
イベントに出演するアーティストやゲストに支払われる「イベント出演料」。
この出演料に対して源泉徴収が必要なのか、迷ったことはありませんか?源泉徴収とは、支払いの際に所得税などをあらかじめ天引きして納税する仕組みです。
普段あまり税務に詳しくない方にとっては、「イベント出演料の源泉徴収」という言葉自体が難しく感じられるかもしれません。
しかし、源泉徴収を正しく理解しておかないと、思わぬ損失やトラブルにつながることもあります。
そうならないためにも、本記事を通して基礎知識をしっかり押さえておきましょう。
本記事では、イベント出演料に源泉徴収が必要なのかという疑問に答えながら、具体的なケース別の対応や注意点をわかりやすく解説します。
対象読者は、個人のアーティスト、イベント主催者、そしてその経理・会計担当者です。税務知識がない初心者の方にも理解できるように、カジュアルで親しみやすいトーンで丁寧に説明していきます。
目次
イベント出演料は源泉徴収の対象になる?
まず結論から言うと、多くの場合、イベント出演料は源泉徴収の対象になります。つまり、イベントの主催者がアーティストや出演者に出演料を支払う際には、その金額から一定の所得税(源泉所得税)を差し引いて国(税務署)に納める必要があるケースが一般的です。
なぜイベント出演料が源泉徴収の対象になるのでしょうか?それは、日本の所得税法で定められた「報酬・料金」の一種とみなされるからです。
出演料は、講演料や原稿料などと同様に、個人が業務やサービス(この場合はパフォーマンスや講演など)を提供した対価です。そのため、一定の条件下では支払う側が所得税を天引きする義務が生じます。
ただし、すべてのケースで源泉徴収が必要というわけではありません。一部には源泉徴収が不要な例外的なケースも存在します。以下で、源泉徴収が必要なケースと不要なケースに分けて具体的に見ていきましょう。
源泉徴収が必要となるケースと具体例
イベント出演料に対して源泉徴収が必要となる典型的なケースを挙げます。基本的に、支払先が個人(フリーランスや自営業のアーティスト等)である場合は源泉徴収の対象となります。
芸能・演芸活動の出演料
歌手やバンド、ダンサー、お笑い芸人などがライブイベントやショーに出演して受け取るギャラ(出演料)は、源泉徴収の対象です。例えば、音楽フェスでアーティストに支払われる出演料や、地元イベントでのタレントのトークショー出演料などが該当します。
講演やセミナーの謝金
イベントで講演者を招いてトークイベントやセミナーを開催する場合、その講演料や謝礼も源泉徴収が必要です。たとえば、専門家を招いたパネルディスカッションの謝金や、ワークショップの講師料なども該当します。
名称が「謝礼」や「協力費」とされていても、実質が講演や出演の対価であれば源泉徴収の対象です。
個人に支払う出演関連費用
出演料とあわせて支払われる交通費や宿泊費なども、支払方法によっては源泉徴収の対象に含まれます。
具体的には、主催者が出演者本人に「交通費込みで○○円」という形で一括で支払う場合、その全額が報酬とみなされ源泉徴収の計算対象になります。
一方、主催者側が交通機関やホテルに直接支払った場合(出演者に現金を渡さない場合)の旅費・宿泊費は報酬とはみなされず、源泉徴収の対象に含めなくてもよいとされています。
海外在住者を日本に招いた場合
海外に住むアーティストをイベントに招いて出演料を支払う場合も、日本国内で発生した報酬として源泉徴収が必要になります(税率は後述しますが一般的に20.42%と高めです)。
例えば、海外のミュージシャンを日本のフェスに呼んで出演料を支払うケースでは、主催者は原則として源泉徴収を行います。ただし、租税条約など個別の事情によって扱いが異なる場合もあるため注意が必要です。
まとめると、「イベント出演料=個人への報酬」と位置付けられる場合は、その支払いの際に源泉徴収が必要になると覚えておきましょう。
源泉徴収が不要なケースとその理由
次に、イベント出演料であっても源泉徴収が不要となるケースについて説明します。主な理由としては、支払先の性質や支払いの性質によるものがあります。
支払先が法人の場合
出演料の支払先が個人ではなく、株式会社や合同会社などの法人である場合、源泉徴収は不要です。例えば、出演者本人が自分の所属事務所(法人)を通じて請求書を発行し、主催者がその法人に出演料を支払うケースでは、支払先が法人になるため天引きは行いません。
このように、報酬の受け取り手が法人であれば、所得税の源泉徴収義務は基本的に発生しないことになっています。
賞金やコンテストの景品等
イベントによっては、出演料ではなくコンテストの賞金や副賞として金銭を支払う場合があります。所得税法では、懸賞やコンテストの賞金について、一人に対して1回に支払う金額が50,000円以下であれば源泉徴収をしなくてもよいという特例があります。
そのため、例えばイベント内で行われたコンテストの優勝賞金が5万円以下であれば、その支払いについては源泉徴収不要です。
ただし、賞金が50,000円を超える場合や、賞金とは名目でも実態が出演や制作の報酬にあたる場合には源泉徴収が必要となるので注意しましょう。
純粋な経費精算の場合
出演者が立て替えた経費の精算だけを行う場合(例えば、出演者が自身で手配した衣装代や機材レンタル代を主催者が後日精算する)、それはあくまで経費の払い戻しであり報酬ではありません。このようなケースでは源泉徴収の対象にはなりません。
重要なのは、その支払いが出演や役務提供の対価なのか、単なる費用の立替清算なのかを区別することです。
私的なイベントでの支払い
ごく稀なケースですが、もしイベント主催者が個人であり、事業としてではなく私的に行っている支払いであれば、厳密には源泉徴収義務者に該当しません(通常、源泉徴収義務は法人や事業者として報酬を支払う場合に課されます)。
例えば、家族の誕生日パーティーに友人ミュージシャンを招いてお礼として謝礼を払ったような場合、税法上は事業所得ではないため源泉徴収の必要はありません。ただし、こうしたケースは特殊であり、一般的な商業イベントでは該当しないでしょう。
以上が主な源泉徴収不要となるケースです。要するに、支払先が個人か法人か、および支払いの性質が報酬かどうかがポイントになります。イベント出演料であっても、受け取る側が法人だったり、純粋な賞金や経費精算であったりする場合には源泉徴収は発生しません。
支払う側(主催者・会計担当)が注意すべき点
イベント出演料を支払う主催者やその会計担当者は、源泉徴収に関していくつかの重要な義務と注意点があります。ここでは、支払う側が押さえておくべきポイントを解説します。
源泉徴収義務の認識
まず、自分たちが源泉徴収義務者に該当するか確認しましょう。法人はもちろん、個人事業主としてイベントを開催して報酬を支払う場合も源泉徴収義務者になります。イベント出演料を個人に支払う際は、「自分が税金を天引きして納める役割を負っている」ことを自覚する必要があります。
適切な税率での控除
出演料支払い時には、所定の税率で所得税を差し引きます。基本的な税率は10.21%ですが、支払額が大きい場合は超過分に対して後述する高い税率が適用されます。
例えば、出演料として10万円を支払う場合、10万円×10.21%=1万0210円を源泉徴収し、残りを出演者に支払います。税率を間違えないように注意しましょう(詳細は後述の「源泉徴収税率と計算方法」セクションで解説します)。
消費税額の扱い
出演料に消費税が含まれる場合の扱いにも注意が必要です。通常、請求書や契約書で出演料に消費税(10%)が上乗せされている場合、その消費税額も含めた総額に対して源泉徴収を行います。
しかし、もし請求書等で消費税額が明確に区分されている場合には、報酬部分のみを源泉徴収の対象額とすることができます。インボイス制度(適格請求書保存方式)が始まった現在(2025年)でも、この取扱いに変更はありません。
要は、消費税を切り分けて表示していない場合は全額を課税対象とみなし、明示的に分けてあれば報酬部分だけに源泉税をかけるということです。
源泉所得税の納付と期限
天引きした源泉所得税は、主催者(支払者)がまとめて税務署に納付します。納付期限は原則として翌月10日までです。例えば、4月中のイベントで出演料を支払って源泉徴収した場合は、5月10日までにその徴収分を納めます。
納付が遅れると延滞税や加算税といったペナルティが課される可能性がありますので、期限管理は厳重に行いましょう。なお、支払者が小規模事業者で一定の要件を満たす場合、納期の特例制度を利用して半年に一度(1月と7月)まとめて納付することも可能です。
この特例を利用する際は所轄税務署への申請が必要になります。
支払調書の作成と提出
源泉徴収を伴う出演料を支払った場合、支払者は支払調書という法定調書を作成する義務があります。支払調書には、誰にいくら支払っていくら源泉徴収したか、といった情報を記載します。
この支払調書は、毎年その年の分を取りまとめて翌年1月末までに税務署へ提出する必要があります(併せて「法定調書合計表」の提出も必要です)。
なお、支払調書は税務署提出用の書類であり、給与のように受取側へ交付する義務はありません。しかし、多くの場合、受け取った側(出演者)が確定申告をする際の参考となるよう、写しを渡すケースもあります。
契約時の取り決め
出演者との契約時に「出演料の金額(税引前か税引後か)」をはっきりさせておくことも、主催者側の重要な配慮点です。
例えば、「出演料○○円(源泉徴収税は主催者負担)」と契約書に記載すれば、出演者には約束額が手取りで渡り、主催者が別途税金を負担することになります。
一方、「出演料○○円(税込・源泉税別)」などとすれば、支払う段階でその金額から源泉税を引いて渡すことになります。こうした取り決めを明確にしておかないと、後で「聞いていた金額より少ない振込になっている!」とトラブルになることもあります。
契約前に、出演料の金額が源泉徴収前か後か、消費税込みか否かを確認・合意しておきましょう。
以上が主催者・支払者側の主な注意点です。しっかりと源泉徴収のルールを理解し、適切に実行することで、税務上のトラブルを未然に防ぐことができます。
受け取る側(アーティスト)が気をつける点
次に、イベント出演料を受け取る側であるアーティストや出演者側の注意点を見てみましょう。源泉徴収が絡む支払いを受け取る際には、以下のポイントに気を付けてください。
振込額(手取り額)と支払額の確認
出演料の契約金額と、実際に口座に振り込まれた金額が異なる場合があります。これは源泉徴収税が天引きされているためです。
例えば、「出演料10万円で合意していたのに、振り込まれたのは約9万円だった」という場合、差額の約1万円は主催者が税金として預かり、税務署に納付するものです。
受け取る側は、契約時の金額が源泉徴収前の額なのか手取り額なのかを把握し、振込額の内訳を確認しましょう。不明点があれば遠慮せず主催者や担当者に問い合わせることが大切です。
源泉徴収された税金はあとで精算される
天引きされた源泉所得税は、あなた(受け取る側)の最終的な税負担が確定するまでの仮の前払いに過ぎません。年明けの確定申告でその年の所得をすべて合算して税額計算を行う際に、この源泉徴収された税額はすでに納めた税金として計上できます。
もし年間の所得に対して源泉徴収された税金が多すぎれば、確定申告で還付(払い過ぎた税金の返金)を受けられますし、逆に不足していれば追加で納税することになります。
いずれにせよ、源泉徴収された分はあなた自身の税金として最終精算されるので、「引かれ損」になるわけではありません。
確定申告時の対応
フリーのアーティストや個人事業主として活動している場合、毎年原則として確定申告が必要です。確定申告書を作成する際、源泉徴収された報酬がある場合は、その収入金額を源泉徴収前の額(総額)で申告し、同時に源泉徴収された所得税額を申告書の所定欄に記入します。
このことで、源泉徴収分が差し引かれた最終的な所得税額が計算されます。確定申告にあたって主催者から「支払調書」を受け取っている場合は、その記載内容を確認し、申告書に正しく反映させましょう(もし支払調書が手元になくても、振込記録や契約書から金額を把握して申告は可能です)。
源泉徴収された税額の合計がわからない場合は、イベント主催者や経理担当に問い合わせれば教えてもらえます。
源泉徴収されていなかった場合
もし本来源泉徴収があるはずの出演料なのに、主催者側から全額(税引きされずに)受け取った場合はどうなるでしょうか。
この場合、考えられる理由は2つあります。1つは、支払者が源泉徴収義務のないケース(前述の法人支払い等)だったため、最初から天引きが不要だったケース。
もう1つは、支払者側の失念や知識不足で、本当は差し引くべき税金を差し引かずに支払ってしまったケースです。前者であれば特に問題ありませんが、後者の場合でも、受け取った側としては慌てる必要はありません。
税金の納付義務は本来は支払者側にあります。ただし、源泉徴収されなかったから税金がタダになるわけではなく、その報酬に対する所得税は最終的には自分で申告して納める必要がある点に注意してください。
要するに、源泉徴収が漏れていても、その分を含めて自分の所得として確定申告し、税金を納める義務があります。
万一、主催者側のミスで源泉徴収漏れが起きていた場合、後日主催者側が追徴を受けたりあなたに連絡が来たりする可能性もありますが、基本的には受け取った報酬は全額自分の収入として扱い、自主的に申告を行うことが大切です。
お金の管理と備え
源泉徴収の有無にかかわらず、出演料として得た収入には税金がかかります。源泉徴収されている場合はその分手取りが少なくなるので日々のやりくりに気を配る必要がありますし、源泉徴収されていない場合は後でまとめて納税のための現金を準備しておく必要があります。
特に源泉徴収されないケース(例えば法人経由の支払い等)では、つい受け取ったギャラを全部使ってしまうと翌年の納税時に資金繰りで困ることがあります。自分の収入に対して概算でどれくらい税金がかかりそうかを把握し、必要なら適宜積み立てをしておきましょう。
以上が受け取る側の注意点です。自分が受け取った出演料の内訳を理解し、適切に確定申告を行うことで、予期せぬ納税不足やトラブルを避けることができます。
よくある誤解やトラブル事例
イベント出演料の源泉徴収にまつわる、ありがちな誤解やトラブルの例をいくつか紹介します。事前に理解しておくことで、こうした問題を回避しやすくなるでしょう。
「出演料には税金がかからない」と誤解していた
初めてイベントに出演する新人アーティストなどに見られる誤解です。出演料=手取り収入と思い込んでしまい、源泉徴収で手取りが減ることを想定していないケースです。実際には出演料にも所得税がかかり、主催者が源泉徴収する仕組みがあることを覚えておきましょう。
振込額が少なく「詐欺だ」と疑う
源泉徴収を知らない出演者が、約束の金額より振込額が少ないのを見て「騙された!」と感じてしまうケースです。このようなトラブルは、事前の説明不足や契約内容の確認不足から起こります。
主催者側は事前に源泉徴収について説明し、受取額の見込みを伝えておくと親切です。また受け取る側も、不明点は契約前に確認しましょう。
交通費や宿泊費の扱いをめぐるトラブル
交通費等を含めて一括で支払った場合、源泉徴収の対象になることを知らずに「約束の交通費まで引かれた」と揉めるケースがあります。前述のとおり、一括支払いの場合は全体が課税対象となります。
トラブル防止のためにも、交通費や宿泊を別精算にする、もしくは源泉徴収について双方が認識を共有しておくことが望ましいでしょう。
源泉徴収すべきなのにされていなかった
本来源泉徴収すべき出演料をそのまま支払ってしまったケースです。後日税務調査などで発覚すると、主催者側が過去の源泉所得税をまとめて納付しなければならなくなります(不納付加算税などのペナルティも課される可能性があります)。
出演者側としては、一見手取りが増えて得したように感じるかもしれませんが、最終的には自身で確定申告して納税する義務があります。主催者・出演者ともに、正しい処理を知らないと後で痛い目を見る例と言えます。
主催者が源泉税の納付を失念
イベント後に源泉徴収まではしたものの、税務署への納付をうっかり失念してしまったケースです。期限を過ぎて税務署から指摘を受けた場合、延滞税や不納付加算税といったペナルティを課される可能性があります。
主催者側は天引きして終わりではなく、必ず期限内に納付することまでセットで責任を果たしましょう。
支払調書をめぐる混乱
給与所得者であれば年末調整後に「源泉徴収票」がもらえますが、出演料など報酬を受け取った場合は原則「源泉徴収票」はありません(あれは給与用の書類です)。
代わりに主催者が税務署に提出する「支払調書」がありますが、これは受取側には必ずしも提供されません。この違いを知らず、「源泉徴収されたのに源泉徴収票をもらっていない、どうしよう?」と戸惑う方もいます。
確定申告の際は、手元の記録(振込額と源泉徴収額)を整理しておけば、支払調書が手元になくても申告できます。必要であれば主催者に問い合わせて金額を確認しましょう。
税率の勘違い
一部の人は「税金だから20%くらい引かれるのでは?」と誤解しがちですが、日本国内の居住者に対する出演料の源泉徴収税率は通常10.21%です(100万円を超える部分のみ20.42%になります)。
思ったより低い/高いと感じることがあるかもしれませんが、正しい税率を知っておかないと計算間違いや予算の食い違いにつながります。
源泉徴収税率と計算方法(2025年最新情報)
最後に、イベント出演料に適用される源泉徴収税率と、その具体的な計算方法について2025年時点の最新情報をまとめます。
● 基本の税率は10.21%
イベント出演料など個人への報酬にかかる源泉所得税の基本税率は10.21%です。この内訳は、所得税10%に復興特別所得税(所得税額の2.1%)を上乗せしたものです。
復興特別所得税は東日本大震災からの復興財源確保のため2037年まで継続して課されるため、それまでこの10.21%という中途半端な数字になります。覚えにくいですが、「ほぼ10%、ちょっとだけ上乗せ」と理解しておくと良いでしょう。
● 100万円超の報酬は20.42%(二段階課税)
1回の支払いにつき報酬額が100万円を超える場合、超えた部分については源泉徴収税率が20.42%に上がります。
これも所得税20%+復興特別所得税2.1%分です。つまり、100万円までは10.21%で計算し、100万円を超える部分は20.42%で計算するという二段階の計算が必要です。高額な出演料を支払う場合には注意しましょう。
● 実際の源泉所得税額の計算例
具体的な計算例で見てみます。
出演料が50,000円の場合:50,000円 × 10.21% = 5,105円(切り捨てて5,100円が源泉税、手取りは44,900円程度)。
出演料が300,000円の場合:300,000円 × 10.21% = 30,630円(源泉税、手取りは約269,370円)。
出演料が1,000,000円の場合:1,000,000円 × 10.21% = 102,100円(源泉税、手取りは897,900円)。
出演料が1,500,000円の場合:まず1,000,000円部分で102,100円、残り500,000円部分に20.42%をかけて102,100円となります。合計源泉税額は204,200円、手取り額は1,295,800円となります。
(実際の計算では1円未満の端数は切り捨てます。)
● 非居住者に対する出演料
国内に住所を持たない海外アーティスト等に出演料を支払う場合は、原則として20.42%を源泉徴収します(100万円超の更なる税率段階はありません。最初から一律20.42%です)。
これは日本国内源泉所得として非居住者に適用される税率で、居住者より高く設定されています。もっとも、国によっては租税条約で減免措置が講じられていることもあり、具体的には個別のケースで確認が必要です。
以上が2025年時点での最新の源泉徴収税率と計算方法です。税率は基本的に法令で定められており頻繁に変わるものではありませんが、復興特別所得税の適用期間や税制改正など、今後変更がある場合も考えられます。
まとめ
イベント出演料に対する源泉徴収について、基本から具体例、注意点まで解説してきました。最後にポイントを簡単にまとめます。
イベント出演料は原則源泉徴収の対象:個人への出演料支払い時には10.21%を天引きするのが基本。
源泉徴収が必要なケース・不要なケース:支払先が個人なら必要、法人なら不要など、状況によって異なる。
主催者側の義務:適切な税率で天引きし、期限までに納付。支払調書の提出も忘れずに。
出演者側の対応:手取り額の確認と確定申告での精算。源泉徴収された税金は自分の税の前払い。
税率は10.21%(高額時は20.42%):2025年現在の税率を理解して正しく計算する。
税務の話は複雑に感じるかもしれませんが、基本を押さえれば怖がることはありません。主催者も出演者も、お互いに源泉徴収のルールを理解していれば金銭トラブルを避けられ、スムーズにイベントの成功へと集中できるでしょう。
困ったときは専門の税理士や会計の専門家に相談し、適切な対応を心がけてください。
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