領収書の基礎知識

領収書代行サービスとは?業務内容・依頼先・料金相場・メリットを徹底解説

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領収書 代行

領収書の整理や経費精算に日々追われていませんか?フリーランスや中小企業の経営者・経理担当者にとって、領収書の管理は意外と大きな負担です。
「領収書 代行」というキーワードで検索する方は、こうした領収書関連業務を外部に委託して効率化したいと考えていることでしょう。実際、領収書処理を専門の代行サービスに任せれば、煩雑な事務作業の時間を大幅に削減できます。
本記事では、領収書関連の業務を代行できるサービス内容や依頼先の種類、料金相場から導入メリット・デメリット、注意点、そして実際の導入事例までを詳しく解説します。領収書業務のアウトソーシングを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

目次

領収書代行で依頼できる主な業務

領収書に関する様々な作業は、専門の領収書代行サービスに委託できます。具体的にどのような業務を任せられるのか、主なサービス内容を見てみましょう。

領収書のデータ化(電子化) 

紙の領収書をスキャンしてデジタルデータに変換するサービスです。領収書をまとめて郵送すると、代行業者がスキャナーで読み取り画像データ化します。最近ではOCR(文字認識ソフト)による自動読取も活用され、領収書上の金額や日付、取引先などの情報をデータ化してくれます。

電子データ化によりパソコン上で領収書を管理でき、検索や集計も容易になります。電子帳簿保存法の改正により、スキャン後の電子保存が認められるようになったことから、紙の原本を保管せず電子データで管理する企業も増えています。

ただし法規制上、スキャナ保存の要件(タイムスタンプ付与や解像度条件など)を満たす必要があるため、専門サービスに任せればその手間も省くことができます。

領収書の整理・データ入力代行

領収書を項目ごとに整理し、必要な情報を入力してもらうサービスです。日々発生する領収書を封筒に入れて郵送するか、スキャンデータを送信すれば、代行会社が指定のフォーマットで内容を整理しデータ入力します。

例えば、領収書を月別や費目(交通費、通信費、消耗品費など)別に分類し、Excelやクラウド会計ソフトに読み込める形式で入力してもらうことが可能です。面倒なファイリング作業や手入力の時間を削減でき、経理担当者が不在の小規模事業者でも領収書整理が滞りません。

仕訳データの作成代行

領収書の内容から会計帳簿の仕訳情報を作成してもらうサービスです。領収書ごとに勘定科目や金額、取引日付などを踏まえて仕訳(会計ソフトに取り込むデータ)を起こします。

クラウド会計ソフトを利用している場合は、サービス側で対応ソフト用の仕訳データ(例えば弥生会計やマネーフォワードクラウド、freeeなどにインポート可能なCSVデータ)を作成して納品してくれることもあります。自社の利用する会計ソフトに対応した代行会社を選べば、受け取った仕訳データをそのまま取り込めるため非常に便利です。

領収書の発行代行

自社がお客様向けに発行する領収書の作成・送付を代行してもらうサービスです。多数の取引先に領収書を発行する企業では、印刷・押印・封入・郵送といった作業に手間と時間がかかります。

発行代行サービスに依頼すれば、Web上で領収書の情報をアップロードするだけで、印刷から発送まで一括して対応してくれます。インボイス制度への対応が必要な領収書の発行も漏れなく行われるため、経理担当者の作業負担を減らせるでしょう。

経費精算サポート

従業員の経費精算業務に関連して、領収書処理を支援するサービスもあります。例えば、従業員がスマホで撮影した領収書画像をクラウド経費精算システムにアップロードすると、代行オペレーターが内容を確認・入力してくれるサービスがあります。

これにより、社員一人ひとりが領収書の詳細を手入力する手間を省き、経費申請・承認フローをスムーズに回せます。また、経費精算システム導入時に過去の大量の領収書を一括でデータ化するようなスポット依頼も可能です。

領収書の保管・管理

紙の領収書原本の保管を代行してくれるサービスも存在します。電子データ化後の領収書の原本を一定期間安全に保管し、必要に応じて返送・廃棄まで対応してもらえます。

特に電子保存へ完全に移行したい企業にとって、原本の保管管理をアウトソースできるのは魅力です。防火・防湿の倉庫で保管してくれるサービスもあり、重要書類を紛失や劣化のリスクから守ることができます。

以上のように、領収書の発行から受領後の整理・入力、電子化、保管まで、領収書に関わる一連の業務を必要に応じて外部に委託することが可能です。自社の課題に合わせて、適切なサービスを選ぶことが大切です。

領収書関連業務を委託できる主な依頼先

領収書の処理を外部に委託しようと思ったとき、依頼先にはいくつかの種類があります。代表的な選択肢それぞれの特徴を把握しておきましょう。

税理士・会計事務所

税理士や公認会計士が所属する会計事務所に領収書処理を依頼する方法です。毎月の領収書や請求書を丸ごと渡せば、記帳代行も含めて処理してもらえます。専門家に任せる安心感があり、仕訳の正確さや税務面でのアドバイスも期待できます。

ただし、後述する他の代行サービスに比べ料金は高めで、一般的に1伝票あたり100円前後の費用がかかるのが相場です(記帳代行料として)。信頼を重視する個人事業主や中小企業には適した選択肢ですが、コスト面では割高になる点に留意しましょう。

経理アウトソーシング企業(業務代行サービス)

領収書を含む経理業務を専門に請け負うアウトソーシング会社に依頼する方法です。領収書のデータ入力代行やスキャン代行、仕訳作成などに特化したサービスを提供しています。これらの業者は多くの場合、1伝票あたり数十円といった単価制や、小口の月額料金+従量課金で価格設定されています。

例えば、領収書をデータで提供すれば1件40円ほど、紙のまま渡す場合は1件50~60円ほどといった料金体系が一般的です。自社の状況に応じて紙のまま郵送するかデータ送信するか選べるところもあります。

また、クラウド会計ソフトへの対応や電子帳簿保存法の要件遵守など、ニーズに合わせ柔軟にサービスを展開しているのも特徴です。経理代行のプロ集団が対応するため比較的低コストでありながら精度の高い業務処理が期待できます。

クラウド会計・経費精算ソフトのオプション

マネーフォワードやfreeeに代表されるクラウド会計ソフト、あるいはTOKIUM(旧経費BOX)などの経費精算システムでは、領収書のスキャン・読取を支援する機能やオプションサービスがあります。

基本はスマホ撮影やスキャナ取込によるOCR自動読み取りですが、ソフトによってはオペレーターによる入力代行を付加サービスとして提供している場合があります。

例えば、領収書画像の文字認識結果を人力でチェック・修正して精度を高めるサービスや、郵送した領収書を代行入力してクラウド上にデータ化してくれるサービスです。

これらはソフトの利用料金に加えて追加費用が発生しますが、自社でシステムを導入しつつ手入力部分だけ外部に任せられる利点があります。

クラウドサービスは常にシステムが最新に保たれ法改正にも即応してくれるため、特に電子帳簿保存法対応やインボイス制度対応など法令遵守の面でも安心感があります。

オンラインアシスタントサービス(バーチャル秘書)

最近注目されるオンラインアシスタントサービスを活用する方法です。クラウド経由で業務を依頼できる秘書代行サービスには、領収書の整理入力も依頼可能なところがあります。

例えば「〇〇アシスタント」や「CASTER BIZ」のようなサービスでは、採用率数%という厳選された人材がリモートで事務作業を代行します。

領収書処理だけでなく、電話代行や人事労務手続きなど幅広い業務を頼めるのが特徴です。月額制で契約時間内なら領収書を何枚でも処理してもらえるプランが一般的で、月々数万円から利用できます(例:30時間プランで月額8~13万円程度)。

複数の雑務をまとめて任せたい経営者には有効な手段ですが、単純な領収書入力作業だけを依頼したい場合は他の専門サービスの方がコスト面で有利なこともあります。

このように、領収書代行の依頼先は「専門性」と「コスト」の観点で様々です。税理士事務所は安心だが高コスト、代行会社はコストパフォーマンス良好、クラウドソフトはシステム連携が強み、オンラインアシスタントは柔軟に依頼可能といった違いがあります。

自社の予算や求めるサービス範囲に合わせて、最適な依頼先を選びましょう。

領収書代行サービスの料金相場とサービス範囲

領収書代行サービスの料金相場とサービス範囲

次に、領収書代行サービスを利用する際の料金相場やサービス範囲の違いについて整理します。費用感を把握し、自社に合ったプランを検討する参考にしてください。

税理士・会計事務所の場合

前述の通り、1伝票あたり100円程度が相場です。毎月の領収書枚数が多いと費用も高額になりますが、記帳代行から決算・申告まで一貫して任せられるプランもあります。

基本的に月額固定+出来高(仕訳数連動)の料金体系で、専門家によるチェックや相談対応など付加価値サービス込みの価格設定です。小規模事業者向けには月額数万円~で領収書等を含む記帳代行を請け負う税理士事務所もあります。

経理代行サービス(専門業者)の場合

領収書の整理・入力代行のみを請け負う業者の場合、従量課金制が中心です。相場としては1枚あたり30~60円前後で、領収書の状態によって単価が変わります。

例えば、「データ化済み(写真やPDFで提供)」なら1件あたり約40円、紙のまま提供なら50円、未整理の束を丸投げする場合は60円程度、といった価格帯です。これらはあくまで目安で、サービスによっては月額基本料を設けて単価を抑えているケースもあります(月額数千円+◯円/枚など)。

大量の領収書を処理する場合にはパック料金や割引が適用されることもあります。また、データ納品形式(Excel、CSV、PDFなど)によって追加料金が発生する場合もありますので、事前に確認が必要です。専門業者の多くは料金表をWebサイト上で公開しており、自社の領収書枚数や頻度に応じた見積もりを依頼できます。

クラウドソフト+入力代行オプションの場合

クラウド会計や経費精算システムそのものの利用料は月額数千円~数万円(ユーザー数やプランによる)ですが、入力代行オプションを付けると別途費用がかかります。例えば、一定枚数までは月額料金内でOCR利用可能だが、オペレーターによる入力が必要な場合1枚あたり◯円といった体系が考えられます。

具体的な料金はサービス提供会社により様々ですが、完全に人力入力を委託する場合は1枚あたり数十円程度が目安です。

クラウドサービスではなく、スキャナ機器購入+外注という形を取る企業もあります。高性能スキャナ(数万円~)を導入し、社内でスキャンしてデータを専門業者に送り入力だけお願いすることで、初期投資とランニングコストのバランスを取るケースもあります。

オンラインアシスタントの場合

オンライン秘書サービスでは多くが時間契約の月額制です。例えば月20時間プランや30時間プランといった形で契約し、その範囲内で領収書処理から他の業務まで依頼可能です。相場感として、月額5万~15万円程度のプランが中心です(時間数と業務範囲によって異なる)。

領収書だけに特化した料金ではないため、一見割高にも感じられますが、複数の雑務をまとめて任せることで総合的なコスト削減につながる場合もあります。

人材のスキルも高く、経理経験者が担当してくれるサービスでは品質に見合った料金と言えるでしょう。短期間だけアシスタントを使いたい場合に1ヶ月単位で契約できる手軽さもメリットですが、最低利用期間を数ヶ月設定しているところもあるため契約条件は要確認です。

サービス範囲の比較も踏まえて考えると、単に領収書をデータ化するだけなら専門の入力代行サービスが安価です。一方、経費全般の管理まで頼みたいなら会計事務所やバックオフィスBPOの包括サービス、複合的な事務サポートも必要ならオンラインアシスタント、といったように使い分けができます。

また、料金だけでなく精度や保証、付随サービスにも注目しましょう。安価なサービスでも、対応可能な領収書の種類(手書き領収書やレシートも可か)、二重チェック体制の有無、誤入力時の修正対応などに違いがあります。

自社のニーズを満たすサービス内容かどうか、料金と併せて比較検討することが重要です。

領収書代行サービス導入のメリット

領収書関連業務を外部に委託することで、企業・事業者には多くのメリットがもたらされます。主なメリットを整理してみましょう。

経理担当者の負担軽減とコア業務への集中

領収書の整理や入力に費やしていた時間を削減できるため、本来注力すべきコア業務に人員を集中できます。領収書処理は月末月初に偏りやすく、経営者自ら対応している場合は他の業務を中断せざるを得ません。

アウトソーシングすれば、自社のリソースを売上に直結する営業活動やプロジェクト推進に振り向けられ、生産性向上が期待できます。実際、領収書業務を委託して月に数十時間規模の工数削減を実現した例もあり、その分を新規事業の検討や戦略立案に充てられるようになります。

専門家による正確で質の高い処理

領収書代行サービスでは、経理のプロやトレーニングを受けたスタッフが処理にあたります。そのためミスの少ない正確なデータ化・仕訳記帳が期待できます。自社内で経験の浅いスタッフが手作業するよりも、はるかに信頼性の高いアウトプットが得られるでしょう。

特に領収書の金額や消費税区分、仕訳科目の判断などは専門知識が要求されますが、代行業者なら安心です。

また、最新の法制度(インボイス対応や電子帳簿保存法など)に関する知識も備えているため、適切な処理・保存方法についてアドバイスを受けられる場合もあります。結果として経理業務の品質向上につながります。

コスト削減と経営効率の向上

一見、外部委託は費用がかかるように思えますが、トータルで見ればコスト削減につながるケースも多々あります。

領収書処理のためにパートやアルバイトを雇用したり、残業代を支払ったりするより、必要な分だけ費用を払う外注の方が安く済むことがあります。例えば月に200枚の領収書処理を社員が対応すると、数日の労働時間が取られますが、代行会社に依頼すれば数千円~1万円程度で済む計算です。

また、人件費だけでなく紙の保管コストやファイル購入費、オフィスの保管スペース削減など、副次的なコストカット効果もあります。アウトソーシングにより経理部門のスリム化が可能となり、その分のコストを事業拡大に投資できるようになります。

ペーパーレス化・電子データ活用の促進

領収書代行を契機に業務のデジタル化が進む点も見逃せません。紙の領収書を預けて電子データで受け取る運用に切り替えれば、社内の紙書類が減りペーパーレス化につながります。

電子データ化された領収書は検索や集計が容易で、経費分析やレポート作成にも活用しやすくなります。さらに電子帳簿保存法に対応した形で保存すれば、税務調査の際も電子データでスムーズに提示が可能です。

代行サービスの中には法要件を満たすスキャナ保存やタイムスタンプ付与を代行してくれるところもあるため、自社でシステムを構築せずとも法令遵守と業務効率化の両立が図れます。紙の山に悩まされていた担当者にとって、検索一発で過去の領収書が見つかる利便性は大きなメリットです。

属人化の解消と業務継続性の確保

領収書処理を特定の社員が抱え込んでいると、その人が休んだり退職したりした際に業務が滞るリスクがあります。外部に委託しておけば、社内の誰かに依存することなく一定の品質で業務が継続されます。

特に小規模事業者では経理担当者が一人しかおらず、その人の負担が大きいケースも多いですが、アウトソーシングによりリスク分散が可能です。

また、繁忙期だけ一時的に処理量が増える場合でも、外部なら柔軟に対応してもらえるため、社内人員の急増減なく業務量の変動に対応できます。こうした属人性の排除は、企業の業務フローを安定させる上で重要なメリットと言えます。

以上のように、領収書代行サービスの活用は時間的・人的リソースの節約から業務品質向上、コスト圧縮やリスク低減まで多岐にわたるメリットをもたらします。特に本業優先のフリーランスや少人数企業にとって、その効果は大きいでしょう。

領収書代行サービス利用時のデメリット・注意点

領収書代行サービス利用時のデメリット・注意点

一方で、領収書業務を外部委託する際には注意すべき点やデメリットも存在します。事前に理解しておくことで、トラブルを防ぎ、効果的な導入が可能になります。

コスト負担が発生する

当たり前ですが、社内で自分たちで処理すれば直接の支出はゼロなのに対し、アウトソーシングには費用がかかります。特に領収書の枚数が極端に少ない場合や、自分で処理しても大きな負担にならない場合は、無理に外注すると割高になる可能性もあります。

費用対効果を見極め、「支払うコストに見合う時間短縮や効率化が得られるか」を検討しましょう。逆に言えば、ある程度の処理ボリュームがあってこそ外注メリットが大きくなるため、社内負担とのバランスを考えることが大切です。

情報漏えいなどセキュリティリスク

領収書には取引先名や金額、場合によっては社内の機密費用に関する情報が含まれます。これらを外部に渡す以上、情報漏えいリスクはゼロではありません。委託先が適切な情報管理をしているか、事前に確認する必要があります。

具体的には、秘密保持契約(NDA)の締結や、ISMS認証・プライバシーマーク取得などセキュリティ対策を講じている会社かどうかをチェックしましょう。特に機密性の高いプロジェクトに関する領収書を扱う場合は慎重な判断が求められます。

もっとも、自社内で処理していても人的ミスで情報が流出する恐れはあるため、外注だから特段にリスクが高いというわけではありません。信頼できるパートナーを選び、必要に応じて情報を渡す範囲を限定するなどの対策を取りましょう。

完全に丸投げできないケースもある

外部に依頼すれば領収書業務が一切不要になる…というわけではなく、一定の準備や対応は必要です。まず、領収書自体をきちんと受け取って保管しておかねば依頼しようがありません。但し書き(利用目的)や日付が空欄の領収書など不備のあるものは、代行会社でも処理できない可能性が高いです。

また、領収書のもらい忘れ・紛失があれば代わりに出金伝票を起票する等の社内対応が必要で、これらは依頼先では対応できません。要は、「入力・整理」という作業部分のみが委託できると考え、不備のない領収書を揃えるところまでは自社で徹底する必要があります。

経費として認められるか微妙なケース(例:レシートしか出ない交通費の精算など)も、最終的な判断や代替書類の準備は社内で行う必要があります。アウトソーシング後も、領収書の基本管理(きちんと集めて分類して送ること)は自社側の責任となる点に注意しましょう。

コミュニケーションや運用ルールの策定

初めて外注する際は、委託先とのやり取りや運用方法の取り決めに手間がかかります。領収書を郵送する場合、送付のタイミングや方法(毎月何日にレターパックで送る等)を決めたり、緊急の領収書が出た場合の対応など、細かなルール作りが必要です。

また、仕訳方法や勘定科目の細かなルールが自社独自の場合、それを伝えておかないと期待したとおりのアウトプットにならないことがあります。

クラウドソフトに連携する場合も、最初に自社の科目体系や部門ルールを設定・共有する必要があります。このように、導入当初は打ち合わせや試行錯誤が発生し、それを手間と感じるかもしれません。ただ、一度仕組みが回り始めればその後はスムーズに運用できるため、導入期のコミュニケーションを惜しまないようにしましょう。

リアルタイム性が劣る場合がある

外部に出す以上、手元に領収書が来てすぐその場で処理…というわけにはいきません。郵送で依頼する場合、発送から処理完了まで数日~数週間のタイムラグがあります。月次決算に間に合わせるためには早めに領収書を送るスケジュール管理が必要です。

急ぎの支払い確認が必要な領収書があっても、手元に現物がない期間は即座の対応が難しくなります(もちろん問い合わせれば内容は教えてもらえますが、一手間かかるのは事実です)。

対応の早いサービスを選べば2営業日程度で処理完了するケースもありますが、価格とのトレードオフになります。依頼する業者の納期をよく確認し、自社の経理スケジュールと合うか見極めましょう。また、必要に応じて月中と月末の2回に分けて送付するなどタイムラグを短縮する工夫も検討してください。

サービス内容・範囲の事前確認: 依頼したい業務がそのサービスでカバーされているか、細部まで確認することも重要です。領収書代行と一口に言っても、サービスごとにできること・できないことがあります。

例えば、「レシートタイプの領収書もOKか」「外国語の領収書にも対応しているか」「クレジット明細や請求書もまとめて処理できるか」「どんなフォーマットで結果を受け取れるか」などです。自社のニーズに対しサービス内容が網羅的かどうか、見積もりをもらう段階で質問して解消しましょう。

あわせて、料金体系もわかりにくい場合は必ず問い合わせて明確にしておきます。特に、基本料金に含まれる範囲や追加料金が発生する条件(◯枚以上は追加料金、PDF化は別料金など)は契約前に理解しておくべきポイントです。

こうした確認を怠ると、「思ったより費用が高くついた」「期待したデータ形式でもらえなかった」といったミスマッチが起こる可能性があります。

以上の点に注意しつつサービスを選定すれば、領収書代行導入による失敗を防ぎ、スムーズに効果を享受できるでしょう。要は、「信頼できる業者選び」と「自社内での準備・ルール整備」がデメリットやリスクを解消する鍵となります。

実際の導入事例:領収書代行サービスで業務効率化を実現

最後に、領収書代行サービスを活用した事例をいくつかご紹介します。実際に導入した企業・事業者がどのような効果を得ているのか、イメージを掴んでみましょう。

ケース1: フリーランス(個人事業主)の事例
ウェブデザイナーとして独立しているAさんは、経理は全て一人で行っていました。領収書は毎月20~30枚ほど発生し、月末にまとめてExcelに入力していましたが、その作業に毎回丸一日取られていたそうです。

そこで領収書入力代行サービスを利用することにしました。日々発生する領収書は「交通費」「接待交際費」など用途別に封筒に分けて保管し、月末にそれらをレターパックで代行会社に送付。

1週間ほどで、会計ソフトにインポート可能な仕訳データ付きのExcelファイルがメールで届きます。Aさんはそれを自分のクラウド会計ソフトに取り込むだけで経費計上が完了するため、入力作業時間はゼロになりました。

代行利用料は1ヶ月あたり約2,000~3,000円ですが、「本来のデザイン業務に集中でき、深夜残業が減った」「経理のミスも無くなり精神的に楽になった」と効果を実感しています。紙の領収書も年末にまとめて返送してもらえるため、手元で保管する必要もなくなりました。

ケース2: 従業員10名規模の中小企業の事例
B社(IT系ベンチャー、従業員数10名強)では、今まで経理担当者が社内になく、社長自ら領収書整理から年末の経費精算まで対応していました。

日常的には営業担当者など各社員が取得した領収書を社長が預かり、ファイルに貼り付けて管理、月末にまとめて経費計上するという方法です。

当然ながら社長の負担は重く、経理作業に追われて本来の経営企画に時間を割けない状況でした。そこで領収書代行を導入し、クラウド経費精算システム+オペレーター入力サービスをセットで利用することにしました。

社員はスマホアプリで領収書を撮影するだけ、あとのデータ化入力はクラウド上で代行スタッフが行ってくれます。さらに紙の原本はまとめて代行業者に送付し、適切に保管・管理してもらう運用にしました。

その結果、社長が行っていた領収書貼付や転記作業はゼロになり、年間で数百枚の領収書処理に費やしていた約50時間分の工数が削減できました。加えて、経費精算の処理がリアルタイムで見える化されたためキャッシュフロー管理もしやすくなり、経営判断のスピード向上という思わぬ効果も得られています。

ケース3: 大企業での大量領収書処理の事例
領収書代行は中小企業だけでなく大企業でも活用が進んでいます。例えば、ある全国チェーンの小売企業では経費精算のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する中で領収書の電子化・外部委託を導入しました。

年間5万枚を超える紙の領収書を電子化し、原本を廃棄する運用に切り替えた結果、年間600時間以上に及ぶ経理処理工数が削減できたといいます。また別の企業では、領収書・請求書処理を電子化することで従業員の経費精算対応時間が大幅短縮され、本来業務への時間配分が改善したとの報告もあります。

大企業の場合、社内規程の整備やシステム連携などハードルはありますが、それを乗り越えてでも導入する価値があるほど効果が大きいことが伺えます。こうした事例は、規模の大小を問わず領収書業務の効率化が生産性向上につながることを示しています。

これらの事例からも、領収書代行サービスを上手く活用することで大幅な時間短縮と効率化が実現できることがわかります。自社の状況に当てはめて、導入後の姿をイメージしてみると良いでしょう。

まとめ:領収書代行の活用で経理業務を効率化しよう

領収書にまつわる煩雑な業務は、プロの手に委ねることで驚くほどスムーズに処理できるようになります。

領収書代行サービスを活用すれば、データ入力やスキャン、整理・保管といった手間のかかる作業から解放され、本業に集中できる時間を創出できます。特にフリーランスや中小企業では人的リソースに限りがあるため、アウトソーシングによる効果は大きなものがあります。

もっとも、外部委託には費用が発生し、依頼先の選定や情報管理など留意点もあります。本記事で紹介した依頼先の種類や料金相場、メリット・デメリット、注意点を参考に、自社に適したサービスを見極めてください。

信頼できる代行パートナーとルールを整備すれば、領収書処理は格段に効率化し、経理担当者の負担軽減と業務品質向上を同時に実現できます。

日々増え続ける領収書に悩んでいる方は、この機会に領収書代行サービスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

経理業務の効率化は企業の生産性アップや働き方改革にもつながります。領収書対応に追われていた時間を有効活用し、本来取り組むべき業務にリソースを集中できる環境を整えましょう。領収書代行の賢い活用が、ビジネスの更なる成長につながるはずです。

この記事の投稿者:

hasegawa

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