パーチェシングカードとは?クレジットカードやコーポレートカードとの違いも解説 最終更新日: 2024/04/25   公開日: 2024/04/25

パーチェシングカード

パーチェシングカードとは

パーチェシングカードとは、企業間の取引において利用される購買専用のカードです。購買の支払いに使用されるため、「購入」という意味の「purchasing」から、パーチェシングカードと呼ばれます。

通常、支払い業務は経理部が各部門の経費をまとめて取引先に支払いますが、部門や取引先が多い場合、経費をとりまとめる作業だけでも相当な時間と手間が必要です。しかし、パーチェシングカードは部門や取引先ごとに分散していた支払いをカード会社が一元化してくれるため、経理業務の大幅な削減が可能です。

パーチェシングカードの仕組み

パーチェシングカードの主な特徴は、複数のサプライヤーへの支払業務をひとまとめにして管理できることです。通常、各サプライヤーへの支払いは請求書ごとに個別に行われ、複数の口座に支払いを行います。しかし、各部署が個別に支払いを処理する必要があり、手続きが煩雑になり、さらに支払い口座や期日がサプライヤーによって異なるため、経費精算の効率が低下します。

一方、パーチェシングカードを使うと、サプライヤーの請求をカード会社にまとめて処理してもらえるため、支払業務を大幅に簡略化できます。また、購入費用はカード会社に一括で支払うだけになり、支払い口座や期日の管理も容易になります。なお、年会費は一部のカードでは無料ですが、カードによって異なるため、カード会社に問い合わせください。

パーチェシングカードを導入するメリット

メリット

パーチェシングカードの導入によって期待できる主なメリットは、以下の通りです。

  • 請求の一本化による業務効率の向上
  • 担当者が変わっても登録変更が不要
  • 高額経費にも対応可能
  • ガバナンス・セキュリティ強化

それぞれ詳しく説明します。

請求を1本化できるから業務効率が図れる

バーチェシングカードの大きな利点は、複数の請求をひとつにまとめて、経理業務をスムーズにできることです。通常、口座や支払日がサプライヤーごとに違うため、経理業務に時間と手間がかかり、さらに手続きが複雑でミスが発生しやすく、トラブルの原因にもなります。

パーチェシングカードを導入すると、サプライヤーからの請求を部門や取引先ごとにカード発行会社がまとめて処理してくれるため、支払い先を一本化することが可能です。請求書ごとの振込手数料の削減もできます。

担当変更による登録変更が必要ない

法人や部署名義でも発行可能なパーチェシングカードは、担当者が変更になっても登録変更手続きは不要です。

社内の業務で担当者が定期的に変わるケースは少なくありません。そのため、法人や部署名義で発行可能なパーチェシングカードが利用できれば、担当者の交代に伴う手続きを省くことができます。また、一部のカード会社では、経費の費目別にカードを発行できます。

高額経費にも対応できる

法人名義のカードと言えば、法人カードが一般的によく知られています。ただし、法人カードには利用限度額があり、一定の上限が設定されており、同様にコーポレートカードも通常は利用限度額が決められています。

一方、パーチェシングカードは、これらのカードと比較して、利用限度額の設定が柔軟であり、高額経費の支払いにも対応できる点がメリットです。

ガバナンス・セキュリティ強化につながる

パーチェシングカードの利用により、現金管理の手間が軽減され、支払いはキャッシュレス化されます。カードでの支払いにより、経費が明確化され、従業員による不正利用も防止できるでしょう。

一方、個人のクレジットカードを経費の立て替えに使うと、支払金額に応じたポイントが得られる場合がありますが、これらのポイントは企業が従業員に与えることになります。しかし、パーチェシングカードを使えば支払いが一元化されるため、企業が従業員に直接利益を与えるようなケースは起こりません。

また、不要な経費の支払いを防ぐためにもパーチェシングカードは有用です。法人カードは通常、追加カードの発行により従業員が自由に利用できますが、これは従業員の私的な利用リスクを負います。しかし、このカードは特定の取引先にのみ限定できるため、従業員による私的な利用リスクを減らし、企業内での体制強化やセキュリティの向上が期待できます。

パーチェシングカードの導入デメリット

パーチェシングカード導入によるデメリットも指摘されています。

以下が主な点です。

  • 利用機会の制限
  • 特典やポイント付与がない

それぞれについて説明します。

利用機会の制限がある

パーチェシングカードの利用は、先述したように、特定の用途や店舗に限定されているため、非対面以外では使用できません。実店舗などでの急な支出には使えない点はデメリットと言えるでしょう。しかし、利用先が限定されることで自由度は低いですが、悪用のリスクが大幅に低減され、使途以外の費用に不正に使用される可能性がかなり減少します。

特典やポイントは付与されない

一般的な法人カードの場合は、独自のポイント制度を採用しており、利用額に応じてポイントが付与されます。さらに、一部のカードには、空港ラウンジの無料利用、提携店舗での優待、コンシェルジュサービスといった特典も提供されています。

対照的に、パーチェシングカードにはこのようなポイント制度や特典がほとんど見られません。主に業務経費の管理を効率化することを目的としたカードと見なすことができます。

パーチェシングカードとクレジットカードの違い

クレジットカードには、個人向けカードと法人カードの2種類があります。それぞれのカードとの違いを確認しましょう。

個人名義のクレジットカードは、店舗での買い物やオンラインショッピング、携帯電話の料金支払い、公共料金など、さまざまな場面で利用することができます。支払い方法は、1回払いに加えて、分割払いやリボ払いなども選択でき、支払額を調整することが可能です。

法人カードは、ビジネスカードやコーポレートカードという名称でも知られています。ビジネスカードは主に中小企業や個人事業主向けであり、コーポレートカードは大企業に適した法人カードです。発行できる企業の規模には差がありますが、両方のカードの用途は同じです。

パーチェシングカードは特定の経費にのみ使用できる点がこのカードの大きな特徴であり、他の法人カードとの違いです。また、パーチェシングカードは企業名もしくは部署名で発行され、法人の支払いに利用されるため、通常、利用限度額は個人のクレジットカードよりも大きく設定されています。支払い方法は一般的に1回払いのみであり、ビジネス利用を前提としているため、さまざまなビジネスシーンに適した優待サービスが利用できます。

パーチェシングカードとコーポレートカードの違い

コーポレートカードとの違いは、主に以下の3つです。

1. 用途の違い

コーポレートカードは、通常、交際費や出張費など経費全般の決済に使用されるカードです。対して、パーチェシングカードは特定の固定費など、用途が特化されています。その点がコーポレートカードとの大きな違いと言えるでしょう。具体的には、仕入れや資材の購入費用、WEB広告費、光熱費、オフィス賃料などに使用されます。

2.カード名義の違い

法人カードやコーポレートカードは、原則、法人名義で作成されますが、パーチェシングカードでは部署や経費項目ごとに名義を分けることができます。たとえば、宣伝広告費と通信費の名義を別にしてパーチェシングカードを作ることで、経費の精算作業を簡略化し、経費ごとの費用を容易に把握できます。

3. カードレスにも対応

コーポレートカードは、一般的にプラスチック製のカードですが、一部のカード会社を除いて、パーチェシングカードはカードレスであることが特徴の一つです。そのため、カードを紛失したり、盗難されたりするリスクがなく、万が一の場合でも再発行や利用停止などの手続きは必要ありません。

パーチェシングカードは、上記の特徴から考えると、以下のような企業に適していると考えられます。

  • 社員数の多い企業
  • 経理業務を効率化したい社員数の少ない企業
  • 購買経費などの決済額が大きい、支払い先の多い企業
  • 部署や支社が多く経費管理が煩雑な企業

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まとめ

パーチェシングカードは、企業同士の取引において使用される専用の購買カードです。サプライヤーの請求書を一括してカード会社が処理してくれるため、支払い手続きが大幅に簡素化されます。また、担当者の変更に伴う登録の変更は不要であり、高額の経費にも対応できることなどがメリットです。法人向けのカードですが、他の法人カードとは異なり、特定の経費に限定して利用することができます。特に社員数が多い企業や経理業務を効率化したい企業にはおすすめです。

この記事の投稿者:

hasegawa

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