経理業務について 確定申告に必要な書類とは?ケース別に準備する書類を分かりやすく解説! 2022/11/03

確定申告は初めて行う場合にはわかりにくく、億劫に感じる人も多くいるのではないでしょうか。また、1年に1回の手続きであるため、必要な書類を毎回忘れてしまうという方もいるかもしれません。そこで今回は、確定申告の必要書類をわかりやすく解説します。

そもそも確定申告とは?

確定申告とは、1年間の所得と所得税の金額を計算し、申告する手続きのことです。1月1日〜12月31日までに発生した給与や売上・経費などを取りまとめて計算します。

作成した確定申告書は、翌年の2月16日~3月15日に税務署に提出します。なお、曜日や社会情勢によって日にちが変更されることもあるため、提出期限は国税庁のホームページなので毎年確認する必要があります。

参照:No.2020 確定申告 | 国税庁

確定申告をするために必要なもの・書類とは?

確定申告を行うために必要な書類は下記の通りです。必要な書類が揃っているかどうか、時間に余裕を持って確認しましょう。

・確定申告書
・本人確認書類
・所得を証明できる書類
・控除(医療費控除・住宅ローン控除等)を受けるために必要な書類
・口座情報が分かるもの

次項から、各書類の意味や入手方法などについてくわしく解説します。

確定申告書

確定申告書は、その名の通り確定申告を行う際に提出する書類です。 確定申告書は「申告書A」と「申告書B」の2種類があります。申告書Aは給与所得者(会社員やパート・アルバイトなど)と、年金を受け取っている方が記載します。申告書Bは、個人事業主や土地・株式に関する申告を行う方が使用します。

確定申告書は以下の方法で入手・作成できます。

・税務署へ取りに行く
・国税庁のホームページからダウンロードする
・国税庁のホームページの「確定申告書等作成コーナー」から作成、出力する
・会計ソフトから作成、出力する

参照:確定申告書等の様式・手引き等(令和3年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分) | 国税庁
参照:国税庁 確定申告書等作成コーナー

本人確認書類

本人であることを証明するために、確定申告にはマイナンバーの提示を行います。また、郵送の場合はマイナンバーカードをコピーしたものを添付します。

マイナンバーカードを持っていない場合には「番号確認書類」と「身元確認書類」の2つの提示が求められます。

・番号確認書類:マイナンバー通知カード、マイナンバーが記載された住民票
・身元確認書類:運転免許証、パスポート、健康保険被保険者証など

所得を証明できる書類

確定申告書類には所得について記載する箇所があるため、所得を証明できる書類を見ながら記入しましょう。

会社から給与をもらっている方であれば源泉徴収票、個人事業主であれば取引における報酬が分かる書類を用意しましょう。個人事業主としての報酬額などが記載された「支払調書」を取引先から受け取っている場合は、支払調書を参考にすることができます。

控除(医療費控除・住宅ローン控除等)を受けるために必要な書類

医療費控除などの各種控除を受けるためには、控除の種類に応じた書類を準備します。控除の種類や必要な書類については、本記事の後半で解説します。

口座情報がわかるもの

源泉徴収があったなどの理由で税金を払い過ぎている場合には、確定申告によって還付が受けられます。還付金を振り込んでもらうために、口座番号などがわかる書類を準備しましょう。

印鑑について

改正により、2021年(令和2年)4月1日以降は税務署に提出する税務関係書類への押印が不要となりました。税務関係書類には確定申告書も含まれるため、確定申告で印鑑は基本的に不要です。

押印欄がある古い確定申告書を使ったり、誤って押印してしまったりしても問題はありません。また、例外として押印や印鑑証明を求める書類もあるため、国税庁のホームページもあわせてご確認ください。

参照:税務署窓口における押印の取扱いについて | 国税庁

確定申告でよく聞く「白色申告書」と「青色申告書」の違いとは?

白色申告書…「収支内訳書」

事業所得が少ない場合や、複式簿記による経理を行っていない場合などには、帳簿の作成が簡単な代わりに節税効果の低くなる白色申告で確定申告を行います。

白色申告では、前述した確定申告書に加えて「収支内訳書」と呼ばれる書類を作成します。収支内訳書には収入や経費の金額などについてまとめますが、青色申告で書くべき書類よりも少ないという特徴があります。

参照:収支内訳書(一般用)【令和2年分以降用】

青色申告書…「青色申告決算書」

帳簿作成にかかる手間がかかる反面、大きな節税効果を見込めるのが青色申告です。個人事業主として本格的に事業を営んでいる場合などには、青色申告を選択します。

青色申告では、前述した確定申告書に加えて「青色申告決算書」を作成します。損益計算書や貸借対照表を含む、本格的な書類であることが特徴です。

参照:所得税青色申告決算書(一般用)【令和2年分以降用】

青色申告・白色申告両方で必要な確定申告書Bの書き方とは?

個人事業主が確定申告をするためには、事業で得た収入についての欄がある「確定申告書B」を記入します。

確定申告書Bを作成するためには、1年間の収入や経費の合計額などを記入する必要があります。仕訳帳や総勘定元帳など、日頃から作成している帳簿を元に該当する欄に金額を記入しましょう。

参照:確定申告書B

会社員が控除を受けられるケースと、それぞれに必要な書類とは?

会社員が控除を受けられるのは、以下に該当するケースです。

・自然災害、盗難被害などに遭った
・ふるさと納税をしている
・医療費控除を受けたい
・住宅ローン控除を受けたい
・2か所以上から給与をもらっている
・会社を退職した
・仕事に関する支出が多い
・年末調整での漏れや変更があった

次項からは、これらの控除を受ける条件や、控除を受ける際に必要となる書類について解説します。

参照:「所得から差し引かれる金額」(所得控除) | 国税庁

ケース1 自然災害・盗難被害などに遭った 

自然災害や盗難被害に遭った場合、被害金額を所得から差し引くことで、税金の金額を抑えることができます。「雑損控除」と言い、確定申告には以下の書類を用意します。

・災害や盗難についての支出の領収書
・罹災証明書(火災の場合)
・消防署の発行する被害額届出の証明書(火災の場合)
・警察署の発行する被害額届出の証明書(盗難の場合)
・受け取った保険金に関する書類

全ての書類の提出が必要というわけではありませんが、書類を参考に被害額や保険金の金額を記入する項目があるため、余裕を持って準備するといいでしょう。

ケース2 ふるさと納税をしている

ふるさと納税を行うと、寄付をした自治体から送られてくる「受領証明書」を添付することで寄付金控除が受けられます。なお、特定事業者である「さとふる」「ふるさとチョイス」などが発行する特定寄付金の証明書を使用することも可能です。

なお、もともと確定申告する必要のない会社員の方は、確定申告をしなくても寄附金控除が受けられる「ワンストップ特例制度」も利用できます。ワンストップ特例制度は、申請用紙を自治体に提出することで寄附金控除を受けられる制度です。

ケース3 医療費控除を受けたい

医療費控除を受けるためには「医療費控除の明細書」を確定申告書に添付する必要があります。国税庁のホームページからのダウンロード、もしくは税務署に足を運んで入手します。

また、あわせて健康保険組合から送られてくる「医療通知書」を用意します。医療通知書を使うことで、前述した医療費控除の明細書を簡単に作成できます。控除には医療通知書に以下が記載されている必要があります。

・健康保険加入者の氏名
・治療、療養を受けた日時
・治療、療養を受けた人の氏名
・治療、療養を受けた場所(病院・診療所・薬局など)の名称
・健康保険加入者が支払った医療費の額
・健康保険組合等の名称

なお、各医療機関でもらった領収書の提示は不要で、自宅で保管するだけでかまいません。

ケース4 住宅ローン控除を受けたい

ローンで住宅を購入した場合には、以下の書類を用意します。

・(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
・住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
・建物、土地の登記事項証明書
・建物、土地の売買契約書・請負契約書の写し
・入居時期に関する申告書兼証明書(新型コロナウイルス感染症等の影響により、入居が遅れた場合)
・入居年月日を明らかにする書類(住民票に異動のない場合)
・国又は地方公共団体から受ける補助金等の名称や金額を明らかにする書類
・その他特例要件を証明するために必要な書類

なお、規定の耐震基準を満たす中古住宅や、認定長期優良住宅であるなど、状況に応じてその他の書類が必要となることがあります。

参照:住宅ローン控除を受ける方へ

ケース5 2か所以上から給与をもらっている

転職やタブルワークなどで、1年間で2つ以上の事業主から給与を受け取った場合には、事業主からもらった「源泉徴収票」が必要です。確定申告書に添付する必要はありませんが、源泉徴収票を見ながら記入する項目があるので、紛失しないようにしましょう。

ケース6 会社を退職した

会社を辞めて年末までに就職しない場合、年末調整を会社が行ってくれないため、自ら確定申告を行います。源泉徴収票に加え、控除できるものがある場合には該当する証明書を準備します。

ケース7 仕事に関する支出が多い

会社員であっても、仕事に関する支出が多い場合には控除を受けることで所得税の金額を減らすことができます。「特定支出控除」と呼び、以下の支出は控除を受けられる可能性があります。

・通勤費
・職務上の旅費
・転居費
・帰宅旅費
・研修費
・資格取得費
・書籍
・衣服費
・交際費

控除を受けるためには、以下の書類を添付または提示します。

・給与所得者の特定支出に関する明細書
・給与の支払者の証明書
・搭乗・乗車・乗船に関する証明書、金額を証する書類

このうち「給与所得者の特定支出に関する明細書」と「給与の支払者の証明書」は国税庁のホームページから確認できます。

参照:No.1415 給与所得者の特定支出控除 | 国税庁

ケース8 年末調整での漏れや変更があった

会社で行った年末調整に間違いがあったり、年末調整後に結婚したなどの変更があったりした場合には、確定申告を行うことで訂正することができます。

そのためには、確定申告書に正しい情報を記載して確定申告をする必要があります。通常の確定申告で必要な以下の書類を用意すればかまいません。

・確定申告書
・源泉徴収票
・控除に必要な書類

年金受給者が確定申告をする場合に必要な書類とは?

公的年金等による収入が400万円を超える場合や、公的年金以外の所得が20万円を超える場合には、年金受給者も確定申告を行います。

年金受給者の確定申告には「公的年金等の源泉徴収票」が必要です。毎年1月や2月になると、日本年金機構などの団体から送られてきます。通常の確定申告と同じく、確定申告書と、必要に応じて各控除の条件を満たすための書類を準備しましょう。

個人事業主が確定申告をする場合に必要な書類とは?

個人事業主が青色申告・白色申告する場合には、以下の書類が必要です。

青色申告白色申告
確定申告書B確定申告書B
控除に必要な書類控除に必要な書類
青色申告決算書収支内訳書

前述した通り、個人事業主は事業を営む方用である「確定申告書B」を使用します。2023年1月以降は申告書Aが廃止され、申告書Bに一本化されるので、どちらで作成するのか忘れてしまっても問題ありません。

「控除に必要な書類」とは、本記事でも解説した各控除に応じた書類を用意します。

青色申告決算書・収支内訳書は、1年間のお金の動きに基づいて帳簿を作成し、それをもとに記入するものです。なお、便宜的に青色申告決算書を「青色申告書」、収支内訳書を「白色申告書」と呼ぶ場合もあります。

スマートフォンで確定申告をする場合に必要なもの・書類とは?

スマートフォンで確定申告する場合には、以下を準備します。

・スマートフォンもしくはタブレット
・源泉徴収票
・マイナンバーカード
・還付金を受け取る際の銀行口座の情報
・控除に必要な書類

スマートフォンからの確定申告の場合は「マイナンバーカード方式」と「ID・パスワード方式」の2種類があります。マイナンバーカード方式を利用する場合は、カードの読み取りに対応したスマートフォンまたはタブレットが必要です。

ID・パスワード方式の場合は、事前に税務署で申請し、IDとパスワードを取得します。 いずれの方法においても、下記の手順でスマートフォンから確定申告することができます。

1 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセスする
2 「作成開始」をタップして、収入や控除などの質問に答える
3 「e-Tax(マイナンバーカード方式)」「e-Tax(ID・パスワード方式)」のいずれかを選択する
4 収入・控除の金額や、マイナンバーなどの情報を入力し、送信する

参照:確定申告書等作成コーナー

まとめ

確定申告の必要書類について解説しました。初めて確定申告する場合には書類の準備や記入で迷うことも多いかもしれませんが、一度行えば翌年からはスムーズに作成できるようになります。

また、確定申告を行うことで節税できたり、還付金がもらえたりと、金銭的に得をする場合があります。この機会に、ぜひ確定申告にチャレンジしてみましょう。

この記事の投稿者:

shimohigoshiyuta

関連記事