会計の基礎知識

試算表の作り方を解説!Excelから会計ソフトの使い方まで

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試算表 作り方

自社の経営状況を数字で正確に把握し、ビジネスを成功に導きたいと思いませんか?その鍵を握るのが「試算表」です。

試算表は、単なる経理の書類ではありません。会社の財政状態や経営成績をタイムリーに映し出す、いわば「会社の健康診断書」です。これを使いこなせれば、問題点を早期に発見し、的確な次の一手を打つことができます。

この記事を最後まで読めば、あなたは試算表の作り方をマスターし、毎月の会社の健康状態を自分でチェックできるようになります。日々の取引記録がどのように集計され、会社の財産や利益がどうなっているのか、その全体像をはっきりと理解できるでしょう。

簿記の知識がなくても大丈夫です。専門用語を一つひとつ丁寧に解説しながら、Excelを使った具体的な作成手順から、会計ソフトでの簡単な方法まで、誰にでも実践できる形で紹介します。この記事が、あなたの会社をより強く、成長させるための一助となるはずです。

目次

そもそも試算表とは?経営状況を把握する「健康診断書」

試算表(しさんひょう)とは、一定期間(通常は1ヶ月)の取引記録を勘定科目ごとに集計し、仕訳や転記に誤りがないかを確認するために作成される一覧表です。年に一度作成される決算書のいわば「下書き」や「途中経過報告書」のようなもので、決算作業に入る前に作成されます。

試算表の最も基本的な役割は、複式簿記のルールに基づき、すべての取引記録の「借方(かりかた)」合計と「貸方(かしかた)」合計が一致することを確認する点にあります。もし両者が一致しなければ、会計処理のどこかに必ずミスが存在することを示しており、早期に誤りを発見するチェック機能として働きます。

試算表の3つの重要な役割

試算表の作成は法律で義務付けられていませんが、作成することで企業経営において非常に重要な3つの役割を果たします。

帳簿のミスを早期発見する

試算表の最大の目的は、日々の仕訳や総勘定元帳への転記が正しく行われているかを確認することです。決算時にまとめて1年分の帳簿を確認するのは大変な作業ですが、毎月試算表を作成していれば、ミスをその月のうちに発見し、修正することができます。

これは、年末に病気が発覚して大手術するのではなく、毎月の健康診断で小さな異常を見つけて対処するようなものです。この地道な作業が、正確な決算書の作成につながります。

期中の経営成績を把握する

年に一度の決算書だけでは、期中の細かな経営状況の変化を捉えることは困難です。しかし、月次試算表を作成すれば、売上や経費の増減、利益の状況などをリアルタイムで把握できます。

例えば、「先月と比べて広告宣伝費が増えているが、売上は伸びているか?」「売掛金の回収は順調か?」といった具体的な分析が可能になり、問題があればすぐに対策を講じることができます。

資金調達の信頼性を高める

金融機関から融資を受ける際、前年度の決算書に加えて、最新の試算表の提出を求められることがよくあります。決算書は過去1年間の「結果」ですが、金融機関が知りたいのは「今」の経営状況と「未来」の返済能力です。

最新の試算表を迅速に提出できることは、自社の財務状況を正確に管理している証であり、金融機関からの信頼を高めます。これは単に数字を見せるだけでなく、管理体制がしっかりしているという「経営能力の証明」にもなるのです。

試算表と決算書、何が違う?

初心者にとって混同しやすい試算表と決算書の違いを、以下の表で明確に整理します。

比較項目試算表決算書
作成頻度毎月、四半期ごとなど任意年に1回、会計年度ごと
作成義務法律上の義務なし会社法・税法に基づき義務あり
目的期中の経理処理のチェック、業績の途中経過の把握1年間の経営成績・財政状態の外部報告
利用者経理担当者、経営者、金融機関株主、投資家、金融機関など外部の利害関係者
正確性暫定的な数値(修正や概算計上が可能)確定値(公式報告のため修正不可)

このように、試算表は社内向けの「中間レポート」、決算書は社外向けの「公式な成績証明書」と考えると分かりやすいでしょう。

試算表作成に必須!簿記の基本ルールをやさしく解説

試算表作成に必須!簿記の基本ルールをやさしく解説

試算表を正しく作るためには、簿記の基本的なルールを理解しておく必要があります。ここでは、最低限知っておくべき「仕訳」と「勘定科目」について、初心者にも分かりやすく解説します。

取引の記録「仕訳」の仕組み(借方・貸方とは?)

会社のすべての取引は、「仕訳(しわけ)」という方法で記録されます。仕訳は、一つの取引を「原因」と「結果」の2つの側面から捉え、帳簿の左側「借方(かりかた)」と右側「貸方(かしかた)」に振り分ける作業です。そして、借方の合計金額と貸方の合計金額は必ず一致するというルールがあります。

例えば、「現金で30,000円のキーボード(消耗品)を購入した」という取引を考えてみましょう。

  • 原因: 消耗品という「費用」が30,000円発生した
  • 結果: 現金という「資産」が30,000円減少した

この取引は、以下のように仕訳されます。

借方貸方
消耗品費 30,000円現金 30,000円

このように、すべての取引を借方と貸方に分解して記録するのが複式簿記の基本です。試算表作成の精度は、この日々の仕訳の正確性にかかっていると言っても過言ではありません。

「勘定科目」5つのグループを覚えよう

仕訳で使う「現金」や「消耗品費」といった分類名のことを「勘定科目(かんじょうかもく)」と呼びます。勘定科目は、その性質によって大きく5つのグループに分けられます。この5つのグループを理解することが、簿記の第一歩です。

会計処理で最も重要なのは、一つひとつの取引をどの勘定科目に分類するかを正しく判断することです。例えば、購入した物品が将来的に価値を生むもの(パソコンなど)であれば「資産」ですが、すぐに使ってしまうもの(文房具など)であれば「費用」になります。

この最初の分類を間違えると、その後のすべての計算がずれてしまい、正確な試算表は作れません。

以下の表は、5つのグループの性質と、仕訳の際のルールをまとめたものです。この表は試算表を作成する上で非常に重要なので、ぜひ手元に置いていつでも確認できるようにしてください。

グループ内容増加した場合減少した場合
資産会社が保有する財産(現金、預金、売掛金、建物など)借方に記入貸方に記入
負債将来支払う義務のあるもの(買掛金、借入金など)貸方に記入借方に記入
純資産会社の純粋な財産(資本金、利益剰余金など)貸方に記入借方に記入
収益会社の儲け(売上、受取利息など)貸方に記入借方に記入
費用収益を得るために使ったお金(仕入、給料、家賃など)借方に記入貸方に記入

このルールに基づき、「資産」と「費用」が増えたら借方(左側)に、「負債」「純資産」「収益」が増えたら貸方(右側)に記入すると覚えておきましょう。

3種類の試算表、それぞれの特徴と作り方の違い

「試算表」と一言で言っても、実は「合計試算表」「残高試算表」「合計残高試算表」の3種類があります。それぞれに特徴があり、目的に応じて使い分けます。

合計試算表 取引の総量を把握する

合計試算表は、各勘定科目の借方合計と貸方合計をそれぞれ集計したものです。例えば、期間中に現金の入金が合計100万円、出金が合計80万円あった場合、借方欄に100万円、貸方欄に80万円と表示されます。

この形式は、一定期間にどれくらいの規模の取引があったかを把握するのに役立ちますが、最終的にいくら残っているのか(残高)が一目で分かりにくいという特徴があります。

残高試算表 現在の財政状態を見る

残高試算表は、各勘定科目の最終的な「残高」のみを表示する試算表です。先の現金の例で言えば、借方合計100万円から貸方合計80万円を差し引いた、借方残高20万円だけが表示されます。

この形式は、決算書(貸借対照表や損益計算書)に最も近く、会社の現在の財政状態や経営成績を直感的に把握するのに最適です。

合計残高試算表 全体像と残高を同時に確認

合計残高試算表は、その名の通り、合計試算表と残高試算表を組み合わせたものです。各勘定科目について、借方合計、貸方合計、そして最終的な残高のすべてが表示されます。最も情報量が多く詳細な分析が可能ですが、表が複雑になりがちです。

初心者には「残高試算表」がおすすめ

もしあなたが経理の初心者や経営者で、「まずは会社の今の状況をざっくり把握したい」というのであれば、迷わず「残高試算表」を作成しましょう。

その理由は、残高試算表の形式が最終的な決算書の形に最も近く、資産、負債、収益、費用の現状が一目でわかるためです。まずはこの残高試算表の作成と見方に慣れることが、経営状況を数字で理解するための最短ルートです。

以下の比較表で、自社の目的に合った試算表を確認してください。

種類表示内容主な目的おすすめの利用者
合計試算表各勘定科目の借方・貸方の「期間中合計額」仕訳・転記の正確性チェック、取引総量の把握経理担当者
残高試算表各勘定科目の「最終残高」財政状態と経営成績の把握経営者、経理初心者
合計残高試算表「期間中合計額」と「最終残高」の両方詳細な経営分析、ミスの原因究明経理の専門家、分析担当者

試算表の作り方 2つの方法

試算表の作成方法には、主にExcelを使う方法と会計ソフトを使う方法があります。それぞれの特徴と具体的な手順を見ていきましょう。

方法1 Excel(エクセル)を使った作り方

Excelで作成する方法は、コストがかからず、簿記の仕組みを根本から理解できるというメリットがあります。最初は少し手間がかかりますが、このプロセスを経験することで、会計の数字がどのように作られるのかを深く理解できます。

エクセルを使った試算表の作成フロー

  1. 準備 総勘定元帳を用意する
    すべての仕訳が勘定科目ごとに転記されている「総勘定元帳」を手元に用意します。試算表は、この総勘定元帳の数字を集計したものです。
  2. シート設定 フォーマットを作成する
    Excelで新しいシートを開き、「勘定科目」「借方」「貸方」の列を作成します。残高試算表を作る場合は、借方と貸方のどちらか一方に数字が入ります。
  3. 転記 勘定科目ごとの残高を記入する
    総勘定元帳の各勘定科目の最終残高を、Excelシートに転記していきます。資産や費用の勘定科目は借方残高になるので借方列に、負債・純資産・収益の勘定科目は貸方残高になるので貸方列に金額を入力します。
  4. 集計 合計を計算する
    借方列と貸方列の最下部に、SUM関数を使ってそれぞれの合計金額を計算します。例えば、借方データがC4セルからC30セルまである場合、合計欄に=SUM(C4:C30)と入力します。
  5. 検証 貸借合計が一致するか確認する
    最後に、計算された借方合計と貸方合計の金額が一致しているかを確認します。ここで金額が一致すれば、転記と集計は正しく行われたことになります。

SUMIF関数で作業を効率化する

もし日々の仕訳データを一覧形式でExcelに入力している場合、SUMIF関数を使うと転記作業を自動化できます。SUMIF関数は、「指定した条件に一致する数値だけを合計する」関数です。

例えば、仕訳データシートのA列に勘定科目、C列に借方金額、D列に貸方金額が入力されているとします。試算表シートで「現金」の借方合計を計算したい場合、以下の数式を使います。

=SUMIF(仕訳データ!A:A, “現金”, 仕訳データ!C:C)

この数式は、「仕訳データシートのA列から “現金” という文字を探し、見つかった行に対応するC列(借方金額)の数値を合計しなさい」という意味になります。この方法を使えば、手作業による転記ミスを防ぎ、大幅に時間を短縮できます。

無料テンプレートの活用

一からフォーマットを作成するのが面倒な場合は、インターネット上で配布されている無料のExcelテンプレートを活用するのも良い方法です。

方法2 会計ソフトを使った最も簡単な作り方

現在、多くの企業で導入されているのが会計ソフトです。会計ソフトを使えば、試算表の作成はボタン一つで完了します。

会計ソフトの仕組み

会計ソフトでは、日々の取引を仕訳として入力するだけで、総勘定元帳や試算表、さらには決算書までが自動で作成されます。銀行口座やクレジットカードと連携すれば、取引データが自動で取り込まれ、仕訳作業そのものも大幅に効率化できます。

作成手順(弥生会計の例)

多くの会計ソフトで手順は似ていますが、ここでは弥生会計を例に挙げます。

  1. メニューから「集計」カテゴリを選択します。
  2. 「残高試算表」をクリックします。
  3. 集計したい期間(例えば、特定の月や四半期)を指定します。
  4. これだけで、指定した期間の残高試算表が自動的に画面に表示されます。

日々の入力が正確であれば、ミスなく瞬時に試算表が完成します。

どちらの方法を選ぶべきか?

この選択は、会社の成長段階や取引量によって決まります。

  • 事業を始めたばかりで取引が少ない個人事業主や小規模法人は、まずExcelで作成し、会計の仕組みを体で覚えるのが良いでしょう。
  • 取引量が増えてきた、あるいは複数人で経理業務を行う会社は、間違いなく会計ソフトを導入すべきです。手作業によるミスをなくし、時間を節約することで、より重要な経営分析や事業活動に集中できます。

最初はExcelで学び、事業が成長するにつれて会計ソフトへ移行するというのが、最も賢明なステップアップの方法と言えるでしょう。

合計が合わない場合のエラー原因と解決策チェックリスト

合計が合わない場合のエラー原因と解決策チェックリスト

試算表を作成する上で最もよくある壁が、「借方と貸方の合計が合わない」という問題です。しかし、慌てる必要はありません。合計が合わないということは、必ずどこかに原因があり、それは体系的な手順を踏むことで見つけ出すことができます。

差額からミスを見つけるテクニック

まずは、借方合計と貸方合計の「差額」に着目します。この差額の性質によって、ミスの原因をある程度推測することができます。

差額そのものを探す

最も単純なミスは、転記漏れや二重計上です。まずは、差額と全く同じ金額の取引がなかったか、仕訳帳や総勘定元帳を見直してみましょう。その金額の取引を転記し忘れている、あるいは逆に二重に転記している可能性があります。

差額を2で割る

差額が2で割り切れる場合、借方と貸方を逆に転記してしまった可能性が非常に高いです。例えば、本来借方に10,000円と記入すべきところを、誤って貸方に記入してしまったとします。

すると、借方は10,000円少なく、貸方は10,000円多くなり、差額は20,000円になります。この場合、差額の20,000円を2で割った「10,000円」という金額の取引を探し、借方と貸方が逆になっていないかを確認します。

差額を9で割る

これは簿記の担当者が昔から使っている有名なテクニックです。差額が9で割り切れる場合、桁間違い(例:8,000円を800円と入力)か、数字の位の入れ違い(例:572円を527円と入力)の可能性が高いです。

桁間違いの場合、8,000円を800円と入力すると、差額は7,200円です。7,200 ÷ 9 = 800 となり、元の数字の一部が見えてきます。

位の入れ違いの場合、572円を527円と入力すると、差額は45円です。45 ÷ 9 = 5 と割り切れます。数字の位が入れ替わった場合の差額は、必ず9の倍数になるという数学的な性質があるためです。これらのテクニックを使えば、やみくもに探すよりもずっと効率的にエラーを発見できます。

貸借が合わない場合のチェックリスト

以下のチェックリストを使って、体系的に原因を調査しましょう。

症状(差額の性質)考えられる原因確認すべきこと
差額が2で割り切れる仕訳や転記の際に借方と貸方を逆にした差額を2で割った金額の取引を探し、貸借が逆になっていないか確認する。
差額が9で割り切れる・数字の桁を間違えて入力した (例: 10,000 → 1,000) ・数字の位を入れ替えて入力した (例: 920 → 290)差額を9で割った数字に関連する取引がないか確認する。
差額が特定の取引額と一致する・仕訳や転記が漏れている ・同じ取引を二重に計上しているその金額の取引が、正しく一度だけ転記されているか総勘定元帳で確認する。
上記に当てはまらない・単純な入力ミス
・総勘定元帳の合計計算ミス
・期首残高の設定ミス
・仕訳帳から総勘定元帳への転記を一件ずつ照合する。
・各勘定元帳の合計を再計算する。
・会計ソフトの場合、期首の開始残高設定が正しいか確認する。

このリストを上から順に試していけば、ほとんどのエラーは見つかるはずです。大切なのは、パニックにならず、一つひとつ冷静に確認していくことです。

作成後が本番 試算表の見方と経営への活かし方

試算表を正しく作成できたら、それで終わりではありません。むしろ、そこからがスタートです。数字の羅列にしか見えない試算表から、会社の現状を読み解き、未来の経営に活かす方法を学びましょう。

チェックすべき3つのポイント

試算表を見るときは、大きく分けて「収益性」「資金繰り」「財政状態」の3つの観点からチェックします。

収益性はどうか?(儲かっているか)

まずは損益計算書に関連する項目、つまり「収益」と「費用」の科目を見ます。

  • 売上高
    最も重要な指標です。計画通りに推移しているか、前月や前年同月と比べてどうかを確認します。
  • 売上原価・経費
    売上に対して、仕入や人件費、広告費などのコストがどのくらいかかっているかを見ます。売上が伸びていても、それ以上に経費が増えていれば利益は圧迫されます。特に大きな変動があった費用項目については、その原因を分析する必要があります。

資金繰りは安全か?(お金は回っているか)

次に貸借対照表に関連する項目、特に資産と負債の科目を見て、お金の流れを確認します。

  • 現金・預金
    会社の生命線です。十分な残高があるかを確認します。
  • 売掛金
    売上は立っているのに、この残高が異常に増えている場合、代金の回収が滞っている可能性があります。黒字倒産のリスクにもつながるため、注意深く監視すべき項目です。
  • 買掛金・借入金
    支払いや返済の義務がある負債です。現金・預金の残高と比較して、支払能力に問題がないかを確認します。

財政状態は健全か?(会社の体力はあるか)

資産、負債、純資産の全体のバランスを見ます。

  • 資産と負債のバランス
    負債が資産を大幅に上回っていないか、特に借入金の割合が高すぎないかなどをチェックします。自己資本比率(純資産 ÷ 総資産)などを計算してみるのも有効です。

前月・前年比較でビジネスの成長を読み解く

試算表の本当の価値は、単体で見るのではなく、時系列で比較することで発揮されます。

  • 前月比較
    先月の試算表と並べて見ることで、短期的な変化や異常値を素早く察知できます。「なぜ今月は通信費が急に増えたのか?」「売上が落ち込んでいる原因は何か?」といった具体的な問いが生まれ、すぐに行動に移せます。
  • 前年同月比較
    前年の同じ月の試算表と比較することで、季節変動などを考慮した上で、事業が1年間でどれだけ成長したかを客観的に評価できます。

このように、試算表は過去の記録であると同時に、未来の経営判断を下すための「羅針盤」です。毎月試算表の数字と向き合い、「なぜこの数字になったのか?」「この傾向が続くとどうなるか?」「来月は何をすべきか?」と自問自答する習慣をつけることが、データに基づいた強い経営体質を作ります。

まとめ 試算表を使いこなし、経営を次のステージへ

この記事では、試算表の作り方について、その基本から実践的なテクニックまでを網羅的に解説しました。最後に、重要なポイントを再確認しましょう。

  • 試算表は、単なる経理作業ではなく、会社の経営状態を毎月チェックするための重要な「健康診断書」です。
  • 正確な試算表を作る鍵は、簿記の基本である「勘定科目の5つのグループ」を理解し、日々の取引を正しく分類することにあります。
  • 初心者の方は、まず決算書に直結する「残高試算表」の作成と分析に集中するのがおすすめです。
  • 貸借の合計が合わない時は、慌てずに差額を「2」や「9」で割るなどのテクニックを使い、体系的なチェックリストで原因を突き止めましょう。
  • 試算表の真価は、作成後の分析にあります。前月や前年と比較し、数字の裏にある経営課題を読み解くことで、未来の的確な意思決定につなげることができます。

試算表を自ら作成し、読み解くスキルは、すべての経営者や事業責任者にとって強力な武器となります。このツールを使いこなすことで、あなたは自社のビジネスをより深く理解し、自信を持って舵取りができるようになるでしょう。

この記事の投稿者:

hasegawa

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