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源泉徴収票の見方から使い方まで解説!よくある質問とは?

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源泉徴収票 見方

年末調整の後、会社から何気なく手渡される一枚の書類、「給与所得の源泉徴収票」。数字がずらりと並び、専門用語が多くて、つい内容を確認せずファイルにしまい込んでいませんか。もしそうなら、あなたは大きな機会を逃しているかもしれません。

源泉徴収票は、単なる年収の通知書ではありません。それは、あなたの1年間のお金の流れを解き明かし、税金を最適化し、そして住宅ローンや転職といった人生の重要なイベントを成功に導くための羅針盤なのです。

この記事を読めば、源泉徴収票に記載された数字の一つひとつが、あなたの収入から税金が計算されるまでの壮大な物語を語っていることがわかります。これまで謎だった「控除」の意味を理解し、ご自身の本当の手取り年収を正確に計算できるようになります。

ふるさと納税の限度額計算や確定申告での還付手続きなど、あなたが経済的に得をするための具体的な行動へとつながります。難しそうに感じるかもしれませんが、心配はいりません。この記事では一つひとつの項目を丁寧にかみ砕いて解説します。

読み終える頃には、源泉徴収票はもう得体の知れない書類ではなく、あなたの資産形成を支える最強の武器に変わっているはずです。

目次

源泉徴収票の「4つの柱」:あなたの1年間の収入と税金の物語

源泉徴収票を理解する最初のステップは、全体像をつかむことです。無数の項目がありますが、実はたった4つの重要な金額の流れを追うだけで、その核心を理解できます。これらを「4つの柱」として捉えると、源泉徴収票はあなたの1年間の収入と税金の物語として読み解くことができます。

物語は、会社から支払われた総額から始まり、さまざまな「控除(こうじょ)」という割引を経て、最終的に納める税額が決まるという流れで進みます。控除とは、税金の計算対象となる金額から一定の金額を差し引く制度のことです。

支払金額

物語の出発点となる、あなたの「額面年収」です。1年間に会社から支払われた給与や賞与の合計額がここに記されます。

給与所得控除後の金額

最初の大きな関門です。支払金額から、会社員のための「みなし経費」である給与所得控除が差し引かれた後の金額であり、これが税法上のあなたの「所得」となります。

所得控除の額の合計額

個人の事情を反映する場所です。社会保険料や生命保険料、配偶者や扶養家族の状況など、個人的な事情に応じて税負担を軽くするための控除の合計額が記載されます。

源泉徴収税額

物語の終着点です。すべての控除を終えた後、最終的に計算された1年間の所得税の合計額を示します。

この全体の流れは、まず「支払金額(年収)」から「給与所得控除」が差し引かれ、「給与所得控除後の金額(所得)」が算出されます。次に、そこから「所得控除」が引かれて「課税所得」が確定し、最終的に税率を掛けて「源泉徴収税額(所得税)」が決定されるというプロセスです。

このように、源泉徴収票はランダムな数字の集まりではなく、「総収入」が法的なプロセスを経ていかにして「最終的な納税額」に至ったかを記録した、論理的な文書なのです。この4つの柱の関係性を理解することが、源泉徴…徴収票を完全にマスターするための鍵となります。

【項目別】源泉徴収票の徹底解剖:全項目の見方をマスターする

それでは、源泉徴収票に記載されている各項目を、一つひとつ詳しく見ていきましょう。ここでは、項目を「収入と所得」「所得控除」「最終的な税額」の3つのグループに分けて解説します。

収入と所得をあらわす項目

これらの項目は、あなたの1年間の稼ぎの全体像を示します。

支払金額

「支払金額」は、1月1日から12月31日までの1年間に会社から支払われた給与、賞与、残業代、各種手当などをすべて合計した金額です。一般的に「年収」や「額面年収」と呼ばれるのは、この金額を指します。

重要なポイントは、この金額には非課税の通勤手当(交通費)や出張旅費は含まれていないことです。源泉徴収票は所得税の計算書であるため、課税対象となる収入のみが記載されるからです。

この「支払金額」は、住宅ローンやクレジットカードの申し込み、賃貸契約の際などにあなたの年収を証明する公的な数字として使われる、非常に重要な項目です。

給与所得控除後の金額

「給与所得控除後の金額」は、「支払金額」から「給与所得控除」という名の控除を差し引いた後の金額です。これが税法上の「給与所得」にあたります。

「給与所得控除」とは、会社員に認められた「みなし経費」のようなものです。自営業者が事業に必要な経費を収入から差し引けるように、会社員にも仕事のためのスーツや書籍代などの支出があるという考えから、収入額に応じて一定額を経費として認める制度です。

給与所得控除の金額は収入に応じて自動的に決まり、源泉徴収票には控除額そのものは記載されず、差し引かれた後の結果だけが「給与所得控除後の金額」として記載されます。この控除により、税金がかかる対象の金額が減るため、結果的に税負担が軽くなります。

給与所得控除額は、あなたの支払金額(年収)に応じて以下の表のように計算されます。

給与等の収入金額(支払金額)給与所得控除額(令和2年分以降)
162万5,000円まで55万円
162万5,001円から180万円まで収入金額 × 40% – 10万円
180万1円から360万円まで収入金額 × 30% + 8万円
360万1円から660万円まで収入金額 × 20% + 44万円
660万1円から850万円まで収入金額 × 10% + 110万円
850万1円以上195万円(上限)
出典:国税庁の情報を基に作成

税金を軽くする「所得控除」の内訳

「給与所得控除後の金額」が算出された後、さらに税負担を軽減するのが「所得控除」です。これは、納税者一人ひとりの個人的な事情(家族構成や保険の加入状況など)を税金計算に反映させるための制度です。源泉徴収票には、これらの所得控除の合計額が「所得控除の額の合計額」として記載されます。その内訳を見ていきましょう。

社会保険料等の金額

1年間に支払った健康保険料、厚生年金保険料、介護保険料(40歳以上)、雇用保険料の合計額です。この金額は、支払った全額が所得から控除されます。

また、iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入している場合、その掛金は「小規模企業共済等掛金控除」の対象となり、この社会保険料等の金額に含まれて計上されます。その場合、内訳として上段に掛金額が記載されることがあります。

生命保険料の控除額

生命保険や医療保険、個人年金保険の保険料を支払っている場合に受けられる控除です。この控除は、契約した時期によって「旧制度(2011年12月31日以前の契約)」と「新制度(2012年1月1日以降の契約)」に分かれており、計算方法や上限額が異なります。

新制度では、控除の種類が「一般生命保険料」「介護医療保険料」「個人年金保険料」の3つに分かれ、それぞれ上限4万円、合計で最大12万円の控除が受けられます。

旧制度では、控除の種類が「一般生命保険料」「個人年金保険料」の2つで、それぞれ上限5万円、合計で最大10万円の控除となります。

両方の制度の保険に加入している場合は、それぞれの制度で計算した控除額を合算できますが、その場合でも合計控除額の上限は12万円です。

地震保険料の控除額

地震保険や、一定の長期損害保険の保険料を支払っている場合に受けられる控除です。控除額の上限は5万円です。

配偶者(特別)控除の額

生計を一つにする配偶者がいる場合に受けられる控除です。配偶者の所得額に応じて、「配偶者控除」または「配偶者特別控除」が適用されます。

配偶者控除は、配偶者の年収が一定額以下の場合に適用されます。一方、配偶者特別控除は、配偶者控除の対象とならない場合でも、配偶者の年収が一定の範囲内であれば段階的に控除が受けられる制度です。

2025年からの税制改正に関する重要事項

2025年から、配偶者控除に関する「年収の壁」が変更されます。例えば、配偶者控除が適用される年収の上限(いわゆる「103万円の壁」)が「123万円の壁」に、配偶者特別控除が満額受けられる上限(「150万円の壁」)が「160万円の壁」に引き上げられる見込みです。これは、働き方を調整している配偶者にとって大きな変更点となります。

扶養控除の額

配偶者以外の親族(子供や両親など)を扶養している場合に受けられる控除です。扶養親族の年齢や同居の有無によって控除額が変わります。

  • 一般の扶養親族(16歳以上)は38万円です。
  • 特定扶養親族(19歳以上23歳未満)、例えば大学生の子供などが該当し、63万円が控除されます。
  • 老人扶養親族(70歳以上)は、同居している場合は58万円、別居の場合は48万円です。

なお、16歳未満の扶養親族は、児童手当の対象であるため所得税の扶養控除の対象外ですが、住民税の計算や特定の控除(所得金額調整控除)に関わるため、源泉徴収票にはその人数が記載されます。

基礎控除

基礎控除は、すべての納税者に適用される基本的な控除です。納税者本人の合計所得金額に応じて控除額が変動し、所得が2,400万円以下の場合は48万円が控除されます。

最終的な税額と特例

すべての控除額が決まった後、いよいよ最終的な税額が計算されます。

源泉徴収税額

「源泉徴収税額」は、その年に納めるべき所得税の最終確定額です。この金額は、課税所得金額に所得税率を掛けて控除額を差し引くことで算出されます。

計算された所得税額には、さらに2.1%の復興特別所得税が上乗せされます。毎月の給与から天引きされていた所得税の合計額と、この最終確定額との差額が、年末調整で還付または追加徴収されることになります。

住宅借入金等特別控除の額

住宅ローンを利用してマイホームを購入した場合などに受けられる、非常に強力な控除で、一般的に「住宅ローン控除」として知られています。

ここで理解すべき重要な点は、住宅ローン控除が他の所得控除とは根本的に異なる「税額控除」であるということです。所得控除が税率をかける前の所得金額から差し引くのに対し、税額控除は税率をかけた後の算出された税額から直接差し引くものです。

つまり、税額控控除は税金そのものを直接減らすため、節税効果が非常に大きいのです。源泉徴収票には、年末調整で適用された住宅ローン控除の額が記載されます。控除しきれなかった額がある場合などは、「摘要」欄に詳細が記載されることもあります。

その他:摘要欄と詳細情報

「摘要」欄は、他の欄に書ききれない情報を記載するための自由記述欄です。ここには、5人目以降の扶養親族の氏名や、住宅ローン控除の詳細(居住開始年月日、年末残高等)が記載されることがあります。

また、年の途中で転職した場合の前職の会社の情報(支払金額、源泉徴収税額、社会保険料額など)や、iDeCo(小規模企業共済等掛金)の金額などもこの欄に記載されます。

一方で、ふるさと納税に関する情報は源泉徴収票には一切記載されません。ふるさと納税による控除は、確定申告を行うか、ワンストップ特例制度を利用して翌年の住民税から直接控除されるためです。控除が正しく行われたかは、後述する「住民税決定通知書」で確認します。

源泉徴収票だけではわからない「手取り年収」の計算方法

源泉徴収票だけではわからない「手取り年収」の計算方法

多くの人が最も知りたいであろう「1年間の手取り額(手取り年収)」ですが、この金額は源泉徴収票には記載されていません。なぜなら、手取り額の計算に不可欠な「住民税」の情報が、源泉徴収票には含まれていないからです。

住民税が記載されない理由は、所得税と住民税の仕組みの違いにあります。所得税は、その年(1月から12月)の所得に対して課税され、国に納める税金です。源泉徴収票は、この所得税の計算書です。

一方で、住民税は前年の所得を基に計算され、翌年に市区町村へ納める税金です。つまり、源泉徴収票が作られる時点では、その年の所得に基づく住民税額はまだ確定していないのです。

自分の住民税額は、毎年5月から6月頃に会社経由で配布される「住民税決定通知書」で確認できます。この書類に、その年の6月から翌年5月まで毎月給与から天引きされる住民税の年額が記載されています。

これらの情報を基に、あなたの本当の手取り年収は以下の計算式で算出できます。

手取り年収 = ①支払金額 – ②社会保険料等の金額 – ③源泉徴収税額 – ④年間住民税額

源泉徴収票から①、②、③の金額を、住民税決定通知書から④の金額を当てはめれば、正確な手取り年収がわかります。

シミュレーション:年収500万円の会社員の手取り年収を計算してみよう

具体的なイメージをつかむために、モデルケースで手取り年収を計算してみましょう。

【モデルケース】

  • 年収(支払金額):500万円
  • 年齢:35歳(介護保険料の負担なし)
  • 勤務地:東京都
  • 扶養家族:なし(独身)
  • その他の控除:生命保険料や地震保険料などはないものとする
項目金額計算の根拠・説明
① 支払金額5,000,000円モデルケースの年収。
給与所得控除額1,440,000円500万円 × 20% + 44万円 = 144万円。
給与所得控除後の金額3,560,000円5,000,000円 – 1,440,000円。
② 社会保険料等の金額約710,000円年収500万円の場合の概算値。健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料の合計。
基礎控除480,000円所得2,400万円以下の納税者に適用。
所得控除の額の合計額1,190,000円710,000円(社会保険料) + 480,000円(基礎控除)。
課税所得金額2,370,000円3,560,000円 – 1,190,000円。
③ 源泉徴収税額(所得税)約142,400円(237万円 × 10% – 97,500円) × 1.021(復興特別所得税) ≒ 142,430円。
④ 年間住民税額約242,000円前年の所得が同程度と仮定。(課税所得237万円 × 10% + 均等割5,000円) ≒ 242,000円。
手取り年収(概算)約3,905,600円5,000,000円 – 710,000円 – 142,400円 – 242,000円。

このシミュレーションから、年収500万円の場合、約110万円が税金と社会保険料で差し引かれ、手取りは約390万円になることがわかります。これはあくまで一例ですが、ご自身の源泉徴収票と住民税決定通知書を使えば、誰でも正確な手取り額を把握できます。

源泉徴収票を「使う」:人生の重要イベントで役立つケースとは?

源泉徴収票は、内容を理解するだけでなく、実際に「使う」ことで真価を発揮します。ここでは、人生のさまざまな場面で源泉徴収票がどのように役立つのかを解説します。

転職(年の途中で会社を変わった場合)

年の途中で転職した場合、前職の源泉徴収票を新しい会社に提出する必要があります。なぜなら、年末調整は1年間の所得全体に対して行われるため、新しい会社は前職での収入と納税額を合算して、その年の正しい所得税を計算する必要があるからです。

通常、入社手続きの際や、年末調整の時期(11月から12月頃)に提出を求められます。もし提出しなかった場合、新しい会社では年末調整ができないため、自分で確定申告を行う必要があります。

確定申告(副業・医療費控除・ふるさと納税など)

会社員でも確定申告が必要なケース、または確定申告をした方が得するケースがあります。その際、源泉徴収票は申告書を作成するための必須アイテムです。

確定申告が義務となるのは、給与収入が2,000万円を超える場合や、副業などの所得が年間20万円を超える場合、2か所以上から給与をもらっていて年末調整されなかった給与がある場合などです。

一方、確定申告をすると還付が受けられる可能性があるのは、多額の医療費を支払った場合(医療費控除)、住宅ローン控除を初めて受ける年、ふるさと納税や寄付をした場合(寄附金控除)などです。

確定申告書を作成する際は、源泉徴収票に記載されている「支払金額」や「源泉徴収税額」などの数字を、申告書の対応する欄に転記します。なお、2019年4月以降、確定申告書への源泉徴収票の添付は不要になりましたが、申告内容の根拠となるため、作成時には必ず手元に準備しておく必要があります。

収入証明(住宅ローン・賃貸契約・クレジットカード)

源泉徴収票は、あなたの年収を公的に証明する最も信頼性の高い書類の一つです。そのため、住宅ローンや自動車ローンを組むとき、賃貸物件の入居審査、クレジットカードの申し込み(特にキャッシング枠を希望する場合)などで提出を求められます。

他にも、子供の保育園の入園申し込みや、配偶者の扶養に入る手続きなど、さまざまな場面で必要となります。これらの手続きでは、源泉徴収票の「支払金額」があなたの公式な年収として扱われます。

ふるさと納税(控除上限額の計算)

ふるさと納税は、自己負担2,000円で応援したい自治体に寄付ができ、返礼品がもらえる人気の制度です。しかし、税金が控除される金額には、あなたの収入や家族構成に応じた「上限額」があります。

この控除上限額を正確に計算するために、源泉徴収票の情報が必要不可欠です。ふるさと納税サイトのシミュレーターなどでは、「支払金額(年収)」や「社会保険料等の金額」「配偶者や扶養親族の有無」といった源泉徴収票に記載の情報を入力することで、より正確な上限額を算出できます。

住宅ローン控除(2年目以降の手続き)

住宅ローン控除は、初年度は確定申告が必要ですが、会社員の場合、2年目以降は会社の年末調整で手続きが可能です。

その際、金融機関から送られてくる「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」と、税務署から送られてくる「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」を勤務先に提出します。この手続きを行うことで、年末調整後の源泉徴収票の「住宅借入金等特別控除の額」に控除額が反映され、所得税が還付されます。

源泉徴収票にまつわるQ&A:困ったときの解決策

源泉徴収票にまつわるQ&A:困ったときの解決策

最後に、源泉徴収票に関するよくある質問とその解決策をまとめました。

源泉徴収票はいつもらえる?

在職中の場合、年末調整が終わった後、12月または翌年1月の給与明細と一緒に渡されるのが一般的です。法律では、翌年の1月31日までに交付することが義務付けられています。

退職した場合は、退職日から1か月以内に発行・交付されるのが原則です。多くの場合、最後の給与明細と一緒に郵送されます。

紛失した場合の再発行手続きは?

源泉徴収票をなくしてしまった場合でも、心配はいりません。勤務先(または退職した会社)の人事・総務・経理担当部署に連絡すれば、再発行してもらえます。再発行は会社の義務なので、遠慮なく依頼しましょう。ただし、発行までに時間がかかる場合もあるため、必要になったら早めに連絡することをおすすめします。

会社が発行してくれない場合は?

会社に依頼しても源泉徴収票を発行してくれないのは、所得税法違反です。そのような場合は、所轄の税務署に相談し、「源泉徴収票不交付の届出書」を提出しましょう。この届出書を提出すると、税務署から会社に対して行政指導が行われ、発行を促してくれます。これは、万が一の際に自分の権利を守るための強力な手段です。

1年間に複数社から給与をもらった場合は?

その年に退職と就職を繰り返し、複数の会社から給与を受け取った場合は、年末調整または確定申告のために、在籍したすべての会社の源泉徴収票が必要になります。12月末に在籍している会社にすべての源泉徴収票を提出して年末調整をしてもらうか、もしそれが間に合わない場合は、すべての源泉徴収票を基に自分で確定申告を行います。

まとめ:源泉徴収票をあなたの最強の武器にする

これまで見てきたように、源泉徴収票は単なる年収の証明書ではありません。それは、あなたの1年間の経済活動の縮図であり、税金の仕組みを理解し、将来の資産形成を計画するための重要なツールです。

この記事で解説した「4つの柱」の流れを思い出してください。会社から支払われた「支払金額」が、「給与所得控除」と「所得控除」という二段階の割引を経て、最終的な「源泉徴収税額」に至る。この物語を理解することで、あなたは自分の税金がどのように決まっているのかを、誰かに頼ることなく説明できるようになりました。

さらに、その知識は転職、確定申告、住宅ローン、ふるさと納税といった、人生の重要な局面で具体的な行動を起こす力となります。源泉徴収票の見方がわかれば、あなたはもはや受け身の納税者ではありません。自らの意思で税制上のメリットを最大限に活用し、賢く資産を管理する主体的なプレーヤーになれるのです。

今日から、源泉徴収票を受け取ったら、ただ保管するのではなく、じっくりと眺めてみてください。そこに書かれているのは、過去1年間のあなたの努力の結晶であり、未来を豊かにするためのヒントです。この一枚の紙を最強の武器として使いこなし、より賢く、より豊かな経済生活への扉を開きましょう。

この記事の投稿者:

hasegawa

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