請求書の管理 請求書払いとは?メリット・デメリットや流れをわかりやすく解説 最終更新日: 2024/02/11   公開日: 2023/07/02

請求書払いの流れ

請求書払いは、基本的に以下のフローで進みます。

  1. 与信審査
  2. 請求書の作成・送付
  3. 入金消込
  4. 催促・督促

それぞれのステップについて見ていきましょう。

①与信審査

請求書払いを導入するには、取引先企業の支払能力を確認するための与信審査が不可欠です。十分な与信審査を行うことで、未回収の売掛金を減らせます。ただし、与信基準を厳しくしすぎると、不良債権のリスクが高まります。逆に、基準を低く設定すると売上が低迷する可能性もあります。そのため、バランスの取れた基準を設けることが重要です。また、定期的に取引先企業の業績をチェックし、個々の取引先に対して与信限度額を設定しましょう。

②データに基づいた請求書の作成・送付

請求金額が確定後、請求書を作成し発行します。請求書の作成方法としては、企業独自のフォーマットやExcelを使用するか、請求書作成システムなどを利用して自動作成する方法があります。

一般的に、請求書には以下の情報が含まれます。

● 請求書の発行日
● 企業名と担当者名
● 取引年月日
● 商品やサービスの名称
● 請求単価と数量
● 振込金額と振込期限
● 振込先金融機関名

請求書の送付方法としては、紙の請求書を郵送する方法や、PDFファイルに変換してメールで送信する方法などがあります。

③入金消込

次に行う作業は、入金消込です。請求書払いでは、取引が成立した時点で代金の入金はなく、会計上では売掛金として処理されます。その後、請求書に記載された金額が指定口座に入金されたかどうかを確認し、入金が確認できたら、入金リストの消込を行います。この作業が入金消込です。

入金消込について詳しく知りたい方はこちら
関連リンク:入金消込って何?エクセル利用のデメリットやツール導入による効率化の方法を紹介

④催促・督促

未払いの請求に関しては、営業担当者が取引先企業の担当者に迅速に確認します。もし単に入金を忘れていたり、請求書を紛失していたりする場合であれば、通常はすぐに入金してもらえることが多いです。ただし、経営状況の悪化により支払いが困難になった、故意に支払おうとしないといった場合は、法的手段を用いて督促する必要があります。

請求書払いのメリット・デメリット

請求書払いの導入には、請求書を発行する請求側と、請求書を受領する支払側のそれぞれの立場においてメリット・デメリットが存在します。以下で詳しく説明します。

請求書払いのメリット・デメリット【請求側】

請求書払いの請求側のメリットは、取引ごとに入金の確認をする手間が省ける点です。取引回数が多い場合、入金確認の手続きが煩雑になりますが、請求書払いでは決められた期間の取引と入金の確認を一括で処理でき、細かな手続きをまとめることで業務の効率化が図れます。さらに入金を待たずに商品をすぐに提供できるため、取引がスムーズになるということもメリットです。

請求書払いの請求側のデメリットは、未回収リスクがあることです。すなわち、売掛金を回収できない可能性も存在します。後払いの性質上、企業の利益が確定するのは取引成立のタイミングではなく、入金が行われたタイミングです。もし入金がない場合は、その取引にかかった営業や顧客対応の人件費、商品代金などがすべて無駄になります。

請求書払いでは、未回収の発生を最小限に抑えることが重要なポイントです。そのため、請求書払いを導入する前に入念な信用調査と与信管理が不可欠ですが、未払いの理由が取引先の急な業績悪化による場合は、事前に防ぐことは難しいでしょう。こうしたリスクも防ぐためには、さらに取引信用保険や売掛保証サービスを検討する必要があります。

請求書払いのメリット・デメリット【支払側】

請求書払いの支払側のメリットは、計画的に資金管理ができることです。請求書払いでない場合は、取引の都度支払いを行うため、細かな資金確認が必要であり、手続きや振込手数料も多く発生します。請求書払いでは、指定された日に一括で支払いが行えるため、資金計画を立てることが容易です。また、手数料も一回で済むため、資金負担も軽減されます。

しかし、デメリットは信用リスクに注意が必要なことです。請求書の支払いが度々遅延すると、取引先との信頼関係が損なわれ、継続的な取引ができなくなる可能性があります。そのため、受領した請求書は徹底して管理する必要があり、管理負担が増えることもあります。

請求書払いにおける注意点

請求書払いの流れを踏まえたうえで、注意すべき点を確認しておきましょう。

注意点1. 印鑑の捺印

原則、請求書には印鑑を押す必要はありませんが、印鑑を押すことには偽造の防止だけでなく、信頼性の向上という効果もあります。一部の企業は、印鑑のない請求書を受け取らない場合もあるため、法的には印鑑を押さなくても問題はありませんが、押印することをおすすめします。印鑑を押す場所は、請求書に記載されている会社名の右側の一部に角印を押すのが一般的です。念のために押すという場合は、認印やシャチハタなどでも問題ありません。

注意点2. 内税か外税かを確認

内税は、消費税を含んだ価格表示、外税は、消費税を含まない価格表示のことです。

内税と外税の表記が異なる理由には、増税によって受領者側の商品価格が値上がりしたという誤解を避けるための配慮が含まれています。そのため、内税または外税のどちらの表記を選んでも問題はありません。とはいえ、自社が扱う商品が内税か外税かを確認する必要があります。

一部の場合では、内税と外税が混在し、消費税の計算が複雑になることがあります。特に、会計ソフトウェアを使用する際には注意が必要です。内税と外税に合わせて消費税設定を変更しないと、異なる総額が算出される可能性があるからです。

注意点3. 振込手数料の負担

契約時には、振込手数料の負担は請求側と支払側のどちらが行うかを取り決めましょう。明確な規定は存在しませんが、一般的には支払い側が負担することが多いです。ただし、企業によっては異なる考え方を持つ場合もあるため、事前に話し合いを行うことをおすすめします。

支払側に負担してもらう場合には、請求書に振込手数料の負担をお願いする旨を明記しておきましょう。また、担当者が変わる可能性も考慮し、請求書を送付するたびに振込手数料の負担をする側を明記すると親切です。

注意点4.支払期日のすり合わせ

取引先と契約を締結する際には、支払い期日を調整して確認する必要があります。これは、トラブルを防ぐために重要です。通常、支払い期日は月末締めで、翌月末または翌々月末に支払われることが多い傾向があります。すべての企業がこのタイミングに従う必要はありませんが、一般的な期日と異なる場合、支払いミスが発生する可能性があるため、先方と確認することが必要です。

請求側はできるだけ早く回収したいと望むこともあるかもしれませんが、期日があまりにも短い場合、回収が困難になる可能性があります。そのため、他の企業と合わせた期日の採用がおすすめです。これにより、回収不能に陥るなどの問題が生じるリスクが軽減されます。

請求書に対して払わなかったらどうなる?

請求をされても払わず5年が経過すると効力を失います。請求に基づく債権は民法によって定められている権利です。民法では166条1項1号で債権の消滅時効について定めています。同法によると、請求できるとわかった時点から5年間、権利を行使しなかった場合には時効が完成します。

ただし、消滅時効を完成させない方法もあります。それには、まず時効の完成猶予を成立させることが必要です。催告書を送付する、裁判上で請求する、支払督促をするといった対応をすると時効の完成猶予が成立して時効が完成しなくなります。また、請求先との書面での合意をして請求時期を遅らせた場合にも、その期日まで請求書の効力を延長できます。

参照:民法 | e-Gov法令検索
   民法改正に伴う消滅時効の見直しについて|厚生労働省

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事例1:株式会社ポートイット様

株式会社ポートイット様は、ITコンサルティングやソフトウェア開発を手がける企業です。以前は、請求書の作成や管理にエクセルなどのオフラインツールを使用していました。しかし、取引件数の増加に伴い、見積もりや請求書の状況を簡単に把握できる一覧管理が必要になりました。そこで、簡単で使いやすく、無料で利用できるINVOYを導入したそうです。
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参照:取引件数が増えてきたため、請求書の管理を簡単にできるINVOYを利用しています。– INVOY

事例2:株式会社クロスプレイス様

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参照:請求書サービスを複数利用した私がINVOYを選んだ理由 – INVOY

まとめ

請求書払いは、企業間の取引においてよく使用される決済方法であり、「料金後払い」や「掛け払い」とも呼ばれています。請求書払いは、与信審査、請求書の作成・送付、入金消込、催促・督促という手順で進行します。請求書払いを選択すると、請求側は取引ごとの入金確認にかかる時間を節約できますが、未回収リスクが存在するというデメリットがあります。一方、支払い側は計画的な資金管理ができるメリットがありますが、信用リスクには注意が必要です。請求書払いを検討している企業のご担当者は、この記事を参考にして注意点を確認した上で、導入を進めることをおすすめします。

この記事の投稿者:

shimohigoshiyuta

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