
ビジネスシーンで重要書類を郵送する際に、簡易書留と速達は欠かせないサービスです。
「簡易書留 速達 料金」と検索する方に向けて、本記事では両者の違いから最新の料金体系、送り方の手順、活用方法まで詳しく解説します。
契約書や請求書など大事な書類を安全かつ迅速に送りたい企業担当者の方はぜひ参考にしてください。
目次
簡易書留と速達の違いとは
簡易書留とは、郵便物を確実に届けるためのオプションサービスです。郵便物の引受から配達まで記録が残り、配達時には受取人のサイン(受領印)をもらうため、送り主は「確かに届いた」証拠を得ることができます。
また万一郵送中に紛失・破損した場合は、実際の被害額について最大5万円までの補償が受けられる点も特徴です。重要書類や貴重品ではないけれど大切な内容の郵便物に利用されることが多く、追跡番号による配達状況の確認も可能です。
一方、速達とは郵便物を通常よりも優先的に早く配達するサービスです。速達にすると郵便局内で最優先で処理され、配達エリアにもよりますが多くの場合は差出日の翌日までに届けることができます。
特に土日祝日でも配達されるため、週末や連休を挟んでも到着が遅れにくいのが利点です。
ただし速達自体には補償や受領証明は付帯していません。郵便物は通常の郵便同様にポスト投函や郵便受けへの配達となり、紛失時の補償はありません。
簡易書留と速達の大きな違いは、「安全性・証明性」と「スピード」という目的の違いにあります。簡易書留は配達の確実性と補償を重視するサービスであり、速達は配達スピードを重視するサービスです。
例えば契約書の原本など確実に届けたい郵便物には簡易書留が適していますし、とにかく急ぎで届けたい郵便物には速達が効果的です。
また両者は併用することも可能で、「簡易書留+速達」という形で出せば、紛失補償と配達の速さの両方を確保できます。
ビジネスでは重要度や緊急度に応じて使い分けることが大切です。
郵便物の基本料金とオプション料金(2025年最新)
郵便料金は、まず郵便物自体の重さやサイズによって決まる基本料金(切手代)があり、簡易書留や速達などのオプションサービス料金はそれに加算する形になります。
2024年10月に郵便料金の大幅な改定が行われ、2025年現在は新しい料金体系となっています。
まず基本の郵便料金について押さえておきましょう。
定型郵便物(長辺 23.5cm以内、厚さ1cm以内などの標準的な封筒)の場合、重量によって一律料金が決まり、現在は50gまでの郵便物が一律110円になりました(25g以下と50g以下の区別がなくなりました)。
例えば一般的な長形3号封筒に数枚の書類を入れた場合、多くは50g以内に収まるため110円で送れます。これを超えて重量が重くなったりサイズが大きく定型から外れる場合は定形外郵便となり、料金が少しずつ高くなります。
定形外にはさらに「規格内」と「規格外」があり、規格内はA4用紙が入るサイズ(長辺34cm以内×短辺25cm以内×厚さ3cm以内)で重量1kgまでの郵便物です。
規格内の定形外郵便基本料金は、50gまで140円、100gまで180円、150gまで270円、250gまで320円、500gまで510円、1kgまで750円と段階的に上がります。
封筒が厚かったり重量が1kgを超える場合は規格外となり、さらに高い料金(例えば2kgまでで要750円超など)が設定されています※。
ただし郵便物として送れる上限は4kgまでで、これを超える荷物はゆうパックなど宅配扱いになります。ほとんどの書類は1kg未満ですが、冊子やカタログをまとめて送る場合などは重さ制限にも注意しましょう。
次にオプション料金です。速達料金は重さ区分に応じた定額制で、通常の郵便料金に追加で支払います。2025年現在の速達料金は、250gまでの郵便物が+300円、1kgまで+400円、4kgまで+690円となっています。
たとえば先ほどの50g以内の封書(基本料金110円)を速達にするなら、110円+300円で合計410円の郵便料金が必要です。
また書類が少し多く重量100g程度(定形外規格内100g以内の基本料金180円)の場合、速達にすると180円+300円で合計480円となります。
速達は重量が重くなるにつれて追加料金が少し上がりますが、1kgを超える郵便物でも690円の追加で済みますので、複数部の資料など重めの送付物を急ぎで送りたい時にも活用できます。
簡易書留の料金は郵便物の重量に関係なく一律で+350円です。基本料金に350円を加えることで簡易書留として発送できます。
たとえば先ほどの定型郵便物(50g以内110円)に簡易書留を付けると、110円+350円で合計460円になります。
100g程度の書類(基本料金180円)なら180円+350円で合計530円です。
簡易書留は重量による変動がなく定額なので、軽い郵便物ほど「オプション料金の比重」が高く感じられるかもしれませんが、それだけの価値があるサービスと言えます。
なお簡易書留には補償が付く分、普通郵便より料金が高めですが、安心を買う費用だと捉えると良いでしょう。
2025年時点の最新料金としてまとめると、速達は+300円(軽量の場合)から、簡易書留は+350円が基本です。これらは2024年10月の改定後の料金であり、それ以前に比べ若干値上げされています。
従来84円だった定型郵便の基本料金が110円に引き上げられるなど大きな変更がありましたので、古い情報をもとに切手を貼ると料金不足になる恐れがあります。必ず現在の料金に基づいて郵送手配をしましょう。
日本郵便の公式サイトでも最新の郵便料金計算ができるので、不安な場合は差出前に確認することをおすすめします。
簡易書留と速達を組み合わせる場合の料金と注意点
前述の通り、簡易書留と速達は同時に利用することも可能です。重要な書類を「できるだけ早く、かつ確実に」届けたい場合には、この簡易書留+速達の併用が有効です。
料金はそれぞれの追加料金を合算する形になるため、たとえば定型郵便物(50g以内)を速達かつ簡易書留で送る場合は基本料金110円+速達300円+簡易書留350円=合計760円となります。
100g程度のA4封筒なら基本料金180円+速達300円+簡易書留350円=合計830円です。通常郵便と比べると料金は高くなりますが、ビジネス上のリスク管理費用と考えれば必要経費と言えるでしょう。
併用時の手続き自体はシンプルで、郵便局窓口で「この郵便を速達の簡易書留でお願いします」と依頼すればOKです。窓口では専用の書留ラベルと速達の表示(赤いスタンプ等)を封筒に貼付してくれます。
自分で準備する場合でも、封筒の宛名書きは普通郵便と同じですが、表面に赤字で「速達」と明記し、簡易書留のラベルは郵便局備え付けのものを使用する必要があります(結局窓口での手続きが必要になります)。
ポスト投函では簡易書留は利用できないため、併用する場合は必ず郵便局窓口へ持ち込みましょう。
簡易書留+速達郵便は、郵送過程で速達郵便として最優先で輸送され、かつ配達時には書留郵便として手渡し配達されます。
配達先には配達員が訪問し、受取人(または同居の家族や会社の同僚など代理受領者)からサインをもらって配達完了となります。
そのため郵便受けには投函されません。受取人が不在だった場合は不在票が投函され、再配達の依頼や郵便局窓口での受け取りが必要になります。この点は速達単独の郵便(受箱投函される)との違いなので注意が必要です。
ビジネス文書では確実に本人または担当者に届けたい場合が多いでしょうから、不在になりにくい勤務先住所宛に送る、あるいは相手に事前に発送連絡をしておくなどの配慮をすると良いでしょう。
また、簡易書留であっても補償額は上限5万円までと決まっています。
速達と組み合わせても補償金額が上がるわけではありませんので、もし送付物の価値が5万円を超えるような場合(例:高額なチケット原本や貴重な資料など)は、簡易書留ではなく一般書留やセキュリティゆうパック等の利用を検討すべきです。
併用サービスはあくまで「早く届けたい+確実に届けたい」というニーズに応えるものであり、非常に高額な補償を必要とする場合には別途対応が必要である点も覚えておきましょう。
送付可能なサイズ・重量の制限
郵便物として送れるサイズや重さには一定の制限がありますが、簡易書留・速達いずれのオプションも基本的には通常の手紙郵便の範囲内であれば利用可能です。
定型・定形外の郵便物で重さ4kgまでのものは「第一種郵便物(手紙)」として扱われ、これが簡易書留や速達の対象になります。
具体的なサイズ制限を整理すると、まず定型郵便物は封書で長辺23.5cm×短辺12cm以内、厚さ1cm以内、重さ50gまでのものを指します。これを超えるものは定形外郵便物となります。
定形外郵便物には先述のように「規格内」と「規格外」があり、規格内は長辺34cm以内×短辺25cm以内×厚さ3cm以内で重量1kg以内のものです。A4サイズの書類が入る封筒や小冊子などは大抵この規格内に収まります。
一方、規格外はそれより大きいもの(最長辺が60cm以内、長さ+幅+厚さの合計が90cm以内)で重量は最大4kgまで送ることができます。
例えば厚みのある契約書ファイルやカタログをまとめて送りたい場合、3cmを超える厚さなら規格外扱いになりますが、4kgまでなら郵便として発送可能です。
簡易書留も速達も、この「4kg以内の手紙郵便」なら基本的に付加できるサービスです。サイズが定形外の規格外だとしても、郵便として出せる範囲であれば簡易書留を付けることも速達にすることもできます。
ただし重量が重くなると基本料金や速達料金も高くなりますし、あまり大きな荷物になると物理的にポスト投函できない(窓口差し出しになる)ので注意しましょう。
4kgを超える荷物や、三辺合計90cmを超えるような大型の送付物は、郵便(手紙)扱いでは送れません。その場合はゆうパックなど宅配便サービスの利用が必要になります。
ゆうパックにもオプションで「セキュリティサービス(+420円で50万円まで補償)」を付けたり、「速達」に相当するような迅速配達指定をしたりすることはできます。
とはいえ通常、ビジネス書類の郵送では4kgを超えることは稀でしょう。大量の資料を発送する際は、小分けにして複数の郵便物にするか、宅配便でまとめて送るかといった判断も必要になります。
要点として、ビジネス文書や小荷物程度であれば簡易書留・速達の範囲内で送れるものがほとんどです。ただしサイズ・重量オーバーにはくれぐれも気をつけて、事前に封筒の大きさや重さを確認しておきましょう。
心配な場合は郵便局で計測してもらい、その場で適切な発送方法を案内してもらうこともできます。
発送の手順と郵便局窓口での手続き方法
簡易書留や速達を利用して郵便を送る際の手順は、基本的には郵便局の窓口で依頼する形になります。特に簡易書留はポスト投函ができないため、必ず窓口で差し出すと覚えておきましょう。以下に一般的な発送手順を説明します。
まず送付する封筒や荷物の宛名と差出人を書きます。これは通常の郵便と同じ要領です。
会社の送付担当者であれば社名・部署名・担当者名などを正確に記載し、宛先についても法人名や担当者名、郵便番号、住所を間違いなく書きましょう。
速達で送る場合は、封筒の表面に赤色で線を引いたり「速達」と明記するのが通例です(縦書きの場合は宛名の右側に縦書きで赤字「速達」、横書き封筒なら宛名左側に横書きで赤字「速達」)。
郵便局窓口に持って行けば担当者が速達の判を押してくれることもありますが、事前に書いておくと確実です。
郵便局に封筒を持参したら、窓口で「簡易書留(+速達)で送りたい」旨を伝えます。
局員から「書留郵便物等受領証」(差出票)と呼ばれる用紙を渡されるので、宛先・差出人の住所氏名や郵便物の内容品・金額など必要事項を記入します。
簡易書留の場合、内容品の金銭的価値を書く欄がありますが、一般的な書類であれば実損額が5万円以内になるように記入します(普通は「書類」程度の記載で問題ありません)。
差出票の記入が終わったら、封筒と一緒に窓口係員に渡します。
窓口では郵便物の重さを量って料金を計算してくれます。事前に自分で切手を貼っている場合でも、不足がないか確認してもらいましょう(料金が不足していると差し出しできません)。
必要な料金を支払うと、局員が封筒に書留専用のラベル(バーコード付き)と速達の表示を貼り付けます。これで郵便物は書留・速達扱いとして正式に引き受けられ、あなたには控え(受領証)が手渡されます。
受領証には13桁ほどの追跡番号と差出日時、宛先等が記載されています。この受領証こそが発送した証明であり、追跡や万一の補償申請にも必要になる大事な書類ですので、配達完了まで大切に保管してください。
もし速達のみで送る場合は、実はポスト投函でも手続き可能です。窓口に行けない場合、封筒に十分な切手(基本料金+速達料金分)を貼り、赤字で「速達」と記入しておけば、郵便ポストへ投函して送ることもできます。
ただしポストに出す際はいくつか注意点があります。まずポストの回収時刻です。例えば夕方以降にポストへ入れた場合、その日の集荷が終わっていると翌朝の集荷まで動きません。
速達とはいえ回収されなければ郵便局に差し出したことにならないため、できるだけ早い時間に投函することが望ましいです。
また重さによる料金計算も自分で正確にしなければなりません。切手代が1円でも不足すると、差出人へ戻されるか宛先に不足分を請求される形になり、ビジネス上非常に失礼です。
料金不足のリスクやポスト回収時間の問題があるため、確実を期すならば速達の場合でも郵便局窓口から差し出す方が安心でしょう。
郵便局であればその場で料金確認もできますし、速達の表示も確実に行ってもらえます。なおコンビニエンスストアでは、普通郵便切手を販売している店舗や店内に郵便ポストを設置している店舗があります。
それらのポストに速達郵便を投函すること自体は可能ですが、コンビニ店員が郵便受付業務を行うわけではないので、基本的には郵便ポストへ投函するのと同じ扱いになります。
したがって、コンビニから速達を送る場合も自分で切手貼付・速達表示を正しく行う必要があります。簡易書留についてはコンビニでは取り扱えませんので、必ず郵便局窓口に行ってください。
また夜間や休日に差し出したい場合は、主要な郵便局に併設されているゆうゆう窓口(時間外窓口)を利用するとよいでしょう。ゆうゆう窓口では24時間対応や遅い時間まで営業していることが多く、速達や書留の引受にも対応しています。
急ぎの書類を深夜に発送しなければならないケースでは覚えておくと便利です。
土日祝日の扱いと配達日数の目安
ビジネス郵送では「いつ届くか」は大きな関心事です。速達の大きなメリットの一つは、土日祝日も配達される点にあります。日本郵便では2021年以降、通常郵便(普通郵便物やゆうメール等)の土曜日配達を取りやめています。
また日曜日・祝日は従来通り休配です。そのため普通郵便で出した場合、金曜日に投函すると相手に届くのは週明け月曜日以降になってしまいます。
対して速達郵便は土曜・日曜・祝日でも配送されるため、週末を挟んでも配達が止まらず、結果として平日と同じスピードで郵便が届くことになります。
例えば金曜に速達で差し出せば土曜に配達されますし、土曜に差し出した速達も日曜に配達作業が行われます。
締切が迫った書類などを週末越しで送らねばならない場合、速達を利用すれば安心です。
では具体的な配達日数はどの程度かというと、郵便局の公表している目安では速達郵便は概ね「翌日配達」となっています。差出元と宛先が同じ都道府県内であれば、たとえ午後に出しても翌日の午前中には配達されるケースが多いです。
遠方(地方から東京へ、東京から北海道へ等)の場合でも、速達ならばほとんどが翌日中の配達に対応しています。ただし一部の離島や山間地域など交通事情によってはもう1日かかることもあります。
また差し出す時間にも注意が必要で、郵便局の窓口であればその日の最終便締切時間(地域によりますが夕方頃)までに出せば翌日配達に間に合いますが、夜間に差し出した場合は実質翌日の扱いとなります。
ポスト投函の場合も同様で、回収時刻を過ぎていたら翌朝の引受です。確実に翌日着させたい場合は、可能な限り午前中〜昼過ぎまでに差し出すことが推奨されます。
一方、通常郵便(速達なし)の場合は配達日数がもう少しかかります。
同一県内なら差出日の翌々日(2日後)くらい、遠方なら3〜4日程度見ておくのが安全です。特に前述のように土日祝日に配達されない分、週末を挟むとさらに遅れが生じます。
例えば金曜に普通郵便で出した関東→関西の手紙は、途中土日が配達休止となるため届くのは月曜以降、下手をすれば火曜になることもあります。簡易書留は速達ではありませんから、付けない場合はこの通常郵便と同じ日数がかかります。
書留にしたから早く届くわけではなく、安全に届くというだけです。緊急性があるなら簡易書留でも速達オプションを併用しなければ配達スピードは改善しない点に注意しましょう。
速達と簡易書留を組み合わせた場合、輸送過程では当然速達扱いで優先されますので、配達速度は速達単独の場合と同じです。
違いがあるとすれば、配達時に受取人への手渡しに時間がかかるくらいですが、それでも通常の配達ルートで運ばれるため速度に大差はありません。
したがって「速達+簡易書留」で出した郵便物も、多くは差し出しの翌日に届くと考えてよいでしょう。相手が会社の場合は平日日中しか受け取れないため、例えば土日に届いても不在持ち戻りになる可能性があります。
その場合は配達記録上は翌日持ち戻り→次の営業日に再配達となるため、実質的な到着日は受取人側の都合にも左右されます。このように、ビジネス相手に送る場合は相手の受取可能な日時も考慮して差し出すことが大事です。
「土日でも受け取れる担当者がいるか」「休日配達になって困らないか」など状況に応じて、速達にするかどうか判断すると良いでしょう。
法人での活用例:契約書や請求書など送付シーン
ビジネスシーンにおいて簡易書留や速達が活躍する場面は多岐にわたります。以下に代表的な活用例を挙げ、その理由やメリットを解説します。
まず、契約書の送付です。企業間で締結した契約書の正本や重要な合意書類を郵送する際、単に普通郵便で送るのはリスクが高いでしょう。
契約書原本が万一紛失でもしたら大問題ですし、いつ届いたか届いていないかで後々トラブルになる可能性もあります。
そこで多くの企業では契約書を郵送する際に簡易書留を利用します。簡易書留であれば追跡可能ですし、受取人のサインと共に配達記録が残るため、「どの日時に誰に届けられたか」が証明できます。
また契約書は金銭的価値換算が難しいものの、簡易書留の補償範囲内であれば紛失時の保険にもなります。
特に契約締結の期日が迫っている場合には、簡易書留に速達を付けて送付し、相手に翌日には確実に届けるようにするケースもあります。
締結期限ギリギリの書類はバイク便や宅配便を使う場合もありますが、相手先が郵便しか受け取れない状況(私書箱宛など)では速達書留が最適です。
次に請求書の郵送も挙げられます。
多くの企業では月末や月初に取引先へ請求書を郵送しますが、これも期日までに届かないと入金サイクルに影響するため注意が必要です。通常は余裕を持って発送するため普通郵便で問題ない場合もあります。
しかし、月末締めで翌月○日必着などタイトなスケジュールの場合や、取引先が遠方で時間がかかりそうな場合には速達にすることで到着を早めることができます。
また請求書原本が紛失すると再発行や確認に手間取るうえ、支払い遅延の原因にもなりかねません。
そのため重要な請求書は簡易書留で送付して、安全に届けるようにしている企業もあります。特に高額取引の請求書や、法的証拠として残す必要がある支払通知書などは、追跡・配達証明を残す意味でも書留が安心です。
相手に確実に届いた証拠が残れば「郵送事故で届いていない」という言い訳も防げ、ビジネス上の信頼性向上にもつながります。
その他の重要書類としては、例えば見積書・発注書など取引上重要な書面、社内稟議書類の郵送、株主総会関連の書簡、人事労務関連書類(雇用契約書や解雇通知など)も該当します。
特に解雇通知や契約解除通知のような内容証明郵便を伴うケースでは必ず書留になりますし、期日内到達が求められるため速達にすることも多いです。
また機密性の高い情報を送る場合(例えば個人情報が含まれる資料や設計図面、あるいはUSBメモリなど電子データを物理媒体で送付する場合)にも、追跡と手渡しが可能な簡易書留は安心です。
社内規定で「重要書類は書留郵便を使うこと」と定めている企業もあるほどで、ビジネスでは信書の扱いに細心の注意が求められます。
まとめると、ビジネスでは「重要度」と「緊急度」に応じて簡易書留と速達を使い分けるのが基本です。重要度が高ければ書留(場合によっては一般書留や内容証明も)、緊急度が高ければ速達を付加する、といった判断になります。
両方高ければ速達簡易書留にし、逆にどちらもそれほどでなければ普通郵便でも構わないでしょう。社外への信用やコンプライアンスの観点からも、大事な書類ほど確実な方法で送付することが望ましいと言えます。
郵送コストを抑える工夫と他サービスとの比較
ビジネスでは郵送コストもできるだけ抑えたいところですが、信頼性やスピードとのバランスを考える必要があります。ここではコストを抑える工夫や、場合によっては有効な他のサービスについて紹介します。
まず、複数通の郵便をまとめて出す場面では工夫が可能です。例えば10通、20通といった大量の書留や速達を一度に差し出す場合、毎回切手を貼るのは手間ですしミスも起こりがちです。
こうした場合は、郵便局と契約して料金後納郵便や料金別納郵便の制度を利用する方法があります。
一定数以上の郵便物(後納は月50通以上、別納は1回に10通以上など)の差し出しであれば、封筒に所定の表示をすることで切手貼付を省略でき、一括精算が可能になります。
これ自体は直接の割引ではありませんが、時間短縮や貼り忘れ防止といった効果で間接的にコスト削減につながります。
また大量発送時には郵便局と相談すると企業向けの割引サービスが適用されるケースもあります(広告郵便の割引など特殊なケースですが)。定期的に多数の文書を郵送する企業は、こうした制度を活用して効率化を図ると良いでしょう。
次に、郵便のオプション選択による費用調整です。簡易書留や速達は非常に便利ですが、すべての郵便物に付けているとコスト増になります。本当に必要なものだけに限定するのが鉄則です。
「とりあえず不安だから全部書留で…」ではなく、内容に応じて特定記録など代替サービスも検討しましょう。特定記録郵便は郵便物を追跡できるサービスで、配達の受領印はもらいませんが郵便ポスト投函まで記録されます。
追加料金は210円(2025年現在)と簡易書留より安価です。万一の補償はありませんが、「届いたかどうか確認したい」「配達状況だけ追えればよい」という場合には適しています。
例えば重要書類の下書きやコピーなど、最悪紛失しても致命的ではないが相手に届いたか証拠が欲しい場合など、特定記録はコストと安心のバランスが取れます。
ただし郵便受けに配達されるため、確実な受取証明が必要なケースではやはり書留が無難です。
他にもレターパックという選択肢があります。日本郵便が提供するレターパックは専用封筒に入れて全国一律料金で送れるサービスで、追跡機能が標準で付いています。
2025年現在、レターパックプラスは送料600円、レターパックライトは430円です。レターパックプラスは対面手渡しで配達され、レターパックライトは郵便受け配達になります。
両者とも補償はありませんが、郵便と同様に速達扱い相当のスピードで土日祝も配達されるうえ、封筒代込みの固定料金なので重量がある程度重くなっても料金が一定というメリットがあります。
例えば、A4書類を厚めにまとめて送りたい場合、簡易書留速達だと重量次第で800円以上になるところ、レターパックプラスなら600円で送れてしまいます。追跡もできるため配達状況も把握可能です。
補償が不要なもの(コピー書類やデータ媒体の送付など)でとにかく早く届けたい場合には、レターパックは安くて便利な代替手段になり得ます。
また、発送する書類の重要度を見極め、送付先や件数を減らす工夫もコスト削減につながります。
例えば、同じ資料を複数の部署に送る場合、代表者宛にまとめて送り社内回覧してもらう、送付状に「〇〇部各位」などとして一通で済ませる、といったやり方で郵送通数自体を減らせます。
一通減れば書留料金や速達料金もその分浮きますので、塵も積もれば大きな節約です。
さらに根本的なコストカット策として、郵送をデジタル化するという方向性もあります。
近年では請求書や契約書を電子データで送受信する企業も増えており、電子契約サービスやオンライン請求システムを導入すれば、郵便料金そのものが不要になります。
もちろん相手方の同意や法的要件を満たす必要がありますが、多くのビジネス書類は電子化可能です。
特に2020年代以降は法改正で請求書の電子保存や電子契約も推進されていますので、郵送コスト削減と業務効率化の一石二鳥を狙えるでしょう。
ただし、紙原本でのやり取りが依然必要なケース(契約書原本の授受など)はありますので、その場合は上述のように郵便サービスを上手に組み合わせてコストとリスクのバランスを取ることが大切です。
トラブル対策:紛失時の補償と追跡方法など
郵送におけるリスクとして真っ先に思い浮かぶのは紛失事故です。重要書類が届かない、どこに行ったかわからないという事態は絶対避けたいものですが、万一に備えての知識も押さえておきましょう。
簡易書留を利用していれば紛失時に補償があることはすでに述べました。具体的には、郵便物が配達中に行方不明になった場合や、破損して中身が失われた場合などに、差出人は郵便局に調査と賠償を請求できます。
賠償額は中身の実損額に対し上限5万円までとなります。請求には差出時にもらった書留郵便物受領証(控え)が必要です。
この控えに書留番号が記載されており、まずはそれを使って郵便局に調査依頼(追跡調査)を行います。調査の結果、本当に紛失・毀損が確認されれば、内容品の価値に応じた金額(上限5万円)で賠償が行われます。
ビジネスでは5万円以上の価値があるものを簡易書留で送ることは少ないと思いますが、もしそれ以上の補償が必要な物品を送る場合は一般書留(上限10万円、超過部分追加料金で最大500万円まで補償)を利用しましょう。
なお、簡易書留でも現金は送れません。現金を送りたい場合は必ず現金書留(専用封筒を使用し上限50万円まで補償)を使う必要があります。
速達のみで出した郵便や普通郵便には原則として紛失時の補償はありません。
郵便局に問い合わせて調査を依頼することはできますが、届かなかった場合でも送料程度の弁済しか期待できず、内容物の価値については基本的に自己責任となります。
そのため、紛失すると困る重要書類はやはり簡易書留など補償のある方法で送るべきです。
「急いで送りたいけれど補償はいらない」というケースでは速達+特定記録という手もありますが、それでも届かなかった際には困るようなものは、最初から速達+簡易書留にしておいた方が無難でしょう。
リスクに応じて適切なサービスを選ぶことが、トラブル未然防止の観点では重要です。
郵便物の追跡方法については、簡易書留も特定記録も含めて、日本郵便の追跡サービスを利用します。
インターネット上で日本郵便の追跡ページにアクセスし、控えに記載された追跡番号(13桁)を入力すれば、現在の取扱状況が表示されます。
差し出し受付日時、今中継局を出たところか配達中か、そして配達完了したかどうかが履歴で確認できます。
これによって「今どこにあるのか」「いつ相手に届いたのか」を把握できますので、相手から「まだ届かない」と連絡があった際にも迅速に状況を調べることができます。
仮に配達完了となっていれば受取人の不在票による持ち戻りや代理受取の可能性も考えられますし、配達完了していなければ輸送中の遅延や誤送の疑いも出てきます。
追跡結果がおかしいと感じたら、すぐに郵便局の窓口または電話で問い合わせましょう。
追跡番号があるからといって安心しきらず、必要に応じて積極的に状況確認・問い合わせを行うこともトラブル悪化防止につながります。
配達時のトラブルとしては、受取人不在による持ち戻りがよくあります。書留郵便(簡易書留含む)は受取人に手渡しするため、相手が留守だと配達されません。
不在票が投函されますが、ビジネス宛の場合社内で見落とされたり紛れてしまうことも考えられます。
こちらで追跡して「不在持ち戻り」になっているのに相手から連絡がない場合は、相手に再配達依頼をしてもらうよう早めに伝えるべきです。
また取引先によっては社内の文書受領ルールが厳しく、部署名や担当者名が正確でないと受け取ってもらえない場合もあります。
宛名は正式名称を省略せずに記載する、部門移動した担当者宛には現部署名も書くなど、正確な宛先書きが円滑な配達のポイントです。
郵便番号の記載ミスや住所の番地抜けなど初歩的なミスも意外と起こりがちですので、差し出す前にダブルチェックする習慣をつけましょう。
最後に、郵便物発送後に「あっ、書類の入れ忘れが!」というヒューマンエラーも稀にあります。
この場合、差し出し後すぐであれば郵便局に申し出て差し戻してもらえる可能性もありますが、基本的には一度差し出した郵便物を途中で取り戻すことはできません。
中身不足は補償対象にもなりませんので、差し出す前に内容物を確認する基本を徹底しましょう。発送チェックリストを作成するなど、社内での工夫も有効です。
2025年現在の制度変更ポイント
最後に、2025年時点で知っておきたい郵便制度の変更点をまとめます。近年、郵便サービスを取り巻く環境は大きく変化しており、それに伴い料金や配達体制にも改定が行われました。
まず注目すべきは配達日の変更です。2021年(令和3年)10月の法改正により、先述したように通常郵便物の土曜日配達が休止されました。
これにより一般的な手紙やハガキは週5日配達(平日のみ)となり、土曜配達を期待できなくなっています。
ただし速達や書留郵便、ゆうパックなどはこれまで通り土日祝日も配達されます。ビジネスで重要書類をやり取りする際は、この制度変更を念頭に置いてスケジュールを立てる必要があります。
たとえば「金曜に普通郵便で出せば土曜に着くだろう」という従来の感覚は通用しなくなりました。速達を使うか、日数に余裕を持つかの判断がより重要になっています。
次に郵便料金の改定です。長らく据え置かれてきた郵便料金ですが、2024年10月に大幅な値上げが実施されました。
定形郵便物の上限額が法令で引き上げられたことを受けて、25g以下84円だった基本料金が一気に110円へ改定され、50g以下は94円から同じく110円に統一されました。
はがきも63円から85円になるなど、約30~35%前後の値上げとなっています。
加えてオプションサービス料金も見直され、速達料金は旧260円(〜250g)→300円に引き上げ、簡易書留は従来320円だったものが現在は350円に変更されています(※簡易書留については過去数年で段階的に上がり2024年以降350円で据え置き)。
一般書留も435円程度だったものが480円になりました。特定記録は160円から210円に上がっています。
これらの改定により、ビジネス郵送にかかる費用は以前より増加しています。郵送コストを見積もる際は最新料金で計算することが大切です。
また、2024年の料金改定では定形郵便の重量区分統合も行われました。従来25g超〜50g以下は別料金(94円)でしたが、現在は50gまで一律110円となっています。
これは「封入する書類が少し増えて重くなると料金が変わるのが不便」という利用者の声に対応したサービス改善策でもあります。
結果として25g以下の軽い郵便物は値上がり幅が大きくなりましたが、25gを少し超える程度なら追加料金なしで送れるようになっています。
例えば資料をあと1枚同封したいが重さが気になる…という場合でも、50g以内なら一律110円なので心配無用です。
この変更はユーザーにとってメリット・デメリット両面がありますが、封入物が重量超過になるか気にする必要が減った点ではポジティブでしょう。
2025年現在、郵便制度に大きな追加変更の予定は発表されていませんが、日本郵便は業務の効率化やサービス見直しを継続しています。
将来的にはさらに郵便配達日数の見直し(例えば翌日配達区域の縮小など)や、新たな配送サービスの展開があるかもしれません。
ビジネスユーザーとしては、郵便局からのアナウンスに注目しつつ、必要に応じて最新情報を確認する習慣を持つと安心です。
以上、簡易書留と速達の違いから料金、活用方法まで包括的に解説しました。大切な書類を確実かつスピーディーに届けるために、本記事の情報を社内ルール作りや日々の郵送業務にお役立てください。
郵便サービスを上手に使いこなして、ビジネスの信頼性と効率性を高めていきましょう。
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