
「損益計算書(P/L)上は利益が出ているのに、なぜか手元の現金が足りない」。これは多くの経営者や個人事業主が抱える、深刻な悩みです。この「利益と現金のズレ」を放置することは、最悪の場合、支払い不能による「黒字倒産」という事態を招きかねません。
この記事を最後まで読めば、あなたは「なぜ利益と現金がズレるのか」という根本原因を理解できます。そのカギを握るのが、「現金主義」と「発生主義」という2つの会計ルールです。
両者の違いを明確に理解することで、自社の本当の財政状態を把握し、黒字倒産のリスクを回避する「未来の予測」が可能になります。
「会計は難しそう」「発生主義や複式簿記は専門知識が必要だ」と不安に感じるかもしれません。しかし、心配は不要です。
この記事では、青色申告の65万円控除を目指す個人事業主の方にもわかるよう、具体的な仕訳例を交えながら、発生主義の本質と、それが経営にとっていかに強力な武器となるかを丁寧に解説します。
目次
現金主義と発生主義 その決定的な違いとは
会計処理の基本的な考え方には、「現金主義」と「発生主義」という2つの対極的なルールがあります。この違いは、ひと言でいえば「いつ売上や費用を計上するか」というタイミングの違いです。このタイミングの違いが、経営者が目にする「会社の成績表」をまったく異なるものにします。
現金主義 お財布の現金だけを見るシンプルな方法
現金主義とは、その名の通り「実際に現金の収入や支出があった時点」で、はじめて収益や費用を認識(帳簿に記録)する考え方です。
例えば、4月に10万円の商品を販売し、その代金が2ヶ月後の6月に銀行口座へ振り込まれたとします。現金主義の場合、商品を引き渡した4月には何も記録しません。そして、実際に入金があった6月に「10万円の売上(収益)」を計上します。
メリットとして、お金の流れと帳簿の記録が一致するため、非常にシンプルで理解しやすいのが特徴です。会計の初心者でも、お小遣い帳や家計簿に近い感覚で管理できます。
デメリットとして、取引の「実態」を正確に反映できません。上記の例では、4月に働いた成果(商品の販売)が、帳簿上は6月の成果として記録されます。これでは、4月が忙しかったのに赤字に見えたり、6月は何もしていないのに黒字に見えたりと、月ごとの正確な経営成績が把握できません。
発生主義 取引が起きた事実を重視する正確な方法
発生主義とは、現金の動きとは関係なく、「取引が発生した(経済的な出来事が起きた)時点」で収益や費用を認識する考え方です。
先ほどと同じ例で考えます。4月に10万円の商品を販売(納品)し、代金は6月入金の場合、発生主義では現金の入金が6月であっても、取引の事実(商品を顧客に引き渡した)が発生した4月に「10万円の売上(収益)」を計上します。
メリットとして、企業の経済活動を時系列で忠実に反映できます。これにより、月次や年次といった特定の期間における「正確な経営成績(期間損益)」を計算することが可能になります。
デメリットとして、現金の動きと帳簿の記録に「ズレ」が生じます。上記の例では、4月の帳簿上は「売上10万円」ですが、お財布(現金)は1円も増えていません。このズレを管理するために、後述する「複式簿記」という少し複雑な記帳方法が必要になります。
ひと目でわかる現金主義と発生主義の比較
両者の違いを整理すると、以下のようになります。この違いが、経営の安全性や税務上のメリットに直結します。
| 項目 | 現金主義 | 発生主義 |
| 収益の認識 | 現金を受け取った時 | サービス提供や商品の納品が完了した時 |
| 費用の認識 | 現金を支払った時 | 取引やサービス利用が発生した時 |
| 財務状況の正確性 | 低い(実態とズレる) | 高い(経営実態を正確に反映) |
| 記帳の難易度 | 簡単(単式簿記・お小遣い帳に近い) | 難しい(複式簿記が必須) |
| 税務上の扱い | 特例(小規模事業者の青色申告のみ) | 原則(すべての法人・青色65万控除) |
なぜ企業会計は発生主義が原則なのか
日本の会計ルールでは、法人は原則として「発生主義」を採用しなければなりません。個人事業主であっても、税務上大きなメリットがある「青色申告65万円控除」を目指す場合は、発生主義(と複式簿記)が必須となります。
なぜ、シンプルで簡単な現金主義は「例外」であり、面倒な発生主義が「原則」なのでしょうか。その答えは、発生主義が「経営者のためのルール」だからです。
会社の本当の成績を正確に映し出す鏡
経営者が最も知りたいことの一つは、「今月(または今期)、会社はどれだけ儲かったのか?」という点です。この問いに正確に答えるためには、発生主義が不可欠です。
もし現金主義を採用していると、先ほどの例のように、4月の売上が6月に計上されます。これでは、4月が本当に不調だったのか、それとも売上はあったが入金がまだなのか、区別がつきません。正しい経営判断(例:4月のテコ入れ策を打つべきか)ができません。
発生主義は、4月に発生した売上(成果)と、その売上を上げるために4月にかかった経費(努力)を、同じ期間に対応させて集計します。これにより、「4月の活動は、本当に利益を生んだのか?」という問いに、正確な答え(=期間損益)を出すことができるのです。
発生主義を支える費用収益対応の原則
発生主義会計には、「費用収益対応の原則」という重要な考え方があります。これは、当期の収益(売上)を獲得するために「直接」かかった費用(仕入、外注費など)を、同じ期間の費用として計上しなさい、というルールです。
この原則の代表例が「減価償却(げんかしょうきゃく)」です。例えば、1000万円の機械(耐用年数が10年)を購入したとします。
現金主義の場合、支払った時点で「1000万円の費用」が計上されます。購入した年は大赤字になります。
発生主義の場合、この機械は10年間にわたって収益を生み出す(努力する)と考えます。そのため、購入費用1000万円を10年間に分割し、「毎年100万円ずつ」費用として計上します。
この分割された費用が「減価償却費」です。これにより、機械が働く期間(10年間)と費用が発生する期間が対応し、より正確な損益計算が可能になります。
収益認識の落とし穴 実現主義という補完ルール
厳密には、現在の企業会計原則は「費用は発生主義」「収益は実現主義」に基づいて計上する、とされています。
「発生主義(広義)」は、取引が発生したら認識すること(例:契約が成立した時点)を指します。一方、「実現主義」は、発生した取引のうち、成果(商品の引き渡し、サービスの提供)が「確定(実現)」し、代金(現金や売掛金)を受け取る権利が確定した時点で認識することを指します。
なぜ、収益だけ「実現主義」という、より厳しい(確実性を求める)ルールを使うのでしょうか。それは、もし契約成立時点(発生主義)で売上を計上してしまうと、キャンセルされるかもしれない不確実な売上まで計上することになりかねないからです。
これは、会計の「保守主義の原則(物事を慎重に判断する)」に基づいています。費用は早めに(発生したらすぐ)、収益は慎重に(実現したら)計上することで、経営者が利益を過大評価し、判断を誤るリスクを防いでいます。
「実現主義」は発生主義の例外ではなく、発生主義をより安全で信頼できるものにするための「ブレーキ」として機能しているのです。
利益はあるのに現金がない の正体
発生主義を正しく理解することは、「利益はあるのに現金がない」という経営者の最大の悩みを解明することに直結します。
なぜ損益計算書(P/L)とキャッシュはズレるのか
発生主義で作成した「損益計算書(P/L)」は、その期間の「経営成績(儲かったか)」を示します。
一方、現金主義に近いお財布の中身、つまり「現金の残高」は、「資金繰り(支払い能力があるか)」を示します。
この2つは、見ている目的が異なるため、ズレるのが当然です。そして、そのズレを意図的に作り出しているのが、まさに「発生主義」というルールなのです。
4月に100万円の売上(発生主義)を計上しても、入金が6月なら、4月末時点の「利益」は増えますが、「現金」は増えていません。このズレの正体を、具体的に見ていきましょう。
ズレを生む代表的な要因1 掛取引(売掛金・買掛金)
掛取引(かけとりひき)とは、商品やサービスの提供と、代金の受け渡しが異なるタイミングで行われる取引(いわゆる「ツケ」)のことです。
売掛金(うりかけきん)
商品を販売したが、まだ代金を受け取っていない権利のことです。会計上は「資産」として扱われます。
売上が発生した時点で、P/Lの「利益」は増えますが、現金は入金されていません。売掛金が増えるほど、「利益 > 現金」というズレが大きくなります。
買掛金(かいかけきん)
商品を仕入れたが、まだ代金を支払っていない義務のことです。会計上は「負債」として扱われます。
仕入が発生した時点で、P/Lの「費用」は増えますが、現金は支払われていません。買掛金が増えるほど、「利益 < 現金」というズレ(現金が手元に残る)が生じます。
ズレを生む代表的な要因2 在庫(棚卸資産)
商品を仕入れた場合、その商品が「売れるまで」は、P/L上の費用(売上原価)にはなりません。売れるまでは「在庫(棚卸資産)」という「資産」として計上されます。
例えば、100万円分の商品を現金で仕入れたとします。この時点では、「現金」が100万円減り、「在庫(資産)」が100万円増えるだけです。P/Lの「費用」は0円のままです。
つまり、現金が100万円も減っているのに、利益は1円も減らないという、危険な「利益 > 現金」のズレが生じます。
ズレを生む代表的な要因3 非現金支出費用(減価償却費)
先ほど解説した「減価償却費」も、ズレの大きな要因です。減価償却費は、P/L上は「費用」として利益を減少させます。しかし、実際にお金が外に出ていくわけではありません(支払いは購入時に終わっています)。
そのため、減価償却費の分だけ、「利益 < 現金」というズレ(利益は少ないが、現金は減っていない状態)が生じます。
発生主義の理解不足が招く黒字倒産の恐怖

前章で解説した「利益と現金のズレ」を正しく管理せず、現金主義的な「ドンブリ勘定」(通帳の残高だけを見ている状態)を続けると、最悪の事態、「黒字倒産」を引き起こします。
黒字倒産とは何か
黒字倒産とは、損益計算書(P/L)上はしっかりと利益(黒字)が出ているにもかかわらず、手元の現金(キャッシュフロー)が底をつき、仕入先への支払いや銀行への返済、従業員への給与支払いができなくなり、倒産してしまうことです。
驚くべきことに、倒産する企業のうち約半数(47%前後)は、倒産直前の決算が黒字だったというデータもあります。これは、他人事ではなく、どの企業にも起こりうる現実的なリスクです。
なぜ黒字なのに倒産するのか
黒字倒産は、「利益と現金のズレ」を見落とすことで発生します。
原因1 売掛金の回収遅れ
売上は順調に発生し、P/Lは黒字。しかし、入金サイト(売ってから入金されるまでの期間)が3ヶ月後などと長い場合、その間の仕入代金や経費の支払いができなくなり、資金がショートします。
原因2 過剰在庫・不良在庫
売れると見込んで大量に商品を仕入れると、現金だけが先に出ていきます。もし商品が売れなければ、P/L上は費用にならず(在庫という資産になるため)黒字に見えますが、手元の現金は枯渇していきます。
原因3 不適切な資金調達
回収に5年かかるような大規模な設備投資を、返済期間1年の「短期借入」でまかなってしまうと、投資が利益を生む前に返済日が来てしまい、資金繰りに行き詰まります。
発生主義会計が黒字倒産のリスクから会社を守る仕組み
現金主義(ドンブリ勘定)では、通帳の残高という「今」しか見えません。来月末に巨額の支払い(買掛金)が待っていることや、入金(売掛金)が遅れることに気づきにくいのです。
一方、発生主義会計は、単にP/L(利益)を作るだけではありません。発生主義に基づいて記帳すると、「売掛金(将来入るお金)」「買掛金(将来出るお金)」「未払費用(将来出るお金)」といった項目が、「貸借対照表(B/S)」というもう一つの重要な決算書に自動的に記録されていきます。
つまり、発生主義とは、P/L(利益)とB/S(財産状態)を同時に作る会計手法なのです。
このB/Sの情報があるからこそ、「資金繰り表(キャッシュフロー計算書)」を作成できます。これにより、経営者は数ヶ月先の「現金の過不足」を予測することが可能になります。
もし「3ヶ月後に現金がマイナスになりそうだ」と予測できれば、その前に銀行融資を申し込む、売掛金の回収を早める、といった対策を打つことができます。
発生主義は、未来の倒産リスクを知らせる「警報装置」として機能する、最強の経営ツールなのです。
仕訳で徹底比較 現金主義と発生主義の記帳
では、発生主義は具体的にどのように記帳するのでしょうか。その「面倒くささ」の正体である「仕訳(しわけ)」を、現金主義と比較しながら見ていきましょう。
ケース1 商品を掛け(ツケ)で販売した時(売掛金)
取引内容として、6月20日にA社へ商品8,000円を販売(納品完了)し、代金は7月20日に現金で入金されたとします。
現金主義の仕訳
お金が動いた7月20日に、1回だけ記帳します。
| 日付 | 借方(かりかた) | 貸方(かしかた) |
| 7月20日 | 現金 8,000 | 売上 8,000 |
発生主義の仕訳
取引が発生した6月20日と、お金が動いた7月20日の、合計2回記帳します。
| 日付 | 借方(かりかた) | 貸方(かしかた) |
| 6月20日 | 売掛金 8,000 | 売上 8,000 |
| 7月20日 | 現金 8,000 | 売掛金 8,000 |
解説
発生主義では、6月20日に「売上(収益)」を計上すると同時に、「売掛金(将来お金をもらう権利=資産)」を計上します。この時点で、6月のP/L(利益)は8,000円増えます。
7月20日は、売掛金という権利が現金に変わっただけ(資産の移動)であり、売上は計上しません。
この「売掛金」がB/S(貸借対照表)に残ることで、「利益と現金のズレ」が可視化されます。
ケース2 経費が後払い(未払)の時(未払費用 vs 買掛金)
取引内容として、6月20日に商品の仕入15,000円を行い、支払いは7月20日とします。また、6月分の家賃25万円の支払いは7月末とします。
現金主義の仕訳
7月に支払いをした時点で、それぞれ費用として1回だけ記帳します。
発生主義の仕訳
サービスや仕入が発生した6月と、支払いをした7月に、それぞれ記帳します。
| 日付 | 借方(かりかた) | 貸方(かしかた) |
| 6月20日 | 仕入 15,000 | 買掛金 15,000 |
| 6月30日 | 地代家賃 250,000 | 未払費用 250,000 |
| 7月20日 | 買掛金 15,000 | 預金 15,000 |
| 7月31日 | 未払費用 250,000 | 預金 250,000 |
用語解説
ここで「買掛金」と「未払費用」という似た勘定科目が出てきました。これらは明確に使い分けられます。
「買掛金(かいかけきん)」は、商品の仕入れなど、売上に「直接」関わる営業活動での未払い債務です。
「未払費用(みばらいひよう)」は、家賃や給与、光熱費など、継続的なサービスや役務の提供を受けたことによる未払い債務です。
このように、発生主義では取引の性質に応じて、将来の支払義務(負債)をB/Sに正確に記録していきます。
個人事業主と青色申告 発生主義と複式簿記の切れない関係

ここまで読むと、「発生主義は法人の話で、個人事業主には関係ないのでは?」と思うかもしれません。しかし、個人事業主が「青色申告65万円(または55万円)控除」という大きな節税メリットを受けたい場合、発生主義の理解は避けて通れません。
現金主義と単式簿記(お小遣い帳)
現金主義という会計ルールは、「単式簿記」という記帳方法と非常に相性が良いです。単式簿記とは、お小遣い帳のように、現金の「収入」「支出」「残高」といった一つの側面だけを記録するシンプルな方法です。現金主義は「現金の動き」だけを追うため、単式簿記で十分に管理できます。
発生主義は複式簿記が必須
一方、発生主義というルールを運用するためには、「複式簿記」という記帳方法が必須となります。複式簿記とは、1つの取引を「原因(例:費用が発生した)」と「結果(例:現金が減った)」という2つの側面(借方・貸方)で記録する方法です。
なぜ発生主義には複式簿記が必須なのでしょうか。先ほどの仕訳例「商品を掛けで販売した」取引を思い出してください。この取引は、「(原因)売上が発生した」ことと、「(結果)売掛金という資産が増えた」という2つの側面を持っています。
しかし、この取引では現金が一切動いていません。そのため、現金の動きしか記録できない単式簿記では、この「掛け取引」自体を記録することが不可能なのです。
発生主義の「取引の発生」という概念を捉え、売掛金(資産)や買掛金(負債)といった「現金のズレ」を記録できる唯一の「器」が、複式簿記なのです。発生主義と複式簿記は、切り離すことのできないセットです。
青色申告65万円控除への道
国税庁が定める「青色申告65万円特別控除」を受けるための絶対条件は、以下の2点です。
- 複式簿記で記帳していること
- 記帳に基づき損益計算書(P/L)と貸借対照表(B/S)を作成し添付すること
この要件を満たすためには、B/Sを作成する必要があり、B/Sを作成するためには複式簿記が必須です。そして、複式簿記で記帳するということは、必然的に「発生主義」を採用しなければならない、ということを意味します。
つまり、「65万円控除(節税メリット)」を得たいのであれば、「現金主義(単式簿記)」の楽な方法を捨て、「発生主義(複式簿記)」を学ぶ必要があるのです。
例外 個人事業主の現金主義による所得計算の特例
「自分は青色申告だが、現金主義で良いと聞いた」という方もいるかもしれません。それは「現金主義による所得計算の特例」という、非常に限定的な例外ルールです。
特例を使える人の条件
原則、すべての事業者は発生主義で所得を計算しますが、以下の3つの条件をすべて満たす場合のみ、例外的に現金主義での申告が認められます。
- 青色申告者であること
- 「小規模事業者」であること
- 事前に「現金主義による所得計算の特例を受けることの届出書」を税務署に提出していること
「小規模事業者」の具体的な所得要件
ここでいう「小規模事業者」とは、非常に厳密に定義されています。具体的には、「その年の前々年(2年前)」の不動産所得と事業所得の合計額が「300万円以下」である事業者です。この300万円という金額は、青色申告の事業専従者給与を必要経費に算入する「前」の金額で判断されます。
現金主義(特例)のメリットとデメリット
この特例を使うことには、メリットと、それを上回る大きなデメリットがあります。
メリットは、とにかく記帳がシンプルで簡単になることです。複式簿記や発生主義を学ぶ手間が省けます。
デメリットは致命的です。この特例を適用した場合、青色申告特別控除の額は「最大10万円」になります。つまり、65万円(または55万円)の控除は絶対に受けられません。
この特例は、節税や事業拡大を目指す人ではなく、「所得が低く、とにかく申告の手間を最小限にしたい」人向けの制度です。節税を考えるならば、この特例を選ぶべきではありません。
まとめ 事業の成長を目指すなら発生主義の理解は必須
最後に、現金主義と発生主義の要点を再確認します。現金主義は、現金の出入りだけを見るシンプルな方法です。しかし、それは「お小遣い帳」のレベルであり、経営の実態を正確に反映しません。その結果、経営判断を誤らせ、「利益と現金のズレ」に気づけず、黒字倒産のリスクを高めます。また、個人事業主にとっては青色申告65万円控除を諦めることを意味します。
発生主義は、「複式簿記」とセットで学ぶ必要があり、一見すると面倒に感じられます。
しかし、発生主義を採用することの価値は、単なる税務上の要請(65万円控除)にとどまりません。発生主義は、「利益と現金のズレ」を意図的に作り出し、P/L(本当の成績)とB/S(財産状態)を通じて経営状況を可視化します。
この可視化によって、経営者は「売掛金が膨らみすぎている」「在庫が過剰だ」といった資金繰りの危険信号を事前に察知し、黒字倒産のリスクを回避するための対策を打つことができます。
発生主義会計を学び、導入することは、自社の経営を守り、事業を安定的に成長させるための「必須の経営ツール」を手に入れることなのです。



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