
スマートレターは、日本郵便が提供するビジネスユーザーにも人気の郵送サービスです。専用の封筒を購入すれば、切手を貼らずに全国一律料金で書類や小さな荷物を送ることができます。
近年の郵便料金改定により料金が変更されたため、最新の料金情報やサービス内容を把握しておくことが大切です。
本記事では、スマートレターの最新料金(2025年時点)を中心に、サイズ・重量制限、送れるもの・送れないもの、利用方法や購入方法、追跡や補償の有無といった基本情報を詳しく解説します。
また、定形郵便やレターパックとの比較を交え、企業や事業者が発送業務でスマートレターを活用するメリット・デメリット、想定される活用シーン、業務改善につながるポイントについても紹介します。
ビジネスで郵送コストを抑えたい方はぜひ参考にしてください。
目次
スマートレターとは何か?基本サービス概要
スマートレターとは、日本郵便が提供する専用封筒型の郵便サービスです。A5サイズ相当の専用封筒(厚紙製)を使用し、全国一律料金で送れるのが特徴です。
内容物は信書(手紙や契約書など)を含む書類や、小物類まで幅広く対応しており、切手を貼らずにポストへ投函できる手軽さから個人・法人問わず利用されています。
料金には封筒代と郵送料が含まれており、あらかじめ料金分が印刷された封筒を購入して使う仕組みです。手紙のような感覚で荷物を送れることから、書類送付やネットオークションの発送などさまざまな場面で活用されています。
主な特徴
- 全国一律料金で発送可能(距離に関係なく同一料金)
- 専用封筒(A5サイズ厚紙)に入れて送付(切手不要)
- 信書も送付可能(手紙や請求書なども同封できる)
- 郵便ポスト投函または郵便窓口から発送(手軽に利用可能)
まずは最新の料金情報と、スマートレターのサイズや重量など基本スペックを確認しましょう。
スマートレターの最新料金(全国一律)
スマートレターの料金は全国一律で210円(税込)です。2024年10月1日に実施された郵便料金改定に伴い、それまでの180円から210円に値上げされました。専用封筒1通あたり210円で購入でき、その中に入れて送る郵送料も含まれています。
したがって、別途切手を購入する必要はありません。
料金改定のポイント
- 改定時期: 2024年10月1日より新料金適用
- 旧料金: 1通あたり180円(税込)
- 新料金: 1通あたり210円(税込)
旧料金のスマートレター専用封筒を既にお持ちの場合も、差額分の対応をすれば引き続き使用可能です。具体的には、不足分(30円)相当の切手を貼り足すか、郵便局窓口で差額を支払って交換してもらうことで、新料金に対応できます。
なお、210円という料金には封筒そのものの代金と郵送費用が含まれており、一度購入してしまえば追加料金なく全国に送れる点が魅力です。
サイズ・重量・厚さの制限
スマートレターには、利用できる封筒サイズや荷物の重量に制限があります。主な制限事項は次のとおりです。
- 封筒のサイズ: A5サイズ(長辺25cm×短辺17cm)まで
- 厚さ: 2cm以内まで
- 重量: 1kg以内まで
この専用封筒は厚紙でできており、中身が折れ曲がりにくい丈夫な構造です。ただし、上記の厚さ2cm・重量1kgという範囲を超えるものはスマートレターとして送ることはできません。
封筒に収まらない極端に厚いものや、1kgを超える重いものは差し出し時に受け付けてもらえないため注意しましょう。
サイズに関しては、A5用紙サイズが上限となるため、例えばA4サイズの書類は二つ折りにしなければ入りません。厚さも2cmまでのため、分厚い冊子や衣類など嵩張るものはスマートレターには不向きです。
重量1kgという上限は比較的大きいですが、重量が1kgに達するほどの物品は多くの場合厚みも増すため、2cm以内に収まる範囲で重量面の心配は少ないでしょう。
仮に重量は軽くても、封筒からはみ出す大きさや厚みがある場合は無理に封入せず、後述する他の発送方法(定形外郵便やレターパックなど)を検討してください。
封入できるもの・送れないもの
スマートレターは基本的に書類や小物であれば送ることができます。しかし、郵便法や日本郵便の規定により、送れるもの・送れないものが定められています。代表的な例を挙げて確認しましょう。
送ることができる主なもの
信書類:手紙、契約書、請求書、申込書などの書類(スマートレターは信書の送付が認められています)
小型の書籍やメディア: 文庫本、CD・DVDディスクなど
文房具類: 筆記用具、ノート、クリップなど比較的小さい文具
アクセサリー類: 携帯電話用アクセサリー(スマホケース・ストラップ等)、小型のアクセサリー類
衣料小物: ハンカチ、靴下など薄手で小さく畳める衣類小物
上記のように、日常的な小物で厚さ2cm以内・重量1kg以内に収まるものであれば、封入して送ることが可能です。例えば、書類と一緒に記念品のボールペンを送ったり、CDとお礼状を同封して送付するといった使い方ができます。
送ることができない主なもの
現金: 紙幣・硬貨などの現金は同封禁止
(現金を送る場合は必ず現金書留など現金専用の郵便を利用)
貴重品: 貴金属や宝石類、高価な商品など(事故時の補償がないため避ける)
壊れやすいもの: ガラス製品、陶器など割れ物(補償がなく破損リスクが高いため)
腐りやすいもの: 食品などの生もの(常温で腐敗するものは郵送不可)
危険物: 発火性・引火性の物質、毒物・劇物、刃物、火薬類など法律や規定で禁じられたもの
生き物: 昆虫や小動物などの生き物全般
上記以外にも、代替が難しい一点物の芸術品など損傷・紛失時に取り返しがつかないものの送付も控えるよう案内されています。スマートレターには後述するように補償がないため、万一に備えて貴重品の送付には使わないのが無難です。
現金や貴重品を送りたい場合は、現金書留や書留郵便など適切なサービスを利用しましょう。
また、スマートレターは国内宛のみに利用可能で、海外宛ての発送はできません。国際郵便を利用する必要がある場合はEMSや国際小包など別途用意されたサービスを選択してください。
スマートレターの購入方法
スマートレター専用封筒は以下のような場所で購入できます。
郵便局
全国の郵便局の窓口で取り扱っています。1枚から気軽に購入可能です。
コンビニエンスストア
主要なコンビニ(ローソン、セブン-イレブン、ファミリーマートなど)でも販売しています。ただし一部の店舗では置いていない場合もあるため、確実に購入したい場合は事前に店舗に問い合わせると安心です。
郵便局のネットショップ
日本郵便が運営する公式オンラインショップでも購入可能です。ただし20枚セット単位での販売となるため、頻繁に使う企業やまとめ買いしたい場合に適しています。オンラインで注文すれば職場や自宅への配送も可能です。
価格はどこで購入しても1通あたり210円(現在の料金)で、郵便局の窓口でもコンビニでも基本的に定価販売されています。大量に購入するからといって割引はありませんが、ネットショップではまとめ買いできる点が利点です。
ビジネスで定期的にスマートレターを利用するなら、必要に応じて20通セットを取り寄せて在庫しておくと都度買いに行く手間が省けます。逆に「たまにしか使わない」という場合は、使うタイミングで1通ずつ郵便局やコンビニで購入すれば無駄がありません。
スマートレターの利用方法(送り方)
スマートレターの送り方は非常に簡単で、「専用封筒に宛名を書き、内容物を入れて封をし、ポストへ投函する」だけです。切手が不要な点を除けば、通常の手紙や封書の出し方とほぼ同じ手順で利用できます。
具体的な手順を順を追って説明します。
宛名と差出人の記入
専用封筒の所定の欄に、送る相手の住所・氏名(会社宛てなら会社名・担当者名)を「お届け先」として記入します。同時に自分(差出人)の住所・氏名も「ご依頼主」欄に忘れず記入します。
社用で大量に出す場合は、あらかじめ住所を書いたラベルシールを作成して貼付する方法も便利です。
中身を封入して封を閉じる
送りたい手紙や書類、小物商品などを封筒に入れます。封筒の厚みオーバーに注意しながら、しっかり封を閉じて中身が飛び出さないようにします。
封を強化するためテープ貼付する場合は、封筒表面の料金印面(料金表示部分)にかからないよう注意してください。
料金印面が汚損・隠蔽されると郵便物として扱われない可能性があります。
ポスト投函または窓口差し出し
封筒に切手を貼る必要はありません。準備ができたら、街中の郵便ポストにそのまま投函すれば発送完了です。近くにポストがない場合、郵便局の窓口に持って行って差し出すこともできます。
コンビニ内に郵便ポストが設置されている場合(ローソンやミニストップなどに設置されていることがあります)も同様に投函可能です。
以上のように、送り方は非常に手軽です。ポストに投函した場合、あとは通常の郵便物と同様に郵便局員が回収し、配達網に乗せて届けてくれます。なお、コンビニから出す場合は店舗によってポスト設置の有無が異なります。
ローソンや一部ミニストップには郵便ポストがありますが、セブン-イレブンやファミリーマートなどでは店舗敷地内にポストがないケースもあります。事前に最寄りのポスト設置状況を確認しておくとよいでしょう。
スマートレターに追跡サービスや補償はある?
スマートレターには追跡サービスや損害補償は付帯していません。低コストで利用できる反面、一般的な手紙・封書と同様に配送過程での追跡番号や、紛失・破損時の賠償制度は提供されていない点に注意が必要です。
以下、それぞれ詳しく解説します。
追跡サービス
スマートレターは発送後に荷物の配送状況を確認する手段(追跡番号)がありません。相手に確実に届いたか気になる場合でも、配達完了の確認は受取人からの連絡を待つか、別途オプションを付けない限り難しいです。
「届けた証拠」が必要な重要書類の郵送には不向きといえます。
もし配送状況をチェックしたい場合は、特定記録郵便(郵便物に追跡バーコードを付けるサービス)や簡易書留などのオプションを付ける方法もありますが、スマートレターにはこれらオプションを追加すること自体ができません。
追跡が必要な場合は、初めからレターパックや書留郵便、ゆうパック等、追跡機能付きの別サービスを選択しましょう。
補償(損害賠償)
スマートレターは万一配達中の事故・紛失・破損があっても、日本郵便からの補償(賠償)は受けられません。
一般的な郵便物(普通郵便)は事故時の保証がないため、スマートレターも同様です。高価な商品や絶対になくせない大事な品物を送る場合にはリスクがあります。
レターパックやゆうパックも基本的に補償はありませんが、現金書留や一般書留ならば一定額まで賠償が可能です(ただし書留でも上限額が設定されており、全額保証されるとは限りません)。
スマートレターで送るものについては「万一届かなくても諦めがつくもの」にとどめ、重要物は補償付きサービスの利用を検討しましょう。
また、スマートレターは速達などのオプションサービスも利用できません。配達スピードは通常郵便と同じ扱いで、差し出しから到着までおおむね翌々日以降となります(距離によってはもう少しかかる場合もあります)。
さらに現在の郵便制度では土曜日・日曜日・祝日の配達を行っていないため、週末を挟むと配達に日数がかかります。
土日祝日の配達なしという点も踏まえて、急ぎのものはスマートレターではなく毎日配達のあるゆうパックや宅配便を利用するのが安全です。
ただし、スマートレター自体の配達速度は比較的早く、近距離ならば翌日に届くケースもあります。あくまで郵便物としての通常範囲内のスピードですが、料金相応のサービス内容であることを理解して使いましょう。
定形郵便やレターパックとの比較
スマートレターを検討する際、よく比較対象となるのが定形郵便(普通の手紙)や日本郵便のレターパックです。それぞれ料金やサービス内容が異なり、用途によって使い分ける必要があります。
ここではスマートレターと定形郵便・レターパックを比較し、その違いを整理します。
定形郵便など通常郵便との比較
定形郵便とはいわゆる通常の手紙・封書のことです。定形郵便は重量制による細かい料金設定があり、送る内容の重さによって切手代が変わります。現在(2024年10月以降)の定形郵便料金は、50gまで一律110円となりました。
25g以内も50g以内も同額に改定されたため、以前より軽い郵便物の料金が上がっていますが、それでもスマートレター(210円)と比べれば半額程度です。
つまり数枚程度の書類を送るだけなら、スマートレターを使うより定形郵便(110円)で送ったほうがコストは安く済みます。
しかし、定形郵便にはサイズや重量に応じた制限・料金体系があります。
封筒の大きさが定形規格(長辺23.5cm×短辺12cm以内)を超えたり、厚さが1cm以上になったり、重量が50gを超える場合は定形外郵便として扱われ料金が跳ね上がります。
例えば、重量100gの資料を送りたい場合、定形外郵便(規格内)で180円の切手が必要です。150gなら210円、250gなら300円超と重量が増えるごとに費用がかさみます。
また、切手を複数貼ったり、郵便局で重量計測してもらう手間も発生します。
スマートレターの利点は、重量が1kgまで一定料金であることと、封筒サイズが決まっているので規格内かどうか悩む必要がない点です。
定形外郵便の場合、送る物のサイズが大きくても規格内(34×25×3cm以内)なら比較的安く送れますが、重さによっては210円を超えることも多々あります。
スマートレターなら厚さ2cm以内に収まる物であれば重量に関係なく210円なので、重量が重めの小物を送る際にはむしろ割安になるケースがあります。
たとえば、A5サイズの小冊子やカタログ(重量200g前後)を送る場合、定形外郵便では約300円の切手が必要ですが、スマートレターなら210円で送れます。
一方で定形郵便のメリットとしては、自前の封筒や包装で柔軟に送れることや、必要に応じて書留や特定記録等のオプションサービスを付加できる点が挙げられます。
重要書類を送りたい場合には、定形郵便で簡易書留(追加料金)を付けて送れば追跡と補償を確保できますが、スマートレターではそれができません。
また、定形郵便はA4サイズの書類も折らずに角形2号封筒(定形外扱い)で送れますが、スマートレターではA4を折り曲げる必要があります。
このように送る内容物や重要度によって、スマートレターが適しているか定形郵便が適しているかは変わってきます。
使い分けの目安: 少量の書類で軽く重要な内容→定形郵便+必要なら書留等。重めだが小型でそこまで重要でない内容→スマートレターで安く簡便に。といった基準で検討すると良いでしょう。
レターパックとの比較
レターパックはスマートレターと同じく日本郵便の全国一律料金の専用封筒サービスですが、機能と料金が強化されています。
レターパックにはライト(薄型)とプラス(厚手)の2種類があり、それぞれサービス内容は以下のようになっています。
レターパックライト
料金430円(全国一律)、A4サイズ封筒、厚さ3cmまで、重量4kgまで、配達は郵便受け投函、追跡サービスあり。
レターパックプラス
料金600円(全国一律)、A4サイズ封筒、厚さ制限なし(封が閉まる範囲内)、重量4kgまで、配達は対面で手渡し(受領印または署名が必要)、追跡サービスあり。
これらレターパックはいずれも追跡番号付きで、郵便追跡システムから配達状況を確認できます。また土日祝日も含めて毎日配達される扱いとなり、スマートレターや普通郵便のような週末配達休止の影響を受けません。
速達オプションはありませんが、レターパックプラスは「速達並みのスピードで配達される」と案内されるほど比較的早く届きます(郵便局員が直接手渡し配達するため確実性も高いです)。
さらに、レターパックプラスは集荷依頼に対応しており、郵便局員にご自宅や会社まで取りに来てもらうことも可能です(通常のゆうパックと同様に電話やウェブで集荷依頼できます)。
スマートレターとの主な違い
- 封筒サイズがA4サイズ(レターパック) vs A5サイズ(スマートレター)
- 厚さ制限が3cm or 制限なし(レターパック) vs 2cmまで(スマートレター)
- 重量上限が4kg(レターパック) vs 1kg(スマートレター)
- 追跡サービスあり(レターパック) vs なし(スマートレター)
- 配達日: 毎日配達(レターパック) vs 平日のみ配達(スマートレター)
- 料金: 430円/600円(レターパック) vs 210円(スマートレター)
以上を踏まえると、レターパックは料金が高い分、サイズ・重量の許容範囲が広く、追跡もできてサービスが充実しています。スマートレターは料金が安い分、サイズ制限が厳しく、追跡や補償といった追加サービスがないという関係です。
ビジネス用途で比較すると、重要な書類を確実に届けたい場合や厚みのある資料やカタログを送りたい場合はレターパックの方が安心でしょう。
例えば、契約書の原本や顧客から預かった書類などを送る場合、追跡や対面受け渡しのできるレターパックプラスを使えば確実に届けられますし、受取の記録も残ります。
一方、そこまで重要ではない資料や、小型の商品サンプルなど「できるだけ送料を抑えて送りたい」という場合にはスマートレターがコスト面で有利です。
送料210円はレターパックライトの半額以下なので、追跡が不要でサイズも問題ない荷物であれば、積極的に活用すると経費削減になります。
なお、レターパックも郵便局やコンビニで購入でき、切手不要でポスト投函可能という点ではスマートレターと似ています。両者を上手に使い分けて、送りたいものの種類や重要度に合わせて最適な発送方法を選びましょう。
ビジネスでスマートレターを活用するメリット
企業や事業者がスマートレターを発送業務に取り入れることで得られるメリットはいくつかあります。主な利点を以下に整理します。
送料コストの削減
スマートレターは一通210円と低料金なので、内容物によっては他の発送方法より大幅に安くなります。
特に、従来レターパックや宅配便で送っていたような小物をスマートレターに置き換えられれば、1件あたり数百円のコスト削減が可能です。大量の郵送を行う企業では、この積み重ねが年間で大きな経費節減につながります。
料金計算の手間軽減
重さ1kgまで一律料金のため、いちいち重量を測って切手代を計算する必要がありません。定形郵便のように「何グラムだから切手いくら」という作業を省略でき、作業効率が上がります。
発送担当者にとっても分かりやすく、封筒さえ規格内に収まれば一律210円というシンプルさは、発送業務のミス防止にも役立ちます。
手軽でフレキシブルな発送
郵便ポストへ投函可能で24時間いつでも差し出せるため、急ぎの書類を営業帰りにポストに入れて発送したり、出張先からコンビニ経由で投函するといった柔軟な対応ができます。
郵便局の営業時間に縛られずに出せるのは、忙しいビジネスユーザーには大きな利点です。また、コンビニで調達~即投函まで一箇所で完結できるのも手軽です。
信書送付が可能
宅配便やメール便では法律上送れない信書(手紙や請求書等)も、スマートレターなら問題なく送れます。例えば契約書の原本返送や請求書の郵送など、法人では避けられない紙書類のやり取りにもスマートレターは使えます。
信書を送れる安価な手段として、社内ルールで活用を推進するケースもあるでしょう。
受取人の利便性
スマートレターは基本的に郵便受けに配達されるため、受取人が不在でも自宅やオフィスのポストに配達完了します。
宅配便のように再配達の手間をかけずに済む点は、相手先にとってもメリットです(ただし郵便受けに入らない場合は持ち戻りとなり、不在票対応になります)。個人顧客に小物を送る際などは、ポスト投函の気軽さが喜ばれるでしょう。
封筒がそのまま梱包材として使える
専用封筒自体が厚紙である程度クッション性・保護力があるため、簡易な梱包材としても機能します。書類なら折れ曲がりにくく、小物ならプチプチ封筒ほどではないにせよ多少の衝撃から守ってくれます。
自前で封筒を用意する必要がなく、発送準備の手間が削減できる点も業務効率上プラスです。
以上のように、コスト・手間の両面で効率化できるのがスマートレターをビジネス利用する魅力と言えます。
特に多数の発送を扱う部署や、少額商品を通販する事業者にとっては、小さなコスト削減と作業簡略化の積み重ねが大きなメリットとなるでしょう。
スマートレター利用時のデメリット・注意点(企業視点)
便利なスマートレターにも、企業利用において留意すべきデメリットや注意点があります。事前に把握しておきたいポイントをまとめます。
追跡・配達証明が取れない
前述の通りスマートレターには追跡番号がなく、配達の確実性を証明する手段もありません。ビジネスでは「確かに送った」「確かに届いた」というエビデンスが重要になる場面も多々ありますが、スマートレターではそれを担保できません。
取引先に契約書を送ったのに届いていないとトラブルになった場合、追跡のない郵送方法では対処が難しくなります。重要度の高い書類発送には不向きであり、その場合は書留や宅配便など証跡が残る手段に切り替える必要があります。
紛失・破損時の補償リスク
万一配達事故が起きても賠償がないため、送ったものが失われれば送り手・受け手双方に損害が生じます。企業が顧客に商品を送る場合、郵送事故で届かなかったときには再送コストや顧客対応の負担が発生します。
高額商品の発送をスマートレターで行えば、そのリスクを全て自社で背負うことになる点に注意しましょう。発送コスト節約とリスクのバランスを考えて、補償が必要なものは最初から他の方法を使う決断も重要です。
サイズ制限による制約
A5・厚さ2cmという制限は、ビジネス書類では意外と厳しい場合があります。一般的な報告書や契約書はA4サイズが多く、そのままでは入らないため二つ折りする必要があります。
契約書を折り曲げたくない場合や、厚みのあるカタログ・パンフレット類を送りたい場合はスマートレターでは対応できません。
また、商品サンプル等でも少し大きな物は封入できず、結局別の発送手段を用意する場面が出てきます。スマートレターで送れるもの/送れないものの線引きを社内で明確にし、無理な利用をしないことが大事です。
配達日数と曜日制限
平日のみ配達で土日祝は止まるため、送付タイミングによっては他の手段より到着が遅れることがあります。
例えば金曜日に投函しても配達は翌週月曜日以降になります。急ぎの資料を週末前に届けたいようなケースではスマートレターは適しません。
同様に、客先の希望納期が迫っている商品の発送にも注意が必要です。「安いから」とスマートレターで出した結果、先方への到着が間に合わずクレームになるようでは本末転倒です。
納期厳守のものはスピード優先のサービスを選ぶなど、状況に応じた判断が求められます。
社内統制の必要
スマートレターは手軽な反面、追跡が無く社内での発送管理が漏れるリスクもあります。たとえば発送記録を残さず個人が勝手に出してしまうと、あとで何を送ったか追跡不能です。
企業として多数利用する場合は、社内で使用管理ルールを作ることも検討しましょう(例:「発送したら社内台帳に記載」「社内宛名ラベルシステムで一元管理」など)。
安価ゆえに経費精算も小額ですが、塵も積もればですので、まとめ買いした分の在庫や使用枚数の管理にも気を配る必要があります。
以上のように、スマートレターは万能ではないため送る対象・状況を選ぶことが重要です。コストだけに注目せず、信頼性や適合性とのトレードオフを踏まえた運用を心がけましょう。
スマートレターが活躍する想定シーン
スマートレターを実際のビジネスシーンで活用する例として、以下のようなケースが考えられます。
契約書類や申込書の郵送
取引先との契約書や各種申込書を送付・返送してもらう場合に、スマートレターを同封したり使用したりするケースです。
あらかじめ210円で送付できる封筒を用意できるため、返信用封筒としてスマートレターを同梱すれば先方の手間も省けます(※返信用に使う場合、旧料金封筒なら切手追加などの案内が必要)。
ただし原本の重要度によっては書留指定が望ましいこともあります。
請求書や納品書の発送
毎月の請求書類を郵送する際に、枚数が多かったり資料を同封する場合にスマートレターが便利です。
封筒に入る範囲であれば重さを気にせず送れるため、例えば商品カタログやチラシを同封したDM的な請求書送付でも定形郵便の重量オーバーを気にせず送付できます。
部数が多い企業ではまとめて発送することで効率よく顧客へ書類を届けられます。
小物商品の通販発送
ECサイトやフリマアプリで販売した小さな雑貨・アクセサリー類の発送に利用できます。送料を極力抑えたい低単価商品の配送において、210円で全国に送れるスマートレターは魅力です。
追跡がない点はデメリットですが、送料込みの価格設定をしやすく、購入者にとっても自宅ポストに届く手軽さがあります。
例えばハンドメイドのアクセサリー、薄手の衣類(靴下・ハンカチ等)、DVDソフト1枚程度ならスマートレターで送れば送料無料サービスもしやすくなるでしょう。
ノベルティ・粗品の送付
顧客や取引先への挨拶状に、小さなノベルティグッズを添えて送りたい場合にも使えます。
例えばクリアファイルやボールペン、カレンダーなど薄型の粗品と挨拶状をセットにしてスマートレターで送れば、郵送コストを抑えつつ気軽なプロモーションが可能です。
従来、厚みのあるノベルティは送料が高くつきがちでしたが、スマートレターなら費用対効果が見合いやすくなります。
社内発送・拠点間郵送
同じ会社内で支店から本社へ書類を送る場合などにも、社内メール便の代わりにスマートレターを使う方法があります。特に支店数が多い企業で頻繁に書類郵送があるなら、一律料金で全国送れるスマートレターは経理計算もシンプルです。
信書OKなので人事書類や契約関連書類のやり取りにも安心して使えます。社内便ではカバーできない遠隔地への書類輸送手段として検討できます。
以上のように、書類や小物を安く送りたいシーンでスマートレターは大いに役立ちます。想定シーンに応じて適切に活用し、無駄なコストを省きつつ円滑なコミュニケーションに役立てましょう。
郵送業務の効率化につながるポイントと対策
スマートレターの活用をきっかけに、企業の発送業務全般を見直すことで業務改善につなげることも可能です。最後に、郵送コスト削減や効率化のためのポイントや対策を紹介します。
発送方法の最適化
送りたいものの内容や重要度に応じて最適な発送手段を選ぶようにしましょう。先述の比較のとおり、一律料金だからといって何でもスマートレターで送るのは得策ではありません。逆に高いサービスを無駄に使うのもコスト増です。
「書類数枚なら定形郵便(110円)で十分」「重いカタログはゆうメールの方が安い」「重要書類は多少高くても書留で送る」など、ケースごとにコストとリスクのバランスを考えた使い分けを社内ルール化すると良いでしょう。
スマートレターはあくまで選択肢の一つであり、定形郵便・レターパック・ゆうパケット等の他サービスとのハイブリッド運用が効果的です。
大量発送時の割引活用
顧客向けDMや会報誌など、同じものを多数郵送する場合には、郵便局の料金割引制度を検討できます。
一定の条件(一定通数以上を一括差し出し、区分作業を自社で実施など)を満たすとゆうメールや定形外郵便に割引料金が適用されるケースがあります。
スマートレターは単独では割引がありませんが、発送ロットによってはまとめて別のサービスで送った方が安い可能性もあります。
また、発送代行業者に委託して大口割引を適用してもらう手もあります。自社の郵送物の量と内容を把握し、最も経済的な方法を選択しましょう。
郵送物の電子化推進
根本的なコスト削減策として、郵送そのものの削減も見逃せません。請求書・見積書・契約書など紙で送るのが当たり前だった文書も、近年はPDFによるメール送付やオンライン上の共有で代替できるケースが増えています。
インボイス制度対応も兼ねて、クラウド請求書発行システムや電子契約サービスを導入すれば、郵送が不要になる場面を大幅に増やせます。
郵送を減らせば郵便料金だけでなく紙代・印刷代・封入作業の手間も削減でき、トータルの業務効率化につながります。
デジタル化への投資コストと郵送コストを比較し、削減効果が大きいようであれば早めに検討を進める価値があります。
社内オペレーションの効率化
スマートレターを含め郵送作業を社内で行う場合、その手順を工夫して効率アップを図りましょう。
例えば、宛名書きを手作業でなくシステムからラベル印刷する、発送物の内容に応じて封入物をテンプレート化する、発送物ごとに台帳管理してステータスを見える化する等です。
特に宛名情報は顧客データベースから自動取り込み・印字すれば、人為ミスも減り作業時間も短縮できます。
大量発送では封入機や宛名印字機の導入も視野に入るでしょう。スマートレター自体の利便性とあわせ、周辺業務も整えることで、郵送業務全体の生産性向上が期待できます。
以上のポイントを実践することで、スマートレターの活用効果を最大限に引き出しつつ、ビジネスの発送フロー全体を効率化・最適化することができます。
単に「安いから使う」というだけでなく、戦略的に郵送業務をデザインすることが、現代のコスト高時代に求められる経営視点と言えるでしょう。
まとめ
スマートレターは全国一律210円という最新料金で利用できる、お得で手軽な郵便サービスです。A5サイズ・厚さ2cm・重量1kgまでの範囲で、信書も含め様々な書類や小物を送ることができます。
切手不要でポスト投函できる手軽さから、ビジネスシーンでも契約書の送付や商品サンプルの発送など幅広い用途に対応します。一方で追跡サービスが無いことや補償がないこと、サイズ制限などの制約もあり、重要なものや大きなものには向きません。
定形郵便やレターパックなど他のサービスとの違いを理解し、送る内容に応じて使い分けることが重要です。
企業や事業者がスマートレターを賢く使えば、送料コストの削減や発送業務の効率化に役立ちます。
特に従来レターパックや宅配便で送っていた小型物をスマートレターに切り替えることで、1件あたりの送料を半額以下に抑えることも可能です。
ただし、コストメリットだけでなく、紛失リスクや配達スピードも考慮して、リスクの低い発送に限定して活用するのがおすすめです。
また、この機会に郵送物自体の見直し(電子化や発送方法の最適化)を行えば、さらなる業務改善が期待できます。
以上、スマートレターの最新料金や基本情報から、他サービス比較、ビジネス活用のポイントまで徹底解説しました。発送コストにお悩みの方は、本記事の内容を参考にしつつ、自社に合った郵送方法を検討してみてください。
手軽で経済的なスマートレターを上手に取り入れて、日々の発送業務をよりスマートにしていきましょう。
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