
株式投資で着実に資産を築き、将来の不安を解消して自由な生活を手に入れたいと願うのは、誰もが抱く感情です。優良な銘柄を見つけ出し、自分の資産が雪だるま式に増えていく未来は、正しい知識さえあれば叶えられます。
プロの投資家が必ずチェックする「EPS」という指標を完全に理解すれば、銘柄選びも容易です。数字が苦手な人でも、どの数値を見てどう判断すればよいか、ポイントを押さえていきましょう。
難しく感じる財務の指標も、実は非常にシンプルな仕組みで成り立っています。投資の神様と呼ばれる人々も活用しているこの手法は、誰にでも今日から実践できる再現性の高いものです。あなたの投資人生を劇的に変える第一歩を、ここから踏み出しませんか。
目次
EPS(1株当たり利益)の基礎:初心者でも迷わない定義と算出の仕組み
投資の世界には多くの専門用語が並びますが、その中でも基本中の基本といえるのがEPSです。EPSは「Earnings Per Share」の略称で、日本語では「1株当たり利益」と呼びます。これは、ある企業が1年間に稼ぎ出した最終的な利益を、その企業が発行している株式の総数で割った数値です。
利益を株式数で分かち合うという考え方
言葉にすると難しく聞こえるかもしれませんが、考え方はとても単純です。例えば、あなたが友達と4人で1つの大きなケーキを分けると想像してください。ケーキ全体の大きさが企業が稼いだ利益で、分ける人数が株式の数です。1人が食べられるケーキの量が多ければ多いほど、その投資は「おいしい」ということになります。
投資家が注目するのは、会社全体の利益がどれほど大きいかだけではありません。自分が持っている「1株」に対して、どれだけの利益が割り当てられているかという点です。1株あたりの利益が多ければ、それだけ株主としての取り分が充実している証拠になります。この視点を持つことで、会社の規模に惑わされることなく、本当の稼ぐ力を比較できるのです。
計算式を分解して本質を理解する
EPSの計算式は、非常にシンプルです。
EPS = 当期純利益 ÷ 発行済株式数
この式を覚えるだけで、企業の収益性を客観的に判断できるようになります。例えば、純利益が10億円で、発行済株式数が100万株の企業があれば、その企業のEPSは1,000円です。もし、別の企業が純利益100億円を稼いでいても、株式数が2,000万株あれば、EPSは500円となります。利益の総額では後者が勝っていますが、1株あたりの価値では前者が2倍も優れていることがわかります。
分子となる「当期純利益」の重要性
EPSの計算で「分子」となるのが当期純利益です。これは、売上高から原価や人件費、営業費用、さらに税金などをすべて差し引いた後の、最終的な手残りの利益を指します。会社が自由に使えるお金であり、ここから配当金が支払われたり、新しい設備への投資が行われたりします。
なぜ営業利益ではなく当期純利益を使うのでしょうか。それは、株主にとっての最終的な成果は、税金などをすべて支払った後の金額だからです。売上がいくら増えても、最終的な利益が残らなければEPSは上がりません。私たちは、この「最後の一滴」まで絞り出された利益の行方を追いかける必要があります。
投資戦略の核心:なぜEPSが株価を動かす最大の要因なのか
株価が決まる仕組みは、究極的には「需要と供給」ですが、その需要を生み出す源泉こそがEPSです。投資家は、その会社が将来どれくらいの利益を出してくれるかを予測して株を買います。EPSが上がれば、それだけ1株の価値が高まったと見なされ、より高い値段で買いたい人が増えるのです。
株価の理論値を導き出す計算式
株価とEPSには、非常に強い相関関係があります。長期的な視点で見れば、株価はEPSの成長に収束していくと言っても過言ではありません。この関係を理解するために、以下の公式を覚えてください。
株価 = EPS × PER(株価収益率)
この式は、株価が「現在の稼ぐ力」と「将来への期待値」の掛け算でできていることを示しています。EPSが2倍になれば、期待値が変わらなくても株価は2倍になります。これが株式投資で資産を増やすための最もシンプルで強力な法則です。プロの投資家は、常にこの計算を頭の中で行い、今の株価が適正かどうかを判断しています。
配当とEPSの密接な関係
投資家にとっての大きな楽しみの一つに、配当金があります。配当金は、企業が稼いだ利益の一部を株主に直接還元するものです。この配当金の原資となるのが、まさにEPSです。EPSが高ければ高いほど、企業には配当を出す余裕が生まれます。
多くの企業は、利益のうちどれくらいを配当に回すかという「配当性向」を決めています。例えば、配当性向が30%の企業であれば、EPSが100円のときは30円、EPSが200円に増えれば60円の配当を出すことになります。つまり、EPSの成長は、あなたの受け取る配当金が自動的に増えていくことを意味するのです。
安定した増配を実現する企業の共通点
長期にわたって配当を増やし続けている「連続増配企業」には、共通する特徴があります。それは、例外なくEPSを右肩上がりで成長させていることです。一時的な蓄えを取り崩して配当を維持するのではなく、本業で稼ぐ力を高めることで、無理なく還元を増やしています。
このような企業を見つけることができれば、株価の上昇による利益(キャピタルゲイン)と、配当による定期的な収入(インカムゲイン)の両方を手にできます。EPSは、その企業の未来の豊かさを約束する「約束手形」のような役割を果たしているのです。
EPSが向上する2つの仕組み:稼ぐ力と資本政策の両輪

EPSを増やすためには、実は2つの方法があります。多くの人は「利益を増やすこと」だけを考えがちです。しかし、もう1つの方法を知ることで、企業の経営戦略をより深く理解できるようになります。
利益の拡大による自然な成長
1つ目の方法は、王道である「当期純利益を増やすこと」です。 売上を伸ばし、コストを削減することで、最終的な利益を積み上げます。新しい商品をヒットさせたり、海外市場を開拓したりして利益が増えれば、分子である当期純利益が大きくなるため、EPSも上がることも当然のことです。これは企業の真の実力が向上している状態であり、最も健全なEPSの上昇と言えます。
ほかにも、利益が増える要因には以下のものがあります。
- 販売単価を上げる。
- 原材料費を下げる。
- 広告宣伝の効率を上げる。
- 新しい技術で市場を独占する。 このような「稼ぐ力」の向上を伴うEPSの伸びは、投資家から最も高く評価されます。
自社株買いによる人工的な価値向上
2つ目の方法は、「発行済株式数を減らすこと」です。 EPSの計算式の分母を小さくすれば、分子が変わらなくても答えであるEPSは大きくなります。企業が自分の会社の株を市場から買い戻す「自社株買い」を行うと、世の中に出回る株式の数が減ります。すると、1株あたりの取り分が増えるため、EPSが向上するのです。
例えば、利益が1億円、株式数が100万株の場合、EPSは100円です。 ここで企業が自社株買いを行い、株式数を80万株に減らしたと想定しましょう。利益が1億円のままでも、EPSは125円に跳ね上がります。株主からすれば、何もしていないのに自分の持っている1株の価値が25%もアップしたことになります。
経営陣の株主還元に対する意図を汲み取る
近年、多くの日本企業が自社株買いを積極的に行っています。これは「私たちは株主の皆様の利益を大切に考えています」という強いメッセージです。利益をただ内部に溜め込むのではなく、株式数を調整して1株の価値を高める姿勢を持つ企業の株は、市場で高く評価される傾向にあります。
EPSの推移を見るときは、その中身を少しだけ覗いてみましょう。利益が増えたことによる上昇なのか、株式数が減ったことによる上昇なのか、あるいはその両方なのか、この背景を探ることで、その企業の経営陣がどのような戦略を描いているかが見えてきます。
実戦で差がつく活用法:成長株と割安株を見分けるポイント
EPSの知識を実際の銘柄選びにどう活かすか、具体的なテクニックをみていきましょう。ただ数値を見るだけでなく、その「方向性」と「他との比較」が重要になります。
EPS成長率を基準にしたスクリーニング
まず注目すべきは、EPSの「成長率」です。単年の数値が高いだけでなく、毎年どれくらいのペースで増えているかを確認します。
EPS成長率(%)= (当期のEPS ÷ 前期のEPS - 1) × 100
例えば、毎年10%ずつEPSが伸びている企業は、複利の効果で5年後には1株の価値が約1.6倍になります。プロの投資家は、この成長率が安定している企業を「成長株(グロース株)」として高く評価するものです。過去3年から5年の平均成長率が2桁(10%以上)を維持していると優秀な企業であると言えます。
PERとの組み合わせで割安度を測る
次に、EPSを使って「お値打ち株」を探します。ここで登場するのがPER(株価収益率)です。PERは、現在の株価がEPSの何倍まで買われているかを示します。 PER = 株価 ÷ EPS
もし、EPSが着実に伸びているのに、PERが低いまま放置されている企業があれば、それは絶好の投資チャンスかもしれません。市場がまだその企業の成長に気づいていない「お宝」の可能性があるからです。逆に、EPSの伸び以上にPERが跳ね上がっている場合は、期待が先行しすぎている「割高」な状態かもしれません。
業種ごとの平均値を参考にする
PERやEPSの数値を比較するときは、必ず「同じ業種」のライバル企業と比較しましょう。例えば、IT業界は将来の成長が期待されるためPERが高くなるのが一般的です。鉄道や電気ガスなどのインフラ業界は安定している分、PERは低くなる傾向があります。
「この企業のEPSはライバルより伸びているのに、なぜかPERは低い。これは買いだ」といった、論理的な判断ができるようになります。これが、なんとなくの勘に頼らない「負けない投資」の土台となるのです。
投資家を惑わす罠:EPSの数値が歪む原因を回避する
EPSは非常に便利な指標ですが、いくつか注意点があります。数字の表面だけを見て飛びつくと、思わぬ落とし穴にはまることがあるため、正しく見極める目を持つことが重要です。
一過性の利益がもたらす「見せかけ」の好決算
まず警戒すべきは、「一時的な利益」によるEPSの急増です。 EPSの計算に使われる当期純利益には、その年だけに発生した「特別利益」が含まれます。例えば、本社ビルを売却したり、持っていた他社の株を売ったりして得た利益です。これらは本業の稼ぐ力とは関係がありません。
ある年のEPSが前年の2倍になったとしても、それがビルを売ったおかげであれば、翌年のEPSは元の水準に戻ってしまうでしょう。こうした「一過性の利益」を除いた実力値を知るためには、本業の儲けを示す「営業利益」も併せて確認することが大切です。EPSが急増しているのに営業利益が伸びていない場合は、少し立ち止まって理由を探る必要があります。
株式分割や併合による表記上の変化
次に注意したいのが、株式の分割や併合による影響です。 企業が1株を2株に分ける「株式分割」を行うと、株式数が増えるため、1株あたりの利益であるEPSは見かけ上半分になります。しかし、これは利益が減ったわけではありません。持っている株数も2倍になっているため、投資家が損をすることはないでしょう。
逆に、株式をまとめる「株式併合」を行うと、EPSは劇的に上がります。これを見て「利益が急増した!」と勘違いしてはいけません。多くの場合、証券会社のツールなどはこれらを調整して表示してくれますが、古いデータや生の決算書をそのまま見るときは注意が必要です。
潜在的な株式による価値の希薄化を防ぐ
「希薄化(きはくか)」という概念も存在します。 新株予約権の発行などによって、将来的に株式数が増える可能性がある場合、現在のEPSよりも1株あたりの価値が将来的に薄まってしまうことです。これを考慮したものとして「潜在株式調整後1株当たり利益」といった指標があります。
難しい名前ですが、要は「将来株が増える可能性も考えた、より厳格なEPS」のことです。特に新興企業や資金調達を頻繁に行う企業を見る際は、この数値もチェックしておくと安心でしょう。
まとめ
ここまで、EPS(1株当たり利益)の基本から応用、そして注意点までお伝えしました。最後に、投資を成功に導くための要点をもう一度整理しましょう。
まず、EPSは「1株あたりの稼ぐ力」を示す、最も基本的かつ重要な指標です。計算式は「当期純利益 ÷ 発行済株式数」であり、この数値が高いほど、また成長しているほど、その株には価値があります。
次に、株価は「EPS × PER」というシンプルな掛け算で成り立っています。株価の変動に一喜一憂するのではなく、その土台となっているEPSがどう動いているかを注視してください。EPSが伸びているのに株価が上がっていない銘柄こそが、将来の「お宝株」になる可能性を秘めています。
そして、EPSが上昇する背景には、「本業の利益成長」と「自社株買い」の2つのルートがあることを忘れないでください。どちらの理由で上がっているのかを知ることで、経営陣の意図を読み取れます。一方で、特別利益や株式分割といった、数値が歪む要因には注意が必要です。数字の裏側にある「理由」を確認するひと手間が、あなたの資産を守る盾となります。
株式投資は、単なる数字の遊びではありません。素晴らしいビジネスを展開し、世の中に価値を提供して利益を出している企業を応援し、その果実を分け合う素晴らしい仕組みです。EPSというレンズを通して企業を見ることで、あなたは単なる「株の買い手」から、真の「ビジネスの目利き」へと成長できるはずです。
最初は慣れないかもしれませんが、何度も数字を見ているうちに、自然と感覚が研ぎ澄まされていきます。学んだ知識を武器にして、今日から気になる企業のEPSをチェックしてみてください。



診断書の添え状テンプレート決定版|休職・復職で失礼のない書き…
診断書を会社に送るという行為は、単なる事務手続きではありません。それは、あなたがこれから心身を休ませ…