領収書の基礎知識

領収書とレシートの違いとは?代わりにできる?証明力や経費精算での注意点を解説

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領収書とレシートは、どちらもお金を受け取ったことを証明するものですが、記載項目などに違いがあります。本記事では、領収書とレシートの違いや、受領・発行する際の注意点などについてわかりやすく解説します。

領収書とレシートの違いとは

領収書もレシートも、日付や店名、合計金額などが記載されます。それに加え、領収書には宛名(購入した人の名前や会社名・屋号)の記載があります。レシートは購入した商品の品目名や、その単価まで記載しますが、基本的に宛名はありません。領収書とレシートの違いは、これらの記載内容にあると言えます。

また、お店で買い物をした際、レシートは何も言わなくてももらえますが、領収書は「領収書をください」と声をかけないともらえないことが多いという違いがあります。

しかし、領収書もレシートも、お金を受け取ったことの証明であることに変わりはありません。経理上の処理はどちらでも問題なく行えます。

レシートでも経費精算は可能?

領収書やレシートには以下の項目を記載することが求められます。

・書類作成者の氏名または名称
・取引年月日
・取引内容
・対価の金額
・書類の交付を受ける事業者の氏名または名称(宛名)

レシートには宛名がないため、上記の条件を満たしていません。しかし、以下の業種に関しては、宛名を省略できると定められています。

・小売業
・飲食店業
・タクシー業
・駐車場業
・その他、これらの準ずる事業で不特定多数に資産の譲渡等を行うもの

コンビニや文具店、タクシーなど、日常的に利用するサービスの多くは、上記のいずれかに当てはまります。つまり、レシートを受け取るような一般的な買い物のほとんどは、レシートでも経費精算が可能と言えます。

参照:No.6625 請求書等の記載事項や発行のしかた|国税庁
   No.6497 仕入税額控除のために保存する帳簿及び請求書等の記載事項|国税庁

領収書とレシートが同時発行されない理由

お店などで買い物した際、領収書とレシートの2枚を受け取ることはありません。その理由について見ていきましょう。

経費を多く受け取れる可能性がある

会社に勤める人に対して領収書とレシートの2枚を発行すると、1回の買い物で2回の経費精算を行い、経費を過剰に受け取る行為に利用される恐れがあります。

経費を不正に計上できる可能性がある

経理担当者が経費を二重に計上することは、費用を増やして利益を減らすことに繋がります。税額を不正に減らそうとする行為であり、税務調査で指摘される恐れがあります。

【税務上の考え方】領収書とレシートの信頼性

「レシートよりも領収書の方が信頼性が高そう」というイメージを持つ方も多くいます。しかし、領収書は品目名を「お品代」などと省略したり、宛先を「上様」と記載したりするため、本当に業務に必要な買い物であったのか、確認しにくくなってしまう可能性があります。

また、手書きで書かれた領収書は書き足すなどの不正ができるため、税務調査の際に目をつけられやすい傾向にあります。中には、領収書を不正に作成または修正・加筆していないか、筆跡をチェックされるケースもあるほどです。

それに対し、レシートは基本的に購入した品目名が詳細に記載されています。レジから印字されたものであるため、改ざんの可能性も低いでしょう。

そのため、税務調査で疑われにくいという点で、領収書よりもレシートの方が信頼性が高いと言えます。

領収書を発行する際の注意点

領収書はお金を受け取ったことを表す大切な書類であるため、発行時は宛名や品目名を正しく記載することが求められます。前述した5つの項目を忘れずに記載しましょう。

領収書に必要な項目が記載されていなかったり、不審な点があったりすれば、取引先の経理処理に関わります。スムーズに処理ができないだけではなく、税務調査の際に指摘されてしまう可能性もあるでしょう。取引先との信頼関係を維持するためにも、領収書を正しく発行することを心がけましょう。

また、本記事でも解説した通り、領収書とレシートを同時に発行することはできません。誤って両方渡してしまわないように注意しましょう。

お買い上げ票や納品書も領収書の代わりにできるのか

取引を行う上で、お買い上げ票や納品書などが発行されることがあります。これらの書類には、納品する商品の品目・数量・納品する日付・宛名などの情報が記載されることが一般的です。領収書と同じような情報が記載されているため、領収書の代わりとして使えないかと考える方もいるでしょう。

しかし、納品書では本当にお金の受け渡しがあったのかという点を証明することはできません。先に納品して、後で支払うケースも考えられるためです。納品書と領収書は別々で発行するようにしましょう。

領収書がない場合は、納品書とそれに対応する請求書や支払証明書を発行・受領することが求められます。なお、納品する時点ですでにお金の受け渡しがあった場合には「納品書兼領収書」を発行して、1枚で済ませることもあります。

会社が経費精算で領収書を重視する理由

これまで解説してきた通り、信憑性の観点から、税務調査では領収書よりもレシートの方が好まれることがあります。しかし、会社のルールとして、レシートではなく領収書を受領して提出するように定められているケースもあるでしょう。

税務調査では、飲食店のレシートが多いと「本当に事業に必要な会食なのか?」と疑われる可能性があります。どんな会食であったのか質問されたり、調査官から飲食店に問い合わせたりと、税務調査がスムーズに進まない原因となることもあります。

そのような疑いをかけられないよう、宛名のある領収書を発行するルールも定めている会社も多く存在します。

領収書やレシートの保存期間

領収書は決算に関連する重要な書類であり、その保存期間は法的に定められています。法人の場合、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から原則7年間保存しなくてはいけません。発行日から7年間ではないことに注意が必要です。

決算書や総勘定元帳、契約書などの帳簿・書類も同じく7年間の保存義務があるため、一緒に保管するといいでしょう。

個人事業主の場合は、青色申告を行う事業者は7年、白色申告を行う事業者は5年と定められています。なお、青色申告でも前々年度の所得が300万円以下の場合は、5年で構いません。どちらの場合も法人と同様に、発行日ではなく確定申告書の提出期限の翌日から7年間であることに注意しましょう。

参照:No.5930 帳簿書類等の保存期間|国税庁
   記帳や帳簿等保存・青色申告|国税庁

電子データの場合の領収書の保存期間

2022年1月に改正された電子帳簿保存法では、一定の要件に基づいて書類をスキャナ保存した場合、原本の書類を即時破棄することを認めています。スキャンしたデータに関しては、前項で解説した期間と同じだけ保存することが必要です。定められた年数の間、費用や品質の面で継続して利用できる共有フォルダなどを使うといいでしょう。

また、メールやメッセージで領収書を受け取った場合も同様です。紙の書類と同じ期間保管しましょう。

参照:電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】(問3)

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まとめ

領収書とレシートは同じ目的を持った書類であるため、その違いを気にすることが少ないという方もいるでしょう。しかし、中には領収書の方がいい場面や、レシートの方がいい場面もあります。状況や会社のルールなどに応じて対応することで、経理業務や税務調査がスムーズに進むようにしましょう。

対応が不十分であれば、税務調査の際に指摘を受けたり、取引先に迷惑をかけてしまったりする可能性があります。現行の法制度を確認し、正しく対応することを心がけましょう。

この記事の投稿者:

shimohigoshiyuta

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