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人事労務関係書類保存期間一覧|法改正対応版!5年・3年の違いと電子化のコツとは?

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デスクの上に積み上げられた書類が整理され、必要な情報へ瞬時にアクセスできる環境は、質の高い業務遂行への基盤となります。法定の保存期間を正しく把握することは、不要な書類を自信を持って処分する判断基準となり、オフィスの省スペース化だけでなく、心理的な余裕にも直結します。また、行政調査やトラブルの際にも動じることなく、会社と自分自身を守り抜くゆるぎない盾となるはずです。

人事労務の書類管理は、細かくて骨の折れる仕事だと感じて不安になることもあるかもしれません。しかし、基本となるルールを一度体系的に整理してしまえば、誰にでも確実に再現できるルーチンワークへと変えられます。複雑に絡み合った法律の規定を一つひとつ丁寧に紐解き、実務でそのまま使える具体的な一覧表と管理のテクニックをくわしくお伝えします。

読んだその日からすぐに実践できる知識を身につけることで、日々の業務効率が劇的に向上し、迷いのないスムーズな仕事が実現できます。専門用語を実務レベルのアクションに落とし込み、一つひとつの課題をクリアしていくことで、迷いのない安定した実務環境が手に入れていきましょう。

労働基準法に関連する重要書類の保存期間

人事労務の実務において、最も根幹となるのが労働基準法に基づく書類の管理です。この法律は労働者の権利を保護するためのものであり、書類の保存についても非常に厳格な規定が設けられています。

かつては多くの書類が3年間の保存で十分とされていましたが、2020年4月の法改正によって大きな転換期を迎えました。現在は、原則として5年間の保存が義務づけられるようになっています。ただし、企業の事務負担を考慮して、当面の間は3年間保存すればよいという経過措置がとられているのが現状です。

労働者名簿の管理と保存のポイント

労働者名簿は、会社に雇用されているすべての労働者の情報をまとめた極めて重要な書類です。氏名、生年月日、履歴、入社年月日、従事する業務の種類など、社員一人ひとりの歩みが記録されています。

この名簿の保存期間は、労働者が死亡したり、退職したり、解雇されたりした日から数えて、当面の間は3年間(原則は5年間)と定められています。名簿は常に最新の状態に更新し続ける必要があり、氏名が変わったり、部署を異動したりした際にも速やかに反映させなければなりません。

実務上の注意点として、労働者名簿は事業場ごとに作成して備え付けておく必要があります。本社だけで一括管理するのではなく、支店や工場などの現場でもすぐに閲覧できる状態にしなければなりません。

これを怠ると、労働基準監督署の調査が入った際に是正勧告を受ける対象となります。退職者の名簿は、現役社員のものとは別に「退職者用フォルダ」などを作って管理し、破棄できる日をファイル名に含めておくと、整理の際に迷いがなくなります。

賃金台帳の重要性と法改正による変化

賃金台帳は、給与の支払い状況を詳細に記録した書類です。基本給だけでなく、各種手当、残業代の計算根拠、所得税や社会保険料の控除額などがすべて記載されています。この書類の保存期間も、2020年の法改正により、最後に記入した日から数えて3年間(原則は5年間)となりました。未払い残業代の請求権についても、この法改正に合わせて消滅時効の期間が延びているため、会社を守る証拠として賃金台帳の重要性は以前よりも格段に高まっています。

賃金台帳には、すべての労働者について記載する義務があります。正社員だけでなく、パートタイム労働者やアルバイト、日雇い労働者も例外ではありません。毎月の給与計算が終わるたびに、正確な数値を記録して保管することが求められます。最近では給与計算ソフトからデータを出力して保存するケースが一般的ですが、そのデータも適切にバックアップを取り、定められた期間はいつでも出力できる状態で保管しておかなければなりません。

出勤簿と労働時間の記録に関する義務

出勤簿やタイムカードなどの労働時間を記録する書類は、賃金計算の基礎となる非常に重要な証拠資料です。始業と終業の時刻、休憩時間、休日出勤の有無などが正確に記録されている必要があります。

これらの書類の保存期間も、労働者が最後に記録した日から数えて3年間(原則は5年間)です。近年、働き方改革関連法によって労働時間の客観的な把握が義務づけられたため、単に「出勤したかどうか」だけでなく「何時何分に仕事を始めたか」という正確な記録が厳しく求められるようになりました。

もしタイムカードを導入していない場合でも、ICカードのログ記録やパソコンのログイン・ログアウトの記録、あるいは自己申告による記録などを適切に保存しなければなりません。これらの記録が不十分だと、長時間労働が発生した際や賃金トラブルの際に、会社が不利な立場に置かれるリスクが非常に高くなります。

紙のタイムカードを使用している場合は、月ごとにまとめてバインダーに綴じ、年度ごとに箱に入れて管理する方法が一般的ですが、場所を取るため早めの電子化を検討する価値があります。

雇い入れや退職に関する書類の扱い

社員を採用する際に取り交わす労働契約書(雇用契約書)や、労働条件通知書も保存の対象です。また、退職届や解雇に関する通知、定年退職の案内などの書類も同様に扱われます。

これらの書類は、雇い入れや退職が完結した日から数えて3年間(原則は5年間)が保存期間です。特に、労働条件通知書には給与や休日、契約期間などの重要な約束事が書かれているため、紛争が発生した際に最も参照される書類となります。

退職に関する書類については、後になって「不当解雇だ」と言われるなどのトラブルを防ぐためにも、円満な退職であったことを証明する退職願を大切に保管しておく必要があります。解雇予告通知書などを発行した場合も、その控えを必ず残しておきましょう。

これらの書類は、単なる事務的な手続きの記録ではなく、会社と社員の間で行われた法的な合意の証です。そのため、期間が過ぎたからといってすぐに捨てるのではなく、会社独自の判断として数年長く持っておくという選択肢も持っておいてください。

社会保険と労働保険の手続き書類を整理する

会社を経営していく上では、労働基準法だけでなく、社会保険や労働保険に関連する膨大な手続きが発生します。健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険といった制度は、社員が安心して働くためのセーフティネットです。

これらの手続きに関わる書類も、それぞれ法律によって保存期間が定められています。労働基準法とは期間の設定が異なる場合が多いため、それぞれの違いを正しく理解し、混乱しないように整理整頓を進めていく必要があります。

健康保険と厚生年金保険の保存ルール

社会保険と呼ばれる健康保険や厚生年金保険に関する書類は、日本年金機構や健康保険組合とのやり取りで発生します。該当するのは、被保険者の資格取得届や喪失届の控え、毎年の算定基礎届、随時改定の際の月額変更届などです。

これらの書類の保存期間は、一連の手続きが完結した日から2年間と定められています。労働基準法の書類に比べると期間は短いですが、手続きの頻度が高いため、書類も溜まりがちです。

2年間という期間はあっという間に過ぎるように感じますが、年金記録の問題が発生した際などは、過去の資格取得の控えが本人を救う唯一の証拠になることもあります。そのため、たとえ法定期間が2年であっても、実務上は5年程度は保管しておく企業が多いのが実情です。

最近では「ねんきん定期便」などで社員自身が記録を確認できるようになっていますが、会社としても万全を期して、年度ごとにクリアファイルにまとめて管理するのが望ましいでしょう。

雇用保険の被保険者に関する書類の期間

雇用保険は、社員が失業したときや育児休業を取得した際などに給付が行われる制度です。雇用保険に関連する書類、特に被保険者の資格取得届や喪失届の控えなどは、その完結した日から4年間の保存義務があります。

社会保険の2年よりも長く設定されているのは、失業給付の受給資格を確認する際などに、過去数年分の加入履歴が必要になるケースがあるためです。離職票の発行履歴や、高年齢雇用継続給付などの申請書控えも大切に保管してください。

また、育児休業給付や介護休業給付の申請書類も、4年間の保存を意識しておきましょう。これらの給付は数ヶ月にわたって継続的に行われるため、すべての手続きが終わった日から数えて4年となります。

雇用保険の書類は、社員の生活に直結する内容が多いため、紛失は許されません。ハローワークからの決定通知書などは、社員本人に渡すものと会社で保管するものがあるため、受け取った際に仕分けを徹底することがミスを防ぐコツです。

労災保険の請求と事故記録の保管

労働災害が発生した際に、病院への支払いや休業補償の請求を行うのが労災保険です。労災保険に関する書類の保存期間は、完結の日から3年間とされています。療養補償給付の請求書や休業補償給付の請求書の控え、さらには労働基準監督署に提出する「労働者死傷病報告」の控えなどが含まれます。労災は発生から数年後に病状が悪化したり、後遺症の問題が浮上したりすることもあるため、非常に慎重な扱いが求められる分野です。

特に、会社内で発生した事故の詳細を記録した報告書や調査資料などは、法律上の義務期間に関わらず、長期間保存することをお勧めします。万が一、将来的に損害賠償請求などの法的紛争に発展した場合、当時の状況を正確に記した記録が会社を守る唯一の手段となるからです。労災関連の書類は、通常の保険手続きのファイルとは別に「事故・災害記録」として独立したフォルダを作り、発生日順に整理しておくと、いざという時の検索性が飛躍的に高まります。

労働保険料の申告書と確定精算の控え

年に一度、6月から7月にかけて行う労働保険料の「年度更新」の手続き書類も重要です。前年度の確定保険料と新年度の概算保険料を申告・納付するもので、申告書の控えや賃金集計表などが含まれます。

これらの書類の保存期間は3年間です。この期間内には、労働局による「算定調査」が行われることがあり、その際に過去3年分の賃金台帳と照らし合わせて申告内容が正しいかどうかを細かくチェックされます。

年度更新の書類は、その年の賃金の総額を証明する資料でもあるため、法人の決算書類と同じくらい重要視すべきです。申告書の控えだけでなく、計算の根拠となったエクセルシートや集計表もセットにして保存しておきましょう。

これにより、数年後に調査が入った際でも「どのように計算してこの数字になったのか」を即座に説明できるようになります。数字の根拠が明確であることは、行政に対する大きな信頼につながります。

税務・安全衛生・その他の人事労務書類

人事労務の仕事は、給与や保険の手続きにとどまらず、社員の健康管理や所得税の計算など多岐にわたります。ここで扱う書類には、これまで見てきたものよりもさらに長い保存期間が設定されているものが少なくありません。

特に税務に関する書類や、有害な業務に従事する社員の健康記録などは、注意深く管理しないと大きなリスクを背負うことになります。どのような書類に、どのような特別なルールがあるのかを詳しく確認していきましょう。

源泉徴収に関連する書類の長期保存

会社は社員に代わって所得税を計算し、国に納める義務を負っています。この「源泉徴収」に関連する書類、具体的には給与所得者の扶養控除等申告書や保険料控除申告書、配偶者控除等申告書などは、7年間の保存が義務づけられています。

これは所得税法などの規定に基づくもので、労働基準法よりもはるかに長い期間です。年末調整の際、社員から回収するこれらの申告書は膨大な量になりますが、安易に捨てることは許されません。

また、源泉徴収簿や賃金台帳(税務上の役割を兼ねるもの)も、やはり7年間の保存が必要です。税務署による税務調査は、数年分をまとめて行われることが一般的であり、その際に「7年前まで遡って確認する」と言われる可能性もゼロではありません。

給与関係の書類については「労働法なら5年、税法なら7年」という二重の基準があるため、常に長い方の「7年」に合わせて保存ルールを運用するのが、実務上のミスを防ぐ最も賢明な判断です。

健康診断結果と産業医の記録の守り方

社員の健康を守るための労働安全衛生法に基づく書類も重要です。一般的な定期健康診断の結果報告書の保存やストレスチェックの結果、高ストレス者に対して行われた産業医による面接指導の記録はすべて5年間の保存が義務づけられています。

近年、メンタルヘルス不調による労災認定や訴訟が増えている中で、これらの健康記録は会社が安全配慮義務を果たしていたかどうかを判断するための極めて重い証拠となります。

さらに、特定の危険な業務に従事する社員の特殊健康診断の結果については、保存期間が極端に長くなるケースがあります。例えば、石綿(アスベスト)を扱う業務に従事した社員の記録は40年間、放射線業務や特定の化学物質を扱う業務の記録は30年間保存しなければなりません。

なぜなら、物質による健康被害は、数十年という長い潜伏期間を経て現れることがあるためです。自社の事業内容を今一度見直し、こうした特別な長期保存が必要な書類がないかを確認することは、人事担当者の極めて重要な使命と言えます。

採用選考と履歴書の適切な取り扱い

採用活動中に発生する履歴書や職務経歴書、面接時の評価シートなどの取り扱いにも注意が必要です。これらには法律で定められた明確な保存期間はありませんが、個人情報保護法の観点から「利用目的を達成した後は速やかに破棄する」ことが求められます。

一方で、不採用とした応募者から「差別的な選考をされた」と訴えられるリスクを考慮し、一定期間(例えば1年程度)は保管しておくという運用をする企業が多いです。

採用に至った社員の履歴書は、労働者名簿の一部や人事評価の基礎資料として、在職中はもちろん退職後も一定期間(労働基準法に準じて3年から5年)保存するのが一般的です。応募書類を返却するのか、それとも会社側で責任を持って破棄するのかを採用サイトや募集要項に明記しておくことで、応募者とのトラブルを未然に防げます。個人情報に対する社会の目は年々厳しくなっているため、ルールのないまま書類を放置しておくことが最も危険です。

就業規則や労使協定の過去分の管理

会社の憲法とも言える就業規則や、時間外労働に関する36協定などの労使協定も、適切な管理が欠かせません。最新の就業規則を全社員が見られるようにしておくのは当然の義務ですが、過去の古い就業規則も捨てずに保管しておくべきです。

なぜなら、過去に発生したトラブルを解決する際、その事案が起きた当時に「どの規定が有効だったか」を確認する必要があるからです。退職金などの計算ルールが変わった場合なども、過去の経緯がわからないと正確な算出ができなくなります。

36協定などの労使協定の保存期間は、その有効期間が終了した日から3年間です。ただし、残業代の未払い問題などが起きた際に、協定が正しく締結され、届け出が行われていたことを証明する必要があるため、これも賃金台帳と同様に長めに持っておくのが安全です。

これらの重要書類は、原本を金庫や鍵付きのキャビネットで保管し、日常業務ではコピーや電子化されたデータを使用するように分けることで、紛失や改ざんのリスクを最小限に抑えることができます。

効率的な書類管理と電子化への移行術

これほどまでに多くの書類を、それぞれ異なる期間で管理し続けるのは並大抵のことではありません。紙の書類をそのまま保管し続けていれば、いずれオフィスは段ボール箱で埋め尽くされ、必要な書類を探し出すのに何時間も費やすことになってしまいます。

そんな状況を打破し、スマートで効率的な人事労務を実現するための鍵は、電子化の促進とルールの徹底にあります。法律の要件を満たしながら、いかに手間を減らして管理の精度を上げるか、その具体的な手法を探っていきましょう。

電子帳簿保存法に基づいたデータ管理

近年、電子帳簿保存法の大幅な改正により、書類をデータで保存するためのハードルは下がってきました。以前は税務署への事前承認が必要でしたが、現在は不要となり、一定の要件を満たせばスキャンした画像やPDFデータでの保存が認められます。

人事労務書類においても、賃金台帳や源泉徴収関係の書類をデジタル化することで、物理的なスペースをゼロにすることが可能です。ただし、データの真実性を担保するための「タイムスタンプ」の付与や、検索機能の確保といった要件を正しく理解しておく必要があります。

電子化を進める際は、まず社内のシステムが法的な要件に対応しているかを確認しましょう。最近のクラウド型人事労務ソフトは、保存期間の管理や電子保存の要件を自動でクリアしているものが多いため、こうしたツールを導入するのが最も近道です。

データで保存する場合、ファイル名に「20240401_賃金台帳_東京太郎」といった規則性を持たせることで、数年後でもキーワード一つで目的の書類を見つけ出せるようになります。この検索性の高さこそが、電子化がもたらす最大の恩恵です。

書類破棄のプロセスと情報漏洩の防止

保存期間が過ぎた書類を処分する作業は、書類管理の「出口」を司る重要な工程です。人事労務書類は、社員の住所や給与、家族構成、健康状態といった極めて機微な情報の塊です。これらが万が一にも外部に漏れれば、会社は甚大な社会的信用を失い、法的な制裁を受けることになります。

そのため、破棄の手順を曖昧にしてはいけません。社内のシュレッダーで処理する場合も、裁断クズから情報が復元できないようなクロスカット方式のものを使い、処理が終わるまで目を離さないようにしましょう。

大量の書類を一括で処分する場合は、溶解処理を専門とする業者に依頼するのが安心です。未開封の段ボールのまま工場へ運び、そのまま溶かしてリサイクルするため、人の目に触れる心配がありません。処理完了後に発行される「溶解証明書」は、会社として適切に廃棄を行ったことの証拠になるため、これを別途ファイルに綴じて数年間保管しておきましょう。このように、入り口から出口まで一貫した管理のサイクルを作ることで、情報漏洩のリスクを極限まで下げられます。

属人化を防ぐ管理マニュアルの作り方

書類管理が「今の担当者にしかわからない」という状態になっているのは非常に危険です。担当者が急に休みを取ったり、異動したりした際に、どこに何があるかわからなくなれば、会社の業務が止まってしまいます。

誰が担当になっても同じように管理ができるよう、シンプルなマニュアルを作成しておきましょう。マニュアルには、各書類の保管場所、電子データの保存先フォルダ、ファイル名の付け方のルール、そして保存期間の一覧表を盛り込みます。

また、年に一度の「大掃除の日」を決めておくことも効果的です。年度更新や年末調整が終わった後の落ち着いた時期に、全社的に書類の見直しを行う時間を設けます。マニュアルに沿って、期間が過ぎた書類を機械的にピックアップし、破棄のリストを作成して上司の承認を得るなど、一連の流れを定例化することで、書類が溜まりすぎるのを防ぎ、常に最新の状態を保つことが可能です。管理を仕組み化することは、自分自身の負担を減らすだけでなく、組織全体の強靭さを高めることにつながります。

テレワーク時代のクラウドストレージ活用

働き方の多様化が進み、オフィスに出社しなくても仕事ができる環境が求められています。しかし、人事労務の書類が紙でしか存在しない場合、手続きのためにわざわざ出社しなければなりません。

クラウドストレージを活用して書類を管理すれば、自宅や外出先からでも安全に必要な情報を確認できます。もちろん、高度なセキュリティ設定は不可欠ですが、アクセス権限を細かく設定することで、紙の書類よりもむしろ安全に管理できるという側面もあります。

クラウド管理を導入する際は、二要素認証の導入やアクセスログの取得など、情報セキュリティの基本を徹底しましょう。また、万が一のシステム障害に備えて、重要なデータは複数の場所に分散してバックアップを取っておくことも重要です。

物理的な災害(火災や洪水など)によって紙の書類が失われるリスクを考えると、信頼できるクラウドサービスにデータを預けることは、強力な事業継続計画(BCP)対策にもなります。これからの時代に求められるのは、場所を選ばない、柔軟で堅牢な管理体制です。

まとめ

人事労務関係書類の保存期間について、その全体像と実務上のポイントを詳しく見てきました。最後に、今日からすぐに意識すべき最重要事項を簡潔にまとめます。これらを頭に入れておくだけで、あなたの書類管理の質は劇的に向上します。

まず、労働基準法に基づく主要書類(賃金台帳、労働者名簿、タイムカードなど)は、現時点では「当面3年」ですが、実務上は「5年」の保存を標準としましょう。 法改正の流れを汲み、余裕を持った期間設定をすることで、将来的なリスクを完全に排除できます。

次に、税務関係の書類は「7年」、社会保険は「2年」、雇用保険は「4年」というバラバラな期間を一つのカレンダーや一覧表に落とし込み、見える化することです。 特に給与に関わる書類は、税務の7年に合わせるのが最も安全な運用方法です。健康診断の結果などの安全衛生に関する記録も、5年(特殊なものは30年以上)という期間を厳守してください。

そして、「電子化」と「ルールの仕組み化」をセットで進めることが、業務効率化のゴールです。 紙の保管を減らし、データで検索可能な状態に整えることで、探し物の時間をゼロにしましょう。破棄の際も業者を活用して安全を確保し、管理手順をマニュアル化することで、誰でも迷わず実行できる体制を作ってください。

書類管理は、一見すると派手さのない裏方の仕事に見えるかもしれません。しかし、完璧に整理された書類は、社員の権利を守り、会社の信用を支える揺るぎない土台となります。この記事で学んだ知識を武器に、ぜひ明日からデスクの整理を始めてみてください。

この記事の投稿者:

武上

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