領収書の基礎知識

領収書をスキャンしてデータ化!原本は破棄しても大丈夫なの?

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領収書 スキャン

「領収書をスキャンしてデータ化したいけれど、原本を破棄しても大丈夫なのかな…」と悩む方も多いでしょう。デジタル化が進む中で、紙の領収書をどのように扱うべきか、疑問に思うことはありませんか。


この記事では、領収書をスキャンしてデータ化することのメリットや、原本を破棄する際のリスクについて詳しく解説します。法律や税務上の注意点を抑えることで、安心してデジタル管理を進めることができるでしょう。
デジタル化の波に乗り、効率的な書類管理を実現するために、ぜひこの記事を参考にしてください。


この記事では、領収書のデジタル化を考えている方に向けて、

  • デジタル化のメリット
  • 原本破棄のリスク
  • 法律と税務上の注意点

上記について解説しています。
領収書の管理に不安を感じている方もいるでしょう。この記事を読むことで、安心してデジタル化を進めるための知識が得られますので、ぜひ参考にしてください。

領収書スキャンの基本とその重要性

電子帳簿保存法に適したスキャナの選び方

電子帳簿保存法に基づくスキャナ選びは、適切な機能と性能を備えた機器を選定することが鍵となります。

まず、「領収書」をスキャンする際の解像度についてです。法律で定められた基準を満たすことが必要であり、一般的には200dpi以上の解像度が推奨されています。この解像度は、領収書に記載された文字や数字を鮮明に読み取るために必要です。解像度が不十分だと、デジタルデータとしての信頼性が低下し、後々の確認作業に支障をきたす可能性があります。したがって、200dpi以上に対応したスキャナを選ぶことで、安心してスキャン作業を進めることができます。

次に、「カラー設定」について考えます。電子帳簿保存法では、赤色、緑色及び青色の階調がそれぞれ24ビットカラーで読み取りとの要件があります。そのため、モノクロしか対応していないスキャナを選んでしまうと、電子帳簿保存法違反になります。したがって、カラーでのスキャンが可能なスキャナを選ぶことが必要です。

さらに、スキャナの「サイズ調整」や「傾き補正」機能も考慮に入れるべきです。これらの機能は、スキャン作業を効率化し、デジタルデータの品質を向上させます。自動サイズ調整機能は、異なるサイズの領収書をスキャンする際に便利であり、傾き補正機能はスキャンした画像がまっすぐになるように調整します。これにより、スキャン後の手動修正の手間を省くことができます。

最後に、OCR(Optical Character Recognition)機能の搭載も重要です。OCR機能は、スキャンした領収書のデータをテキスト化し、デジタルデータとしての検索性を高めます。これにより、特定の領収書を迅速に検索することが可能になり、業務の効率化に大いに役立ちます。OCR機能を備えたスキャナを選ぶことで、スキャンしたデータを最大限に活用することができます。

以上のポイントを考慮して、電子帳簿保存法に適したスキャナを選ぶことが、効率的かつ法令遵守のデジタル化を実現するための第一歩となります。

参考リンク:国税庁「電子帳簿保存法-はじめませんか、書類のスキャナ保存」

領収書スキャンの具体的な手順

領収書をスキャンするプロセスは、デジタル化によって管理を効率化し、紙の保管スペースを削減するために非常に有効です。以下にその具体的な手順を詳しく説明します。

まず、スキャナを準備します。スキャナにはフラットベッドタイプやフィードタイプがありますが、領収書のサイズや状態に応じて選択してください。フラットベッドスキャナは、領収書がしわになっている場合でも正確にスキャンできます。領収書をスキャナのガラス面に配置する際は、文字がはっきりと映るように「適切に配置」しましょう。これにより、後のデータ処理がスムーズになります。

次に、スキャナのソフトウェアを起動します。電子帳簿保存法では、200dpi以上の解像度で読み取ることがルールとなっています。設定が完了したら、スキャンボタンを押してデジタルデータを作成します。スキャンしたデータは、すぐに確認して必要に応じて再スキャンしてください。

スキャンが完了したら、デジタルデータを「適切なフォルダ」に保存します。

電子帳簿保存法では、スキャナデータについて、次の要件による検索ができるようにすることが義務づけられています。

① 取引年⽉日その他の日付、取引金額及び取引先での検索
② 日付又は金額に係る記録項目について範囲を指定しての検索
③ 2以上の任意の記録項目を組み合わせての検索

※ 税務職員による質問検査権に基づくスキャナデータのダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合には、②及び③の要件は不要

さらに重要なのは、保存したデータの「バックアップ」を取ることです。クラウドサービスを利用すれば、パソコンの故障やデータの紛失リスクを大幅に軽減できます。DropboxやGoogle Driveなどのクラウドストレージを活用することで、どこからでもデータにアクセス可能になります。

最後に、スキャンした領収書の原本は法的に一定期間保管する必要があります。法人は、事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間(例外的に10年間)保存しなければなりません。また、領収書を適切にファイリングすることで、税務調査や監査の際にも迅速に対応できます。

領収書のスキャンとその後の管理は、効率的なビジネス運営に欠かせません。デジタル化によって情報管理が容易になり、業務の透明性を高めることができます。

参考リンク:国税庁「No.5930 帳簿書類等の保存期間」

サイズの注意点

サイズ設定については、領収書の元のサイズに合わせたスキャンを心がけることが重要です。A4サイズのスキャナを使用する場合でも、領収書が小さい場合は、スキャン後に適切にトリミングすることで、データの無駄を省くことができます。

また、スキャンしたデータの解像度も重要です。通常、300dpi程度が推奨されており、これにより、詳細な情報を保持しつつ、ファイルサイズを抑えることができます。

これらの設定を適切に行うことで、後々の検索や確認作業をスムーズに進めることが可能となります。

スキャン後の領収書の保管要件

スキャンした領収書の保管は、企業や個人事業主にとって重要な業務の一部です。電子帳簿保存法に基づく保管要件を理解し、適切に管理することが求められます。スキャンした領収書が法的に有効であるためには、「真正性」「可読性」「保存性」を確保する必要があります。

まず、真正性について説明します。真正性は、スキャンした領収書が改ざんされていないことを証明するための要件です。具体的には、タイムスタンプの付与や電子署名の活用が推奨されます。これにより、領収書がスキャンされた時点から変更されていないことを確認できます。タイムスタンプはデータの作成日時を記録し、電子署名はデータの作成者を証明します。これらの技術を使用することで、領収書の信頼性を高めることができます。

次に、可読性について考えます。可読性とは、スキャンしたデータがいつでも明瞭に閲覧できる状態にあることを指します。スキャンの解像度やファイル形式を適切に選択することが重要です。高解像度でスキャンすることで、細かい文字や数字も明瞭に表示され、必要な情報を正確に把握できます。また、PDFやTIFFなどの一般的に使用されるファイル形式を選ぶことで、さまざまなデバイスで容易に閲覧が可能です。

保存性も重要な要素です。保存性とは、スキャンしたデータが長期間にわたって安全に保存されることを意味します。データのバックアップを定期的に行い、災害やシステム障害に備えることが必要です。クラウドストレージを活用することで、物理的な損失リスクを軽減できます。さらに、データの暗号化やアクセス制限を設定することで、情報の漏洩を防ぎます。

保存期間についても触れておきます。スキャンした領収書は、原則として7年間保存することが求められます(個人事業主で白色申告の場合は5年)。この期間中は、データに容易にアクセスできる状態を保つことが重要です。適切なファイル名やフォルダ構成を設定し、必要なときに迅速にデータを検索できるようにしておくと便利です。

これらの要件を全て満たすことで、スキャンした領収書は紙の領収書と同等の法的効力を持つことが可能となります。企業や個人事業主は、これらのポイントを押さえて、日々の業務においてスキャンした領収書の管理を適切に行うことが重要です。

参考リンク:国税庁「個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について」

スキャンした領収書の原本は保管が必要か?

スキャンした領収書の原本は保管が必要か?

領収書の原本は破棄して良いのか?

日本において、領収書をスキャンした後に「原本」を破棄することは、特定の条件を満たす場合に許可されています。
これは、電子帳簿保存法に基づくもので、スキャンした領収書データが適切に保存されていることが前提です。

まず、スキャンデータは一定の要件を満たす必要があります。具体的には、解像度が十分であること、保存形式が適切であることが求められます。これにより、電子データが紙の領収書と同等の証拠能力を持つことが保証されます。たとえば、解像度が低すぎると、文字や数字が不明瞭になり、証拠としての価値が損なわれる可能性があります。そのため、スキャン時には高解像度での保存が推奨されます。

さらに、スキャンした領収書データは、税務調査の際に必要な情報を迅速かつ確実に提供できるように、バックアップを取っておくことが重要です。データの消失や破損を防ぐためには、クラウドストレージや外部ハードディスクなどを利用して、定期的にバックアップを行うことが推奨されます。

また、セキュリティ対策も欠かせません。データが不正アクセスやウイルス感染から守られるよう、ファイアウォールやウイルス対策ソフトの導入が必要です。適切な手続きを踏むことで、紙の領収書をデジタル化することが可能になり、事務作業の効率化が図れます。

これにより、物理的な保管スペースの削減や、検索の迅速化が実現します。企業にとって、こうしたデジタル化は業務効率を向上させるだけでなく、環境負荷の軽減にも寄与します。領収書のスキャンと適切なデータ管理を通じて、よりスマートなビジネス運営を目指しましょう。

請求書発行時の法的義務と税務上の考慮点

請求書を発行する際には、法的義務と税務上の考慮が重要です。
まず、請求書には発行日、取引内容、金額、消費税額などの記載が求められます。

これらの情報は、取引の透明性を確保するために欠かせません。また、請求書の控えを「スキャン」してデジタル保存することも、電子帳簿保存法に準じた対応として推奨されています。

税務上の観点からは、消費税の適切な申告と納付が求められ、領収書や請求書の正確な管理が必要です。

特に、インボイス制度の導入により、適格請求書の発行が義務化されるため、これに対応したシステムの導入も検討すべきでしょう。正確な請求書発行と管理は、企業の信頼性を高める重要な要素となります。

領収書スキャン時の注意事項

領収書スキャン時の注意事項

改正後の保存要件の適用と承認取り止めの必要性

改正後の電子帳簿保存法では、領収書のスキャン保存が可能となり、紙の領収書を物理的に保管する必要が大幅に軽減されました。

しかし、これには「適切なスキャナの選定」と「保存要件の遵守」が重要です。スキャンした領収書は、解像度やカラー設定など、法令で定められた基準を満たす必要があり、適切に管理されなければなりません。

また、承認取り止めの必要性が生じる場合もあります。これは、保存要件を満たさない場合や、データの改ざんリスクがあると判断された場合です。こうした状況を避けるためには、システムの定期的な見直しと、適切なセキュリティ対策が不可欠です。

特に、税務調査時に問題が発生しないよう、事前に専門家の助言を受けることが推奨されます。

データ改ざんのリスクと重加算税の影響

データ改ざんは、企業にとって重大なリスクを伴います。

特に「領収書」をスキャンして電子データとして保存する際、改ざんの可能性があるため、細心の注意が必要です。データの信頼性が損なわれると、税務調査で問題が発覚し、「重加算税」が課されるリスクが高まります。

重加算税は、故意に税金を少なく申告した場合に課される追加の税金で、通常の税額に加えて35%から40%のペナルティが科されます。このため、領収書のスキャンデータは、改ざん防止のために適切な管理体制を整えることが重要です。

具体的には、スキャン時のタイムスタンプやアクセス権限の制限などを導入し、データの真正性を確保することが求められます。こうした対策を講じることで、企業はデータ改ざんのリスクを最小限に抑え、税務上のトラブルを未然に防ぐことができます。

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この記事の投稿者:

hasegawa

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