人カードよりも厳しいと言われていますが、これは代表者個人の信用情報だけでなく、事業の実績や財務状況も考慮されるためです。実績が浅いか、事業規模が小さい場合、審査に通過しにくい可能性がありますので、注意が必要です。スムーズにカードを取得するためには、「個人事業主向け」と明示されたビジネスカードを選択することが賢明です。

ただし、最近では、事業の実績を証明する書類を提出せず、代表者の本人確認書類のみで申し込めるカードも増えています。そのため、個人事業主で事業を始めたばかりだからといって、諦める必要はありません。

個人事業主がビジネスカードを選ぶ際の5つのチェックポイント

ビジネスカードの取得を検討されている個人事業主の中には、「プライベートで普段からカードをよく使っていて、事業の支払いにも個人カードを利用している」という人もいるかもしれません。自分に適したビジネスカードを手に入れるためには、個人カードとは異なる以下のようなポイントをおさえて、カードを選んでみましょう。

・個人事業主も対象
・利用限度額
・ポイント還元率
・年会費と特典とのバランス
・トラベルサービス
各ポイントについて見ていきましょう。

ポイント①個人事業主も対象になっているか

ビジネスカードを検討する際、個人事業主が最も注目すべきポイントは、法人だけでなく自身もカードの対象に含まれるかどうかです。特に、新規に事業をスタートさせたばかりの個人事業主にとって、ビジネスカードの審査通過は非常に重要です。審査では、事業の実績や財務状況が考慮されるため、経歴が浅い場合は審査に合格しにくいことがあります。しかし、個人事業主向けと明示されたビジネスカードは、個人の信用情報が良好であれば、経歴が浅くても審査に通りやすいとされています。

ポイント②利用限度額はどのくらいか

ビジネスカードを選ぶ際に、2番目に重要なポイントは利用限度額の大きさです。利用限度額を超えると一時的にカードの利用が停止され、経費の支払いが難しくなるリスクがあります。高額な支出が必要な場合や月ごとの利用額が変動する場合は、特に十分な利用可能額があるカードを選ぶことが重要です。ビジネスカードには一般やゴールドなどのランクがあり、一般的にランクが上がると利用限度額も増加する傾向があります。

ポイント③ポイント還元率は高いか

法人カードの通常のポイント還元率は0.5%ですが、できるだけポイント還元率が高いカードを選ぶのがコツです。カード会社はさまざまなサービスを提供しており、たまったポイントは支払いに使うだけでなく、他の商品と交換することもできます。特に、ポイントを航空マイルに交換できるなら、出張時の航空券購入や座席のアップグレードに利用できるでしょう。特定の店舗で使用するとポイントが5倍になるなどのサービスが充実しているか、カードを選ぶ際に確認するとよいでしょう。

ポイント④年会費と特典とのバランスはどうか

法人カードには、多くの場合、年会費がかかります。そこでチェックしておきたいポイントが、年会費と提供される特典・サービスのバランスです。通常、カードの年会費が高いほど、付帯特典やサービスの内容が充実してきます。ただし、特典やサービスがいくら魅力的であっても、自分にとって必要のないものであれば意味がありません。したがって、年会費と提供されるサービスをよく見極めて、コストパフォーマンスを考えて選択することが重要です。

ポイント⑤トラベルサービスが付いているか

個人事業主がビジネスカードを検討する際、特に出張が頻繁な場合は、トラベルサービスの充実度も重要なポイントです。たとえば、出張時によく空港を利用するなら、空港ラウンジサービスや旅行傷害保険の有無が重要です。また、出張先でのトラブルに備えるため、旅行傷害保険については、補償範囲や保険金額も確認しておきましょう。

ビジネスカードの申し込みについて

ビジネスカードと個人カードの申し込みは、必要書類や審査基準が異なります。さらに、カード会社によっても要件が異なることがあります。以下では、一般的な場合の必要書類と審査基準について説明します。

ビジネスカードの申し込み時に準備が必要な書類

ビジネスカードの申し込みに際して一般的に必要な書類は、カードの申込書と本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証など)です。
一部のカード会社では、さらに確定申告書などの補完資料の提出が必要な場合もあります。

ビジネスカードの審査内容とは

ビジネスカードの審査では、事業主の信用情報だけでなく、個人事業の営業年数や業績、財務状況などが総合的に評価されます。審査基準は明確には公開されていませんが、一般的にはビジネスの実績が少ないほど、審査通過が難しくなるとされています。また、カードのステータスが高いゴールドカードやプラチナカードなどでは、審査のハードルも高くなる傾向があります。

INVOYカード払いのメリット

INVOYは、請求書の発行から受取り、支払いまでを効率的に行うことができるプラットフォームです。受け取った請求書はすぐにデータ化され、カード払いも可能なため、支払いを忘れる心配もありません。高額な事業間の支払いをカード決済することでポイントも獲得でき、出張や福利厚生に活用できます。また、カード払いのサービスを利用することで、期限が迫っている請求書でも取引先に期日内に支払うことができ、さらに支払いをカードの引き落とし日まで延ばせることがポイントです。引き落としは最大60日後になります。スマートフォンにも対応し、外出先でも経理業務や確認が可能です。ぜひ、この機会にINVOYカード払いをご検討ください。

▼お問い合わせはこちらから

まとめ

個人カードと別に事業用のビジネスカードを持つと、事業の支払いと個人の支払いを明確に区別できるため、経費を把握しやすくなります。特に、経費管理に課題を感じている場合は、ビジネスカードの利用で手間が軽減されるでしょう。法人用のカードを申し込む際は、審査の段階で会社の状況だけでなく、経営者自身の信用情報も考慮されます。そのため、審査基準は個人用のカードよりもハードルが高いでしょう。しかし、開業から間もない個人事業主であっても、ビジネスカードの審査を通過する可能性はあります。まずは自身のニーズに合ったカードを検討し、準備を整えて申し込んでみましょう。

この記事の投稿者:

shimohigoshiyuta

関連記事