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個人事業主でも源泉徴収は必要?作成方法についても徹底解説

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個人事業主が従業員を雇っている場合、給与の金額によっては源泉徴収を行う必要があります。また、個人事業主に業務を外注すれば、その業務内容に応じた源泉徴収が必要です。本記事では、個人事業主と源泉徴収の仕組み、源泉徴収票の書き方などについてわかりやすく解説します。

源泉徴収とは?

給与所得者が本来納めるべき所得税や復興特別所得税を、給料などからあらかじめ差し引いて、給与所得者の代わりに会社が納税する制度を「源泉徴収」と言います。

会社に勤めていると、1年に1回「給与所得の源泉徴収票」を受け取ります。これは源泉徴収の制度に基づいて、徴収した額などを確認するための書類です。

源泉徴収の制度があることで、納税者は年間で支払うべき税金を毎月分割して納付でき、税負担が和らぎます。また、国にとっても毎月所得税の納税があるため、税収が安定しやすいというメリットがあります。

源泉徴収対応の必要可否判断方法は?

源泉徴収が必要な仕事と不要な仕事、その判断基準などについて解説します。

関連リンク:個人事業主におすすめの会計ソフトの選び方 比較ポイントを徹底解説【2023】

個人事業主でも源泉徴収の対応が必要な場合

個人事業主が以下の報酬を得る場合、源泉徴収の対象となります。

・原稿料、講演料など
・弁護士、公認会計士、司法書士などへ払う報酬
・社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬
・プロ野球選手、プロサッカー選手、モデル、外交員などに支払う報酬
・映画やテレビへの出演などによって発生する報酬
・ホテルなどで行われる宴会で接待を行うホステスに支払われる報酬
・役務の提供を約することにより一時に支払う契約金
・広告宣伝のための賞金、馬主に支払う競馬の賞金

個人事業主や、個人事業主に報酬を支払う会社などは、源泉徴収が必要なのかどうかあらかじめ確認しておきましょう。

参照:No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは|国税庁
関連リンク:請求書に源泉徴収税額の記載は必要?メリットや注意点を解説

源泉徴収の対応が不要な場合

源泉徴収が不要な報酬には、Webサイトの制作による報酬や美容師に支払う報酬があります。1人の個人事業主に対する報酬であっても、源泉徴収の必要のある業務と不要な業務の両方がある場合は、それらを区分して計算します。

源泉徴収は個人に対して納税を求める制度であるため、法人に対しての支払いは源泉徴収を行う必要は原則ありません。例外として、競馬の賞金を馬主である法人に支払う場合には源泉徴収を行います。

参照:No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは|国税庁
関連リンク:個人事業主が確定申告で経費計上できる項目・できない項目、判断基準を紹介!

源泉徴収票の作成方法

出典:https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hotei/pdf/0022006-151_01.pdf

源泉徴収票の作成方法や、各項目の意味について解説します。源泉徴収票に記載されている主な項目は、以下の8つです。

1.支払額(給与の総支給額)
2.給与所得控除後の金額
3.所得控除後の額の合計額
4.源泉徴収税額
5.控除対象配偶者の有無等
6.控除対象扶養親族の数
7.社会保険料等の金額
8.生命保険料の控除額

参照:給与所得の源泉徴収票|国税庁

1.支払額(給与の総支給額)

会社が従業員などに対して支払う給与の総支給額です。給与や手当を合計し、税金が引かれる前の金額であるため、実際に受け取る金額よりも多いことがあります。

2.給与所得控除後の金額

給与の総支給額から給与所得控除額を差し引いた額を記載します。

自営業者は所得税を計算する際に、収入から外注費や会議費といった必要経費を差し引くことができますが、給与所得者にはこのような制度がありません。給与所得控除は自営業者にとっての経費のような位置付けの制度です。

差し引く給与所得控除額については、国税庁のホームページで確認できます。

参照:No.1410 給与所得控除|国税庁

3.所得控除後の額の合計額

給与所得控除後の金額から、さらに所得控除を差し引きます。

所得控除とは、個人の状況などに応じて差し引くことで、課税対象となる所得を減らすものです。代表的な所得控除として以下が挙げられます。

・基礎控除
・配偶者控除
・配偶者特別控除
・扶養控除
・社会保険料控除
・生命保険料控除
・地震保険料控除

参照:No.1100 所得控除のあらまし|国税庁

4.源泉徴収税額

国税庁の作成する「給与所得の源泉徴収税額表(月額)」などから計算した源泉徴収税額を記載します。

まず、表の「その月の社会保険料等控除後の給与等の金額」から該当する区分を選択します。その後「扶養親族等の数」の欄を見ながら当てはまる欄を選択しましょう。右側の「乙」とは、複数の会社から給与を受け取っている人などに対して給与を支払う際に確認する項目です。

参照:給与所得の源泉徴収税額表(令和4年分)

5.控除対象配偶者の有無等

扶養する配偶者の有無について記載します。配偶者の収入に対して配偶者特別控除が適用される場合は、右側の「配偶者特別控除」の欄にその金額を記載しましょう。「従有」とは、他の会社で配偶者控除が適用されている際に記載する項目です。

6.控除対象扶養親族の数

16歳以上の扶養対象親族、および19歳以上23歳未満の特定扶養親族など、配偶者以外の控除対象扶養親族がいる場合に記載します。「従人」とは、前項の従有のように、他の会社で扶養控除が適用されている際に記載する項目です。

7.社会保険料等の金額

給与から支払う厚生年金保険料・健康保険料・小規模企業共済の掛金などの合計金額を記載します。

8.生命保険料の控除額

民間の生命保険や個人年金保険など、個人的に加入して支払っている保険料の合計金額を記載します。

源泉徴収金額の計算方法

個人事業主などに対して報酬を支払う際、源泉徴収額は以下のように計算できます。ここでは、個人事業主などに本来支払う金額を「A」として紹介します。

支払う金額(A)税額
100万円以下の場合A × 10.21%
100万円を超える場合(A − 100万円)× 20.42% + 102,100円

・30万円支払う際の源泉徴収額
30万円 × 10.21% = 30,630円

・150万円支払う際の源泉徴収額
(150万円 − 100万円)× 20.42% + 102,100円 = 204,200円

参照:No.2798 弁護士や税理士等に支払う報酬・料金|国税庁

確定申告時の注意点

報酬から源泉徴収額を差し引かれた後は、個人事業主が確定申告で自ら調整を行うことが一般的です。どの会社からいくら報酬があり、そのうちいくら源泉徴収されたのか、確定申告のために把握しておくようにしましょう。

源泉徴収額などを把握するためには、取引先から受け取る「支払調書」と呼ばれる書類が役立ちます。なお、支払調書を必ずもらえるとは限らないため、もらわなかった場合に備えて会計ソフトや表計算ソフトで管理しておくとスムーズです。

関連リンク:2023年提出の確定申告の期間はいつからいつまで?期限を過ぎた場合の対処法は?

経理業務を楽にするならINVOY

経理業務を行うにあたって、源泉徴収額の計算や請求書への記載など、法制度への対応を負担に思う方は少なくありません。特に、個人事業主や、個人事業主に報酬を支払う立場にある方は、対応方法に悩んでいるというケースも多いのではないでしょうか。

経理業務をサポートするためのツール「INVOY」は、請求書などの書類を発行・管理できるサービスです。画面に従って設定することで、源泉徴収税や消費税の計算も自動的に行えます。

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まとめ

個人事業主に業務を外注している場合、その業務の内容に応じて源泉徴収を行います。また、個人事業主が従業員を雇っている場合には、従業員に対して給与額に応じた源泉徴収を行うことがあります。

自らが個人事業主である場合、取引先から源泉徴収票は受け取りませんが、源泉徴収額を記載した状態で請求書を送付します。源泉徴収額は確定申告の際に使用するため、徴収された額を把握しておくようにしましょう。

この記事の投稿者:

reg@olta.co.jp

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