請求書の基礎知識

業務委託の請求書テンプレートや書き方は?記載項目や注意事項に沿って紹介

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個人事業主やフリーランスが業務委託の請求書を作成する際には、どのような点に注意すればいいのでしょうか。本記事では、業務委託の請求書に書くべき項目や注意事項、テンプレートなどについてまとめて解説します。

個人事業主・フリーランスの請求書とは?

個人事業主・フリーランスにとっての請求書とは、契約を結んだクライアントに対して、商品やサービスの対価を請求するために作成する書類です。請求書に決められたテンプレートはないため、エクセルやネット上のシステムなど、好みの方法で作成することが可能です。

個人事業主にとって請求書が大切な理由・作成するメリット

請求書を作成することで、提供した商品の内容や金額を双方が確認することができます。書面で発行することによって、クライアントとの間にトラブルが起こるリスクを軽減することができるでしょう。

請求書については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
請求書の正しい書き方・作り方は?記載事項と注意点を解説!

個人事業主が請求書を送るタイミング

請求書は、契約した仕事が終了した際に提出することが一般的です。また、継続的な仕事である場合や、月単位の契約である場合は、月末に提出します。

請求書とその他の資料の違い

見積書

見積書は契約前にクライアントに渡す書類であり、契約した場合どの程度の報酬が必要か、金額を提示するために作成します。見積書に拘束力はなく、双方の合意があれば、仕事の終了後に金額が変動することもあります。

契約書

契約書は、契約内容を証明するために発行する文書であり、仕事内容や報酬・納期などについての条件を記載することが一般的です。契約書は法的拘束力を持つため、契約違反となる行為を相手が行った場合には、損害賠償請求を行うことができます。

発注書

発注側であるクライアントが、個人事業主などに対して発注を申し込むために作成する書類が発注書です。「あなたにこのような内容で仕事を発注したい」という意思表示に使われる書類であり、法的な拘束力はありません。

納品書

納品書とは、個人事業主などが仕事を終了した際に、クライアントに発行する書類です。納品した商品やサービスの内容を相手に確認してもらうために提出します。同じく仕事が終了した時に発行することの多い請求書とまとめて「納品書兼請求書」として提出することもあります。

請求書のテンプレート

請求書のデザインは法的に定められているわけではないため、ビジネスの形態や好みにあわせて好きなテンプレートや雛形を使用することができます。

請求書のテンプレートについては、こちらのページからお選びいただけます。
請求書 無料エクセルテンプレート

インボイス制度(適格請求書)対応の請求書テンプレート

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ベーシックな請求書テンプレート

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個人事業主向け!請求書の見本

(1)宛名

クライアントである相手の企業名・部署名・担当者名などを入力します。企業名であれば「御中」を、個人名であれば「様」をつけましょう。

(2)発行日

業務委託では、多くの場合あらかじめ「○日締め、○日支払い」と取り決めを行っています。請求書の発行においては、締め日と発行日をあわせることが一般的です。

(3)支払期限

いつまでに支払ってほしいのか、支払期限を入力します。こちらも事前に決めた支払日に沿って入力しますが、土日や祝日と重なっていた場合には、前倒しなどの対応を行うこともあります。

(4)差出人

個人事業主である自分の名前を入力します。記入する項目が厳格に定められているわけではありませんが、必要に応じて連絡先や住所なども入力することもあります。

(5)請求内容

提供した商品やサービスの品目、単価・数量、商品ごとの合計金額を入力します。

(6)消費税

商品が消費税の課税対象である場合には、消費税の金額を入力します。10%や8%など、税区分を明確にして記載しましょう。

(7)源泉徴収税額

原稿料や講演料など、該当する仕事に対する報酬については、所得税の源泉徴収を行うことが法律で定められています。金額を確認して、請求書に記載しましょう。

(8)請求金額

商品やサービスの報酬から、消費税・源泉徴収税を差し引きして計算した金額が、最終的な請求金額となります。

(9)振込先

振込先となる銀行口座の情報を記載します。振込手数料はどちらが負担するのか明記しておくと丁寧です。

(10)備考欄

その他、伝えるべき事項がある際には備考欄を使用します。

請求書を書くときに特に注意するべき項目

具体的な仕事内容

請求書の明細については「講演料」「コンサルティング料」など、簡単な記載でも構いません。しかし、請求内容をわかりやすく把握するためにも「○月○日 講演」「業務効率化についてのアドバイス」など、具体的な内容を記載しておくことをおすすめします。

このような内容を記載しておくことで、相手に誤解なく請求内容を伝えることが可能です。また、経理上の処理や確定申告を行うために書類を見返した時も、このような記載が役立つことがあります。

発行日

請求書に記載する発行日は、あらかじめ決められた締め日とあわせることが一般的です。単に書類を発行した日付を記載しないように注意しましょう。請求書に記載する日付が異なっていれば、クライアントの事務処理に影響が出てしまう場合もあります。

入金額

入金された際は、請求書と照らし合わせて、正しい金額であるかどうかチェックするようにしましょう。

請求した額よりも入金額が少ないと感じた際は、振込手数料が引かれていることがあります。請求した金額との差額を計算して、問題がないかどうか確認しましょう。利用している金融機関のホームページなどから手数料の金額を確認できます。

また、クライアントが法人である場合に、源泉徴収税が差し引かれていることがあります。業務委託の報酬が100万円以下であった場合は、報酬金額(報酬の種類によってはそこから一定の金額を控除した額)に10.21%をかけたものが源泉徴収税額です。なお、クライアントに計算してもらう手間を省くため、源泉徴収税額を自ら計算し請求書に記載しておく方が丁寧です。

源泉徴収が必要な仕事については、国税庁のホームページを参考にして確認しましょう。

参照:No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは|国税庁

業務委託にも関係するインボイス制度

インボイス制度は、2023年10月1日から新しい消費税の仕入税額控除の方式として開始された制度です。正式名称は「適格請求書等保存方式」といい、所定の記載要件を満たした請求書を保存をすることで、消費税の仕入税額控除を受けることができます。業務委託で働く個人事業主やフリーランスも、インボイス制度に対応する必要があります。

まず、「適格請求書発行事業者」の登録を行うかを、任意で決めなければなりません。適格請求書発行事業者になった場合は、基準期間や特定期間に課税売上高が1,000万円以下であっても課税事業者として消費税を納付しなくてはなりません。また、請求書を発行する場合は「登録番号」「適用税率」「消費税額」の記載が追加で必要になります。

なお、適格請求書発行事業者とそうではない事業者(免税事業者や適格請求書発行事業者の登録をしていない事業者)との取引の場合、適格請求書発行事業者が仕入税額控除を受けられないというデメリットが発生します。その影響により適格請求書発行事業者に登録しない場合は仕事が減るなどの影響があるなどと予想されています。

以上のような事情を考慮して、適格請求書発行事業者への登録をするかしないかを判断する必要があります。

インボイス制度についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
インボイス制度とは?個人事業主にも発生するのか?対処法を解説
【消費税免税者向け】インボイス制度って?制度導入後の影響や課税事業者・免税事業者それぞれが取るべき対応についても解説!

まとめ

業務委託を請け負う個人事業主やフリーランスが作成する請求書について解説してきました。請求書を正しく発行することでクライアントは滞りなく事務作業を行うことができ、スムーズに入金してもらえることでしょう。

また、発行した領収書は、取引内容の確認や確定申告前のまとめ作業などに使うことができます。請求書を適切に発行し、業務の効率化を目指しましょう。

業務委託の請求書発行から入出金管理までカンタンに行うならINVOY

業務委託に関わる個人事業主にとって、請求書はなくてはならない書類です。しかし、多くのクライアントと取引しているなどの理由で、請求書の発行や管理が煩雑になってしまうというケースも多いでしょう。

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経理・財務企画室 室長 丸本哲也
監修:丸本哲也
経理・財務企画室 室長
ナイル株式会社のコーポレート本部にて、経理/財務/経営企画/営業管理等を中心に従事。単体決算、連結決算、各種開示資料や監査法人/証券会社対応など幅広く担当。2023年9月よりOLTAにジョイン。

この記事の投稿者:

hasegawa

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