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NISAに確定申告は必要か?必要性の判断の仕方や確定申告する際のポイントを解説

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nisa 確定申告

株の売買などで得た利益には税金がかかりますが、NISAは非課税となるため、基本的に確定申告は必要ありません。本記事ではNISAの仕組みや確定申告が必要になるケース、申告する際のポイントなどについて解説します。

NISAの確定申告は原則不要

通常、上場企業の株に投資して利益が出ると、その利益に対して20.315%の税金が課税されます。株の投資を行う上では「特定口座(源泉徴収あり・なし)」と「一般口座」がありますが、源泉徴収ありの特定口座を選択することで、税金が差し引かれた状態で利益が振り込まれます。

例えば、源泉徴収ありの特定口座で100万円の株を購入し、その後株価の上昇によってその価値が120万円になったとしましょう。株を売却して現金化する際は、120万円から税金として4万円程度が差し引かれた状態で入金されます。したがって、20万円あった利益が、手元に残るのは約16万円になるということです。

しかし、NISAは投資で生じた利益にかかる税金を非課税にする制度であるため、NISA口座で運用した場合には20万円がそのまま利益として残ります。

参照:株式・配当・利子と税

NISA制度は運用益が非課税のため確定申告が不要

NISA制度は運用益が非課税のため確定申告が不要

NISAの大きなメリットは、投資で生じた利益が非課税になること、及び投資による確定申告が不要になることです。

そもそも確定申告とは、1月1日から12月31日までの1年間で生じた所得を、翌年の3月15日までに申告・納税する制度です。所得税は1年間の所得のうち、課税対象となる所得金額に税率を乗じるなどして計算します。年の途中では年間の所得が確定していないため、翌年になってから所得を確定させ、その過不足を精算する役割があります。

例えば、投資によって確定申告を行うのは、以下のようなケースです。

・一般口座や源泉徴収なしの特定口座を選択して、利益が出た場合
・口座間で損益通算(利益と損失を相殺すること)を行う場合

それに対しNISAは運用益が非課税であるため、投資で得た所得の税金を気にすることがなく、確定申告によって精算する必要はありません。

NISAで確定申告が必要になるケース

NISAでは基本的に確定申告は不要ですが、次に該当するケースでは確定申告を行います。

分配金の受け取り方式が「株式数比例配分方式」以外のケース

「株式数比例配分方式」とは、株の配当金やETF・REITの分配金といった投資家へ払い戻されるお金が、証券口座の取引口座に振り込まれる方法のことです。NISAでこの方法を選択すると税金はかかりません。

それ以外に分配金などを受け取る方法として事前に指定しておいた金融機関の口座に振り込まれる「登録配当金受領口座方式」や、配当金の領収書を金融機関の窓口に持参することで受け取る「配当金領収証方式」があります。この方法を選択すると、NISA口座の取引であってもETFの分配金などが課税対象となり、通常通り20.315%の税率によって計算した金額が源泉徴収されます。

配当金領収証方式を選択した場合には必ずしも確定申告が必要というわけではありませんが、以下のいずれかに該当するケースでは確定申告を行います。

・総合課税によって配当控除の適用を受ける場合
・申告分離課税で譲渡損失の損益通算及び繰越控除をする場合

手続きの負担を減らしたいのであれば、配当金や分配金を非課税にするために、株式数比例配分方式を選択することが望ましいでしょう。

非課税期間が終了した後に課税口座へ払い出すケース

旧NISAでは、通常のNISAは5年、つみたてNISAは20年の非課税期間が設けられています。非課税期間が終了した後も購入した株や投資信託を引き続き運用したい場合は、期間が満了してから、課税口座である特定口座・一般口座に自動的に払い出されます。

この場合は、課税口座に移管した日の株価が取得価格になり、その後に利益が発生すれば、通常通りの税金が発生するため、確定申告を行う可能性があります。

課税口座に移管されるのが嫌という場合は、非課税期間が満了する前に売却することもできます。しかし、その時点で株価が下落していたり、長期間保有している投資家向けの優待が欲しかったりなど、売却したくないという事情があるケースもあるでしょう。

なお、2024年から始まった新NISAでは5年や20年といった非課税期間が定められていないため、課税講座に払い出されることはありません。

NISAで確定申告する際のポイント

NISAで確定申告する際のポイント

NISAで確定申告する際に押さえておきたいポイントを2点紹介します。

確定申告で損失を損益通算できない

損益通算とは、一定期間内に発生した利益や損失を相殺することです。例えば、1つの口座で利益が出たものの、もう1つの口座で損失が出ていた場合は、相殺することで課税対象となる利益を減らすことが可能です。

しかし、NISA口座で生じた所得は非課税であり、その利益や損失は損益通算の対象とはみなされない点に注意が必要です。

NISAでの利益が扶養控除や配偶者控除に影響しない

扶養控除や配偶者控除は、納税者と生計を一にしているなどの条件に該当する親族がいる場合に使える制度です。課税対象となる所得から規定の金額を差し引くことで、所得税の納税額を抑えられます。

これらの控除を利用するためには、納税者と生計を一にしている親族の年間の収入(年間合計所得額)を、規定の金額よりも下に抑える必要があります。株の売買によって利益が生じた場合は収入が増えて、控除の条件から外れてしまうこともあるでしょう。

しかし、NISA口座で得た利益は非課税であるため、年間合計所得額には含まれず、利益が生じたからといって扶養控除や配偶者控除に影響することはありません。

NISAで確定申告する場合の流れ

NISAで確定申告する場合の流れ

確定申告の具体的なやり方を流れに沿って紹介します。

必要な書類を準備する

まずは以下の書類を準備します。

・確定申告書
・収入がわかるもの(給与所得の源泉徴収票など)
・年間取引の明細
・マイナンバーカード
・適用する控除がある場合、その控除証明書

確定申告書は国税庁のホームページでダウンロードできるほか、直接税務署に行ってもらってくることもできます。投資で生じた利益のために確定申告をする場合は、第一表・第二表・第三表(分離課税用)を使います。

その他、勤務先から受け取る源泉徴収票や、証券会社のホームページからダウンロードできる取引報告書などを手元に用意します。医療費控除や社会保険料控除といった各種控除を適用する場合、その控除証明書も用意しておきましょう。

確定申告書を作成する

確定申告書の作成は、主に以下のいずれかの方法によって作成します。

・手書きで記入する
・確定申告書等作成コーナーを使う
・確定申告に対応した会計ソフトを使う
・税理士へ依頼する

確定申告書等作成コーナーは国税庁が提供するシステムで、ホームページの指示に従って金額などを入力することで確定申告を作成できます。作成した確定申告書は印刷するほか、e-Taxで送信することも可能です。

また、確定申告を行う時間がない方や、確実に書類を作成したい場合などには、税理士に依頼する方法もあります。

参照:確定申告書等作成コーナー

確定申告書を提出する

確定申告書が作成できたら、主に以下のいずれかの方法で提出します。

・e-Taxで送信する
・税務署の窓口に持参する
・税務署に郵送する

e-Taxは、確定申告書の提出はもちろん、税金に関するさまざまな申請をオンラインで行えるシステムです。初めて利用する際は登録が必要であるため、時間に余裕を持って行いましょう。

税務署に直接持参する場合、窓口の担当者が記入漏れなどがないか簡単にチェックしてくれます。確定申告の時期は混み合いますが、確定申告が初めての方や、疑問点があるという方は利用を検討してみてもいいでしょう。

所得税の納付または還付の手続きを行う

所得税の納付がある方は、申告の期限と同じく3月15日までに納付を行います。納付書を使って税務署や金融機関・コンビニで納付したり、インターネットバンキングなどを利用したりするなど、さまざまな方法の中から選んで納税できます。

還付がある方は、確定申告書に振込先となる口座番号を記入した上で提出します。還付の処理が終わると3週間〜1ヶ月半程度で指定した口座に還付金が振り込まれます。

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まとめ

NISAを使った投資で生じた利益は非課税となるため、基本的に確定申告が不要です。特に、2024年から始まった新NISAは非課税保有期間が無期限であるため、より税金を気にせず投資を行える環境が整いました。

ただし、分配金の受け取りで「株式数比例配分方式」以外の方法を選択するなどのケースでは、確定申告が必要になることがある点を押さえておきましょう。

この記事の投稿者:

nakashima

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