
法法人カード(ビジネスカード)の導入を検討する際、多くの方が「審査に通るか不安」という悩みを抱えます。法人カードの審査は、個人のクレジットカードとは異なり、申込者個人の信用情報と、法人の経営状況の両面から判断されます。
審査基準はカード会社によって異なりますが、押さえるべき基本的なポイントや、審査落ちにつながる一般的な原因は共通しています。
この記事では、法人カードの審査で重要視されるポイント、審査に落ちる主な原因、そして審査通過のために今からできる対策について、分かりやすく解説します。
目次
法人カード審査の基本的な流れと期間
まずは、法人カードを申し込んでから発行されるまでの一般的な流れと、審査にかかる期間を把握しておきましょう。
審査プロセスの概要
- Webまたは書類での申し込み: 必要な情報を入力・記入し、必要書類を提出します。
- 審査(スコアリング・本人確認): カード会社が申込情報と信用情報機関(CIC、JICCなど)の情報を照会し、審査基準に基づき判断します。在籍確認や本人確認の電話がかかってくる場合もあります。
- 審査結果の通知: メールまたは書面で結果が通知されます。
- カード発行・郵送: 審査通過後、カードが郵送されます。
審査にかかる期間
審査期間はカード会社やカードの種類によって大きく異なります。
最短即日~3営業日程度で審査結果が出るものもあれば、1週間~3週間程度かかる場合もあります。一般的に、提出書類が少なく、オンラインで完結するタイプのカードは審査が早い傾向にあります。急いでいる場合は、カードの公式サイトで「最短〇営業日発行」といった記載を確認しましょう。
法人カード審査で重要視される3つのポイント
法人カードの審査では、主に「経営者個人」と「会社」の両方が見られます。特に重要なのは以下の3点です。
1. 経営者個人の信用情報(クレヒス)
法人の代表者(または申込者)個人の信用情報は、審査において非常に重要です。信用情報とは、個人のクレジットカードやローンの利用履歴(クレジットヒストリー、通称クレヒス)のことです。
- 個人の借入状況: 他社からの借入額が多すぎないか、特にキャッシング利用が多くないかが見られます。
- 過去の延滞履歴: スマートフォン端末代金の分割払いや、個人カードの支払いを過去に延滞した履歴があると、審査に不利になります。
- 債務整理の履歴: 過去に自己破産や任意整理などの債務整理を行っている場合、一定期間は審査通過が極めて困難になります。
良好なクレジットヒストリーは、経営者の返済能力と信用度を示す重要な証拠となります。
2. 会社の経営実績(設立年数)
会社の経営実績も審査対象です。カード会社は「安定した事業運営がなされているか」を確認します。
一般的に、設立から2年以上経過していることが一つの目安とされることが多いです。設立直後(1年未満)や赤字決算の場合、審査の難易度が上がる傾向にあります。ただし、最近ではスタートアップ企業や設立直後の法人でも申し込み可能な法人カードも増えています。経営実績が浅い場合は、事業計画書や将来性をアピールできる書類の提出を求められることもあります。
3. 会社の財務状況(決算内容)
会社の財務状況、すなわち「お金の流れ」も審査されます。特に以下の点が見られます。
- 収益性(黒字か赤字か): 連続した赤字決算や債務超過は、返済能力が低いと判断される可能性があります。
- キャッシュフロー: 安定したキャッシュフロー(現金の流れ)があるかどうかが重要です。
- 資本金の額: 資本金の額が極端に少ない場合、事業の安定性が低いと見なされることがあります。
ただし、中小企業や個人事業主向けの法人カードでは、決算書の提出が不要な場合も多く、その場合は経営者個人の信用情報がより重視されます。
法人カード審査に必要な書類
審査をスムーズに進めるためには、必要書類を事前に準備しておくことが大切です。必要な書類は、申込者が「法人代表者」か「個人事業主」かによって異なります。
| 対象者 | 必要な書類の例 |
| 法人代表者 | 1. 代表者の本人確認書類 ・運転免許証 ・マイナンバーカード ・パスポート など 2. 法人の実在を確認する書類 ・(法人の)登記事項証明書(登記簿謄本) ・印鑑証明書 |
| 個人事業主 | 1. 事業主の本人確認書類 ・運転免許証 ・マイナンバーカード など 2. (場合により)事業実態を確認する書類 ・確定申告書の写し ・開業届の写し |
※カード会社や申し込むカードのランクによって、決算書の提出を求められる場合もあります。
法人カード審査に落ちる主な原因と対処法
審査に落ちてしまう場合、必ず何かしらの原因があります。よくある原因と、その対処法を理解しておきましょう。
1. 申込内容の不備や虚偽申告
非常に多いのが、申し込み時の単純な入力ミスです。住所、氏名、電話番号、会社の設立年月日などに誤りがあると、本人確認ができず審査落ちとなります。また、年収や資本金を実際より多く記載するなど、意図的な虚偽申告が発覚した場合は、その時点で審査に通りません。
【対処法】
申し込み情報は送信前に必ず見直し、正確な情報を入力してください。特に、信用情報機関に登録されている情報と相違がないか注意しましょう。
2. 経営者個人の信用情報(クレヒス)の問題
前述の通り、経営者個人の信用情報は審査の核となります。過去に支払いの延滞、滞納、債務整理などの金融事故(異動情報)が記録されている場合、審査通過は困難です。
【対処法】
信用情報(クレヒス)は、CICやJICCなどの信用情報機関に開示請求(有料)をすることで自分で確認できます。もし問題がある場合は、その情報が抹消されるまで待つか、信用情報に問題があっても審査対象となるカード(デビットカードやプリペイド型ビジネスカード)を検討する必要があります。
3. 短期間での多重申し込み
審査に落ちる不安から、短期間に複数の法人カードに同時に申し込むと「申し込みブラック」と呼ばれる状態になることがあります。カード会社が信用情報を照会した際、「他社でも多数申し込んでいる=よほど資金繰りに困っているのではないか」と警戒され、審査が厳しくなります。
【対処法】
申し込みは1社に絞り、もし審査に落ちた場合は、最低でも6ヶ月間は期間を空けてから次のカードに申し込むようにしましょう。
4. 事業の実態が不明瞭(固定電話・HPなし)
法人の実態が確認できないと、審査に通りにくくなります。例えば、連絡先が携帯電話番号のみで固定電話番号がない場合や、会社の公式ホームページ(Webサイト)が存在しない場合、事業の実在性が疑われることがあります。
【対処法】
必須ではありませんが、可能であればオフィスの固定電話番号を設置し、簡単なものでも良いので会社のホームページを作成しておくと、信用度が向上します。
5. キャッシング枠の希望や既存の借入過多
申し込み時に高いキャッシング枠を希望すると、審査のハードルが上がります。また、経営者個人がすでに他社(消費者金融や銀行カードローン)から多くの借入をしている場合、総量規制(年収の3分の1まで)の観点や返済能力の懸念から、審査に通りにくくなります。
【対処法】
法人カードの利用目的が主に経費決済であれば、キャッシング枠は0円で申し込むのが賢明です。また、既存の借入は可能な限り整理・返済してから申し込むようにしましょう。
法人カードの審査通過率を上げるための対策
審査に通過するためには、上記「落ちる原因」を潰すことが最善の対策となります。
- 個人の信用情報をクリーンに保つ: 日頃から個人のクレジットカードやローンの支払いを絶対に遅延しないこと。
- 申し込み情報は正確に: 誤字脱字なく、最新の正確な情報を記載する。
- 事業の実態を明確に: 固定電話の設置やホームページの整備を検討する。
- キャッシング枠は0円で申請: 不要な枠は希望せず、ショッピング枠のみで申し込む。
- 多重申し込みを避ける: 申し込むカードは1社に絞る。
審査が不安な場合(設立直後・赤字)の選択肢
設立1年未満や赤字決算で一般的な法人カードの審査が不安な場合は、以下のような選択肢を検討しましょう。
1. 設立直後でも申し込みやすいカードを選ぶ
カード会社によっては、スタートアップ企業や個人事業主向けに、設立年数や決算内容を問わない(あるいは重視しない)法人カードを提供しています。これらのカードは、経営者個人の信用情報を中心に審査される傾向があります。
2. ビジネスデビットカードを利用する
審査が不要(または非常に緩やか)なのが、ビジネスデビットカードです。銀行口座と直結しており、利用と同時に口座から引き落とされるため、カード会社が立て替えるリスクがありません。経費精算の効率化は可能ですが、与信枠(後払い)は利用できません。
3. 追加型カード(ETCカードなど)から検討する
まずは法人ETCカードなど、特定の用途に特化した追加型カードから検討するのも一つの方法です。
法人カードと個人カードの審査の違い
最後に、法人カードと個人カードの審査における主な違いを整理します。
| 比較項目 | 法人カード | 個人カード |
| 審査対象 | 会社(事業) + 経営者個人 | 申込者個人 のみ |
| 重視される点 | 会社の経営実績、財務状況、代表者の信用情報 | 個人の属性(勤務先、年収)、信用情報 |
| 利用限度額 | 会社の信用に基づき、比較的高額になる傾向 | 個人の信用に基づき設定される |
| 総量規制 | 原則として対象外(事業性資金のため) | 対象(年収の3分の1まで) |
法人カードは、個人の信用力だけでなく、事業の安定性や将来性も加味して審査される点が最大の特徴です。
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まとめ
法人カードの審査は、「経営者個人の信用情報」と「会社の経営状況」の2つが柱となります。
審査に通過するためには、日頃から個人の良好なクレジットヒストリーを維持し、会社の事業実態を明確にしておくことが重要です。また、申込時の入力ミスをなくし、不要なキャッシング枠を希望しないといった基本的な対策も有効です。
ご自身の状況に合ったカードを選び、準備を整えて申し込みましょう。



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