
町内会の会計担当になったものの、会費を集める際に「領収書をください」と言われて困ってしまった…そんな経験はありませんか? 実は、町内会費の領収書の書き方には基本のルールがあります。
さらに最近はインボイス制度が始まり、「町内会費にも関係あるの?」と不安になりますよね。
この記事では、町内会費の領収書とは何かという基本から、手書き・パソコンでの正しい書き方、インボイス制度への対応方法、よくあるミスと対処法、無料テンプレートの活用術、そして領収書の保管管理のポイントまで、初心者にもわかりやすく解説します。
最後に「但し書きはどう書く?」「収入印紙は必要?」「電子化してもOK?」といったよくあるQ&Aにもお答えします。カジュアルな口調で進めますので、肩の力を抜いてぜひ最後までご覧くださいね。
目次
町内会費の領収書とは?基本的な役割と必要性
領収書とは、お金を受け取ったことを証明するために発行する書類です。町内会費を集める際にも、支払った人から「領収書が欲しい」と言われることがあります。では、町内会費の領収書にはどんな役割があるのでしょうか?
支払った人にとっての証拠
「確かに会費を支払いました」という証明になります。後から「払った・払っていない」の行き違いを防ぎ、安心感を与えます。
受け取った側(町内会)にとっての記録
お金を受領した事実を記録に残せます。収入を管理し、会計報告の際にも「〇〇さんから△月分の会費△円を受領済み」と示せるので透明性が高まります。
このように領収書はお互いの金銭トラブルを防ぐ大切な役割を果たします。特に町内会費の場合、「毎年決まった額だし、領収書は不要では?」と思われがちですが、場合によっては必要になります。
町内会は税法上「人格のない社団等」として扱われ、会費収入は非課税(税務上は申告不要)です。しかし、支払った側が確定申告などで経費計上するケースでは領収書が必要です。
例えば、アパート経営をしている方が支払う町内会費は不動産収入の必要経費になります。その場合、経費の証拠書類として領収書の保存が義務付けられているため、求められたら町内会側も領収書を発行しなければなりません。
要するに、町内会費の領収書は支払う人が必要とすることがあるので、町内会としても発行できる準備が必要です。地域によっては「会計管理がしっかりしているから」と領収書を省略したり、集金用の封筒に受領印を押すだけで済ませる慣習の所もあります。
しかし、時代の流れもありできるだけ正式に領収書を発行することが望ましいでしょう。そうすることで会計の透明性が増し、後日のトラブル防止にもつながります。
領収書の基本的な書き方(手書き・パソコン作成)
では実際に、町内会費の領収書をどう書けば良いのでしょうか。手書きで作成する場合とパソコンで作成する場合に分けて解説しますが、まずは共通して必ず記載すべき基本項目から押さえましょう。
領収書に記載すべき基本項目
領収書には決まった様式や用紙の規定はありません。手書きでもパソコンで作っても構いませんが、以下の項目は必ず記載しましょう(領収書の必須項目になります)。
取引日(受領日)
町内会費を受け取った日付を記入します。
発行者の名称
領収書を発行する町内会の名称を書きます。通常は町内会名+会計担当者名(または会長名)などを記載します。
支払者の名称(宛名)
会費を支払った人の名前を書きます。個人ならフルネーム+「様」、法人なら正式名称+「御中」などとします(※「上様」や空欄は避けましょう)。
金額
受け取った会費の金額を記載します。通貨単位(¥)を付け、後ろに「-」を入れるなど、改ざんされない工夫をしましょう。必要に応じて金額を大字(壱、弐など漢数字)で併記すると安心です。
取引内容(但し書き)
何の代金として受け取ったかを記します。町内会費の場合は「〇月分の会費として」「令和○年度町内会費として」など、支払いの対象期間や目的がわかるように書きます。複数月分をまとめて受け取った場合は「○月〜○月分として」と期間を明記しましょう。
以上の項目が漏れていなければ、形式は自由です。それでは、具体的な書き方のポイントを手書きの場合とパソコン作成の場合で見ていきます。
手書きで領収書を作成する場合
手書きで領収書を発行する際は、文房具店などで市販されている領収書の冊子(伝票)を利用すると便利です。市販の領収書には複写の控えが付いているものも多く、会計担当者用の控えを残すことができます。
記入のコツ
黒のボールペンで書く
鉛筆や消えるインクのペンは使用せず、消せない筆記具で書きます。ボールペンでしっかりと書くことで、後から改ざんされたり消えたりするのを防ぎます。
項目ごれに丁寧に記入
前述の必須項目(日付・宛名・金額・但し書き・発行者名)を一つずつ丁寧に書き込みます。特に宛名と金額は空欄にせず、はっきりと記載してください。宛名を「上様」にしたり空白のままにするのはNGです。
金額欄の書き方
金額は数字だけを書いて終わりにせず、「¥○○○○-」のように金額の前後に記号や符号を入れると安全です。
例えば「¥3000-」とすれば、後から数字を書き足される心配がありません(「¥3000」と書いてスペースが空いていると、後で0を足して¥30000にされる恐れがあります)。必要に応じて「金参仟円也」のように漢数字で書いても良いでしょう。
但し書きを具体的に
但し書き欄には「町内会費○月分として」など具体的に記入します。「会費」「お品代」など一言だけでは何の代金か不明確なので避けましょう。例えば「〇年〇月分の町内会費として」と書けば、一目で何の支払いか分かります。
発行者名と押印
領収書の発行者として町内会の名前を記入し、その横に会計担当者の氏名や印鑑を押します。町内会の代表印や会計担当者の認印があれば押印しましょう。印鑑がなくても法的には有効ですが、スタンプがあるとより正式です。
収入印紙の貼付
金額が5万円以上の場合は収入印紙が必要です。該当する場合は所定の額面の収入印紙を領収書に貼り、印鑑で消印(印紙と領収書用紙にまたがるよう押す)してください。町内会費では一世帯あたり5万円を超えることは稀ですが、万一高額になる場合は忘れずに対応しましょう。
手書きの場合、一度書き間違えると訂正が面倒です。修正液や修正テープの使用は避け、誤った箇所に二重線を引いて訂正印を押すか、最初から新しく書き直すようにします。特に宛名や金額の書き損じはトラブルのもとになるので、慎重に記入しましょう。
もし集金先が多い場合は、あらかじめ領収書に町内会名や日付などを書いて準備しておくと当日の手間が減ります(ただし、受領日や金額は実際に受け取ったときに記入しましょう)。
パソコンで領収書を作成する場合
パソコンを使えば、領収書をExcelやWordで作成したり、専用の会計ソフトのテンプレートを利用したりすることができます。パソコン作成の利点は、体裁が整った見た目で複数枚を効率よく発行できることと、データとして保存できることです。
作成と印刷のポイント
テンプレートを活用
白紙から作るのが大変な場合は、無料で提供されている領収書のテンプレートを使うとよいでしょう。Excel形式のひな形などに沿って項目を入力すれば、簡単に町内会向けの領収書を作成できます。後述するように、ネット上には町内会費用のテンプレートも公開されています。
必要項目を入力
パソコンで作る場合も、先述の必須5項目(日付、発行者、宛名、金額、但し書き)を忘れず盛り込みます。Excelの計算式を使って日付や通し番号を自動入力したり、金額を合計することもできます。
印鑑欄の準備
パソコンで作った領収書には通常、印鑑の画像は入っていないため、印鑑欄を設けておきます。印刷後に会計担当者が押印するスペースを作っておくと親切です。最近では認印の画像を貼り付けて電子的に発行するケースもありますが、紙で渡す場合は押印した方が受け取る側も安心でしょう。
1ページに複数枚配置も可能
A4用紙に小さい領収書フォームを複数(例えば3枚や4枚)配置して印刷すれば、用紙を切り離して使うこともできます。
集金世帯が多い場合は、この方法でまとめて印刷しておくと効率的です。控えも同時に印刷しておけば、どの世帯にどの領収書を渡したか記録が残ります。
パソコンで作成した領収書は、内容さえ満たしていれば正式な領収書として認められます。市販の領収書台紙を使わなければいけない決まりはありませんので、町内会名やロゴを入れたオリジナル様式を作ってもOKです。
ただし、デザインに凝りすぎて肝心の項目漏れがないよう注意してください。印刷した後の扱いは手書きの場合と同様で、署名や押印、必要なら収入印紙の貼付を行います。
インボイス制度に対応した町内会費の領収書の書き方(免税事業者の場合の注意点も)
令和5年(2023年)10月からスタートしたインボイス制度(適格請求書等保存方式)により、請求書や領収書には消費税率ごとに金額を区分して記載することなどが求められるようになりました。
「消費税10%対象分」「軽減税率8%対象分」といった具合に区分表示をするのが原則です。また、適格請求書発行事業者の登録番号や、消費税額の記載も必要になります。
しかしご安心ください。町内会費はインボイス制度上、消費税の課税対象外(不課税)です。 会費には明確な対価性がないため消費税がかからず、領収書についてもインボイス制度で要求されるような税率ごとの区分記載は必要ありません。
つまり、町内会費の領収書は従来通りの書き方で問題なく、わざわざ「10%」「8%」などと区分したり消費税額を記載したりする必要がないのです。
免税事業者としての注意点: 多くの町内会は消費税の課税事業者ではなく、インボイス発行事業者の登録も行っていないはずです(課税売上高が年1,000万円を超えるような事業をしていないため免税事業者となります)。
その場合、領収書に適格請求書発行事業者の登録番号を持っていないので書けませんが、町内会費自体が不課税の支払いであるため全く問題ありません。
会費を支払った側(住民や事業者)は、その領収書を使って消費税の仕入税額控除を受けることはできませんが、そもそも消費税がかかっていない支払いなので控除の対象にもならないわけです。
買い手(支払者)としてもインボイスが無いことで損をすることは基本的にありません。
なお、町内会費の集金と一緒に課税対象となるものを受け取った場合には注意しましょう。例えば町内会で食品や物品を販売し、その代金を受領した場合は、それらは消費税の課税対象となります。
その際の領収書では、会費とは別に「(軽減)8%」や「10%」のように税率区分を明記する必要があります。ただし通常の会費だけであれば、こうした対応は不要です。
まとめると、町内会費の領収書はインボイス制度による新たな記載事項は求められないということです。インボイス制度が始まったからといって特別な変更をしなくても大丈夫ですので、これまで通り必要項目を漏れなく記載した領収書を発行してください。
万一、支払者から「インボイスに対応した領収書が欲しい」と言われた場合は、「町内会費は非課税のため、通常の領収書で問題ありません」と説明すると良いでしょう。
よくある間違いとその対処法
領収書を作成・管理する中で、会計担当者が陥りがちなミスとその対処法をまとめました。ありがちな間違い例を知っておけば、事前に防止できますし、万一間違えた場合の対処も落ち着いて行えます。
宛名を書かずに渡してしまう
宛名を空欄のままにしたり、「上様」と書いて領収書を渡すケースです。お店のレシート感覚で宛名を省略してしまうことがありますが、これは誰が支払ったか証明できず不適切です。
税務調査などで宛名のない領収書は信頼性を欠き、経費計上時に指摘される可能性もあります。
対処法: 宛名には必ず支払者のフルネームを記入しましょう(個人なら「山田太郎様」、法人なら「〇〇株式会社 御中」など)。集金前に世帯名簿から名前を書き込んでおくとスムーズです。どうしても不明な場合以外、「上様」は使わないようにします。
但し書きを省略・曖昧に記入する
領収書の但し書き欄を空白にしたり、「会費」「代金」など曖昧な一言だけを書いて済ませてしまうミスです。何のためのお金か第三者が見て分からず、後で経理処理する際にも困ります。
対処法: 但し書きには具体的な内容を記載しましょう。町内会費であれば「◯年◯月分の町内会費として」「令和◯年度町内会費として」などと書けば明確です。特に「お品代」「代金」など一見便利な言葉は内容が伝わらないため避けてください。
いつ・何の支払いか分かる表現を心掛けます。
収入印紙を貼り忘れる
高額の領収書を発行した際、本来必要な収入印紙を貼らないまま渡してしまうミスです。収入印紙は印紙税法で定められた義務なので、貼り忘れると発行者側が後日ペナルティを受ける可能性があります。
対処法: 領収書の金額を確認し、5万円以上の場合は所定の収入印紙を必ず貼付しましょう。例えば5万円以上100万円以下なら200円の印紙が必要です(※町内会費単独では通常そこまで高額になりませんが、念のための知識として)。
印紙を貼ったら、忘れずに町内会の印鑑で消印を押します。「収入印紙貼付欄」を領収書に設けておくと貼り忘れ防止に役立ちます。
訂正方法を誤る(修正液の使用など)
領収書に書き間違いがあった際、修正液や修正テープで消して書き直してしまうケースです。一見きれいに直せますが、何を直したか履歴が残らないため不正を疑われかねません。税務上も修正液等で消された領収書は好ましくないとされています。
対処法: 誤記があった場合は、二重線を引いて訂正印を押すのが正式な訂正方法です。例えば宛名を間違えた場合、該当箇所に二重線を引き、空いているスペースに正しい宛名を記入し、その近くに会計担当者の印鑑を押します。
金額を訂正するような重大な誤りの場合は、領収書そのものを作り直して再発行する方が確実です。とにかく修正テープ類は使わず、訂正は発行者側が行うようにしましょう(受け取った側が勝手に書き換えるのもNGです)。
領収書の控えを保存していない
会費を集めて領収書を渡したものの、発行した側(町内会)がその記録や控えを残していないミスです。後日、「◯◯さんから会費を確かに受け取ったっけ?」となったとき控えがないと確認できず大変です。
対処法: 必ず控えを手元に保存しましょう。手書きの場合は複写式の領収書帳を使えば控えが残ります。パソコンで作成した場合も、印刷前のデータを保存したり、発行リストを作って誰に何号の領収書を渡したか記録してください。
控えには領収書の発行日・金額・相手先をメモしておき、何年か後まで保管します。こうすることで、会計監査や引き継ぎの際も「控えを見れば全て分かる」状態にしておけます。
以上のようなポイントに注意しておけば、領収書発行で失敗するリスクはぐっと減ります。「うっかりやってしまいがちだな」と思う点があれば、事前に対策を講じておきましょう。
領収書テンプレートの活用(無料テンプレートも紹介)
「一から領収書を作成するのは大変そう…」という方は、無料のテンプレートを活用してみましょう。町内会費の領収書は、既存のテンプレートを使えば必要事項が最初からフォーマット化されているので、入力するだけで簡単に作成できます。また、テンプレートを参考に自分で書式を整えることで、記載漏れ防止にもなります。
無料テンプレートを使うメリット
手軽に始められる
インターネット上で「領収書 テンプレート 無料」などと検索すると、ExcelやWord形式のひな形が多数見つかります。例えば会計ソフト提供企業の公式サイトや自治体のホームページで、町内会や自治会向けの領収書フォームが公開されています。
これらをダウンロードすれば、項目配置やデザインを一から考える手間が省けます。
必要項目が揃っている
テンプレートには日付・宛名・金額・但し書き・発行者名などの欄があらかじめ用意されています。自分で項目を忘れる心配がなく、漏れのない領収書を作れます。あとは町内会名や金額などを入力するだけで体裁の整った領収書が完成します。
編集やカスタマイズも可能
配布されているテンプレートは、自分の町内会用にカスタマイズして使うこともできます。例えば町内会の名前や住所を入れたり、ロゴマークがあれば配置したり、宛名や日付を大きめの字に変えたり、といった調整も自由です。
無料のテンプレートであってもExcelやWordで編集できるので、自団体に合わせて使いやすくアレンジしましょう。
領収書の記載例(ひな形)
実際に町内会費領収書のレイアウト例を見てみましょう。下記は一例ですが、基本項目がどのように書かれるかの参考になります。
項目 | 記入例(町内会費領収書) |
日付 | 令和5年4月1日 |
宛名(受取人) | 山田 太郎 様 |
金額 | ¥3,000- |
但し書き | 町内会費(2023年4月〜6月分)として |
発行者 | ○○町内会 会計担当 佐藤(印) |
上記のように、テンプレートを使えば項目ごとにどんな内容を書けばいいか一目で分かります。領収書タイトルや町内会名・連絡先などもテンプレートによっては入っていますので、必要に応じて追記してください。
市販の領収書を使う場合でも、基本はこの表のような情報を埋めていけばOKです。
豆知識: 市販の領収書帳はコンビニや文房具店で手に入りますが、エクセルなどで自作する場合は好きなサイズ・様式で作成できます。
例えばA4用紙に8枚の領収書枠を作って印刷し、4枚を領収書、4枚を控えとして切り離すような使い方も可能です。無料テンプレートの中にも、A4を8分割して使える町内会費領収書の雛形が公開されているものがあります。
ご自身が扱いやすい形のテンプレートを探してみると良いでしょう。
なお、テンプレートを利用する際は配布元の利用条件を確認してください(会員登録が必要な場合もあります)。基本的には無料で使えるものが多いので、積極的に活用して作業効率化を図りましょう。
会計担当者が押さえておくべき領収書管理のポイント(保管期間、保存方法など)
領収書を発行したらそれで終わりではなく、発行した側での管理も重要です。町内会の会計担当者としては、領収書の控えやデータをしかるべき期間保存し、整理しておく責任があります。ここでは、領収書の保管期間と保存・整理の方法について押さえておきましょう。
保管期間はどれくらい?
町内会費の領収書について法的な保存義務年数は特に定められていません(町内会は任意団体であり、会社のような厳格な規制はありません)。
とはいえ、税法上の書類保存年限を参考にしているケースが多いです。一般的に、法人や青色申告事業者の領収書は7年間、白色申告では5年間の保存が求められます。実際の町内会でも「領収書は5年間保存する」など内規で決めているところが多いようです。
会計担当者としては、少なくとも5年程度は領収書の控えを保管しておくことをおすすめします。可能であれば7年程度保管すれば、税務上の一般的な保存期間も満たせて安心です。
例えば今年度の会費領収書であれば、少なくとも5年後の年度末までは保管しておく、といった具合です。期間を過ぎても余裕があれば捨てずに取っておく方が、後で過去の照会があった際に役立ちます。
領収書の整理・保存方法
発行した領収書の控えやデータは、以下のポイントに沿って整理・保管しておきましょう。
時系列でファイリング
領収書の控えは日付順や番号順にまとめます。発行した順番に綴っていけば、後で「○月○日に誰に発行した分を確認したい」というときすぐ見つかります。
複写の控えがある場合はそのまま綴じても良いですし、バラの控え用紙はクリアファイルや綴じひもでまとめて保管しましょう。
必要な情報の記録
控えや台帳に、領収書の発行番号・日付・相手先・金額を一覧できるように記録しておくと便利です。例えばエクセルで「領収書発行リスト」を作成し、「No.1 2025/04/01 山田太郎 ¥3000」などと管理します。
これにより、どの領収書が誰に渡ったか一目瞭然です。手書きの場合でもノートに同様の記録を残しておきましょう。
紙の保管方法
紙の領収書控えは劣化しないよう適切に保管します。高温多湿は避け、ファイルボックスやバインダーにまとめて棚に保管しましょう。
特に感熱紙(レシートのような紙)は時間が経つと文字が消えてしまうので、必要に応じてコピーを取ったりPDFスキャンしておくと安心です。
町内会費の領収書控えは普通の紙にボールペンで書くことが多いので極端に消える心配はありませんが、水濡れや紛失に注意してください。
電子データでの保存
発行した領収書をスキャンしてPDFや画像データで保存しておく方法も有効です。昨今はスマホで撮影してクラウド保存するなど、電子化した記録も併用すると検索・共有が簡単になります。
2022年の電子帳簿保存法改正により、紙の領収書をスキャン保存する要件も緩和されています。適切な解像度でスキャンし、発行日ごとにフォルダ分けするなど整理すれば、紙を探さなくてもパソコン上ですぐ領収書を確認できるようになります。
引き継ぎに備える
会計担当者が交代する際には、領収書の控えや管理ファイルを次の担当者にしっかり引き継ぎましょう。年度末の監査時にも、きちんと整理された領収書類が提出できると「この会計は信頼できる」と評価されます。領収書は会計書類の一部ですので、大事に保管・管理してください。
要するに、「領収書を発行したら控えをしかるべき期間、見やすい形で保管しておくこと」が会計担当者の重要な仕事になります。発行して終わりではなく、その後の管理まで気を配りましょう。
よくあるQ&A
最後に、町内会費の領収書に関して初心者が疑問に思いがちなポイントをQ&A形式でまとめました。
Q: 但し書きはどう書く?
A: 領収書の「但し書き」欄には、何のための支払いかが分かるように書きます。町内会費の場合は「〇〇月分の町内会費として」や「令和〇年度町内会費として」などと記載するのが一般的です。
ポイントは、後で見たときに第三者にも内容が伝わる具体的な表現にすることです。
例えば「会費」「代」とだけ書くのは漠然としすぎてNGです。毎月集金するなら「◯月分」、年会費なら「◯年度分」と入れることで、期間も明確になります。複数月をまとめて受け取った場合も「◯月〜◯月分」と範囲を書きましょう。
また、領収書用紙によっては但し書きの前に既に「但」と印字されているので、その後に続けて記入すればOKです。
Q: 収入印紙は必要?
A: 領収書に貼る収入印紙は、記載された金額が5万円以上かどうかで判断します。印紙税法では「金銭の受取書」にあたる領収書は、受取金額が5万円以上の場合に所定の収入印紙を貼付しなければなりません。5万円未満なら不要、5万円以上100万円以下なら200円分の印紙、と金額に応じて定められています(さらに高額の場合は印紙代も上がります)。
町内会費は1世帯あたり数千円〜1万円程度のことが多く、通常は印紙不要でしょう。ただし、例えば何年分もまとめて徴収して一度に5万円超になった場合などは印紙を貼る必要があります。
該当する場合は領収書に収入印紙を貼り、町内会の印鑑で消印をします。貼り忘れると発行者側(町内会)が後日税務署から印紙税を追徴される可能性があるので注意しましょう。
Q: 電子化してもOK?(領収書を電子データで保存・発行しても良い?)
A: はい、領収書の電子化は可能です。現代では紙の領収書をスキャンしてPDFで保管したり、最初からPDF領収書を発行してメール送付するケースも増えています。電子帳簿保存法の要件を満たせば、紙の領収書をスキャンしたデータのみで保存することも認められます。
町内会の規模でしたら、紙の控えを残しつつ念のため電子データ化して保管する方法がおすすめです。紙原本が紛失・劣化した場合のバックアップにもなります。発行についても、相手(支払者)が了承していればPDFなどで領収書を発行しても問題ありません。
ただ、その場合でも必要項目はきちんと入れ、発行者の署名や印影など信頼性を担保する措置は講じましょう(メール送付時に「正式な領収書としてお使いください」等ひと言添えると親切です)。
要は、保存も発行もデジタルでOKですが、内容と保管期間は紙の場合と同じと心得てください。電子化することで管理は格段に楽になりますが、万一に備えて重要な紙原本は捨てずに保管しておくと安心です。
まとめ
町内会費の領収書について、基本から応用まで幅広くご紹介しました。領収書は一見地味な存在ですが、お金の受け渡しを裏付ける大切な書類です。初心者の方でもポイントさえ押さえれば、決して難しいものではありません。
まず、「領収書って本当に必要?」と思われがちな町内会費ですが、必要になる場面があることがお分かりいただけたでしょう。領収書を発行しておけば、支払った側も受け取った側も安心できます。
書き方の基本5項目(日付・宛名・金額・但し書き・発行者)さえ守れば形式は自由です。手書きでもパソコンでも、自分に合った方法で作成してください。インボイス制度の影響も町内会費領収書には基本ありませんので、これまで通りの内容で問題ありません。
ちょっとした工夫として、無料テンプレートを使えば領収書作成がぐっと楽になりますし、書き漏れの心配も減ります。今回紹介したような文例を参考に、自分の町内会向けにアレンジしてみてください。
発行した領収書の控えは5年〜7年程度保存し、整理しておきましょう。紙・データ両面で残しておけば万全です。
最初は戸惑うかもしれませんが、領収書対応に慣れてしまえば会計業務の自信にもつながります。町内会の会計担当として、ぜひ本記事の内容を活かして正確でスマートな領収書発行・管理を実践してみてください。
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また請求書はスマートフォンからも作成・発行が可能。隙間時間や外出先で急を要する場合でもすぐに対応できるのが特徴です。もちろん電子帳簿保存法にもとづいた、クラウド管理にも完全対応しています。請求書の枚数や取引先数、メンバー管理なども無制限です。まずは無料で始めてみてください。
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