領収書の基礎知識

【メルカリ領収書】発行できない?経費計上や確定申告に使える代替手段と出品者の対応方法を徹底解説

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メルカリ領収書

「メルカリの買い物、経費にできる?」「領収書、どうしたら…?」その悩み、この記事で解決!確定申告もこれで安心。

メルカリでの取引が増える中、「メルカリで購入した商品の代金を経費にしたいけれど、領収書はどうすればいいの?」「出品者として領収書を求められたけど、発行義務はあるの?」といった疑問をお持ちの個人事業主の方や、副業でメルカリを利用されている方も多いのではないでしょうか。

特に、2023年10月から始まったインボイス制度により、領収書や請求書の取り扱いが一層注目されています。

本記事では、メルカリにおける領収書の基本的な考え方から、購入者が領収書の代わりとして利用できる書類とその入手方法出品者が領収書発行を依頼された際の対応策、そしてメルカリの取引を確定申告や経費精算に正しく活用するためのポイントまで詳しく解説します。

この記事を読めば、メルカリの領収書に関するあなたの疑問や不安が解消され、スムーズな取引と適切な経費管理ができるようになるでしょう。

目次

1. 大前提:メルカリでは原則として「領収書」は発行されない

まず最も重要なポイントとして、メルカリのプラットフォーム自体は、取引における「領収書」を自動的に発行する機能を提供していません。

 これは、メルカリが売買の「場」を提供しているサービスであり、個々の取引の金銭授受に直接的に領収書を発行する立場にないためです。

メルカリの公式見解とシステム上の仕様

メルカリの利用規約やヘルプセンターを確認しても、メルカリが購入者に対して領収書を発行するという記載はありません。

メルカリはあくまで個人間の取引を仲介するプラットフォームであり、売買契約は出品者と購入者の間で成立します。

そのため、金銭の受領者である出品者が領収書を発行する責任を負う、というのが一般的な商習慣上の考え方です。

しかし、メルカリの取引は匿名性が高い場合も多く、また個人間のやり取りであるため、出品者に対して法的に領収書の発行を強制することは難しいのが現状です。

特に、出品者が個人である場合、領収書発行の義務までは課せられていないと解釈されることが一般的です。

「領収書」の代わりに何が使えるのか?

では、メルカリで購入したものを経費として計上したい場合や、何らかの支払証明が必要な場合、どうすれば良いのでしょうか。

心配はいりません。メルカリの取引では、領収書がなくとも、支払い方法に応じた様々な書類がその支払いを証明するものとして利用できます。 

例えば、クレジットカードの利用明細、銀行振込の控え、コンビニエンスストアでの支払い時に受け取る受領証などがこれにあたります。

これらの書類は、税務上の証拠書類としても認められるケースが多いです。重要なのは、「いつ、誰から(誰に)、何を、いくらで」購入(販売)したのかを客観的に証明できることです。

次のセクションでは、購入者の方が具体的にどのような書類を入手し、それをどのように活用できるのかを詳しく見ていきましょう。出品者の方は、「3. 【出品者向け】購入者から領収書発行を依頼された場合の対応

」で領収書発行を依頼された場合の対応について解説しますので、そちらも合わせてご確認ください。

2. 【購入者向け】メルカリで領収書の代わりになる書類と入手手順

メルカリで「領収書」そのものは発行されませんが、購入の証明や経費計上のための証拠書類として利用できるものはいくつかあります。ここでは、代表的な代替書類とその入手手順、注意点について詳しく解説します。

取引画面のスクリーンショット

最も手軽な方法の一つが、メルカリのアプリやウェブサイトの取引画面をスクリーンショットで保存することです。

  • スクリーンショットで確認できる情報
    • 商品名
    • 商品の画像
    • 取引金額(商品価格、送料など)
    • 取引日時(購入日時、支払い日時など)
    • 出品者のニックネーム(本名や住所は通常表示されません)
    • 支払い方法の概要
    • 取引ステータス(支払い済み、発送済み、受取評価済みなど)
  • 入手手順

スマートフォンアプリの場合

メルカリアプリを開き、「マイページ」>「購入した商品」から該当の取引を選択し、取引画面全体が表示されるようにしてスクリーンショットを撮影します。

iPhoneの場合は電源ボタンと音量アップボタンの同時押し、Androidの場合は機種によって異なりますが、電源ボタンと音量ダウンボタンの同時押しなどで撮影できます。

PC(ウェブサイト)の場合

メルカリのウェブサイトにログインし、同様に購入履歴から該当取引の詳細ページを開きます。

Windowsの場合は「PrintScreen」キー(または「PrtSc」)を押すか、「Snipping Tool」や「切り取り&スケッチ」などのツールを使用します。

Macの場合は「command + shift + 3」(全画面)または「command + shift + 4」(範囲選択)で撮影できます。

スクリーンショットは、取引が完了し、支払い情報や商品情報が確定した状態のものを保存しましょう。

  • 注意点

法的効力と税務署への提出可否

スクリーンショットは、あくまで取引の「状況証拠」の一つです。これ単独で税務署が必ずしも正規の領収書と同等に扱うとは限りません。

しかし、他の支払証明(クレジットカード明細など)と組み合わせることで、証拠能力は高まります。

改ざんの疑いを避ける

スクリーンショットは編集が容易なため、その真正性が問われる可能性があります。できるだけ編集せず、取引日時などが明確にわかるように保存することが重要です。

税理士・税務署への確認

経費計上の可否やスクリーンショットの扱いについては、最終的には管轄の税務署や顧問税理士にご確認いただくのが最も確実です。特に高額な取引の場合は、事前に相談することをおすすめします。

個人情報

出品者の個人情報が詳細に記載されているわけではないため、この点が出品者発行の正式な領収書とは異なります。

クレジットカードの利用明細

クレジットカードで支払いを行った場合、クレジットカード会社が発行する利用明細書は非常に強力な支払証明となります。

  • 確認できる情報
    • 利用日
    • 利用店名
    • 利用金額
  • 入手方法

多くのクレジットカード会社では、会員向けのウェブサイトやアプリで利用明細を電子的に確認・ダウンロードできます。PDF形式で保存しておくと良いでしょう。

郵送で明細書を受け取っている場合は、その原本を保管します。

  • 証拠としての有効性

税務上、クレジットカードの利用明細は一般的に支払いの証拠として認められています。

ただし、明細には「メルカリ」としか記載されず、具体的な商品名までは記載されません。

そのため、何を購入したのかを明らかにするために、前述の取引画面のスクリーンショットや、自身で作成した購入品リストなどとセットで保管することが非常に重要です。

これにより、「いつ、どこで(メルカリで)、いくら支払って、何を購入したか」という一連の流れを証明できます。

コンビニ払い・ATM払いの支払明細(振込明細書)

コンビニエンスストアでの支払いや、銀行ATMでの振込を利用した場合、支払い時に受け取るお客様控え(受領証、振込明細書など)が直接的な支払証明となります。

  • 入手方法と保管のポイント

支払い時に必ず受け取り、紛失しないように大切に保管してください。感熱紙の場合は印字が薄れやすいため、コピーを取るかスキャンしてデジタルデータで保存することも有効です。

これらの明細には、支払先(メルカリまたは収納代行会社)、支払日時、金額などが記載されています。

  • 紛失した場合の対処法(限定的)

原則として再発行は困難な場合が多いです。銀行振込であれば、通帳の記帳やインターネットバンキングの取引履歴で代替できる可能性がありますが、コンビニ払いの場合は難しいでしょう。紛失しないことが最も重要です。

この場合も、取引画面のスクリーンショットと合わせて、支払いの事実を補強する必要があります。

キャリア決済の利用明細

ドコモ、au、ソフトバンクなどのキャリア決済を利用した場合、各携帯電話会社が提供する利用明細で支払いを確認できます。

  • 各キャリアの確認ページへの誘導

NTTドコモ: 「My docomo」の「ご利用料金の確認」などから確認できます。

au(KDDI): 「My au」の「請求・支払関連のお手続き」>「ご利用料金の確認」などで確認できます。

ソフトバンク: 「My SoftBank」の「料金・支払い管理」などで確認できます。

具体的な確認方法は各キャリアの公式サイトでご確認ください。多くの場合、ウェブ上で明細を確認し、必要であればPDFでダウンロードできます。

キャリア決済の明細も、クレジットカード明細と同様に「メルカリ利用分」といった包括的な記載になるため、取引画面のスクリーンショットと合わせて保管しましょう。

メルペイの利用履歴・支払証明書

メルカリ独自の決済サービスであるメルペイ(メルペイ残高、メルペイスマート払いなど)で支払った場合、メルカリアプリ内で利用履歴を確認できます。

  • メルカリアプリからの確認手順

メルカリアプリ下部の「メルペイ」タブを選択します。

「利用履歴」やまもなく提供終了予定ですが「毎月の支払額」などから、該当の支払いを確認できます。

詳細画面をスクリーンショットで保存しておくと良いでしょう。

  • 「支払証明書」の発行可否と利用シーン

以前、メルペイでは一部の支払い(メルペイスマート払いなど)に関して「支払証明書」の発行が可能でしたが、現在は提供状況が変更されている可能性があります。メルカリのヘルプセンターで最新情報をご確認ください。

もし発行可能な場合、それは正式な支払証明として利用できる可能性がありますが、やはり取引内容の詳細を示す取引画面のスクリーンショットとの併用が望ましいです。

(補足)どうしても「領収書」に近い形式が必要な場合

上記の代替書類では不十分で、どうしても「領収書」という名称の書類が必要な場合(例えば、所属する会社や団体の経費精算規程で厳密に求められているなど)、最終手段として出品者に領収書の発行を個別に相談するという方法があります。

しかし、これはあくまで出品者の任意による対応であり、発行義務はありません。依頼する場合は、丁寧な言葉遣いを心がけ、出品者に手間をかけることを理解した上でお願いしましょう。

具体的な依頼方法や出品者側の対応については、次の第3章で詳しく解説します。

購入者としては、まずは上記のような代替書類をきちんと収集・整理することが基本となります。これらを適切に管理することで、メルカリでの購入品を経費として計上する際の証拠として十分に機能するケースがほとんどです。

それでも不明な点や不安な場合は、税理士や税務署に相談することをお勧めします。

3. 【出品者向け】購入者から領収書発行を依頼された場合の対応

【出品者向け】購入者から領収書発行を依頼された場合の対応

メルカリで商品を出品していると、購入者から「領収書を発行してほしい」と依頼されることがあります。個人で出品している場合、どのように対応すれば良いのか迷う方もいるでしょう。

ここでは、出品者が領収書発行を依頼された際の法的な側面、具体的な対応方法、そして注意点について詳しく解説します。

メルカリ規約における出品者の領収書発行義務の有無

まず理解しておくべき重要な点は、メルカリの利用規約上、出品者に領収書の発行を義務付ける明確な規定はないということです。

また、日本の民法においても、個人間の取引(特に事業性のないもの)においては、売主が買主に対して領収書を発行する法的な義務までは一般的にないと解釈されています。

原則として発行義務はない

出品者が個人であり、事業として商品を販売しているわけではない場合(例:不用品の販売など)、領収書の発行はあくまで任意の対応となります。購入者から依頼があったとしても、必ずしも応じなければならないわけではありません。

メルカリはCtoC(個人間取引)プラットフォームであり、事業者間の取引とは異なる側面があります。

しかし、購入者が経費精算や確定申告のために領収書を必要としているケースも考えられます。そのため、依頼があった場合にどのように対応するかは、出品者自身の方針によります。

任意で領収書を発行する場合の具体的な手順と注意点

もし購入者の依頼に応じ、任意で領収書を発行すると決めた場合、以下の点に注意して正確に作成・送付しましょう。不備があるとトラブルの原因になる可能性もあります。

  • 記載必須項目

宛名

 購入者から指定された氏名や会社名を正確に記載します。「上様」や空欄は、税務上認められない場合があるので避けるのが無難です。購入者に確認しましょう。

金額

実際に購入者が支払った総額(商品代金+送料など、購入者が負担した全額)を正確に記載します。数字の改ざんは絶対にしないでください。

購入された商品名(具体的に)

「お品代として」のような曖昧な記載ではなく、「書籍代として」「衣類代として(商品ID:xxxxxxx)」など、できるだけ具体的に記載します。メルカリの商品IDを併記すると、どの取引に関する領収書かが明確になります。

発行日

領収書を発行した日付を記載します。通常は、商品代金の受領日(購入者が支払い手続きを完了した日など)とすることが多いですが、発行日そのものでも問題ありません。

発行者(出品者)の氏名・住所・連絡先

あなた(出品者)の氏名、住所、そして連絡先(電話番号など)を記載します。個人情報を提供することになるため、その点を理解した上で発行しましょう。匿名配送を利用している場合でも、領収書には発行者情報が必要となります。

  • 但し書きの書き方例
    • 「メルカリ取引代金として(商品ID:123456789)」
    • 「書籍代として(商品ID:987654321)」
    • 「上記正に領収いたしました」などの文言も一般的です。
  • 手書き領収書とデジタル領収書のメリット・デメリット
    • 手書き領収書

メリット:市販の領収書用紙を使えば簡単に作成できる。

デメリット:手間がかかる。郵送コストがかかる。書き損じのリスク。

  • デジタル領収書(PDFなど)

メリット:作成・送付が容易(メールや取引メッセージに添付など)。コストがかからない。

デメリット:購入者が印刷環境を持っている必要がある。改ざんのリスクが手書きよりは高いとされる場合もあるが、適切に作成すれば問題ないことが多い。

  • どちらの形式でも、上記の必須項目が記載されていれば有効です。購入者に希望の形式を確認するのも良いでしょう。
  • 送付方法
    • 商品への同梱: 最も手軽ですが、事前に購入者と合意しておくことが望ましいです。
    • 別途郵送: 郵送費用はどちらが負担するかを明確にしておきましょう。
    • PDFでの送付: メールアドレスを教えてもらうか、一時的にアップロードできるサービスを利用するなどの方法があります。メルカリの取引メッセージでは直接ファイルを添付できないため、工夫が必要です。
  • トラブル防止のためのポイント

事前のコミュニケーション

発行の可否、記載内容、送付方法などについて、購入者と事前にしっかりと確認し合いましょう。

二重発行の防止策

一度発行した領収書の再発行は原則として行わないようにし、もし再発行する場合は「再発行」であることを明記します。

また、自身の手元にも発行した領収書の控え(コピーやデータ)を保管し、発行済みである旨の記録(例:取引メッセージの記録、管理表への記載など)を残しておくと良いでしょう。

5万円以上の取引の場合の収入印紙

個人間の取引であっても、売上代金に係る金銭の受取書(領収書)で、記載金額が5万円以上の場合は、原則として収入印紙の貼付が必要です(2024年5月現在)。

ただし、クレジットカード払いの場合は「クレジットカード利用」と明記すれば印紙は不要とされています。

また、電子データで発行する領収書(PDFなど)は、印紙税の課税対象外となります。この点は税務署のウェブサイトなどで最新情報をご確認ください。

領収書発行を断る場合の丁寧な伝え方と代替案の提示

前述の通り、領収書の発行は任意です。発行しないと決めた場合や、個人情報を提供することに抵抗がある場合は、購入者にその旨を丁寧に伝えましょう。

  • 断る際の伝え方の例

「お問い合わせいただきありがとうございます。誠に申し訳ございませんが、個人での出品のため、正式な領収書の発行は行っておりません。」

「大変恐縮ですが、当方では領収書の発行に対応しておりません。ご理解いただけますと幸いです。」

  • 代替案の提示

単に断るだけでなく、購入者が利用できる代替手段を案内すると親切です。

「メルカリの取引画面のスクリーンショットや、ご利用のクレジットカード会社発行の利用明細、コンビニ支払いの控えなどが、支払いの証明としてご利用いただけるかと存じます。お手数ですが、そちらをご確認いただけますでしょうか。」

このように伝えることで、購入者も納得しやすくなります。

【重要】インボイス制度とメルカリ出品者

2023年10月1日から始まったインボイス制度(適格請求書等保存方式)は、主に事業者間の取引に影響を与えるものですが、メルカリ出品者も無関係ではありません。

  • 適格請求書発行事業者である場合

もしあなた(出品者)が消費税の課税事業者であり、かつ「適格請求書発行事業者」の登録を受けている場合、購入者(特に事業者)からインボイス(適格請求書)の要件を満たした領収書や請求書の発行を求められる可能性があります。

この場合、登録番号などを記載した、インボイスの要件を満たす書類を発行する必要があります。

メルカリでの個人販売が、ご自身の事業の一環である場合は注意が必要です。

  • 免税事業者の場合

多くの個人出品者の方は、消費税の免税事業者であると思われます。免税事業者はインボイスを発行することができません。

購入者からインボイス対応の領収書を求められた場合は、「当方は免税事業者であり、適格請求書発行事業者ではないため、インボイスの発行はできません」と正直に伝えましょう。

その上で、前述のような通常の領収書(インボイスの要件を満たさないもの)であれば発行可能かどうか、または代替書類で対応可能かどうかを相談することになります。

インボイス制度は複雑なため、ご自身が該当するかどうか不明な場合や、対応に迷う場合は、税理士や税務署に相談することを強くお勧めします。

出品者として領収書の発行に対応するかどうかは、ご自身の状況や考え方によって判断してください。

対応する場合は正確に、断る場合は丁寧に、そしてインボイス制度についても最低限の知識を持っておくことが、スムーズな取引につながります。

4. メルカリの取引を経費計上・確定申告に活用する方法

メルカリで購入したものが事業に関連する場合、その購入費用は経費として計上できる可能性があります。また、メルカリで得た収入は、確定申告が必要になることもあります。

ここでは、メルカリの取引を正しく経費計上し、確定申告に役立てるための基本的な知識を解説します。

メルカリで購入したものは経費にできる? 判断基準を解説

メルカリで購入した商品が経費として認められるかどうかは、その商品が「あなたの事業に直接関連しているか、事業遂行上必要であるか」が最も重要な判断基準となります。

  • 事業関連性の明確化:私的利用との区別

税務署が最も重視するのは、その支出が個人的な趣味や生活のためのものではなく、明確に事業活動のために使われたという客観的な証拠です。

例えば、以下のようなケースが考えられます。

経費として認められやすい例

事業で使用する事務用品(ペン、ノート、中古のプリンターなど)をメルカリで購入した。

ウェブデザインの仕事で参考にするためのデザイン書をメルカリで購入した。

ハンドメイド作品の材料をメルカリで仕入れた。

転売目的で商品をメルカリで仕入れた(古物商許可が必要な場合あり)。

経費として認められにくい例(または全額は難しい例)

普段使いの洋服やバッグをメルカリで購入した(事業で衣装として使うなど明確な理由があれば一部経費の可能性も)。

趣味のコレクション品をメルカリで購入した。

ポイントは、「もしその事業をしていなかったら、その支出は発生したか?」と自問してみることです。

  • 経費にできるものの例・できないものの例(具体的に)

経費にできる可能性のある費用の勘定科目例

消耗品費: 事務用品、梱包材、作業用具など(10万円未満または使用可能期間が1年未満のもの)。

仕入高: 販売目的で仕入れた商品の代金。

新聞図書費: 事業に関する書籍、資料代。

雑費: 他の科目に当てはまらない少額な経費。

経費にできないもの

個人的な支出、生活費。

事業主自身の飲食代(事業関連の接待交際費は別途要件あり)。

生計を一にする親族への支払い(原則)。

確定申告でメルカリの取引を証明するために必要な書類まとめ

メルカリでの購入を経費として計上する場合、またはメルカリでの売上を申告する場合には、その取引を証明するための書類をきちんと保存しておく必要があります。

  • 本記事で解説した代替書類の活用

取引画面のスクリーンショット

クレジットカードの利用明細

コンビニ払い・ATM払いの支払明細

キャリア決済の利用明細

メルペイの利用履歴

これらを、取引内容(何を購入・販売したか)がわかるように整理して保管します。

  • 帳簿への記録方法(簡易的な例)

経費を計上する場合、日々の取引を帳簿に記録する必要があります。白色申告でも簡易的な帳簿付けは必要です(2014年以降、白色申告者も記帳・帳簿等保存制度の対象)。

記載すべき基本項目

日付: 取引が発生した日(購入日、支払い日など)

品名(摘要): 購入した商品名、サービス内容(例:事務用品代、資料代、商品仕入)

金額: 支払った金額

取引相手: 支払先の名称(メルカリの場合は出品者のニックネームや「メルカリ経由」など、特定できる情報)

市販の会計ソフトやエクセルなどで管理すると便利です。会計ソフトの中には、クレジットカード明細や銀行口座の取引履歴を自動で取り込んでくれる機能を持つものもあります。

仕訳の具体例(簿記の知識がない方向けに簡単に)

帳簿付けの際には「仕訳」という作業が発生します。これは取引を勘定科目に分類し、借方(左側)と貸方(右側)に金額を記入する作業です。難しく感じるかもしれませんが、基本的な考え方を押さえれば大丈夫です。

例:事業用のボールペンセット(500円)をメルカリでクレジットカード払いした場合

消耗品費(経費の発生) 500円 / 未払金(後で支払う義務) 500円

(後日、クレジットカードの引き落としがあった際に) 未払金 500円 / 普通預金(預金口座から引き落とし) 500円

会計ソフトを使えば、取引内容を入力するだけで自動的に仕訳を行ってくれるものが多いので、簿記の知識があまりなくても対応可能です。

売上がある場合の確定申告の注意点(副業など)

メルカリで不用品を売却しただけの場合は、基本的に生活用動産の譲渡とみなされ、非課税となることが多いです。

しかし、営利目的で継続的に商品を販売し利益を得ている場合(例:せどり、ハンドメイド作品販売など)は、その所得が課税対象となり、確定申告が必要になることがあります。

  • 雑所得か事業所得か

メルカリでの売上が副業レベルであれば「雑所得」として申告することが一般的です。

本業として相当の規模と継続性をもって取り組んでいる場合は「事業所得」として申告できる可能性があります。事業所得の場合は青色申告を選択でき、様々な節税メリット(青色申告特別控除など)を受けられる可能性があります。

どちらに該当するかは、収入の規模、かけた時間、安定性などを総合的に勘案して判断されます。迷う場合は税務署や税理士に相談しましょう。

  • 経費をしっかり計上して節税につなげる

売上から必要経費(仕入れ代、送料、梱包材費、メルカリの販売手数料など)を差し引いたものが所得となります。所得が少なくなれば、納める税金も少なくなります。

メルカリの販売手数料も経費として計上できますので、忘れずに記録しておきましょう。

  • 所得が20万円以下の場合の注意点

給与所得者で、副業の所得(メルカリでの所得を含む)が年間20万円以下の場合、所得税の確定申告は不要とされる場合があります。ただし、これは所得税の話であり、住民税の申告は別途必要になる点に注意が必要です。

また、医療費控除などで確定申告をする場合は、20万円以下の所得も合わせて申告する必要があります。

税理士や税務署への相談の重要性

経費の判断や確定申告の手続きは、個々の状況によって異なるため、複雑で分かりにくい部分も多いです。特に以下のような場合は、専門家である税理士や管轄の税務署に相談することを強くお勧めします。

  • 経費にできるかどうかの判断に迷う場合
  • 帳簿の付け方や仕訳が分からない場合
  • 初めて確定申告をする場合
  • 売上が大きく、事業所得として申告すべきか迷う場合
  • インボイス制度への対応が必要な場合

税務署では無料の相談窓口が設けられていることもありますし、税理士に依頼すればより専門的で具体的なアドバイスを受けることができます。

誤った申告をして後から追徴課税や加算税が発生することを避けるためにも、早めに相談することが大切です。

メルカリの取引も、適切に管理・記録することで、立派な事業活動の一部として経費計上や確定申告に活かすことができます。面倒に感じるかもしれませんが、正しい知識を身につけ、賢く活用しましょう。

5. メルカリ領収書に関するQ&A

ここでは、メルカリの領収書に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。あなたの疑問解決の一助となれば幸いです。

Q1. メルカリの取引画面のスクリーンショットだけで経費として認められますか?

A1. スクリーンショットだけで必ず認められるとは限りませんが、重要な証拠書類の一つです。税務調査などでは、取引の客観的な証拠が求められます。

スクリーンショットには商品名、金額、取引日時などが記載されているため、支払いを証明する他の書類(クレジットカードの利用明細、銀行振込の控えなど)と組み合わせて保管することで、経費としての信頼性が高まります。

 最終的な判断は税務署や税理士にご確認いただくのが最も確実ですが、一般的には他の支払証拠と合わせて適切に説明できれば、問題ないとされるケースが多いです。

何を購入したのか、事業にどう関連するのかを明確に説明できるようにしておくことが重要です。

Q2. 出品者に領収書発行を依頼したら断られました。どうすれば良いですか?

A2. メルカリの個人出品者には、法的に領収書を発行する義務はありません。そのため、依頼を断られることもあります。その場合は、無理強いすることはできません。

 代替手段として、本記事の第2章で解説した取引画面のスクリーンショット、クレジットカードの利用明細、コンビニ支払いの控えなどを支払いの証明として利用しましょう。これらの書類で経費計上が可能なケースがほとんどです。

出品者の方針を尊重し、代替書類で対応できないか検討してください。

Q3. 手書きの領収書でも有効ですか? 必要な記載事項は何ですか?

A3. はい、手書きの領収書でも、必要な項目がきちんと記載されていれば有効です。市販の領収書用紙を使用するか、白い紙に必要な情報を記載しても問題ありません。 最低限必要な記載事項は以下の通りです。 

1. 宛名(購入者の氏名や会社名) 2. 金額(実際に支払われた総額) 3. 但し書き(「〇〇代として」など、具体的な商品名やサービス内容。

メルカリの商品IDを併記するとより明確です) 4. 発行日 5. 発行者(出品者の氏名、住所、連絡先) 5万円以上の場合は収入印紙が必要になることがあります(クレジットカード払いの旨を記載すれば不要、電子発行なら不要など条件あり)。

詳しくは「3. 【出品者向け】購入者から領収書発行を依頼された場合の対応」

をご確認ください。

Q4. 領収書の金額を実際より多く書いてもらうことはできますか?

A4. いいえ、絶対にできません。 領収書の金額を実際より多く記載したり、架空の取引の領収書を作成したりすることは、私文書偽造等の罪に問われる可能性のある不正行為です。

これは出品者・購入者双方にとって大きなリスクを伴います。 税務調査で発覚した場合は、追徴課税だけでなく、重加算税などのペナルティが科されることもあります。

必ず実際の取引に基づいた正確な内容で領収書(またはその代替書類)を作成・受領してください。

Q5. 海外の出品者から購入した場合の領収書はどうなりますか?

A5. メルカリは日本国内向けのサービスが基本ですが、もし海外在住の出品者から越境ECのような形で購入した場合(または海外発送に対応している場合)、領収書の発行はさらに難しくなる可能性があります。

相手国の商習慣や法律も絡んでくるため、発行を期待するのは難しいでしょう。 この場合も、メルカリの取引画面のスクリーンショットや、クレジットカードの国際ブランド決済の利用明細などが重要な支払証明となります。

外貨建てで支払い、円換算されている場合は、その明細を保管しましょう。経費計上する際は、取引日時点の為替レートで日本円に換算して記帳する必要があります。不明な点は税理士にご相談ください。

Q6. メルカリの販売手数料は経費になりますか?

A6. はい、メルカリで商品を販売し、その売上を事業所得や雑所得として申告する場合、メルカリに支払う販売手数料(通常、売上金の10%)は必要経費として計上できます。 勘定科目としては「支払手数料」などが該当します。 

販売手数料は売上から自動的に差し引かれるため、売上を計上する際には、手数料が引かれる前の総額を売上高とし、別途手数料を経費として計上するのが一般的です。

取引履歴や売上管理画面で手数料の金額を確認し、帳簿に記録しておきましょう。

これらのQ&Aが、メルカリ利用時の領収書に関する疑問解消の助けになれば幸いです。個別のケースで判断に迷う場合は、必ず専門家(税理士、税務署)にご相談ください。

まとめ

本記事では、メルカリにおける領収書の扱いや、経費計上・確定申告への対応について詳しく解説してきました。最後に、重要なポイントを再確認しましょう。

  • メルカリでは原則として領収書は発行されないが、代替手段は豊富にある

メルカリのプラットフォーム自体は領収書を発行しません。

しかし、取引画面のスクリーンショット、クレジットカード明細、コンビニ支払いの控えなど、多くの書類が支払いの証明として利用できます。これらを適切に保管・管理することが重要です。

  • 購入者:状況に応じて適切な証明書類を確保し、必要であれば出品者に丁寧に相談

まずは自身で入手可能な代替書類で対応できないか検討しましょう。

どうしても出品者に領収書発行を依頼する場合は、相手に発行義務がないことを理解し、丁寧にお願いすることが大切です。

  • 出品者:領収書発行は任意。対応する場合は正確に、断る場合は丁寧に。インボイス制度も意識

個人出品者の場合、領収書の発行は法的な義務ではありません。

発行する場合は、宛名、金額、但し書き、発行日、発行者情報を正確に記載しましょう。5万円以上の場合は収入印紙のルールも確認が必要です。

断る場合は、代替書類の利用を促すなど、丁寧なコミュニケーションを心がけましょう。

ご自身が適格請求書発行事業者である場合は、インボイス制度への対応も考慮に入れる必要があります。

  • 経費計上・確定申告:正しい知識で適切に処理し、税務上の問題を避ける

メルカリでの購入品が事業に関連する場合、経費として計上できる可能性があります。事業関連性を明確にし、必要な証拠書類を揃えましょう。

メルカリでの売上が一定額を超える場合や、営利目的で継続的に販売している場合は、確定申告が必要です。売上、経費(販売手数料など)をきちんと記録・管理しましょう。

  • 不明な点は専門家(税理士・税務署)に確認を

経費の判断、帳簿の付け方、確定申告の手続き、インボイス制度への対応など、少しでも疑問や不安があれば、自己判断せずに税理士や管轄の税務署に相談することが最も確実で安心な方法です。

メルカリは非常に便利なプラットフォームですが、金銭が関わる取引である以上、その記録や処理は適切に行う必要があります。

本記事で得た知識を活用し、メルカリでの取引をよりスムーズに、そして経費管理や確定申告も賢く行っていただければ幸いです。

これからも快適なメルカリライフを送りましょう。

この記事の投稿者:

hasegawa

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