見積書の宛名を記載する際は、御中・様・殿といった敬称を使い分けます。今回は見積書の宛名の書き方や注意点などについて、実際の例を紹介しながらわかりやすく解説します。
目次
見積書の宛名の正しい書き方
見積書の宛名は、相手の属性などによって敬称を使い分けて記載する必要があります。適切な敬称のパターンやその使い方について紹介します。
「御中」の使い方
「御中」は会社名や部署名といった団体の名前に対して使用する敬称です。「御」には相手への敬意が、「中」は団体の中の人といった意味があります。
見積書の宛名には担当者名を記載しますが、担当者名がわからない時などには会社名や部署名まで記載することもできます。その場合は以下のように記載しましょう。
<例>
- 株式会社○○ 御中
- 株式会社○○ 総務部 御中
「様」の使い方
「様」は個人に対して使う敬称です。見積書の送付先となる担当者が決まっている場合は、個人名を記載した上で「様」を使います。
この場合も、送付先が一目でわかるように相手の会社名や部署名をあわせて記載します。
<例>
- 株式会社○○ 総務部 鈴木様
「殿」の使い方
一般的に「殿」は、目上の人から目下の人に対して使用する敬称であるため、ビジネスシーンで使う機会は少ないでしょう。
ただし、見積書を送る担当者名はわからないものの、役職がわかっている時には、以下のように記載することもあります。
<例>
- 株式会社○○ 総務部長殿
見積書に宛名を書く際の4つの注意点
見積書に宛名を書く際に押さえておきたい注意点を4つ紹介します。
送付先を事前に確認する
見積書を送付する際は、相手に伝わりやすいように宛名を具体的に記載する必要があります。特に、大きな会社では単に会社名だけ記載すると処理する際に不便が生じるかもしれません。
ただし「担当者が変わることがあるので部署宛で記載して構わない」「担当者名まで書いた方がわかりやすい」などの希望があるケースもあるので、事前に確認して作成すると丁寧です。
宛名を略さない
宛名を記載する際は、会社名や部署名を省略せずに正式名称で記載します。
例えば、ビジネスシーンでは会社名を記載する際は株式会社を「(株)」と省略することがあります。しかしこれは文字を記載するスペースが限られている時や、社内などの非公式な場で使うものです。
社外に送付する見積書は略称は使用せずに「株式会社○○」などと正式名称で記載しましょう。
御中と様を一緒に使わない
「御中」と「様」は宛先の中で一緒に使用することはできません。したがって、個人名まで記載する際は「株式会社○○御中 鈴木様」といった表記はせずに「株式会社○○ 鈴木様」と記載しましょう。
連名の書き方を覚えておく
担当者が複数いる場合には、名前ごとに「様」をつけます。最後にまとめて「様」をつけることは控えましょう。
<正しい例>
株式会社○○ 鈴木様 田中様
<誤った例>
株式会社○○ 鈴木
田中 様
見積書に記載が必要な項目
一般的な見積書では、宛名の他に以下のような情報を記載します。
- 作成者の情報
- 見積書の管理番号
- 発行年月日
- 見積りの合計金額
- 金額の内訳(商品名、単価、数量、合計)
- 項目ごとの小計や消費税額
- 見積りの有効期限
- 備考
見積書の管理番号は必ずしも記載するわけではありませんが、あった方が事務処理がしやすいようであれば、記載することがあります。例えば、発行年月日や発行した順番、取引先ごとに決められた数字など、任意の番号を付与します。
備考欄には、振込手数料の扱いや発注があった場合の納品時期などについて、必要に応じて記載します。
関連リンク:見積書の書き方・作り方を無料のテンプレートを用いてわかりやすく解説!ポイントや注意点も!
郵送する際の宛名の書き方
見積書を郵送する場合には封筒にも宛名を記載しますが、書き方は見積書の宛名を記載する時と同じです。会社や部署宛に送る際は「御中」、個人なら「様」など、書類本体と同様のルールで記載しましょう。
見積書の宛名は会社名のみと個人名ありで敬称が異なる
これまで解説してきた通り、見積書は最後が会社名・部署名なのか、個人名であるのかによって記載方法が変わります。見積書に限らず、請求書や契約書といった書類を送付する際にも使えるルールですので、覚えておくと便利です。
よくある間違い①御中と様を一緒に使っている
<NG例>
株式会社○○御中 鈴木様
「御中」と「様」を一緒に使うことはできません。
よくある間違い②個人名に「殿」をつけてしまう
<NG例>
株式会社○○ 総務部長 鈴木殿
個人名がわからず、担当者名だけがわかっている時には「総務部長殿」などと記載することがあると紹介しました。しかし、役職名を記載しても、個人名を記載した場合には「殿」は使いません。目下の人に対して使う敬称であるということを忘れないようにしましょう。
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まとめ
見積書を作成する際は、相手に失礼のないように敬称をつけて宛名を記載します。最初は億劫に感じるかもしれませんが、請求書や契約書といった他の書類にも共通するルールなので、一度慣れると自然と書類を作成できるようになります。
また、見積書を作成する際は、効率化のためにテンプレートや書類作成ツールを使いながら対応することもおすすめです。
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