
「この荷物を最も安く、かつ確実に送る方法はどれだろうか」。ビジネスシーンやプライベートにおいて、このように郵送方法で迷った経験は誰しもあるでしょう。本記事を読めば、送りたいものに最適な郵送方法が明確になり、時間も費用も無駄にしない、スマートな郵送が実現できます。
この記事では、2024年10月からの最新郵便料金を網羅しています。手紙からフリマアプリの商品、大きな荷物まで、あらゆるケースを想定した郵送の「やり方」を、基本から丁寧に解説します。読み終える頃には、郵便局の前でどのサービスを選ぶべきか迷うことはなくなるでしょう。
一見複雑に思える郵便サービスも、分かりやすい比較表を用い、誰にでも実践できる手順を一つひとつ解説します。この記事が、あなたの郵送に関する不安を自信に変えるための一助となれば幸いです。
目次
2024年10月郵便料金改定の要点
2024年10月1日、日本郵便は消費税率の改定時を除き、約30年ぶりとなる大幅な郵便料金の改定を実施しました。この変更点を理解することが、賢く郵送サービスを利用するための第一歩となります。
料金改定の背景
今回の料金改定の背景には、主に二つの理由が存在します。一つは、EメールやSNSといったデジタルコミュニケーションの普及による郵便物数の減少です。手紙やはがきの利用は2001年度をピークに減少を続けています。
もう一つの理由は、運営コストの上昇です。郵便事業は全国的なネットワークを維持するために多くの人手を要します。近年の人件費や燃料費といった輸送コストの高騰が、安定したサービスを継続するための料金見直しを不可避なものとしました。この料金改定は、私たちが将来にわたって安心して郵便サービスを利用し続けるために不可欠な措置なのです。
主な変更点
特に私たちの利用頻度が高いサービスにおいて、以下の変更がありました。
定形郵便物では、これまで25g以内84円、50g以内94円だった料金区分が統合され、50g以内で一律110円に改定されました。通常はがきの料金は63円から85円に、レターパックライトは370円から430円に、レターパックプラスは520円から600円にそれぞれ値上げされています。また、スマートレターの料金は180円から210円に変更されました。
2024年主要郵便料金 新旧比較表
一目で分かるように、主なサービスの料金変更を以下の表にまとめました。
サービス名 | 9月30日までの旧料金 | 10月1日からの新料金 | 値上げ額 |
定形郵便物(25g以内) | 84円 | 110円 | +26円 |
定形郵便物(50g以内) | 94円 | 110円 | +16円 |
はがき | 63円 | 85円 | +22円 |
レターパックライト | 370円 | 430円 | +60円 |
レターパックプラス | 520円 | 600円 | +80円 |
スマートレター | 180円 | 210円 | +30円 |
旧料金の切手や専用封筒の取り扱い
料金改定前に購入した切手やレターパックの専用封筒は、無駄にはなりません。差額分の切手を貼り足すことで、引き続き利用が可能です。例えば、63円のはがきを差し出す場合は、22円分の切手を貼り足すことで85円として扱われます。郵便局では、この差額調整に便利な16円、22円、26円といった「差額用切手」も販売されています。
また、郵便局の窓口で所定の手数料(例:レターパック1枚につき55円)を支払うことで、新しい料金の封筒や切手に交換することも可能です。
料金改定がもたらす変化
今回の料金改定は、単なる値上げという側面だけではありません。特に定形郵便物において25gと50gの区分が統合されたことは、利用者の行動に変化を促す可能性があります。これまで25g以下の軽い手紙を送る際の料金は大幅に上がりましたが、一方で50gに近い郵便物は相対的に割安になりました。
この変更により、軽い書類を複数回に分けて送るよりも、まとめて50g近くにして一度に送付する方が、結果的にコストを抑制できるケースが出てきます。特にビジネスシーンで請求書などを定期的に発送する際には、この新しいコスト感覚が重要になるでしょう。
【送るもの別】最適な郵送サービスの選び方
郵便サービスは種類が豊富で、どれを選べば良いか迷いがちです。しかし、「送るもの」を基準に検討すれば、最適な選択肢は自ずと見えてきます。ここでは、目的別に最適なサービスを解説します。
書類・手紙・はがきを送る
個人的な手紙からビジネス書類まで、紙媒体のものを送る際の基本となるサービスです。
定形郵便物・定形外郵便物
郵便の最も基本的な形態であり、サイズと重さによって料金が決定されます。
定形郵便物は、厚さ1cm、重さ50gまでの比較的小さな封書を指します。サイズは最大で縦23.5cm×横12cmとなっており、A4用紙を三つ折りにしたものが収まる「長形3号」封筒などがこれに該当します。料金は2024年10月から一律110円です。
定形外郵便物は、定形郵便物のサイズや重さを超える場合に利用します。このサービスはさらに「規格内」と「規格外」の2種類に区分されます。
「規格内」は長辺34cm×短辺25cm×厚さ3cm以内で、重さ1kgまでのものに対応し、料金は重さに応じて140円から段階的に上がります。「規格外」は規格内を超えるサイズ(3辺合計90cm以内)で、重さ4kgまでのものに対応し、料金は規格内よりも高く設定されています。
郵便書簡(ミニレター)とはがき
より手軽にメッセージを送るための選択肢として、郵便書簡とはがきがあります。
郵便書簡(ミニレター)は、便箋と封筒が一体になった商品で、郵便局で購入できます。25gまでの写真や薄い紙であれば同封可能で、料金は85円です。
はがきは、6gまでの通信文を送るためのもので、こちらも料金は85円です。
A4サイズまでの小物・商品を送る
フリマアプリの商品や、書類以外の小物を送る際に便利なサービスが揃っています。これらの多くは全国一律料金で追跡機能が付いているため、オンラインでの取引に適しています。
レターパック(プラス・ライト)
A4サイズのものを送る際に非常に便利なオールインワンパッケージです。郵便局や一部のコンビニエンスストアなどで専用封筒を購入して利用します。
青い封筒のレターパックライトは料金430円で、A4サイズ・4kgまで対応します。ただし、厚さ3cm以内という制限があります。追跡サービスが付いており、荷物は届け先の郵便受けに投函されます。
赤い封筒のレターパックプラスは料金600円で、こちらもA4サイズ・4kgまで対応します。最大の特徴は厚さの制限がないことで、専用封筒が閉じさえすれば問題ありません。追跡サービス付きで、配達員が対面で手渡しを行い、受領印または署名を受け取ります。どちらのレターパックも、現金や貴金属といった貴重品は送れない点に注意が必要です。
スマートレター
A5サイズの書類や小物を安価に送りたい場合の選択肢です。料金は210円で、A5サイズ・1kgまで、厚さ2cm以内という制限があります。
利用する上で特に注意すべき点として、スマートレターには追跡サービスが付帯していません。そのため、荷物の配達状況を確認したい場合には不向きなサービスと言えます。
クリックポストとゆうパケット
フリマアプリの出品者など、オンラインで商品を発送する方に特におすすめのサービスです。
クリックポストは、料金が全国一律185円と非常に安価です。自宅のプリンターで宛名ラベルを印刷し、決済もオンラインで完結します。A4サイズ程度・1kgまで、厚さ3cm以内で、追跡サービスも付いています。手持ちの封筒や箱で梱包できる自由度の高さが魅力です。
ゆうパケットは、厚さに応じて料金が変動します(1cm以内250円、2cm以内310円、3cm以内360円)。1kgまで対応し、追跡サービスに加えて損害賠償制度も付帯しています。
A4サイズまでの小物発送サービス徹底比較
どのサービスを選ぶべきか迷った際は、この比較表を参考にしてください。
サービス | 料金 | 最大サイズ | 厚さ制限 | 重量制限 | 追跡 | 信書 | こんな人におすすめ |
レターパックプラス | 600円 | A4 | 制限なし | 4kg以内 | あり | OK | 厚みのある服や本を確実に対面で届けたい人 |
レターパックライト | 430円 | A4 | 3cm以内 | 4kg以内 | あり | OK | 3cm以内の商品を追跡付きでポスト投函で送りたい人 |
スマートレター | 210円 | A5 | 2cm以内 | 1kg以内 | なし | OK | A5サイズで追跡不要の安価な書類や小物を送りたい人 |
クリックポスト | 185円 | 34×25cm | 3cm以内 | 1kg以内 | あり | NG | 自宅で決済・印刷を完結させたいフリマ出品者 |
ゆうパケット | 250円~ | 3辺合計60cm | 3cm以内 | 1kg以内 | あり | NG | 補償も付けて商品を発送したい人 |
定形外郵便(規格内) | 140円~ | 34×25cm | 3cm以内 | 1kg以内 | なし | OK | 追跡不要で、規格外の形の軽いものを安く送りたい人 |
大きな荷物・箱を送る
衣類や家電製品など、箱に入れて送る場合は「ゆうパック」が基本的な選択肢となります。
ゆうパック
小包を送るための標準的なサービスで、料金は荷物のサイズ(縦・横・高さの3辺合計)と届け先の地域によって変動します。重さは基本的に25kgまで対応可能です。
サービス内容も多様で、冷蔵品を送る「チルドゆうパック」や、スキー・ゴルフ用品を送るための専用サービスなども用意されています。
ゆうパックと宅急便の比較
大きな荷物を送る際、多くの人がヤマト運輸の「宅急便」と比較検討します。一般的に、同じサイズであれば「ゆうパック」の方が若干安い傾向にあります。ただし、両者では重さの規定が異なります。
「ゆうパック」が多くのサイズで一律25kgまで対応しているのに対し、「宅急便」はサイズごとに上限重量が細かく設定されています。そのため、小さくても重い荷物、例えば書籍やダンベルなどを送る場合は、ゆうパックの方が有利になることがあります。
特殊なものを送る
現金や重要書類など、特別な配慮が必要なものを送るための方法です。
現金の送り方「現金書留」
郵便法により、現金を普通郵便やゆうパックなどで送ることは禁止されています。現金を郵送する際は、必ず「現金書留」を利用しなければなりません。
手続きは、郵便局の窓口で専用の「現金封筒」(1枚21円)を購入することから始まります。送る金額を封筒に記入し、基本の郵便料金に加えて現金書留の料金(損害要償額1万円までなら+480円)を支払って発送します。窓口で申告した金額(損害要償額)に応じて、万が一の場合の補償が受けられ、上限は実質50万円です。
重要概念「信書」の解説
これは郵便物を送る上で非常に重要でありながら、見落とされがちなルールです。「信書(しんしょ)」とは、簡潔に言えば「特定の受取人に対し、差出人の意思や事実を伝えるための文書」を指します。
信書にあたるものの例としては、手紙、請求書、契約書、納品書、履歴書などが挙げられます。一方で、書籍、カタログ、パンフレット、商品そのものなどは信書にはあたりません。
信書に関するルールが重要な理由は、信書が法律で定められた方法でしか送れないためです。日本郵便のサービス(手紙、はがき、レターパック、スマートレターなど)や、国から許可を得た信書便事業者のみが信書を配達できます。ゆうパック、ゆうメール、そしてヤマト運輸や佐川急便などの宅配便サービスでは、原則として信書を送ることができません。
例えば、商品と一緒に請求書をゆうパックで送付することは、法律違反となる可能性があります。このルールを認識していないと、意図せず法律に抵触してしまう危険性があるため、特にビジネスで書類を送る際には細心の注意が必要です。
梱包から発送までの方法について
最適なサービスを選んだら、次は実際に荷物を送る準備に取り掛かります。ここでは、梱包から発送までの手順を3つのステップに分け、誰でも確実に実行できる方法を解説します。
ステップ1:正しい梱包方法
丁寧な梱包は、中身を無事に届けるための最も重要な作業です。
梱包の基本と必須アイテム
梱包における重要な目的は、水濡れ防止、衝撃吸収、そして箱の中での固定という3点です。以下のアイテムを揃えることを推奨します。
まず、梱包材としてダンボール箱や丈夫な紙袋を用意します。次に、緩衝材として気泡緩衝材(通称プチプチ)、丸めた新聞紙、エアクッションなどが必要です。防水対策として、商品を入れるビニール袋(OPP袋など)も準備しましょう。最後に、封をするための梱包用の布テープやクラフトテープも欠かせません。
送るもの別の梱包方法
送るものに合わせて梱包方法を工夫することが、確実な配送につながります。
食器などの壊れ物は、一点ずつ緩衝材で丁寧に包みます。箱の底にも緩衝材を敷き、お皿は重ねずに縦向きに配置すると破損リスクを低減できます。最後に隙間を緩衝材で完全に埋め、箱を軽く振っても中身が動かない状態であることを確認してください。
衣類は、シワにならないように綺麗にたたみ、まずビニール袋に入れて防水対策を施します。その後、封筒や箱に入れることで、水濡れと汚れの両方を防ぎます。
スマートフォンなどの精密機器は、静電気防止袋に入れ、特に液晶画面などのデリケートな部分は5周ほど厚めに気泡緩衝材で包みます。箱の中で絶対に動かないよう、緩衝材でしっかりと固定することが極めて重要です。
ダンボールの正しい閉じ方
重い荷物で底が抜けるのを防ぐため、テープの貼り方にも工夫が必要です。箱の閉じ口の中央だけを一直線に貼る「I貼り」は強度が低く、軽い荷物向けです。重いものを送る際は、中央に加えて両サイドもテープで留める「H貼り」や、縦横に十字に貼る「十字貼り」にすることで、格段に強度を高めることができます。
ステップ2:宛名の書き方(縦書き・横書き)
宛名は荷物の顔であり、その書き方は相手への敬意を示すとともに、確実な配達に不可欠です。
縦書き(和封筒)の場合
ビジネス文書や目上の方への手紙など、フォーマルな場面で用いられます。
切手は左上に貼ります。宛先の住所は封筒の右側に、郵便番号の右端に揃えて少し下から書き始めます。住所内の数字は「一、二、三」などの漢数字で書くのが正式なマナーです。宛名は封筒の中央に、住所よりも大きな文字で記載します。差出人の情報は、裏面の継ぎ目の左側に住所と名前を記します。
横書き(洋封筒)の場合
友人への手紙や、横書きの案内状を送る際に使われます。
切手は右上に貼ります。宛先の住所は封筒の左上に、郵便番号の下から書き始めます。数字は「1, 2, 3」などの算用数字を使用します。宛名は封筒の中央に、住所よりも一回り大きな文字で書くとバランスが整います。差出人の情報は、裏面の下部中央に記載します。
ビジネスマナーと敬称(様・御中)の使い分け
敬称の正しい使い分けは、社会人としての基本的なマナーです。
「様」は、個人の名前に付けます(例:山田 太郎 様)。一方、「御中」は、会社や部署といった組織・団体に付ける敬称です(例:株式会社〇〇 御中)。
「株式会社〇〇 御中 山田 太郎 様」のように、「御中」と「様」を併用するのは誤りです。特定の部署に所属する個人に送る場合は、「株式会社〇〇 営業部 山田 太郎 様」と記載するのが正しい形式です。
ステップ3:発送場所と方法
梱包と宛名書きが完了したら、いよいよ発送です。発送場所は主に3つあり、それぞれに利点と注意点が存在します。
郵便ポスト
最も手軽な発送方法ですが、いくつかの注意点があります。
投函口は通常2つに分かれており、左側がはがきや定形郵便物などの比較的小さな郵便物用、右側が定形外郵便やレターパックなどの大きな郵便物用となっています。
ポスト投函は、送料が正確に判明している場合にのみ利用すべきです。万が一、切手代が不足していると、配達の遅延や、最悪の場合は相手先に不足分が請求されるという失礼な事態を招きかねません。
また、ポストに記載されている集荷時間を確認することも重要です。最終の集荷時刻を過ぎて投函すると、翌日の集荷扱いとなり、配達が一日遅れることになります。
郵便局窓口
最も確実で安心できる方法です。特に初めて郵便サービスを利用する方や、送料に自信がない場合は、窓口の利用を強く推奨します。
梱包した荷物を窓口に持ち込むと、局員が重さやサイズを正確に計測し、正しい料金を算出してくれます。その場で料金を支払えば、発送の証拠となる控え(レシート)が受け取れます。現金書留や一般書留、内容証明といったオプションサービスを付加する場合は、必ず窓口での手続きが必要です。
コンビニエンスストア
主にゆうパックや、フリマアプリと連携したサービスの発送で利用できます。
ローソンで発送する場合の手順の一例を挙げます。フリマアプリなどで事前に発送用のQRコードを生成し、店内に設置された端末「Loppi」または「スマリボックス」でQRコードをスキャンします。
次に、印刷された申込券と荷物をレジに提出し、店員から渡される伝票を自身で荷物に貼り付けることで、発送手続きは完了です。また、レターパックやスマートレターの専用封筒は、多くのコンビニエンスストアで購入も可能です。
発送場所の選択は、送るサービスの種類と自身の知識レベルによって決まります。初心者は郵便局の窓口、料金が固定されているレターパックなどは郵便ポスト、フリマアプリの発送はコンビニエンスストア、というように柔軟に使い分けるのが賢明な方法です。
フリマアプリ利用者向け発送方法
メルカリや楽天ラクマなどのフリマアプリでは、独自の配送サービスが用意されており、通常よりもお得かつ便利に商品を発送できます。ここでは、その賢い利用方法を解説します。
メルカリの発送方法比較
メルカリでは、ヤマト運輸と提携した「らくらくメルカリ便」と、日本郵便と提携した「ゆうゆうメルカリ便」の二つが利用できます。どちらのサービスも、全国一律送料、匿名配送、追跡・補償付きという大きなメリットを備えています。
らくらくメルカリ便(ヤマト運輸)
ネコポスは送料210円で、Tシャツや書籍といった薄く小さな商品の発送に適しています。宅急便コンパクトは送料450円に加えて専用箱代70円が必要で、厚みのある小物や子供服などに便利です。
宅急便は送料750円からで、靴や小型家電など、60サイズから200サイズまでの大きな箱物に対応します。発送場所はヤマト運輸の営業所、セブン-イレブン、ファミリーマート、宅配便ロッカーPUDOなど、選択肢が豊富です。
ゆうゆうメルカリ便(日本郵便)
ゆうパケットは送料230円で、ネコポスとほぼ同サイズの薄い商品向けです。ゆうパケットポストは送料215円(シール使用時)または160円(専用箱使用時、箱代別途)、ゆうパケットポストminiは送料160円(専用封筒代20円)で、郵便ポストに直接投函できる手軽さが最大の特徴です。
ゆうパケットプラスは送料455円と専用箱代65円で、厚さ7cmまでの箱に対応し、宅急便コンパクトと競合するサイズです。ゆうパックは送料770円からで、60サイズから100サイズまで対応しています。発送場所は郵便局とローソンです。
楽天ラクマの発送方法比較
楽天ラクマの「かんたんラクマパック」も、日本郵便とヤマト運輸の両社と提携しています。
楽天ラクマの大きな特徴は、同等サイズのサービスを比較した場合、日本郵便の方がヤマト運輸よりも送料が安く設定されている点です。コストを最優先するならば、日本郵便のサービスを選択するのが基本的な戦略となります。例えば、ゆうパケットは180円、ゆうパケットポストは175円と、メルカリよりも安価な設定が魅力です。
ただし、かんたんラクマパックで配達日時を指定したい場合は、ヤマト運輸のサービス(宅急便コンパクト、宅急便)を選ぶ必要があります。日本郵便が提供するサービスでは、原則として日時指定ができないため注意が必要です。
メルカリ便とラクマパックの小型送料比較
フリマアプリを使い分ける方のために、最も利用頻度の高い小型サービスの送料を比較しました。
サービス(配送会社) | メルカリ料金 | ラクマ料金 | お得なのは? |
ネコポス(ヤマト運輸) | 210円 | 200円 | 楽天ラクマ |
ゆうパケット(日本郵便) | 230円 | 180円 | 楽天ラクマ |
ゆうパケットポスト(日本郵便) | 215円 | 175円 | 楽天ラクマ |
このように、小型商品の発送においては、楽天ラクマの方が送料を抑えられる傾向にあります。これは、出品するプラットフォームを選ぶ際の、一つの重要な判断材料になるでしょう。
郵送トラブルと対処法Q&A
どんなに注意を払っていても、ミスや予期せぬトラブルは起こり得ます。ここでは、よくある問題とその対処法をまとめました。事前に知識を備えておくことで、万が一の時も冷静に行動できます。
料金不足で送ってしまった場合
ポスト投函後に料金不足が判明した場合、荷物は主に二つの経緯をたどります。
一つは、差出人に返送されるケースです。
封筒に差出人の住所・氏名が明記されていれば、郵便局が「料金不足」の付箋を貼って荷物を送り返してくれます。その際は、不足分の切手を貼って再度発送しましょう。
もう一つは、受取人に不足分が請求されるケースです。
荷物がそのまま配達され、配達員が受取人に対して不足料金の支払いを求めることがあります。これはビジネスやフォーマルな場面では大変失礼にあたるため、絶対に避けなければならない事態です。受取人は不足分を支払って受け取るか、受け取りを拒否するかを選択できます。料金不足に気づいた際は、速やかに郵便局に「取り戻し請求」を行うことで、配達を差し止められる可能性があります(手数料が発生する場合があります)。
トラブルを防ぐためにも、送料に自信がない場合は必ず郵便局の窓口で発送することが賢明です。
宛名を間違えてしまった場合
宛名書きの失敗は誰にでも起こり得ますが、その修正方法にはマナーがあります。
基本的なルールとして、ビジネス文書や目上の方への郵便物の場合、修正は原則として認められません。修正液や修正テープの使用は失礼にあたるため、新しい封筒に書き直すのが唯一の正しい対応です。
例外として、ごく親しい友人など、気心の知れた相手であれば、間違えた箇所に定規で丁寧に二重線を引き、その上や横に正しい文字を書き加えることで修正が許容される場合もあります。
また、書き損じてしまった郵便はがきやレターパックの専用封筒は、捨てる必要はありません。郵便局の窓口に持参すれば、1枚あたり少額の手数料(はがきは5円、レターパックは55円など)で新しいものと交換してもらえます。これは非常に便利な制度なので、ぜひ覚えておきましょう。
荷物を追跡したい場合
「荷物が今どこにあるか」を確認したい場合は、追跡サービスを利用します。
追跡が可能なサービスには、ゆうパック、レターパック、クリックポスト、そしてメルカリ便などのフリマアプリ連携サービスが含まれます。これらのサービスでは、必ず「お問い合わせ番号(追跡番号)」が発行されます。
発送時に受け取る控えやシールに記載された12桁程度の番号を、日本郵便の「郵便追跡サービス」のウェブサイトに入力すると、現在の配達状況をリアルタイムで確認できます。
一方で、定形郵便、定形外郵便、ゆうメール、そしてスマートレターには追跡機能が付帯していません。これらのサービスは安価である分、荷物の所在が気になる場合には不向きと言えます。
急いで届けたい場合(速達)
締切が迫っている書類など、一刻も早く届けたい場合には「速達」のオプションを付けます。
料金は、通常の郵便料金に速達料金を追加で支払う形となります(250gまでなら+300円など)。発送する際は、封筒の表面に赤い線を引く必要があります。
縦長の封筒なら右上部に、横長の封筒なら右側部に、はっきりと線を引いてください。この表示を忘れると普通郵便として扱われてしまう可能性があるため注意が必要です。最も確実な方法は、郵便局の窓口で「速達でお願いします」と直接伝えることです。
トラブルを避ける最善の方法は、この記事で解説した基本を忠実に守ることです。正しい知識が、あなたの大切な郵便物を守る一番の保険となります。
まとめ
ここまで、郵便の基本から応用まで、様々な郵送方法について解説してきました。最適な郵送方法を選ぶためのポイントは、送るものの「サイズ」、料金を左右する「重さ」、現金や「信書」といった「中身」に関するルール、そして「スピードと確実性」の4点を総合的に判断することに集約されます。
そして、2024年10月からの料金改定を念頭に置くことが、コストを最適化する上で不可欠です。この記事が、あなたの郵送に関するあらゆる疑問を解決する一助となれば幸いです。ぜひブックマークしていただき、今後の郵便ライフにお役立てください。
主要郵送サービス早見表
最後に、よく使うサービスの要点をまとめた早見表をご紹介します。どのサービスを利用すべきか迷った際は、まずこちらをご確認ください。
サービス | こんな時に | 料金目安 | 追跡 |
定形郵便 | 手紙や薄い書類 | 110円 | なし |
レターパックライト | A4サイズ・厚さ3cm以内の物 | 430円 | あり |
レターパックプラス | 厚みのあるA4ファイルや本 | 600円 | あり |
クリックポスト | フリマの薄い商品(自宅で完結) | 185円 | あり |
ゆうパック | 大きな荷物、箱物 | 820円~ | あり |
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