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個人事業主におすすめの会計ソフトの選び方 比較ポイントを徹底解説【2023】

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個人事業主が会計ソフトを選ぶ際は、費用や利用する環境、簿記の知識の有無といった点から検討することが一般的です。本記事では、個人事業主がソフトを選ぶ際の比較ポイントについてわかりやすく解説します。

個人事業主の確定申告には会計ソフトがある方がいい?

個人事業主と会計ソフトについて、青色申告と白色申告、それぞれのケースに分けて解説します。

青色申告の場合

青色申告は、節税効果の高い青色申告特別控除が受けられるなどのメリットがあります。

より節税効果が高い65万円もしくは55万円の青色申告特別控除を受けるためには、複式簿記による記録が必要とされています。複式簿記は1つの取引に対して2つの勘定科目を使って記録する方法であり、手作業で行うにはかなりの手間がかかります。

そのため、青色申告によって高い節税効果を狙うのであれば、会計ソフトを導入して経理業務にかかる負担を軽減することが望ましいと言えるでしょう。

参照:No.2072 青色申告特別控除 | 国税庁

白色申告の場合

事業規模が小さい場合には、白色申告によって確定申告をすることが一般的です。白色申告では、簡易的な方法である単式簿記によって記録することが認められているため、必ずしも会計ソフトを導入しなくても構いません。

白色申告を行う人の中には、会計ソフトを使わずにエクセルや紙のノートに取引の記録をまとめている人もいます。お金の動きが少ない場合には、この方法でも十分でしょう。

白色申告でも、商品や物品をこまめに購入したり、売上が何度も入ったりするなどの理由で取引の回数が多いことがあります。その場合は、会計ソフトを使うことで効率的に取引を管理することをおすすめします。

関連リンク:
白色申告とは?青色申告との違いやメリット・デメリットを解説
個人事業主の帳簿の付け方を徹底解説!単式・複式の違いや青色・白色申告の違い、帳簿の具体例もご紹介

個人事業主向けの会計ソフトの選び方

個人事業主が会計ソフトを選ぶ際の方法について、8つのポイントから解説します。

無料か有料か、費用で選ぶ

会計ソフトの費用形態は、以下のいずれかに分類できます。

・有料のもの
・お試し期間のみ無料のもの
・期間の制限なく無料で利用できるもの

有料の会計ソフトは、経理業務に役立つ機能が充実している点にメリットがあります。外部のシステムと連携することで自動的に取引を読み込んだり、経営状況をまとめたレポートを作成したりといった機能を備えているものも多くあります。

お試し期間中のみ無料で利用できる会計ソフトは、期間の終了後に有料に移行するか、もしくは利用できる機能が制限されます。1年など長期にわたって無料で利用できるものもあるため、会計ソフトの選択に迷っている場合には、試しに登録してみてもいいでしょう。

期間の制限なく無料で利用できる会計ソフトもありますが、有料のものと比べて機能が劣る点に注意が必要です。しかし、白色申告向けの会計ソフトの中には、無料でも基本的な機能が一通り備わっているものもあるため、選択肢に入れることを検討してもいいでしょう。

会計知識の有無で選ぶ

経理業務に自信がない方や、初めて確定申告を行う方は、初心者向けの会計ソフトがおすすめです。そのような会計ソフトは専門的な用語をなるべく使わずに構築されているため、簿記の知識がなくても帳簿を作成できます。

なお、そのような方でも、ある程度の会計知識があった方が業務をスムーズに行えるという点は覚えておきましょう。

反対に、会計知識のある人が初心者向けの会計ソフトを選ぶと、かえって混乱してしまうことがあります。借方・貸方といった簿記のフォーマットに沿って構築された会計ソフトを選択することで、違和感なく操作できるでしょう。

クラウド型かインストール型かで選ぶ

会計ソフトは、インターネットを通じてシステムを利用する「クラウド型」と、ソフトを購入して使う「インストール型」に分かれます。

クラウド型インストール型
インストール不要必要
初期費用不要必要
ランニングコスト必要不要なことが多い
(バージョンアップに費用がかかることもある)
対応OSWindows・MacWindowsのみに対応していることが多い
対応デバイスPC・スマホ・タブレットPC
バージョンアップ自動で行われる自分で行う
処理速度ネット回線の影響を受けるネット回線の影響を受けない
担当者間での共有しやすいしづらい

クラウド型は比較的最近作られたサービスであり、その多くが初心者でも使いやすいことを意識して作られています。また、端末を選ばずに作業できることや、他の担当者との共有が簡単な点もメリットとして挙げられます。インストール作業が不要で、気軽に使い始められる点も魅力と言えるでしょう。

インストール型は経理担当者や税理士などに長い間好まれてきたものが多く、入力画面が古いデザインに感じられるケースもあります。取引が多いもしくは複雑な事業者が、本格的な経理業務を行いたい場合に使うことが一般的です。

経理業務の経験がない個人事業主が初めて会計ソフトを導入するのであれば、いきなりインストール型の会計ソフトを買うのではなく、まずはクラウド型の会計ソフトを選ぶことをおすすめします。少額もしくは無料の会計ソフトに登録し、使用感を確かめてみましょう。

使いやすさで選ぶ

会計ソフトでは、日々発生する取引を手入力もしくは自動取り込みによって入力していきます。

自動取り込みとは、金融機関の口座やクレジットカードと連携し、会計ソフトに情報を読み込ませる機能です。推測によって勘定科目も提案されるため、その勘定科目が適切かどうかチェックするだけで作業が終わります。作業をスピーディに終わらせたいという方は、この機能が備わっている会計ソフトを選ぶといいでしょう。

また、入力画面の見た目や使い勝手で選ぶこともできます。会計ソフトの入力画面は頻繁に目にするものであるため、自分の好みのデザインであるかどうかという点も大切です。お試し期間などを利用し、画面の雰囲気をチェックしてみるといいでしょう。

確定申告書類の作成しやすさで選ぶ

会計ソフトに日々の取引を入力した後は、確定申告に必要な書類を作成することになります。一般的に使われている会計ソフトのほとんどは確定申告書類の作成に対応しています。これまでに入力した売上や費用を合計することで、効率的に確定申告書類が作成できるでしょう。

個人事業主が確定申告をする上では、生命保険などの控除や、家事按分の有無などについても自分で入力する必要があります。そのような事務作業が苦手という方は、画面の指示に従って選択することで作業を進められるタイプの会計ソフトを選ぶことをおすすめします。

システムや金融機関との連携性で選ぶ

金融機関の口座やクレジットカードとの連携による自動取り込みが備わっている会計ソフトでも、全ての金融機関・クレジットカードと連携しているわけではありません。主要な金融機関であっても、自動取り込みに対応していないというケースもあります。

会計ソフトを利用する際は、普段使っているサービスに対応しているかどうかといった点からも検討するといいでしょう。連携可能なサービスは、会計ソフトの公式ホームページなどから確認できます。

エクセルに入力したデータをCSV化して取り込む会計ソフトもあります。普段はエクセルに入力し、まとまった時間の取れる時に改めて会計ソフトに入力するといった使い方が可能です。これまでエクセルを使って経理をしてきた個人事業主が、会計ソフトに移行する場合にも便利です。

また、アルバイトに会計ソフトの権限を与えるのが不安という場合に、一旦エクセルに入力してもらい、後日自ら会計ソフトにアップロードするという方法もあるでしょう。

金融機関やクレジットカードとの連携ができない場合でも、ホームページから取引明細をエクセルでダウンロードできれば、CSVによって会計ソフトへ取り込むことも可能です。

電子申告への対応有無で選ぶ

インターネットを通して確定申告書類を提出することを「電子申告」と呼びます。電子申告をするためには国税庁の提供するe-Taxを使いますが、電子申告に対応した会計ソフトを使うこともできます。

この方法であれば、会計ソフトで作成したデータをe-Taxに移す手間がかかりません。これまでに入力した内容を元に確定申告書類を作成し、その流れで電子申告できます。

電子申告は65万円の青色申告特別控除を利用するための条件とされています。確定申告を効率的に終わらせたい方や、青色申告特別控除を利用したい方は、電子申告に対応した会計ソフトを選択しましょう。

参照:No.2072 青色申告特別控除|国税庁

サポート体制を重視する

ほとんどの会計ソフトは、電話やチャット、メールなどによるサポートが用意されています。経理業務に慣れていないという方は、サポートの内容をチェックした上で会計ソフトを選ぶといいでしょう。

同じ会計ソフトであっても、プランの内容によってサポートの内容が異なるケースがあります。会計ソフトの操作方法についての相談だけでなく、経理業務や確定申告についての悩みを相談できるものなど、その内容はさまざまです。

確定申告が初めてという個人事業主の方は、有料でもサポートの手厚いプランを選ぶことも検討しましょう。

個人事業主の経理課題はINVOYにおまかせ

個人事業主は本来の仕事に加えて経理業務を行い、確定申告をします。しかし、経理業務に慣れていないと、何から始めていいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。

「INVOY」は、請求書や領収書といった書類をクラウド上で作成・管理できるプラットフォームです。INVOYと会計ソフトがあれば、基本的な経理業務から確定申告までを滞りなく進められるでしょう。これから経理業務に取り組むという方は、ぜひご利用ください。

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まとめ

個人事業主は費用や利用環境などの条件で会計ソフトを選択します。また、会計ソフトを導入すれば、業務の効率化や節税などさまざまなメリットにつなげられます。

本記事で解説した選び方のポイントを踏まえ、自分に適した会計ソフトを探してみましょう。

この記事の投稿者:

reg@olta.co.jp

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