ビジネス文書の基礎知識

学校宛に書類を送るときのマナーは御中であってる?送付時のマナーについて解説

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学校 御中

「学校に書類を送りたいけど、宛名は『御中』で合っているのかな?」

「担当者の名前が分からない場合、どう書けば失礼にならないんだろう?」

「『様』と『御中』を一緒に使ってもいいの?」

保護者として、あるいは就職活動中の学生として、学校宛に手紙や書類を送る機会は意外と多いものです。

そんな時、正しい敬称の使い方が分からず、不安に感じた経験はありませんか。特に「学校 御中」という宛名は、使う場面や正しい書き方について迷いやすいポイントの一つです。

この記事では、「学校 御中」の基本的な意味から、具体的な書き方、よくある間違い、関連する敬称の使い分けまで、ビジネスシーンでも通用する正式なマナーを分かりやすく徹底解説します。

この記事を読めば、学校への書類送付に関する宛名の悩みが解消され、自信を持ってコミュニケーションできるようになるでしょう。

「学校 御中」とは?基本の意味を理解しよう

「学校 御中」という言葉の「御中」は、特定の個人宛ではなく、その組織や団体全体、あるいは特定の部署全体に宛てて郵便物や書類を送る際に使用する敬称です。学校も会社や官公庁と同様に一つの組織体であるため、学校全体や学校内の特定の部署(例:事務室、入試課など)を宛先とする場合に「御中」を用います。

「御中」には、その組織に所属するどなたが開封しても問題ない、皆様へという意味合いが含まれており、組織そのものへの敬意を表す言葉です。個人名が分からない場合や、部署全体で内容を確認してほしいといった状況で活用されます。ビジネス文書の基本マナーとして、この「御中」の正しい使い方を覚えておくことは非常に重要です。

「学校 御中」はいつ使う?具体的な使用シーン

では、具体的にどのような場合に「学校 御中」を使用するのでしょうか。主なケースは以下の通りです。

学校全体に宛てる場合

特定の部署や担当者が不明で、学校という組織全体に書類を送りたい場合に使用します。

  • 〇〇学校 御中
  • 学校法人△△学園 御中

ただし、学校の規模によっては、部署名まで記載した方がスムーズに担当者に届くことが多いでしょう。

学校内の特定の部署に宛てる場合

学校内の特定の部署に書類を送りたいが、担当者名が分からない場合に使用します。これは非常によく使われるケースです。

  • 〇〇中学校 事務室 御中 (学校の運営や手続きに関する一般的な窓口)
  • △△高等学校 入試課 御中 (入学試験に関する書類や問い合わせ)
  • □□大学 キャリアセンター 御中 (就職活動に関する書類や問い合わせ)
  • 〇〇小学校 PTA事務局 御中 (PTA関連の連絡や書類)

このように、部署名の後に「御中」を付けるのが正しい使い方です。

最大のポイント:「御中」と「様」の使い分け

敬称で最も混同しやすいのが「御中」と「様」の使い分けです。ここを間違えると失礼にあたる可能性があるため、しっかりと理解しましょう。


御中(おんちゅう)
組織や部署に宛てる場合に用います。(例:〇〇学校 御中、△△株式会社 御中)

様(さま)
個人に宛てる場合に用います。(例:田中 太郎 様、〇〇学校 教務課 山田 花子 様)絶対に覚えておくべきルールは、「御中」と「様」は同時に使用しないということです。

例えば、「〇〇学校 御中 田中 太郎 様」という書き方は二重敬語となり、誤りです。組織の中の特定の個人に宛てたい場合は、その個人の名前に「様」を付け、部署名の後には「御中」を付けません。

  • 正しい: 〇〇学校 事務室 山田 花子 様
  • 誤り: 〇〇学校 事務室 御中 山田 花子 様
  • 誤り: 〇〇学校 御中 山田 花子 様

宛先が個人名であれば「様」を、組織や部署であれば「御中」を使う、と覚えてください。

封筒への「学校 御中」の書き方について

封筒への「学校 御中」の書き方について

実際に封筒に宛名を書く際の具体的な方法と注意点を見ていきましょう。

宛名の配置

縦書き封筒の場合

郵便番号を枠内に正確に記入します。住所は封筒の右側に、郵便番号の枠から1文字分程度下げて書き始めます。都道府県名から書き、ビル名や階数なども省略せずに正確に記載しましょう。番地などの数字は漢数字(一、二、三)を使用するのが一般的です。

学校名や部署名は住所の左隣に、住所よりも少し大きめの文字で書きます。学校名は正式名称で記載します。「御中」は学校名や部署名の中央下部に、やや大きめに堂々と書きます。

横書き封筒の場合

郵便番号を枠内に正確に記入します。住所は郵便番号の下、封筒の上部(左寄りまたは中央)に書きます。番地などの数字は算用数字(1、2、3)を使用します。学校名や部署名は住所の下に、住所より少し大きめの文字で書きます。

「御中」は学校名や部署名の後に1文字分スペースを空けて記載します。 他の文字と同じか、やや大きめのサイズで書くとバランスが良いでしょう。

会社名や役職名がある場合の注意点

もし学校内の特定の担当者(役職者)に送る場合は、以下のように書きます。

例(個人宛)

〇〇大学 学長 田中 一郎 様

〇〇高等学校 教頭 鈴木 梅子 様

この場合、役職名が個人名の前につくため、「様」は個人名の後です。「御中」は使いません。

学校内の特定部署への正しい宛名

学校内の特定部署への正しい宛名

学校内には様々な部署があります。状況に応じて正しく部署名を記載し、「御中」をつけましょう。

事務室宛
〇〇学院 事務室 御中 (各種証明書の発行依頼、学費関連の問い合わせなど)

入試広報部・入試課宛
△△大学 入試部 御中 (入学案内請求、オープンキャンパスの問い合わせなど)

教務課・学生課宛
□□専門学校 教務課 御中 (履修登録、成績証明など学業に関する手続き)

就職課・キャリア支援センター宛
〇〇短期大学 キャリア支援課 御中 (求人票の送付、学内説明会の申し込みなど)

特定の学部・学科宛
△△大学 文学部 御中 (特定の学部全体への連絡や案内)

採用ご担当者宛 (部署が不明な場合)
□□学園 採用ご担当 御中 (より丁寧には「採用ご担当者様」とすることも可能ですが、部署宛なら「採用ご担当 御中」でも可)

部署名が正確に分からない場合は、学校のウェブサイトで確認するか、電話で問い合わせるのが確実です。もし部署名まで分からず、学校全体で誰かに処理してもらいたい場合は「〇〇学校 御中」とします。

よくある間違いと訂正例

「学校 御中」の使い方はシンプルに見えて、意外と間違いやすいポイントがいくつかあります。ここでは代表的な誤用例とその正しい使い方を確認しましょう。

  • 間違い1:個人名に「御中」を付けてしまう

誤: 〇〇学校 田中 太郎 御中
正: 〇〇学校 田中 太郎
解説: 「御中」は組織や部署に使う敬称です。個人名には「様」を使いましょう。

  • 間違い2:「御中」と「様」を併用してしまう(二重敬語)

誤: 〇〇学校 事務室 御中 山田 花子
正: 〇〇学校 事務室 山田 花子
解説: これは非常によくある間違いです。宛先が個人であれば「様」のみを使用します。

  • 間違い3:組織名に「様」を付けてしまう

誤: 〇〇学校
正: 〇〇学校 御中
解説: 学校や会社といった組織には「様」ではなく「御中」を使います。ただし、会社名自体が「〇〇様」という名称(例:株式会社〇〇様(さま)製作所など)の場合は、そのまま記載します。

  • 間違い4:「御中」を複数重ねてしまう

誤: 学校法人△△学園 御中 〇〇高等学校 御中
正: 学校法人△△学園 〇〇高等学校 御中
解説: 宛先となる最終的な組織名・部署名の後に一つだけ「御中」を付けます。

これらの間違いを避けることで、より丁寧で正確な宛名書きができます。

返信用封筒の「行」「宛」はどうする?正しい処理方法

学校から送られてきた書類に返信用封筒が同封されていることがあります。その際、宛名の下に「行」や「宛」と印字されている場合がほとんどです。これらは「〇〇(こちら側)へ送ってください」という意味で、差出人側が自分を宛先として使う場合に用いる謙譲表現です。

返信する際には、この「行」または「宛」を二重線で消し、左隣または下に「御中」(相手が組織・部署の場合)または「様」(相手が個人の場合)と書き加えるのがマナーです。

  • 消し方

縦書きの場合:縦の二重線で消します。「行」や「宛」の文字の上にまっすぐ2本線を引きます。
横書きの場合:横の二重線で消します。

  • 書き加える敬称

相手の学校名や部署名が書かれていれば、その下に「御中」と書きます。
担当者名が書かれていれば、その下に「様」と書きます。

(印字)〇〇学校 事務室 行

(修正後)〇〇学校 事務室  御中

(二重線で「行」を消し、その左下や下に「御中」を追記)

これを忘れると、相手に「マナーを知らない」という印象を与えかねませんので注意しましょう。

知っておくと便利!「学校 御中」以外の関連敬称

「御中」以外にも、学校宛の連絡で使われることがある敬称や関連用語があります。これらも合わせて覚えておくと、よりスムーズなコミュニケーションに役立ちます。

「先生」

教師個人に宛てる場合、氏名に「様」をつけるのが基本ですが、「先生」という敬称も広く使われます。

  • 〇〇学校 田中 一郎 先生
  • 〇〇学校 山田 花子 様 (こちらも間違いではありません)

保護者が教師に宛てる手紙などでは「先生」を用いることが一般的です。就職活動などで企業から学校の教員へ連絡を取る場合は「様」が無難とされることもありますが、状況に応じて使い分けましょう。

注意点として、「田中 一郎 先生 様」のように「先生」と「様」を重ねるのは二重敬語となり誤りです。どちらか一方を使用します。

「各位」

「各位」は、複数の人々に等しく敬意を表す際に用いる敬称で、「皆様」という意味合いがあります。学校関連では、以下のような場合に部署名の後につけて使用されることがあります。

  • 〇〇学校 保護者 各位
  • △△大学 教職員 各位

「御中」が組織や部署全体を一つの宛先とするのに対し、「各位」はその組織やグループに属する一人ひとりに対して敬意を払うニュアンスがあります。「〇〇部 御中 各位」や「保護者各位様」といった使い方は誤りです。「各位」自体が敬称なので、「様」や「御中」を重ねてはいけません。

「ご担当者様」

部署名は分かるものの、具体的な担当者名が不明で、かつ「御中」よりも少し具体的に人に呼びかけたい場合に「ご担当者様」を使用することができます。

  • 〇〇大学 入試課 ご担当者様

これは、「入試課の中のどなたか担当の方へ」というニュアンスになります。「御中」でも間違いではありませんが、より個人に業務を依頼する意識が伝わりやすい表現です。ただし、「〇〇大学 入試課 御中 ご担当者様」とはしません。部署名の後につける場合は「ご担当者様」のみです。

「貴校(きこう)」

これは封筒の宛名ではなく、手紙やメールの本文中で相手の学校を指す際に使われる敬称(尊称)です。「あなたの学校」を敬って表現する言葉で、書き言葉で使います。

「貴校の教育理念に感銘を受けました。」

「貴校ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」

話し言葉では「御校」が使われることが一般的です。

まとめ

この記事では、「学校 御中」の正しい使い方を中心に、関連する宛名マナーについて解説しました。最後に重要なポイントを再確認しましょう。

「御中」は学校全体や特定の部署など、組織宛に使う敬称。

個人宛には「様」を使い、「御中」と「様」は併用しない。

学校内の特定部署に送る場合は「〇〇学校 △△部 御中」と記載する。

返信用封筒の「行」「宛」は二重線で消し、「御中」または「様」に書き換える。

「先生」や「各位」といった他の敬称との違いを理解し、適切に使い分ける。

これらの基本ルールを押さえておけば、学校への書類送付や連絡の際に、宛名で迷うことはなくなるはずです。正しいマナーは、相手への敬意を示す第一歩です。自信を持って、スムーズなコミュニケーションを築いていきましょう。

この記事の投稿者:

hasegawa

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