
月末の請求書発送業務で、一枚一枚切手を貼る作業に追われる光景を想像してみてください。ダイレクトメール(DM)の発送準備に何時間も費やしてしまうこともあるでしょう。
経理部門では、切手購入のための小口現金の管理や、細かい経費精算に頭を悩ませているかもしれません。これらは多くの企業が抱える、目に見えにくいながらも確実なコストと時間の浪費です。
多くの企業、特に中小企業や総務・経理担当者にとって、郵便物にまつわる手作業は「仕方ないもの」として定着してしまっています。
切手の在庫管理、郵便物の計量、料金計算、そして貼り付け作業といった反復的な業務は、従業員の貴重な時間を奪い、より付加価値の高い仕事から遠ざけています。経費管理の面でも、都度の支払いは記録を煩雑にし、正確なコスト把握を難しくしています。
しかし、こうした非効率を根本から解消するために設計された強力なソリューションが存在します。それが後納郵便です。この制度は、単に切手を貼る手間をなくすだけでなく、発送業務から経理処理に至るまでのプロセス全体を劇的に改善する可能性を秘めています。
この記事では、後納郵便の基本から具体的な導入手続き、さらにはコスト削減を最大化するための応用テクニックまで、網羅的かつ段階的に解説します。この記事を読み終える頃には、あなたの会社で後納郵便を導入し、郵便業務を大幅に効率化するための明確な道筋が見えているはずです。
目次
切手不要で実現する業務効率化の本質
後納郵便は、多くの企業が直面する郵便業務の課題を解決するために、日本郵便が提供する法人・個人事業主向けのサービスです。その本質は、日々の煩雑な作業を「まとめて、後で」処理することにあり、業務の生産性を飛躍的に向上させます。
後納郵便とは?1ヶ月分の料金をまとめて後払いする仕組み
後納郵便とは、1ヶ月間に発送した郵便物や荷物の料金を、翌月に一括して支払うことができるサービスです。このサービスを利用すると、郵便物を差し出す際に切手を貼る必要がなくなります。代わりに、封筒や荷物の表面に「料金後納郵便」という専用のマークを印字またはスタンプするだけで発送が可能になります。
料金の計算は、差出人が行う必要はありません。郵便局側で、差し出された郵便物一つひとつの重量やサイズに応じた料金を計算し、1ヶ月分を集計してくれます。そして、利用した月の翌月に一通の請求書が届き、指定された期日までに支払うという流れです。
支払い方法は、主に銀行振込と口座振替の2種類から選択できます。銀行振込の場合は翌月の末日までに指定された口座へ振り込みます。一方、事前に手続きをすれば金融機関の口座から自動で引き落とされる口座振替も利用可能です。口座振替の場合、引落日は翌月20日となり、支払い手続きの手間も省けるため、さらに経理業務を効率化できます。
なぜ今、後納郵便が選ばれるのか?導入がもたらす核心的メリット
後納郵便の導入は、単なる利便性の向上にとどまりません。発送、経理、そしてコスト管理という、事業運営における3つの重要な側面で、具体的かつ測定可能なメリットをもたらします。
発送作業の劇的な効率化
後納郵便がもたらす最も直接的なメリットは、発送作業にかかる時間と労力の大幅な削減です。大量の請求書やDMを発送する際、最も時間がかかるのが切手を一枚一枚貼り付ける作業です。後納郵便はこの作業を完全になくし、発送準備の時間を劇的に短縮します。
例えば、月末に500通の請求書を発送する業務を考えてみましょう。切手を貼る作業に1通あたり10秒かかると仮定すると、合計で約83分もの時間が必要になります。後納郵便を導入すれば、この時間がゼロになり、その分の時間を請求内容の再確認や他のコア業務に充てることができます。
また、切手やはがきの購入、在庫数の確認、盗難や紛失を防ぐための管理といった、煩わしい事務作業からも解放されます。郵便物のサイズや重さが多岐にわたる場合、都度料金を調べて計算するのも非常に面倒ですが、後納郵便では郵便局がすべて計算してくれるため、差出人はただ郵便物を準備して差し出すだけで済みます。
経理業務の圧倒的な省力化
郵便料金の支払いが月1回に集約されることで、経理業務は驚くほどシンプルになります。毎日発生する可能性のある細かい郵便料金の支払いが、月に一度の請求書処理に変わることで、仕訳作業が大幅に簡素化され、経理担当者の負担を軽減します。
郵便料金は通常、「通信費」や「荷造運賃」といった勘定科目で処理されます。後納郵便を利用すれば、この費用の計上が月1回で済むため、月次決算の際にもコスト管理が非常に明瞭になります。
さらに、従業員が郵便料金を立て替え、後で経費精算するというプロセスが不要になる点も見逃せません。これにより、申請する従業員と処理する経理部門、双方の事務手続きが削減され、社内全体の生産性向上に貢献します。
コスト削減への直接的な貢献
後納郵便は、郵便料金そのものを削減する強力な手段への入り口となります。後納郵便を利用することで、大量発送時に適用される「広告郵便物割引」や「区分郵便物割引」といった、大幅な料金割引制度の利用資格を得られます。
これらの割引は、条件によっては30%を超えるものもあり、発送コストを直接的に削減します。例えば、広告DMを月に5,000通発送している企業が30%の割引を受けられれば、それだけで大きな経費削減に繋がります。
加えて、発送作業や経理処理にかかる時間が短縮されることは、実質的な人件費の削減に繋がります。この「見えないコスト」の削減効果は、特に発送量の多い企業にとっては無視できない規模になります。後納郵便への投資は、単なる経費ではなく、人的資本の生産性を高めるための戦略的な一手と捉えることができるのです。
後納郵便の利用条件と手続き:導入への手順
後納郵便は非常に便利なサービスですが、誰でもすぐに利用できるわけではありません。いくつかの条件を満たし、所定の手続きを経て承認を受ける必要があります。ここでは、導入に向けた具体的な条件と手順を詳しく解説します。
利用を開始するための3つの必須条件
後納郵便を利用するためには、主に以下の3つの条件をクリアする必要があります。
毎月の発送通数
サービスの利用には、毎月一定量以上の郵便物・荷物を差し出すことが前提となります。基本条件として、通常の郵便物(手紙、はがきなど)は、毎月50通以上の発送が必要です。
ただし、一部のサービスでは、より少ない通数から利用が可能です。
- ゆうパック(ゆうメールを除く荷物):毎月10個以上
- 国際小包:毎月10個以上
- 国際スピード郵便(EMS):毎月4個以上
これらの通数は、料金や種類が異なる郵便物・荷物を合算した数で構いません。そのため、様々な種類の郵便物を発送している企業にとっては、比較的クリアしやすい条件と言えるでしょう。
郵便局の事前承認
後納郵便は、申し込み後すぐに開始できるサービスではありません。事前に郵便局へ申請し、承認を受ける必要があります。申請先は、原則として集荷業務を行っている郵便局(集配郵便局)となります。
承認には一定の審査期間を要するため、利用を検討している場合は早めに準備を始めることが重要です。月末の請求書発送に間に合わせたいなど、利用開始時期に希望がある場合は、逆算して余裕を持ったスケジュールで手続きを進めましょう。
担保の提供
後納郵便は料金を後払いする信用取引であるため、郵便局はリスクを管理する必要があり、その一環として担保の提供を求められる場合があります。原則として、1ヶ月間に差し出す郵便料金の概算額の2倍に相当する額の担保が必要となることがあります。
担保として認められるのは、現金、国債証券などの有価証券、または金融機関による支払保証などです。なお、株式は担保として認められていません。この担保の条件が、導入のハードルと感じる企業もあるかもしれません。しかし、後述するように、この担保は条件によって免除または軽減される場合があります。
申請から利用開始までの4ステップ
後納郵便の利用開始までの流れは、以下の4つのステップに分けられます。
Step 1: 取扱郵便局の確認と相談
まずは、後納郵便の申し込みを受け付けている郵便局を確認します。最も確実な方法は、事業所の最寄りの郵便局の窓口で「料金後納郵便を利用したい」と直接相談することです。もしその郵便局が取扱局でなくても、管轄の郵便局を案内してくれます。また、日本郵便のお客様サービス相談センターに電話で問い合わせることも可能です。
Step 2: 必要書類の準備と提出
取扱郵便局が確認できたら、必要な書類を準備して提出します。中心的な書類は「料金後納承認請求書」です。複数の支店から発送する場合は「後納郵便物等他局差出承認請求書」など、状況に応じて追加の書類が必要になることがあります。これらの書式は、日本郵便のウェブサイトからダウンロードするか、郵便局の窓口で入手できます。
支払方法に口座振替を希望する場合、専用の複写式用紙(預貯金口座振替依頼書など)が必要になる点に注意が必要です。この用紙はウェブサイトからはダウンロードできないため、郵便局で直接受け取る必要があります。
Step 3: 承認審査
提出された書類に基づき、郵便局で承認審査が行われます。審査では、発送見込み通数や事業の継続性、支払い能力などが確認されます。審査にかかる期間は状況によって異なりますが、一般的には数週間から1ヶ月程度を見込んでおくと良いでしょう。
Step 4: 利用開始
審査で承認されると、「ゆうびんビズカード」と呼ばれる顧客カードが発行されます。以降、後納郵便を差し出す際には、このカードを差出票と共に提示することでサービスを利用できるようになります。承認されたその日から、切手貼りのない効率的な郵便業務がスタートします。
担保は本当に必要?免除・軽減の条件を詳しく解説
多くの中小企業や個人事業主にとって、担保の提供は大きなハードルに感じられるかもしれません。しかし、この担保は必ずしもすべての利用者に要求されるわけではなく、特定の条件を満たすことで免除または軽減される制度が設けられています。
自動的に担保が免除されるケース
以下のケースでは、基本的に担保の提供は不要です。
- 官公署や、日本郵便が指定する特別の法律によって設立された法人
- 証券取引所に上場している株式会社
申し出により担保が免除される可能性があるケース
上記に該当しない場合でも、申し出を行い、郵便局が支払い能力に問題ないと判断すれば、担保が免除される可能性があります。
1ヶ月の料金概算額が50万円未満で、かつ過去6ヶ月以上にわたり支払いの遅延がない場合
1ヶ月の料金概算額が50万円未満で、かつ決算書や預金通帳のコピーなどを提出し、支払い能力が十分にあると認められた場合
過去3年以上にわたり、継続して支払いを遅延なく行っている実績がある場合
申し出により担保額が軽減されるケース
担保が免除されなくても、軽減される可能性もあります。1年以上にわたり、継続して支払いを遅延なく行っている場合は、申し出により担保額が半額に軽減されることがあります。
これらの条件からわかるように、日頃から安定した事業運営を行い、支払い実績を積み重ねることが、担保という負担を回避するための鍵となります。新規で申し込む場合でも、事業計画や財務状況を誠実に示すことで、免除の可能性は十分にあります。
料金別納・郵便料金計器との徹底比較:あなたの会社に最適なのは?
後納郵便は強力なツールですが、唯一の選択肢ではありません。会社の発送頻度や業務フローによっては、「料金別納」や「郵便料金計器」といった他の方法が適している場合もあります。自社にとって最適な選択をするために、それぞれの特徴を正確に理解し、比較検討することが重要です。
後納郵便 vs. 料金別納:どちらを選ぶべきか
まず、後納郵便とよく比較される料金別納について解説します。料金別納とは、同一料金の郵便物・荷物を同時に10通以上差し出す場合に、切手を貼らずに窓口で料金を現金または切手で一括払いできるサービスです。
両者の決定的な違いは、支払いタイミングと発送物の多様性への対応力です。後納郵便は定期的に、料金が異なる郵便物もまとめて発送する業務に向いています。例えば、毎月の請求書発行や、顧客ごとに内容や重さが違うDM発送などが典型です。支払いは翌月後払いのため、都度の現金準備も不要です。
一方、料金別納は不定期に、料金が同一の郵便物をまとめて発送する業務に向いています。例えば、単発のイベント案内状や、全顧客への同一内容の挨拶状などが該当します。支払いは差出時に都度払いとなるため、事前の承認や契約は不要で、手軽に利用できるのがメリットです。つまり、「毎月コンスタントに発送業務があるか」が選択の分かれ目となります。
郵便料金計器という第三の選択肢
さらなる効率化を追求する企業にとって、郵便料金計器は非常に魅力的な選択肢です。これは、郵便物に料金スタンプ(メータースタンプ)を直接印字する専用の機械で、日本郵便から承認されたベンダーからリースまたは購入して利用します。
郵便料金計器は、後納郵便の「後払い」というメリットを享受しつつ、さらに利便性を高めたサービスと言えます。毎月50通といった最低利用数の縛りがなく、1通からでも利用できます。また、後納郵便で必要となる「後納郵便物等差出票」の作成・記入が不要になり、事務作業をさらに削減できます。
最大の利点は、計量から料金印字までを自社で完結できるため、郵便局の窓口に並ぶ必要がなく、準備ができ次第ポストに投函できることです。これにより、時間的制約から解放され、業務の柔軟性が飛躍的に向上します。
あなたの会社に最適なサービスは?一目でわかる比較表
これら3つのサービスを主要な判断基準で整理しました。自社の状況と照らし合わせ、最適な選択肢を見つけるためにお役立てください。
特徴 | 料金後納郵便 | 料金別納郵便 | 郵便料金計器 |
支払いタイミング | 翌月一括後払い | 差出時に都度払い | 翌月一括後払い |
事前承認 | 必要 | 不要 | 不要(※) |
利用通数条件 | 毎月50通以上 | 同時に10通以上 | 制限なし |
料金の同一性 | 異なってもOK | 同一料金のみ | 異なってもOK |
差出方法 | 窓口、ポスト(※) | 窓口のみ | ポスト投函 |
差出票の作成 | 必要 | 必要 | 不要 |
最適な用途 | 定期的な大量発送(請求書、DM) | 不定期な大量発送(イベント案内) | 発送量が変動する、効率最優先の業務 |
※郵便料金計器の導入にあたり、ベンダーとの契約は必要です。
※料金後納郵便のポスト投函は、後納ポストインサービスを利用する場合に限ります。
コストをさらに削減する応用テクニック
後納郵便の導入は、業務効率化のゴールではなく、さらなるコスト削減に向けたスタートラインです。後納郵便という支払いプラットフォームを手に入れることで、これまで利用できなかった様々な割引制度や便利なオプションサービスへの扉が開かれます。
知らないと損する!後納郵便で使える割引制度
後納郵便の利用者は、発送する郵便物の種類や条件に応じて、以下のような強力な割引制度を適用できます。
広告郵便物割引
商品やサービスの広告、販売促進などを目的としたDMなどを大量に発送する際に適用される割引です。事前に郵便物の内容について郵便局の承認を受ける必要がありますが、発送通数に応じて料金が大幅に割引かれます。条件によっては最大で37%以上の割引も可能で、マーケティングコストの削減に絶大な効果を発揮します。
区分郵便物割引
差出人が事前に、郵便物を配達先の郵便番号ごとに仕分け(区分)しておくことで適用される割引です。郵便局側の作業を一部代行することへの対価として料金が割り引かれる仕組みで、同時に2,000通以上発送する場合などが対象となります。手間はかかりますが、発送通数が多ければ多いほど削減効果は大きくなります。
バーコード付郵便物割引
郵便物に宛先の住所情報などを示すカスタマーバーコードを印字することで、一律で料金が割引される制度です。同時に1,000通以上の発送で適用され、他の割引制度と併用することも可能なため、コスト削減効果を高めることができます。宛名ラベル作成ソフトなどを使えば、比較的容易に対応できます。
便利なオプションサービス活用術
後納郵便には、特定のニーズに応えるための便利なオプションサービスも用意されています。
他局差出制度
全国に複数の支店や営業所を持つ企業に最適なサービスです。本社で後納郵便の承認を受けておけば、各支店の最寄りの郵便局から郵便物を差し出すことができます。支払いは本社に一括で請求されるため、各拠点での経費精算が不要になり、全国規模での経理業務を一元管理できます。
後納ポストイン
郵便局の窓口の営業時間内に差し出しに行くのが難しい場合に非常に便利なサービスです。郵便局から無償で貸与される専用のケースに、後納郵便物と差出票を入れてポストに投函するだけで差し出しが完了します。これにより、時間や曜日に縛られることなく、好きなタイミングで発送業務を行えます。
ただし、利用には後納郵便の契約者であることに加え、投函するポストを集荷する郵便局と後納契約を結んでいる郵便局が一致している必要があるなど、いくつかの条件があります。また、書留やゆうパック、国際郵便などは対象外となるため注意が必要です。
【業種別】後納郵便活用ケーススタディ
後納郵便のメリットは、業種を問わず多くの企業で享受できます。ここでは、具体的な活用イメージを持っていただくために、3つの業種のケーススタディを紹介します。
ケース1:ECサイト運営会社の場合
商品発送に追われるECサイト運営会社にとって、後納郵便は業務効率化の切り札です。毎日発生する数十から数百件の発送業務において、ゆうパックやゆうメールの料金を後納契約に切り替えることで、発送の都度発生していた支払い業務がなくなります。
導入前(Before)
毎日、発送件数分の運賃を現金で用意し、郵便局窓口で支払っていた。
経理担当者は、毎日発生する支払い伝票の処理に手間がかかっていた。
発送量が増えるセール期間中は、窓口での支払いと手続きに長時間を要していた。
導入後(After)
発送時は差出票を渡すだけで完了し、窓口での待ち時間が大幅に短縮された。
支払いは月1回の口座振替になり、経理業務が劇的に簡素化された。
発送作業が効率化されたことで、顧客対応や商品開発など、より重要な業務に時間を割けるようになった。
ケース2:士業事務所(弁護士、税理士など)の場合
契約書や報告書など、重要書類の発送が多い士業事務所でも後納郵便は活躍します。特に、書留や特定記録郵便など、オプションサービスを頻繁に利用する場合、料金計算の煩わしさから解放されます。
導入前(Before)
案件ごとに異なる料金の切手を用意し、管理するのが煩雑だった。
職員が郵便料金を立て替え、月末にまとめて経費精算を行っていた。
クライアントへの請求書発行も重なる月末は、郵便業務に多くの時間を取られていた。
導入後(After)
切手の在庫管理や立替精算が不要になり、事務所内の事務作業が削減された。
月々の通信費が請求書一枚で明確になり、コスト管理が容易になった。
他局差出制度を利用し、出先の郵便局からも事務所の経費として発送できるようになった。
ケース3:不動産管理会社の場合
毎月の家賃請求書や、入居者へのお知らせなど、定期的に大量の郵便物を発送する不動産管理会社にとって、後納郵便はコスト削減と業務標準化に直結します。
導入前(Before)
毎月数百通の請求書に、パート従業員が数時間かけて切手を貼っていた。
更新案内や重要事項説明書など、重さの違う郵便物が多く、料金計算にミスが発生することもあった。
導入後(After)
切手貼り作業が不要になり、人件費を削減。発送準備にかかる時間も短縮された。
広告郵便物割引や区分郵便物割引を活用し、管理物件の入居者募集チラシの郵送コストを20%以上削減できた。
全支店で後納郵便を導入し、どの拠点でも同じフローで発送業務を行えるようになり、業務品質が安定した。
まとめ
後納郵便は、単なる支払い方法の変更ではありません。それは、日々の反復作業に追われる非効率な郵便業務を、戦略的でコスト意識の高い、効率的なプロセスへと変革するビジネスツールです。
この記事で解説したように、後納郵便の導入は明確な価値をもたらします。従業員を「切手を貼る」という単純作業から解放し、より創造的で価値のある仕事に集中させることができます。また、煩雑な小口現金の管理や都度の経費精算をなくし、月1回の支払いに集約することで、経理の透明性と生産性を高めます。さらに、各種割引制度の活用を通じて、企業の収益性に直接貢献することも可能です。
最初の一歩は簡単です。まずは自社の1ヶ月あたりの平均的な郵便物発送量を確認してみてください。もし毎月50通以上の郵便物を送っているなら、あなたの会社は後納郵便のメリットを最大限に享受できる有力な候補です。
ぜひ最寄りの郵便局に相談し、よりスマートで効率的な郵便業務への第一歩を踏み出してください。
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