請求書の書き方 請求書の正しい書き方・作り方は?記載事項と注意点を解説! 2020/06/17

請求書は、売上につながる重要な書類のため、取引先とトラブルが起きないよう書き方や作り方には十分注意をしなければなりません。

今回は、請求書の書き方や作成時の注意点についてまとめました。

1.請求書とは

請求書とは、取引先に対して商品やサービスの代金を請求する際に発行する文書です。報酬を受け取るために必要な書類であるのはもちろんのこと、相手との間に取引があったことを証明する役割も持っています。
請求書は、書き方について法的に定められた決まりはありません。また、手書きも可能ですが、Excelや請求書発行用ソフトを使った電子作成が一般的となります。

2.請求書を送るときに必要なもの

請求書を送付する際には、主に下記が必要になります。

・テンプレート
・送付状(挨拶状、添え状、カバーレター)
・封筒

テンプレートの必要項目を埋めることで、適切な請求書を作成することができます。自分好みに一からフォーマットを作成することもできますが、手間が掛かるので、既存テンプレートを使用すると効率的です。
ExcelテンプレートやWordテンプレートなど、Webで簡単にダウンロードすることができ、豊富なデザインの中から、使いやすいテンプレートを選びましょう。

請求書を郵送する場合は、封筒と送付状を用意しておきましょう。

封筒は、「長形3号(120mm × 235mm)」又は「角形2号(240㎜×332㎜)」を使用し、請求書が封入されている旨が記載されていると良いでしょう。
また、送付状は「挨拶状、添え状、カバーレター」などと呼ばれることもあり、必ずしも必要な書類ではありませんが、書類の内容をお知らせするために添えるのが一般的です。請求書に同封する送付状には、宛名、送付日、発行者名などを記載します。併せて、挨拶や感謝の言葉を添えて送付するとより丁寧でしょう。

3.請求書の記載事項【5つの必須項目】

請求書作成の際は、記載すべき項目がはっきりと定められているわけではありません。しかし、軽減税率制度に対応した請求書でないと仕入税額控除の適用が受けられません。
軽減税率制度には2019年10月から2023年9月まで対象の『区分記載請求書等保存方式』と2023年10月から対象の『適格請求書等保存方式(インボイス制度)』の2種類がありますが、ここでは2023年9月まで対象の『区分記載請求書等保存方式』の請求書に記載すべき5つの必須項目についてまとめました。

3.1 ①交付を受ける者の氏名又は名称

請求書を交付する先の事業者名(会社名や屋号など)、部署名、担当者名などを記載します。法人や部署を宛名にする場合には「御中」、個人を宛名にする場合には「様」とします。なお、依頼者と異なる宛名を指定される場合もあるため、事前に確認しておく必要があります。

3.2 ②発行者の氏名又は名称

請求書を発行した人の氏名又は法人の名称名を記載する必要があります。また、発行者名に社判や上長の印鑑を押す場合もあります。印鑑は必須ではないためシャチハタなどを用いても問題ありませんが、押印する場合には氏名や名称にややかぶるようにすると偽造が難しくなるため良いとされています。

3.3 ③取引年月日

取引年月日には、本来は請求書を発行した日ではなく、資産の引渡しや役務の提供が完了した日等を書く必要があるとされています。しかし、慣習的に「請求書発行日」「請求日」等という項目に請求を行った日を記載することをもって、取引年月日とされていることも多いです。。また、課税期間の範囲内で一定の期間内に行った取引につき、まとめて請求書を作成する場合には、当該一定の期間の記載で代えることができます。

3.4 ④取引内容

取引内容として、品目(商品名・サービス名)、単価、数量、合計の4項目を記載します。このとき、取引先から取引内容の書き方について指定がある場合があります。税務処理に影響する場合があるので、誤認されたり偽りの記載にならない範囲で、必ず指定通りに記載しましょう。
なお、軽減対象資産の譲渡等である場合には、その旨を記載する必要があります。実務上は、軽減税率対象の欄をもうけ、対象品目に「※」や「☆」等の記号を記載することが多いです。

3.5 ⑤請求金額

請求金額を記載する際は、税率(10%、8%)ごとの税込金額を記載する必要があります。それぞれの税率ごとの税込金額と消費税の金額、それらの合計金額とを記載すると分かりやすいでしょう。また、前月請求金額、入金額、当月請求金額、合計請求金額を分けて記載すると、入金の流れを一目で把握することができます。
金額表記についての決まりはありませんが、3桁ごとにカンマ区切りを入れると読みやすくなり、請求額が大きい場合のミスを減らすことができます。単位は「円」と「¥」の両方が用いられ、円の場合には金額の後ろに「也」と書き添えるのが一般的です。

なお、上記の他にも、振込先情報(銀行名、支店名、口座種別、口座番号、口座名義)、支払期限、請求日、請求書番号、振込手数料の負担等を記載するのが一般的であるため抜け漏れがないよう注意しましょう。

4.請求書を書く時のポイント

請求書のサイズはA4サイズが一般的です。ビジネスにおける正式な書類はA4サイズがほとんどですので、A4サイズの請求書は取引先にとって扱いやすいといえます。

取引完了後、請求書はできる限り早めに発行するようにしてください。請求書の受領が遅れると、取引先は支払いができず困惑してしまうでしょう。また、双方にとって取引に関する記憶が薄れてしまい、取引内容や金額について認識の食い違いが生じやすくなります。

前述の記載事項をを正しく、かつ分かりやすいように請求書に記入してください。近年、請求書を手書きよりもパソコンで作成することが増えていますが、印刷して送付する場合には押印を忘れないようにしましょう。

また、請求書を作成する際は、どのようにすれば管理しやすいか考えて作成することをおすすめします。例えば、請求書に通し番号を付けておくことで、請求書が扱いやすくなるだけでなく、紛失防止の効果もあります。

5.請求書を書くのは何のため?

請求書を発行する主な目的は、支払い忘れの防止や、発注者と受注者の金額に関する認識のズレ防止にあります。

取引における請求書の発行は法的に定められているわけではありません。しかし、軽減税率制度に対応した内容でないと仕入税額控除の適用が受けられません。また、電話や対面での口約束でも取引は成立しますが、口約束の場合は双方で金額や支払い方法等の食い違いが起こるケースも少なくないといえるでしょう。

ビジネスシーンでは請求書の発行は慣例の一つです。少々手間と感じたとしても、Excelなどで作成しておくことをおすすめします。請求書を発行することで支払い忘れを防止できますし、未払いが生じた場合であっても、請求書を発行しておくことで回収できる確率が多少高くなると言えます。

6.請求書を書く時の注意点

請求書を書く上では、5つの注意点があります。
これから初めて請求書を発行しようと考えている方だけでなく、これまで請求書を発行していた方も今一度注意しましょう。

6.1消費税の書き方に注意

請求書を作成する際には、消費税の書き方に気をつけましょう。
はじめに、金額が内税(消費税込)と外税(消費税別)のどちらで記載されているのかを明確に記載するようにしましょう。一般的には税抜きで単価を記載することが多く、消費税は小計の後に記します。
また、軽減税率の記載には十分に注意が必要です。消費増税によってほとんどの商品の税率が10%になりましたが、飲食料品や新聞をはじめとした一部の商品は8%に据え置かれています。それぞれの商品に対する税率が明確に分かるように記載すると、トラブルが起こりにくくなるといえます。
また、一部の取引については消費税が課されません。このような取引は不課税取引、免税取引、非課税取引などと呼ばれます。具体例として、会社への出資や寄付は不課税取引、商品の輸出や外国企業へのサービス提供は免税取引、有価証券、金券、社会保険医療等の取引は非課税取引とされます。請求書を作成する際には、これらの取引が含まれているかどうかを必ず確認しましょう。

6.2源泉徴収が必要か確認

源泉徴収とは、所得を支払うときに支払う側が所得税を回収する制度のことです。個人事業主が請求書を発行する際には、請求する報酬や料金によっては源泉所得税を記載しなければいけません。所得税法第204条では「源泉徴収が必要な報酬・料金等の範囲」が定められており、以下が対象となります。

(1)原稿料や講演料など
(2)弁護士、公認会計士、司法書士等の特定の資格を持つ人などに支払う報酬・料金
(3)社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬
(4)プロスポーツ選手、モデルや外交員などに支払う報酬・料金
(5)映画やテレビ等の出演料、芸能プロダクションを営む個人に支払う報酬・料金
(6)バーやキャバレーなどに勤めるホステス等に支払う報酬・料金
(7)プロ野球選手の契約金など、役務の提供を約することにより一時に支払う契約金
(8)広告宣伝のための賞金や馬主に支払う競馬の賞金

これらの支払を行う際に、支払対象と支払金額に応じて定められる源泉徴収税率を、支払金額に乗じた金額が、源泉徴収額となります。なお、割合を乗じる支払金額は、請求書に税込金額しか記載されていない場合は税込金額、報酬額と消費税額とが区別して記載されているときは税抜金額とされています。
源泉徴収の対象であるにもかかわらず記載漏れがあると、後々修正作業を行うことになります。また、源泉徴収がなされず税務調査などで指摘を受けた場合には、取引先が責任を負うことになります。大事な取引先に迷惑をかけないためにも、源泉徴収の記載に関しては十分に注意しましょう。

6.3振込手数料の負担に関する記載をする

振込手数料は、支払者による負担が一般的ではありますが、振込手数料をどちらが支払うかについては、明確な決まりはありません。しかし、民法484条、485条における「持参債務の原則」に基づき、合意がない場合には支払者側が手数料を負担するのが原則となっております。
とはいえ、実際には振込手数料を差し引いた金額が振り込まれるということもあり、慣習となっている業界もあります。
小さなことでトラブルを避けるためにも、振込手数料の負担について漏れなく記載しましょう。請求書を受け取る側に負担してもらう場合には、「手数料はご負担願います」のような一言を心掛けることが重要です。また、必要があれば事前に取引先と話し合い、振込手数料の負担について確認しておくと良いでしょう。

6.4封筒のサイズにも注意

請求書を送付する場合には、封筒のサイズに注意しましょう。
「長形3号(120mm × 235mm)」又は「角形2号(240㎜×332㎜)」の使用が一般的といえます。A4サイズの書類を入れる場合、長3であれば3つ折りにして入れます。角2であれば、書類を折らずにそのまま入れることができます。

封筒には、通常通りに宛名を記載したうえで「請求書在中」と青色又は黒色で記載し、四角い枠で囲って目立つようにしておきます。なお、赤色は支払いを急かしているかのような印象を与える、「赤字」を連想させるなどの理由から避けるべきとされています。
記載する場所は、縦書きの場合は表面の左下、横書きの場合は表面の右下です。

6.5印紙は原則不要

原則として印紙を貼る必要はありません。ただし、契約書や領収書を同封する場合や請求書が領収書を兼ねるという場合には、金額等によっては印紙を貼る必要があります。
これは、印紙税法で定められている「課税文書」にあたるとみなされるためです。
たとえ名称が請求書でも、内容が課税事実を証明するものであれば課税文書となるので注意しましょう。
なお、額面が大きいと1枚の印紙では足りない場合がありますので、2枚以上の印紙を貼って調整しましょう。
例えば、印紙税の金額が15万円の場合は、10万円の印紙1枚と5万円の印紙1枚を貼りましょう。割印はそれぞれの印紙に押しても複数にまたがるように押しても問題ありません。

7.請求書の支払期限は?

個人で仕事を請け負う個人事業主やフリーランスの中には、請求書の支払期限について悩む方も多いのではないでしょうか。請求書における支払期限とは、請求書に記されている金額を支払ってもらう期限のことです。

個人事業主が請求書を発行するにあたっては、締め日と支払期限が重要項目となります。締め日は一定期間の業務期間を一区切りとして金額を請求する際の区切りとなる日のことです。例えば、締め日が20日の場合、毎月21日から翌月20日までに納品した商品の金額を請求書に記入します。一方、支払期限は、取引先が請求書記載の金額を支払う日のことです。例えば、締め日が毎月20日、支払期限が翌月月末の場合は、翌月の月末までに取引先から支払いがあります。

また、支払期限が土日祝日などの休日に当たる場合は、休日の前後が支払期限になることが多いです(特に指定されていない場合は、民法142条を適用して、休日の後の営業日となることが多いです)。

8.請求書の作成方法

請求書は様々な方法で作成することができますが、ここでは3つの作成方法についてご紹介します。

8.1請求書発行サービス

請求書発行サービスとは、取引先情報や金額などをシステムに入力するだけで簡単に請求書を作成・発行・送付できるサービスのことです。各サービスによって機能が異なりますが、中には郵送代行まで含まれているサービスもあります。
手書きで請求書を作成する場合やセキュリティ上オフィスのPCで作成をする必要がある場合など、場所や形式に囚われず請求書を発行・送付できることがメリットの一つです。また、発行の履歴が残るため、請求書発行と別に発送一覧リストなどを作成する必要はありません。

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8.2 Excel・Word

請求書をはじめとした書類の作成に、ExcelやWordを利用する企業は非常に多いといえます。特にExcelは1つのファイル内に複数のシートを作成できるため、様々な書類や資料で利用されています。ただし、ExcelやWordは環境が異なるとレイアウトが崩れてしまうことや、担当者にスキルが求められる点も問題になり得るといえるでしょう。

8.3手書き

市販の請求書を購入して手書きで作成するという方法もあります。ノーカーボンタイプであれば手が汚れる心配もなく、きれいな請求書を発行できます。しかし、手書きで作成に時間がかかり、大量に請求書を発行する必要がある場合には、市販の請求書は不向きだといえます。

9.請求書に関するよくある質問

Q. 個人事業主が請求書において注意しなければならないことは?

A. 個人事業主として働いている人は請求書の取引年月日と入金額に注意してください。

継続的に取引を行っている場合、毎月1回の支払い日が設けられていることが一般的です。取引年月日には請求書の発行日ではなく、実際に取引を行った日を記載するようにしてください。

Q. 請求書に記載した金額と入金された金額に足りないときはどうすれば良いの?

A. 商品又はサービスの金額から振込手数料や源泉徴収税額を引いた金額が振り込まれている可能性があります。

振込手数料や源泉徴収税額を振り込まれた金額に足してみると、金額が一致することも多いです。振込手数料や源泉徴収税額を考慮しても金額が合わない場合は、取引先に相談してみてください。

Q. 請求書に記載した支払期限になっても振り込まれない時に取るべき行動は?

A. 取引先に振込が確認できていない旨を伝えましょう。

取引先が振込を忘れている、請求書を紛失した、自動送金を設定していたが口座に入金し忘れたなどの理由が考えられます。また、経営が困難になり支払えなくなったという可能性もあります。

これらの理由以外にも、請求書に記入した振込先情報にミスがあったため、正しく振込がなされていないというケースも考えられます。

支払期限を過ぎても振込が確認できない場合は、取引先に振込が確認できていないと伝えましょう。取引先から事情を説明する返事があるはずです。

まとめ

ビジネスにおける取引では請求書の作成・発行は慣習となっています。請求書を発行することで、支払いに関するトラブルを回避できる他、トラブルになってしまった際にも問題を解決しやすくなります。

請求書は売上を回収し、管理するための重要な書類です。請求書を作成する際はミスなく作成することはもちろんのこと、支払いについて不明点がある場合は請求書を作成する段階で先方に確認するようにしましょう。

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