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労災と傷病手当金の違いを徹底解説!いくらもらえる?申請方法は?お金の不安を解消する完全ガイド

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働けない期間の収入を最大限に確保して、お金の不安を一切感じることなく治療に専念できる安心な毎日を手に入れましょう。正しい知識を持って制度を選べば、手元に残るお金が月数万円も増え、自分や家族の生活をしっかりと守り抜く未来が実現します。

この記事を読み終える頃には、自分がどの制度を使い、どのように動けば最も得をするのかが明確になり、迷いなく手続きを進めることができます。初めての怪我や病気で手続きが難しそうだと不安を感じているあなたでも、一つずつ手順を追っていくだけで確実に給付を受けることが可能です。

目次

労災保険と傷病手当金の基礎知識と判断の基準

病気や怪我で会社を休むとき、私たちの生活を支えてくれる仕組みは主に二つあります。それが「労災保険」と「傷病手当金」です。どちらも働けない期間の収入を補ってくれる心強い味方ですが、その役割や入り口は大きく異なります。まずは、自分がどちらの制度を使うべきなのか、その判断基準を正しく理解することから始めましょう。

仕事が原因かプライベートが原因かを切り分ける

あなたが今抱えている不調の原因が「どこにあるのか」が最大のポイントです。労災保険は、仕事中や通勤中に起きたトラブルをカバーするための国の保険です。一方で傷病手当金は、会社で加入している健康保険の制度で、仕事とは関係のない理由で休む際に出るお金です。この使い分けを間違えると、後で病院の窓口で高額な精算が発生したり、申請がやり直しになったりするため、最初に見極めることが非常に重要です。

労災保険が適用されるためには、二つの条件が必要です。一つは、会社の支配下で業務を行っている最中に起きたことであるという「業務遂行性」です。もう一つは、その怪我や病気が業務と密接に関連しているという「業務起因性」です。例えば、工事現場で足場から転落した、あるいは事務作業中に重い書類棚を動かして腰を痛めたといったケースは、典型的な業務災害となります。

一方で、仕事とは関係のない理由、例えば休日に趣味のスポーツをして怪我をした、あるいは自宅で風邪をこじらせて入院したといったケースで、初めて健康保険の傷病手当金の出番となります。この入り口を間違えないことが、スムーズな受給への第一歩です。

業務災害・通勤災害・私傷病の3つの定義

制度を正しく理解するために、まずは自分の状況がどの箱に入るのかを整理しましょう。

  1. 業務災害は仕事そのものが原因で起きた怪我や病気を指します。
  2. 通勤災害は家と会社の往復途中で起きた事故を指します。
  3. 私傷病は仕事とも通勤とも関係のない完全なプライベートの不調です。

通勤災害については、通常のルート上で起きた転倒や交通事故などが対象になります。ただし、帰りに居酒屋へ寄って数時間飲酒した後の事故などは、通常のルートから外れたとみなされ、労災として認められない可能性が高いです。一方で、日用品の買い物や通院など、日常生活に欠かせない最小限の寄り道であれば、その後の経路に戻った後の事故は労災として認められることがあります。自分の行動が「合理的な経路」であったかどうかが鍵となります。

両方の制度を同時に利用できない理由

労災保険と傷病手当金の両方を同時にもらうことはできません。これは、同じ原因による怪我や病気に対して、二つの公的な制度から重複してお金を受け取ることはできないというルールがあるからです。これを「二重補償の禁止」と呼びます。

もし重複して受け取れるようになると、働いている時よりも休んでいる時の方が収入が多くなってしまい、仕事に戻る意欲がなくなってしまう可能性があるためです。ただし、どちらの制度が適用されるか判断が難しいケースもあります。例えば、過重労働による精神疾患などがそうです。このような時は、まず労災の申請を行い、その結論が出るまでの間、暫定的に傷病手当金を受け取っておくという運用が可能です。後に労災として認定された場合には、それまで受け取っていた傷病手当金を健康保険組合に返却し、改めて労災給付を受け直すという手続きを行うことになります。

給付額の詳細な比較と年収別のシミュレーション

生活を支える上で最も気になるのが、実際にいくらのお金が口座に振り込まれるのかという点でしょう。労災保険と傷病手当金を比較すると、手元に残る金額には目に見える大きな差が存在します。

労災保険の給付額の仕組み

労災保険の休業補償給付は、非常に手厚い設計になっています。基本となる給付として、給付基礎日額の60パーセントが支払われます。さらに、社会復帰を支援するための「特別支給金」という名目で20パーセントが上乗せされます。つまり、合計で「給与の80パーセント」を受け取ることができるのです。

給付基礎日額とは、原則として怪我をした日の直近3ヶ月間に支払われた給与(総支給額)を、その期間の日数で割った1日あたりの金額のことです。ここには基本給だけでなく、残業代や通勤手当も含まれます。例えば、月給が30万円の方であれば、1日あたりの金額はおよそ1万円となります。その80パーセントである8,000円が、休んだ日数分だけ支給されるわけです。30日間休めば24万円となり、手取り給与とほぼ変わらない水準の金額が確保できます。

傷病手当金の計算の仕組み

一方で、健康保険の傷病手当金は、直近12ヶ月間の標準報酬月額を平均した額の「3分の2(約67パーセント)」が支給されます。標準報酬月額とは、あなたの毎月の給料をキリのいい数字で区分けした等級のことです。

計算のベースとなる金額自体は労災の給付基礎日額と似ていますが、支給割合が労災の80パーセントに比べて低くなっています。先ほどの月収30万円の例で考えると、1日あたりの支給額はおよそ6,666円です。30日間休んだ場合の受給額は約20万円となります。労災保険の24万円と比較すると、月間で4万円もの差が出ることになります。この差は、家族の生活費やローン、家賃の支払いを考える上で無視できない大きなインパクトを持ちます。

医療費の自己負担がもたらす決定的格差

現金でもらえる額の差以上に注目すべきなのが、病院の窓口で支払う医療費の扱いです。労災保険が適用される場合、治療にかかる費用は全額が国から支払われるため、あなたの「自己負担はゼロ」になります。診察代はもちろん、薬代、手術代、入院時の食事代の一部に至るまで、すべてが無料になります。

これに対して、傷病手当金を利用して治療を受ける場合は、通常の健康保険診療となります。つまり、病院の窓口で常に「3割の自己負担」を支払わなければなりません。もし大怪我で入院や手術が必要になり、医療費が100万円かかったとしたら、労災なら0円ですが、健康保険なら高額療養費制度を使っても一定の負担が発生します。受給できる現金が少なく、かつ支出となる医療費が発生する傷病手当金に比べ、労災保険の経済的メリットはいかに大きいかが分かります。

年収別の受給額シミュレーション

具体的な年収ごとに、1ヶ月間(30日)休んだ際にもらえる金額を比較してみましょう。

  • 年収300万円(月収25万円)の場合、労災なら約20万円、傷病手当金なら約16.7万円です。
  • 年収500万円(月収41万円)の場合、労災なら約32.8万円、傷病手当金なら約27.3万円です。
  • 年収800万円(月収66万円)の場合、労災なら約52.8万円、傷病手当金なら約44万円です。

このように、給料が高くなればなるほど、両者の支給額の差は開いていきます。月額で数万円から十万円近くの差が出ることも珍しくありません。仕事が原因の不調であるならば、正当に労災を申請することが、自分自身の経済的な平穏を守るための最も賢い選択なのです。

支給開始までの待機期間と受け取れる期間のルール

お金をもらうための権利を得るためには、「待機期間」というルールを正しく理解し、いつから支給が始まるのかというスケジュールを把握しておく必要があります。

最初の3日間をどう乗り切るか

労災保険も傷病手当金も、休んだその日からすぐにお金が出るわけではありません。どちらの制度にも、休み始めた初日から数えて「3日間の待機期間」というものが存在します。この3日間は、給付金が発生しない無給の期間となります。

しかし、ここでも労災保険の方が労働者に優しく設計されています。仕事中の怪我であれば、最初の3日間の待機期間については、会社が平均賃金の60パーセントを補償しなければならないという法律上の義務があるのです。つまり、労災であれば実質的に初日から収入が完全に途絶えることはありません。一方、傷病手当金の場合は、最初の3日間は完全に無給となります。この3日間を乗り切るために、多くの人は有給休暇を消化して収入を確保しています。待機期間の考え方を知っておくだけで、初動の資金繰りが楽になります。

傷病手当金の通算化とメリット

いつまでお金がもらえるかという期間のルールにも注目しましょう。傷病手当金には、受給できる期間に明確な期限があります。それは「支給開始日から最長で1年6ヶ月」です。かつては一度支給が始まると、途中で復職しても1年半が経過した時点で受給権が消滅していましたが、現在は法改正によって「通算して1年6ヶ月」分を受け取れるように改善されました。

これは、3ヶ月休んで復職し、その後また同じ病気で再発して休んだ場合、以前の3ヶ月分を差し引いた残りの期間を将来の休業時に使えるようになったということです。これにより、無理に復職して再発した時のリスクが大幅に軽減されました。精神的な疾患など、良くなったり悪くなったりを繰り返す病気の場合、この通算化のルールは非常に大きな助けとなります。

期限がない労災保険の圧倒的な安心感

一方で、労災保険の休業補償給付には、原則として「期間の制限がありません」。怪我が治るか、あるいは「症状固定」と医師が判断するまで、何年でも支給が続きます。これが労災保険の最大の強みの一つです。

もし療養を始めてから1年6ヶ月が経過しても治っておらず、なおかつ一定の重い障害が残っている場合には、休業補償給付から「傷病補償年金」などの別の給付に切り替わることもあります。一生を左右するような重大な事故に遭った際、期限を気にせずに治療に専念できる環境を提供してくれるのが労災保険なのです。長期的な視点で見れば、労災認定を受けることの価値は計り知れません。

失敗しないための申請手続き完全マニュアル

制度の内容を理解した次は、いよいよ具体的な「申請」のステップです。役所の書類と聞くと難しく感じるかもしれませんが、ポイントさえ押さえれば決して高い壁ではありません。

労災申請に必要な書類とフロー

労災の申請で最も大切なのは、最初に病院へ行った時の対応です。受付で必ず「仕事中の怪我です」とはっきり伝えてください。そうすることで、病院側も労災専用のルートで処理を進めてくれます。この時、絶対に自分の健康保険証を提示してはいけません。

  1. 病院で労災であることを伝え、専用の様式(様式5号など)を提出します。
  2. 会社に報告し、事故の状況を正確に伝えます。
  3. 休業補償の請求書(様式8号)を作成し、会社の証明をもらいます。
  4. 医師に休業が必要であったことの証明を記入してもらいます。
  5. 書類を労働基準監督署へ提出します。

多くの会社では担当者が手続きに慣れているため、指示に従って記入すれば大丈夫です。自分で書類を準備する場合は、労働基準監督署の窓口で書き方を詳しく教えてもらうことができます。

医師の証明を確実にもらうコツ

傷病手当金の申請は、加入している健康保険組合や協会けんぽに対して行います。申請書は4枚綴りになっていることが一般的で、本人が書くページ、会社が書くページ、医師が書くページに分かれています。

ここで最も重要なのが、医師が書くページです。傷病手当金は、単に病気であるだけでなく「仕事ができない状態(労務不能)」であることを医師が認めて初めて支給されます。そのため、診察の際には「今の病状ではどのような作業ができないのか」を具体的に医師に伝えることが大切です。例えば「薬の副作用で集中力が続かず事務ミスが出る」など、仕事に直結する支障を伝えてください。医師にしっかりと現状を把握してもらうことが、確実な受給への近道です。

申請のタイミングは1ヶ月ごとが理想的

申請は、どれくらいの頻度で行えばよいのでしょうか。おすすめは、「1ヶ月に1回、月末にまとめて申請する」というサイクルです。傷病手当金も労災の休業補償も、過去の休んだ実績に対してお金が支払われる仕組みです。

そのため、月が終わったタイミングで、その月の分の証明を医師と会社にもらい、まとめて提出するのが最も効率的で、家計の管理もしやすくなります。あまり長い期間をまとめて申請しようとすると、それだけ最初の入金が遅くなってしまい、生活が苦しくなるリスクがあります。面倒でも、毎月コツコツと書類を作成し、提出する習慣をつけましょう。これにより、安定した入金サイクルを作ることができます。

会社が協力的でない場合のトラブル解決法

残念ながら、すべての会社が労働者の味方をしてくれるわけではありません。中には「労災を使うと保険料が上がるから」といった理由で、申請を妨害しようとするケースがあります。これを「労災隠し」と呼び、重大な違法行為です。

労災隠しの打診をきっぱりと断る方法

会社から「手続きが大変だから、今回は傷病手当金にしておいてくれ。差額は会社がこっそり払うから」と言われることがありますが、これは非常に危険です。仕事中の怪我なのに傷病手当金を使うことは、虚偽の申請となり、あなた自身が不正受給に問われるリスクがあります。

さらに、労災保険の方が給付期間が長く、医療費も無料になります。会社の補償がいつまで続くか保証はありませんし、将来的に後遺症が残った時の保障も、傷病手当金では一切受けられません。毅然とした態度で「仕事中のことなので労災でお願いします」と伝え、自分の身を守りましょう。

会社が証明を拒否した時の本人申請

もし会社が書類への署名や押印を拒否したとしても、諦める必要はありません。労災や傷病手当金の申請は、労働者本人が直接行うことが可能です。会社が証明を拒否した場合は、その欄を空欄のままにして、代わりに「会社が証明を拒否した理由」を書いた別紙を添えて提出すれば、申請は受理されます。

これを「本人申請」と呼びます。労働基準監督署や健康保険組合は、会社のハンコがないからといって申請を門前払いすることはありません。むしろ、会社が協力的でない事態を重く見て、監督署が直接会社へ調査に入ることがあります。会社との関係悪化を恐れる気持ちは分かりますが、自分を守るためには公的な機関を正しく利用する勇気を持つことが大切です。

労働基準監督署という強い味方

会社との交渉に行き詰まったら、すぐに最寄りの労働基準監督署の相談窓口へ行ってください。彼らは会社を指導する権限を持っています。「会社が労災申請をさせてくれない」と相談すれば、監督署から会社へ指導が行われます。

  1. 監督署の窓口で現状を詳しく説明します。
  2. 事故の状況や会社とのやり取りのメモを持参します。
  3. 監督署から会社へ事実確認の連絡が入ります。
  4. 会社が態度を改め、手続きが進むようになります。

あなたは一人ではありません。国の機関を上手に活用して、自分の権利をしっかりと行使してください。

退職後の受給継続と転職時の注意点

休業が長引くと、体調が完全に戻らないまま退職の時期を迎えてしまうこともあるでしょう。「会社を辞めたら、今もらっているお金は止まってしまうのか」という不安は、多くの人が抱く共通の悩みです。

会社を辞めても給付を継続させるための条件

傷病手当金は、会社を辞めた後も継続して受け取ることが可能です。ただし、そのためには退職日時点で以下の条件を満たしている必要があります。

  1. 退職の日までに継続して1年以上、健康保険の被保険者期間があること。
  2. 退職するその日も、病気や怪我のために仕事ができない状態で休んでいること。

この二つの条件さえ満たしていれば、会社との縁が切れた後も、最長1年6ヶ月の期間内であればお金を受け取り続けることができます。一度決まった受給権は、あなたが再就職するまでは守られます。退職の手続きを進める前に、自分の加入期間を確認しておきましょう。

退職日の最後のお別れ出勤が奪う権利

退職後の継続受給を目指す上で、最もやってはいけないミスがあります。それは「退職日に最後のお別れ挨拶のために出勤すること」です。

退職日に一度でも出勤してしまうと、その日は「仕事ができた」とみなされてしまいます。すると、継続受給の条件である「退職する日も仕事ができない状態で休んでいること」を満たせなくなってしまいます。退職当日はお世話になった人に挨拶をしたい気持ちになりますが、受給権を守るためには、退職日もしっかりと休養を続けることが絶対条件となります。挨拶は電話やメールで済ませるのが賢明な判断です。

労災保険の強い保護と解雇制限

労災保険の場合は、会社を辞めたとしても、怪我が治るまでの間は引き続き国から直接お金が振り込まれ続けます。退職しても給付が止まることはありません。

さらに、労災には法律による強い「解雇制限」があります。労災で休業している期間と、その後仕事に復帰してから30日間は、会社は労働者を解雇することができません。これは仕事で傷ついた労働者を守るための強力なルールです。病気や怪我を理由に無理やり辞めさせられそうになったら、それは不当な解雇にあたる可能性が高いです。一人で悩まずに、専門家や公的な相談機関を頼ってください。

休業中に発生する社会保険料と税金への対策

収入が確保できても、出ていくお金を管理しなければ手元に現金は残りません。休業中に直面する「目に見えない支出」について解説します。

給与ゼロでも発生する社会保険料

会社を休んでいても、社員としての身分がある限り、社会保険料の支払いは免除されません。通常は給与から天引きされていますが、給与がゼロの期間は天引きができなくなります。

  1. 会社があなたの分を一時的に立て替えます。
  2. 会社からあなたへ保険料の請求書が届きます。
  3. 指定の口座へ保険料を振り込みます。

毎月数万円の保険料を、収入が減っている中で支払うのは大変です。事前に会社と「休業中の保険料をどう支払うか」を話し合っておきましょう。復職後に分割で支払うなどの相談に乗ってくれる会社もあります。

住民税の減免や猶予を相談する

住民税は「去年の所得」に対してかかる税金です。現在働けなくて収入が減っていても、去年の年収に基づいた納税通知書が届きます。労災給付金や傷病手当金は非課税なので、これらのお金から税金が引かれることはありませんが、自分で納付書を使って支払う必要があります。

もし支払いが困難な場合は、お住まいの市区町村の役所に相談しましょう。収入が著しく減少した場合には、住民税の減免や支払猶予が認められるケースがあります。役所の窓口で「現在病気で療養中で収入がない」と正直に伝えれば、様々な救済措置を提案してくれます。放置せずに早めに相談することが大切です。

確定申告での還付チャンス

年の途中で休業に入り、そのまま年を越した場合、その年の所得税を払いすぎている可能性があります。確定申告を行うことで、払いすぎた税金が戻ってくるかもしれません。

  1. 労災給付や傷病手当金は非課税所得です。
  2. 本来の給与所得だけで所得税を再計算します。
  3. 医療費が多くかかった場合は医療費控除も申告します。
  4. 払いすぎた所得税が還付金として戻ります。

休業中で時間がある時に、スマホから確定申告を行ってみましょう。数万円単位の還付金が受け取れる可能性があり、療養中の貴重な資金源となります。お金を「守る」ための知識をフル活用しましょう。

精神疾患や過労で制度を利用する場合のポイント

近年増えているのが、仕事のストレスによるうつ病などの精神疾患での休業です。身体的な怪我とは異なる特有の難しさがありますが、制度の使い方は基本と同じです。

うつ病などが労災として認定される条件

精神疾患で労災が認められるためには、発症前のおよそ6ヶ月間に、業務による強い心理的負荷があったことが必要です。例えば、月100時間を超えるような過剰な残業や、上司からの激しいパワーハラスメントなどがこれにあたります。

  1. 業務による強いストレスがあったことを証明します。
  2. 医師から精神疾患の診断を受けます。
  3. 労働基準監督署が調査を行い、認定を判断します。

身体的な怪主に比べると認定に時間がかかることが多いため、残業時間の記録やメールの履歴などの証拠をしっかりと集めておくことが重要になります。

認定までの空白期間を埋める技術

精神疾患の労災審査には、半年以上の時間がかかることも珍しくありません。その間、何の収入もなければ生活が立ち行きません。そこで活用したいのが、まずは「傷病手当金」を受給し、その裏で「労災申請」を進めるという手法です。

傷病手当金は、医師が「仕事ができない」と認めれば比較的スムーズに受給が始まります。まずは傷病手当金で生活の土台を固め、じっくりと労災の審査を待つのが最も賢い戦略です。後に労災が認定されたら、それまでの傷病手当金を返還すれば良いだけです。この二段構えの対策を知っているだけで、心の余裕が大きく変わります。焦らずに、一つずつ権利を確保していきましょう。

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