請求書の基礎知識

請求書受領サービスとは?電子化のメリットや選び方・比較ポイントを徹底解説

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請求書受領サービスを利用することで、煩雑だった請求書業務の負担を軽減できます。この記事では、請求書受領サービスはどういうものかを理解するために、サービスの概要、導入メリット、請求書サービスの選び方・比較のポイントについて解説します。

請求書受領サービスとはどういうものか

請求書受領サービスは、請求書の処理を電子化して提供するサービスです。各提供会社によってサービス内容は異なりますが、たとえば「OCR」を使用して請求書をテキスト化をするサービスや、自動で仕訳や振込データを作成するサービスがあります。請求書の受領にはシステムへの入力やスキャンなど、さまざまな業務が関わりますが、このサービスを利用することで、受取請求書の業務負担を大幅に削減することができます。ペーパーレス化の普及により、請求書の電子化が広まっており、多くの企業で導入されています。

請求書受領サービスを導入するメリット

請求書受領サービス導入の主なメリットは、以下の5つです。

・業務効率化
・最新制度への自動対応
・スムーズな請求書承認フロー
・請求書処理スピードの向上
・経理処理の効率化とコスト削減

各メリットについて見ていきましょう。

一元管理でき業務効率化に繋がる

請求書の処理業務は、さまざまな工数を要します。たとえば、郵送された紙の請求書の場合は、開封してファイルに保存し、さらに自社のシステムに入力しなければなりません。メールで送られてくるPDFファイルなども混在する場合は、さらに手間がかかってきます。しかし、本サービスを導入することで、受け取った請求書の処理をクラウドで一括管理することが可能です。さらに「OCR機能」を活用することで、請求書を自動的にデータ化することができます。これにより、膨大な工数を大幅に削減できるため、業務の効率化が期待できます。

最新制度への自動対応

クラウドサービスは、システムがリアルタイムでアップデートされるため、最新税制などに対応しやすいこともメリットです。ほとんどのサービスは、軽減税率制度はもちろん、2023年10月から導入予定のインボイス制度への対応も済んでいます。その他、スキャナ保存制度や電子取引情報の保存に対応するサービスもあります。

円滑な請求書承認フロー

請求書の受領窓口を一元化することにより、担当部署は受領した請求書を経理に提出する必要がなくなり、経理部門は催促する手間を削減できます。さらに、請求書がデータ化されれば、迅速に承認手続きに進めるため、円滑な承認フローが実現し、業務のスピードアップが期待できます。また、可視化された承認プロセスにより、承認の進捗状況をリアルタイムで把握することも可能です。

請求書処理スピードの向上

さまざまな形式で送られてくる請求書の処理にかかる手間を削減し、請求書処理の速度を向上させることができます。さらに「OCR」を使用することで高い精度でデータ化することも可能です。定型フォーマットなどを活用すれば、請求内容の確認作業も大幅に削減できます。また、紙の請求書のように、保管場所に悩む必要もありません。

経理業務の効率化とコスト削減

経理業務の効率化によるコスト削減も、重要なメリットです。たとえば、勘定科目の設定が自由にでき、仕訳を自動化できるサービスもあります。会計システムと連携可能なサービスを利用すれば、必要なデータフォーマットでのダウンロードが可能です。請求書の経理処理の効率化は、人件費などの大幅なコスト削減につながります。

電子化によるテレワークへの対応

ワークフローを電子化することにより、テレワーク環境でも対応可能です。従来、請求書の処理には特定の手順がありました。多くの企業で今でも担当者、部署の上長、経理担当者というような流れで書類にハンコを押し、チェックや承認を経て支払いが行われるという手続きが行われています。
しかし、このサービスを利用することで、ワークフローの電子化が可能です。このサービスを利用すると、ハンコを押す作業そのものが不要になり、パソコン上で請求書を確認し、承認できます。これにより、テレワーク環境でも請求書の処理がスムーズに行われるため、ハンコを押すために出社する必要がなくなりますし、関係者が不在でも請求書の処理が滞ることはありません。

請求書受領サービスの選び方【タイプ別】

ここでは、請求書受領サービスを3タイプご紹介します。自社にはどのタイプのサービスが適しているかチェックしてみましょう。

タイプ1:請求書の受取り、データ化を代行するタイプ

このタイプは、取引先からの請求書を受け取り、スキャンすることも代行してくれます。紙の請求書の場合、代行業者が受け取りとスキャンを行い、データ化までを行います。また、PDF形式の請求書はアップロードすることで一元管理が可能です。このパターンは、請求書処理を受け取りから自動化したい方におすすめです。紙の請求書の取り扱いはサービスによって異なります。例えば、提携倉庫で紙の請求書を保管し、一定期間経過後には破棄する代行業務を行っているサービスもあります。

タイプ2:自社で行う請求書のデータ化をサポートしてくれるタイプ

次に紹介するのは、自社で請求書のデータ化を行いたい場合に、手間を最小限に抑えられるようにサポートしてくれるタイプです。届いた紙の請求書をスキャンし、そのPDFをアップロードするだけで、最新の「OCR処理」が自動的に行われ、承認フローで利用できるようになります。

タイプ3:取引先にも利用してもらうタイプ

3つ目のタイプは、取引先にも関与してもらいます。取引先が行う作業は、サービスによって異なりますが、データ入力や請求書の更新などです。これらの一部の作業を取引先が担当することで、業務効率が大幅に向上します。ただし、企業によっては取引先への依頼に躊躇する場合もあるでしょう。このタイプは、取引先が同じサービスを利用している場合や、協力的な取引先が多い場合に特に適しています。

請求書受領サービスの比較ポイント

請求書受領サービスの各タイプについて把握できたら、以下のポイントに注目して、自社に合うサービスを絞り込みましょう。

自社に適したタイプ

請求書受領サービスを選択する際には、自社の課題や取引先の状況を考慮し、目的に合ったサービスを導入することが重要です。たとえば、複数の請求書が別々に届くことで社内の受取業務が負担になっていませんか? そのような場合には、受け取りやスキャンを代行するタイプがおすすめです。

データ化する項目

請求書受領サービスを導入する前に、自社でデータ化する項目を確認しましょう。請求書に記載される基本的な項目は、以下のようなものです。
・発行者名
・請求日
・支払期
・支払先口座
・請求金額
・税区分ごとの金額の内訳など
請求明細もデータ化できれば、品名を用いた仕訳が可能になります。さらに、マスター情報との連携機能があれば、電話番号から正確な会社名を表示したり、商品名から自動的に商品コードを表示したりすることができます。
また、OCRで正しく認識できない請求書がある場合には、目視チェックで手動入力しなければなりません。このような入力作業を学習させたり、あるいはOCRで読み取れるように設定したりすると、手間が大幅に省けます。一部の有料オプションでは、設定代行サービスも提供されています。

データ化の精度・スピード

請求書のデータ化において、精度とスピードは重要な指標となります。データ化に精度の高さを求めるのであれば、オペレーターによる人力データ化があるサービスがおすすめです。ただし、請求書のアップロードから処理が完了するまで数時間がかかることがあり、注意が必要です。
一方、スピード重視であれば、OCRに特化したサービスが適しています。早ければ、数分で処理することも可能ですが、100%の精度の保証はできないため、自社での入念なチェック作業が欠かせません。受け取り業務のどの過程を効率化させるべきか、自社の課題を考慮してサービスを選定しましょう。

原本の保管期間

請求書の受取りを代行するサービスの場合は、原本の保管期間も確認しましょう。請求書原本の保管期間は、一般的な基準としては法人で7年、個人事業主で5年です(一部例外あり)。ただし、実際の保管期間はサービスによって異なるため、事前に確認することが重要です。

その他の機能

請求書関連の業務は、多岐にわたります。そのため、請求書のデータ化だけが必要なのか、請求に関して経理業務のサポートが必要なのかで、おすすめのサービスが異なります。目的が会計業務の軽減であれば、仕訳データの作成が欲しいところです。また、請求に関するワークフローが搭載されていれば、上司や経理にスムーズに承認してもらえます。その他、会計システムとの連携など、どこまでの機能がサービスに備わっているか確認が必要です。まずは自社の課題を洗いだし、どのサービスなら業務をどれほど効率化できるかをチェックしましょう。

予算に合った費用

さまざまな請求書受領サービスを検討する際には、予算に合った費用で利用できるタイプを選ぶことが重要です。業務の負担を軽減したい場合は、受領からデータ化までの代行サービスが適しています。ただし、このタイプは便利な分、他のタイプよりも高い料金がかかります。もしバックオフィスの人手不足が課題である場合でも、紙の請求書が少ない状況であれば、自社でデータ化するタイプでも対応できるでしょう。また、サービス導入には初期費用やランニングコストが発生することも考慮して、自社の予算に見合った費用のサービスを選ぶことをおすすめします。

請求書を受領した後の流れ

請求書を受け取った後は、メールで確かに受領した旨を先方に伝えると丁寧です。郵送などでは、どうしてもタイムラグがありますし、とくに初めての取引の場合、先方は請求書がきちんと届いたかどうか不安になるものです。

支払いの手続きが済んだ請求書は、「未払い分ファイル」に保管することをおすすめします。また「済」のスタンプの押印や「入金済み」と記載することで、支払い漏れや二重払いを防げます。

関連リンク:請求書の受領メール文例・送付メール文例をご紹介!重要なポイントや流れも解説

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まとめ

請求書の処理を電子化して提供する請求書受領サービスを導入すると、業務効率化をはじめ、最新制度への自動対応、円滑な請求書承認フロー、コスト削減などのメリットが期待できます。受取りとデータ化の代行、データ化のサポート、取引先にも利用してもらうタイプの3種類が提供されています。サービスを比較する際には、データ化できる項目、データ化の精度・速度、原本の保管期間などを確認して、自社の課題や目的に合ったサービスを選びましょう。

この記事の投稿者:

reg@olta.co.jp

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