法人カードは、個人向けのクレジットカードとは違い、ビジネスで活用できる便利なサービスが充実している等のメリットがあります。これまで法人カードを使ってこなかった方は、どんなメリットがあるのか、どのような手続きが必要なのかチェックしましょう。ここでは、法人カードの発行にあたって気になる審査時の注意点も含めてご紹介します。
目次
法人カードとは?ビジネスカードとコーポレートカードの違いを解説
法人カードとは、企業や個人事業主に対して発行されるクレジットカードのことを指します。一般の人が持つクレジットカードは個人カードと呼ばれ、ビジネスを行う上で便利なサービスが付帯している点が特徴です。
事業に必要な商品やサービスを購入する際に使うという性質上、利用限度額は個人カードよりも高額に設定されやすく、法人口座からの引き落としが可能です。必要に応じて追加カードを発行することもでき、ビジネスカードとコーポレートカードの2種類があります。
ビジネスカードとは
ビジネスカードは、個人事業主や中小企業向けの法人カードです。個人口座または法人口座を支払口座にすることができます。
コーポレートカードとは
主に大企業が用いる法人カードです。クレジットカード会社によっては、大企業だけでなく中小企業向けのものを用意している場合もあります。支払口座に設定できるのは法人口座のみであり、個人口座を設定することは難しいでしょう。
3つの違いを解説!
「法人カード」は「ビジネスカード」と「コーポレートカード」をまとめて指す言葉です。では、「ビジネスカード」と「コーポレートカード」ではどのような違いがあるのでしょうか。2つの違いを以下の表にまとめました。
対象となる企業の規模 | 支払口座 | |
ビジネスカード | 個人事業主・中小企業 | 個人口座・法人口座 |
コーポレートカード | 主に大企業 | 法人口座のみ |
法人カードを作るメリット
法人カードがあると、以下のようなメリットがあります。
- 経費管理の効率化
- 付帯サービスを受けられる
- キャッシュフローに余裕が生まれる
- 会社への信用が得られやすくなる
- 経費削減につながる
具体的に、見ていきましょう。
経費管理の効率化
会社で購入する商品やサービスを法人カードで決済できれば、経費の支払いの一本化につながります。従業員が買い出しをする時など、現金を持たせる場合に比べると、はるかに経費精算の手間は少なくなり効率的です。
付帯サービスを受けられる
法人カードには、航空券やホテル宿泊費の割引特典や、会計ソフト利用時の優待など、付帯サービスがあります。内容は各カード会社により異なりますが、便利なものが多いです。
キャッシュフローに余裕が生まれる
手元に残っているお金にあまり余裕がない場合でも、法人カードであればキャッシュフローに余裕が生まれるため慌てずに済むでしょう。カード決済の支払い日はカード会社の取り決めた日となるため、実際にお金を支払うのは後日です。
会社への信用が得られやすくなる
法人カードは、個人向けのクレジットカードに比べると審査が厳しく、持っていることで信用を得やすくなると考えられます。さらに社会的な評価や信用度の高い「ステータスカード」と呼ばれるものは、社会的な地位や経済力があることの証明にもなります。
経費削減につながる
法人カードを使うと、利用代金に応じたポイントが貯まる場合が多いです。ポイントは、マイルや商品券への交換、キャッシュバック等に充てることができ、経費削減につながります。
個人事業主が事業用に法人用クレジットカードを作るメリットは?
法人カードを作る際の手続きを解説!
法人カードは、個人カードに比べると作成までの手続きが難しいと誤解されることがあります。しかし、その流れについては、個人カードを作成する場合とほとんど変わりません。ここからは、法人カードを作る手続き・流れについて見てみましょう。
①法人カードを選ぶ
法人カードは、国際ブランドやクレジットカード会社から発行されており、それぞれ特徴が異なります。付帯サービスの内容や追加カードの発行枚数、ETCカードの付帯などの基本的な情報を確認し、事業規模や用途にマッチする法人カードを選びましょう。法人カードには年会費がかかることもあるため、無理のない範囲で発行しやすいカードを選ぶことも大切です。
②法人カード用の銀行口座を作る
法人カードと紐付ける口座振替用の銀行口座を作る必要があります。個人事業主の場合、個人名義もしくは屋号の口座を紐付けることとなりますが、プライベート用とビジネス用とを分けておいた方が良いでしょう。法人の場合は、法人名義の口座を用意します。
③申し込み
法人カードの申し込みは、郵送かオンラインで行うのが一般的です。オンライン申し込みであれば、郵送よりも手間がかからず手続きに要する時間も短くなるでしょう。ただし、申し込み方法は各カード会社によって異なるため、必ずしもオンライン申し込みができるとは限りません。各カード会社のホームページを確認しましょう。
④審査
申し込みを行った後は、カード会社の審査の結果を待つこととなります。審査基準は各カード会社により異なり、その詳細は明らかにされていません。審査対象は、法人と代表者個人の両方になる場合と、代表者個人のみの情報で判断される場合との2通りがあるようです。法人を設立して間もない会社であれば、代表者個人のみを審査対象とするカード会社の方が利用しやすいと考えられます。
⑤発行
審査をクリアすると、法人カードが発行され、手元に届きます。審査にどの程度の時間を要するかによって、申し込みから発行までの期間は変わりますが、おおよそ2週間〜3週間程度で発行されることが多いです。
法人カードの選び方
どの法人カードを選ぶべきか迷った時は、以下のポイントを参考にしてみてはいかがでしょうか。
- 年会費
- 申し込みの基準
- 付帯サービス
- 利用可能枚数
- ポイント還元率
それぞれのポイントについて、詳しく解説します。
①年会費
法人カードには、年会費がかかるものと無料のものがあります。年会費無料のものは、費用を抑えながら利用することができますが、付帯サービスの内容については年会費がかかるものの方が充実していることも多いため、バランスを見ながら最適なカードを見つけましょう。年会費の予算をあげると、特典が充実し多くのメリットが得られる場合もあります。
②申し込みの基準
各カードによって、申し込みの基準は異なります。個人事業主や経営者を広く対象としているカードがある一方で、その中でも安定した収入や社会的信用がある人のみを対象とするカード会社もあります。申し込み基準を満たしているかどうか確認してから検討する必要があるでしょう。
③付帯サービス
航空券や宿泊するホテルの割引など、自分のビジネスに関係ある付帯サービスが充実していれば、その分メリットを感じやすくなります。付帯サービスがどの程度活用できるかによって法人カードを選んでみるのも良いでしょう。
④利用可能枚数
法人カードを複数枚保有し、社員も持てるようにしたい場合は、追加カードが何枚発行できるかどうかも重要なポイントになります。カード会社によって、定められた枚数までは無料で発行できる場合と、追加カードの枚数ごとに年会費が発生する場合があるため、条件を確認されることをおすすめします。
⑤ポイント還元率
法人カードの利用額に応じて、どの程度ポイント還元されるかもよくチェックしておきましょう。ポイント還元率が高ければ、そのぶん経費の削減にもつながりやすいです。
法人カード作成時に必要な書類
法人カードの作成にあたって、必要な書類は法人の場合と個人事業主の場合とで多少の違いがあり、また各カード会社によっても変わってきます。ここでは、一般的によく求められる書類について解説します。
法人の場合に準備すべき書類
法人の場合、主に以下のような書類の提出が必要となるケースが多いです。
- 履歴事項全部証明書
- 代表者の本人確認書類
- 引き落とし用の法人口座情報
履歴事項全部証明書は、登記簿謄本でも可能となる場合が多いです。これら3つの書類に加えて、他の書類も必要になる可能性があります。詳しくは、各カード会社の案内を確認しましょう。
個人事業主の場合に準備すべき書類
個人事業主の場合は、以下の2点の書類を求められることが多いです。
- 代表者の本人確認書類
- 引き落とし用の口座情報
個人事業主の場合、引き落とし口座は本人の個人名義のものでも認められますが、事業用の口座を準備しておくと後の管理が楽になります。
法人カードを作る際の注意点
法人カードを作る際、以下のポイントに注意が必要です。
会社や経営者の信用情報が審査に影響する
法人カードの審査では、会社の実績や経営者の信用情報等が影響すると言われています。詳細な審査基準については公表されていませんが、代表者の信用情報に傷があったり、会社設立からの年数が浅く財務状況に不安があったりすると、審査は厳しくなるかもしれません。
ただ、会社を設立して間もないなどの事情がある場合は、実績によって検討される場合もあります。決算書等の提出によって審査がスムーズに進む可能性もあるため、事前に確認してみましょう。スタートアップ企業であれば、代表者の信用情報だけで審査が進むこともあります。
申込書に不備がないようにする
申込書や提出書類に不備があると、手続きが滞って時間がかかる可能性があります。申込書の記入漏れや書き間違いには十分に注意し、最終チェックをしてから送りましょう。
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まとめ
法人カードは、事業者向けのカードとして多くの会社で活用されています。法人カードを持つメリットは多く、審査はあるものの発行までの手続きはさほど難しくないため、まだ持っていない場合は申し込みを検討してみてはいかがでしょうか。
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