請求書の基礎知識

請求書の振込先の書き方!必要な項目や注意点、記載例を解説!

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請求書 振込先 書き方

請求書を正しく作成することは、取引先に売上金額を滞りなく入金してもらうことに繋がります。本記事では、請求書の振込先の書き方や、請求書を発行する上での注意点などをわかりやすく解説します。

請求書の振込先の記載方法と必要項目

請求書に記載する内容を項目ごとに解説します。

①金融機関名・支店名

「◯◯銀行 ◯◯支店」のように、金融機関名とその支店名を記載します。支店名は通帳やインターネットバンキングのホームページなどから確認できます。ゆうちょ銀行の場合は、通帳に記載された「記号」から支店名を把握できます。

なお、金融機関名や支店名は、統廃合によって変更が生じる場合があります。金融機関から届く通知や、ホームページなどを確認し、変更がないかどうかチェックしましょう。

参照:記号・番号から振込用の店名・預金種目・口座番号への変換の公式-ゆうちょ銀行

②口座番号

振込先の口座番号を7桁で記載します。ゆうちょ銀行は7桁ではないケースがあるため、以下の方法で対応しましょう。また、記号番号と振り込み用の口座番号は別物である点に注意が必要です。

・8桁の場合:最後の1を除く
・7桁未満の場合:最初に0をつける

③口座種類

金融機関の口座は「普通預金」「当座預金」など、いくつかの種類に分かれています。振込先となる口座の種類を記載しましょう。請求書では、以下のように記載することが一般的です。

・普通:(口座番号)
・口座種類:普通預金

④口座名義

振込先となる口座名義をカタカナで記載します。法人の場合「カ)」などの表記も忘れずに記載しましょう。

ATMやインターネットバンキングから振込を行う場合、銀行名や支店名、口座番号を入力することで、口座名義が自動的に表示される仕組みになっています。正しい口座番号などを入力できているかどうか、口座名義によって相手が判断することが可能です。

銀行の窓口から振り込む際は、振込用紙に名義人を手書きする必要があります。相手がスムーズに手続きを行えるよう、口座名義を正しく記入することが求められます。

⑤銀行コード・支店コード(任意)

金融機関名や支店名とあわせて、金融機関コードや支店コードを記載すると丁寧です。金融機関コードとは、金融機関別に用意された4桁の数字です。また、支店コードとは金融機関の本店や支店に用意された3桁の数字です。通帳や各金融機関のホームページ、全国銀行協会のホームページから確認することができます。

参照:銀行の店舗を探す | 銀行の店舗を探す | 一般社団法人 全国銀行協会

請求書の振込先を記載する際の注意点

請求書の振込先を記載する際の注意点

振込先を記載する上で、押さえておきたい注意点を紹介します。

口座名義をカタカナで書く

口座名義はカタカナで書きましょう。誤って漢字で書いてしまった場合には、相手が振込の手続きをする際に、本当に振り込んでもいいのか迷ってしまうかもしれません。滞りなく手続きを進めるためにも、正しい情報をカタカナで記入しましょう。

略称を使用する

請求書の振込先は自社の正式名称を記載したくなりますが、口座名義通りに略称を使用します。例えば、法人格を先頭に使う際は以下のように略します。

  • 株式会社→カ)
  • 有限会社→ユ)
  • 合同会社→ド)
  • 一般社団法人→ザイ)

法人格が末尾に来る時は「(カ」や「(ユ」など、カッコの位置が異なります。心配な方は通帳やネットバンキングのホームページなどで一度確認してみましょう。

振込先の情報を漏れなく記載する

振込先には、以下の情報を記入する必要があります。

・金融機関名
・支店名
・口座種類
・口座番号

情報が不足していると、確認する必要が生じてしまいます。スピーディーに手続きを行うためには、情報を漏れなく記載することが大切です。特に、口座種別の記載を忘れてしまう人が多いため、送付する前にもう一度確認するようにしましょう。

振込手数料の扱いについて明記する

商品の対価を振り込んでもらう際に発生する振込手数料は、請求書の発行側と受取側、どちらが負担しても構いません。そのため、振込手数料の扱いについて事前に決めておく必要があります。

振込手数料の扱いがすでに決定されている場合、請求書にその内容を記載しておくと丁寧です。相手に負担してもらう場合は、以下の文言を備考欄に記載するといいでしょう。

・お振込手数料は、貴社負担にてお願いいたします。
・恐れ入りますが、振込手数料は御社にてご負担ください。

押印を行うかどうか

請求書に押印しなくてはいけないといった決まりはないため、押印してもしなくても構いません。

請求書の見栄えや信頼性のアピールのために押印するケースもありますが、あくまでビジネス上の慣習のためといった意味合いが強いでしょう。押印がない請求書を「改ざんしやすい」「信頼できない」といった理由で取り扱わない会社もあります。

しかし近年は、ペーパーレス化の推進によってできるだけ押印を省略したいと考える会社も増えています。どうしても押印が必要といった場合は、印影をパソコンに読み込んで、データとして書類に付与する方法もあります。自社や取引先のルールなどによって柔軟に対応しましょう。

請求書に必要なその他の項目

請求書に必要なその他の項目

請求書には、振込先以外にもさまざまな項目を記載する必要があります。振込先以外の項目を7つ紹介します。

①宛名

請求書の送付先を記載します。宛名の最後が法人や部署名などの団体である場合には「御中」を、個人名である場合は「様」をつけましょう。

関連リンク:宛名なし・あり領収書の正しい書き方を解説!【見本付き】訂正方法や注意点もご紹介

②送付側の情報

請求書を発行した側の情報を記載します。一般的には、以下をはじめとする情報を記載します。

・会社名もしくは屋号
・住所
・電話番号、FAX番号
・メールアドレス
・担当者名

また、信頼性などの観点からこれらの情報の右側に印鑑を押すこともありますが、必須ではありません。

③発行年月日

請求書を発行した日にちを記載します。しかし、経理処理の都合上、相手が設定した締め日にあわせて発行年月日を記載することもあります。そのような対応を求められた時は応じるようにしましょう。

④請求内容

提供した商品やサービスの内容・数量・単価などを記入します。複数の商品を提供した場合には、どの商品に対していくらの金額が発生したのかを明確に記載します。

⑤金額

各商品の金額を合計し、最終的な税込金額を記載します。請求書を見て一目で合計金額の位置がわかるように、宛名の下など、わかりやすい位置に記載することが一般的です。

⑥支払期限

請求書の支払い期限には、支払い漏れや遅延を防ぐ目的があります。翌月末や月末などで設定することが一般的ですが、相手と事前に取り決めをしている場合にはそちらを優先します。

また、支払い期限が休日や年末年始などと重なる際は、平日や仕事納めの日に調整する対応を行いましょう。

⑦インボイス制度によって必要となる項目

インボイス制度の施行される2023年10月以降は、税負担が軽減される「仕入税額控除」を行うために、以下の事項が記載された適格請求書を保管する必要があります。

  • 登録番号
  • 税率ごとに区分して合計した対価の額及び適用税率(税抜もしくは税込)
  • 税率ごとに区分した消費税額等

参照:適格請求書等保存方式の概要|国税庁

関連リンク:請求書の消費税の記載方法は?税込みで記載が必要?必須項目も紹介

登録番号

登録番号とは、適格請求書発行事業者に対して発行される番号です。法人は「T+法人番号」、個人事業主は「T+13桁の数字」から成り立ちます。

自分の登録番号は、インボイス制度への登録が完了した際の通知(書面もしくはe-Tax)で確認できます。もしくは、国税庁の「適格請求書発行事業者公表サイト」で自分の事業を検索することでチェックすることも可能です。

参照:適格請求書発行事業者公表サイト

税率ごとに区分して合計した対価の額及び適用税率(税抜もしくは税込)

商品の対価の金額を税率ごとに求め、適用する税率を明記します。この時の対価の額は税抜と税込のどちらでも構いません。

参照:適格請求書等保存方式の概要(PDFの6ページ)

税率ごとに区分した消費税額等

8%の商品に対して課税される税額と、10%の商品に対して課税される税額を別々に明記します。

記載例

<例>食品が4万円、雑貨が8万円の取引の場合

8%対象40,000円消費税 3,200円
10%対象80,000円消費税 8,000円

ただし、不特定多数の人に対して販売を行う小売業・飲食店業・タクシー業などに関しては、適格請求書の代わりに適格簡易請求書を発行することが認められています。適格簡易請求書では、適用税率または「税率ごとに区分した消費税額」のいずれかを省略できます。

請求書の作成で必要なもの

請求書の作成で必要なもの

請求書の作成で用意したいものを5つ紹介します。

請求書のテンプレート・ひな形

請求書のフォーマットを用意しておくことで、効率的に請求書を作成することが可能です。

ExcelやWordで作成する方法の他、クラウド上で簡単に作成できるサービスなどを使う方法もあります。自分の好みや自社の雰囲気などに適したものを選びましょう。なお、会社のルールですでにフォーマットが定められている場合には、そちらに従いましょう。

関連リンク:【無料】 請求書 エクセルテンプレート(雛形)ダウンロード- INVOY

封筒

請求書を郵送する際には、封筒を用意します。封筒のサイズには特に決まりはありませんが、A4の書類を折らずに入れられる「角2封筒」か、3つ折りにして入れられる「長形3号」が一般的です。封筒の色は白か青、もしくは茶色を選びましょう。

関連リンク:請求書の送り方・郵送のマナー(封筒の書き方・選び方を解説)

請求書在中のスタンプ

封筒の中身を相手にわかりやすく伝えるために「請求書在中」のスタンプを押すことがあります。必須ではありませんが、郵便物がたくさん届くような取引先である場合には、押した方が丁寧です。「請求書在中」のスタンプを持っていない場合には、手書きで構いません。

送付状

送付状を発行し、書類の1枚目となるように同封します。送付状がなくても書類を受け取ってもらうことはできますが、ほとんどの場合はビジネスマナーとして一緒に送付します。

送付状には、同封する書類のタイトルや枚数などを記載しましょう。なお、メールの場合には、メールの本文が送付状の役割を果たします。

関連リンク:送付状のテンプレート(専用テンプレートあり)書き方もわかりやすく解説

切手

請求書を郵送する場合には、重さに応じた金額の切手を貼り付けます。現在の切手の価格は郵便局のホームページなどから確認しましょう。

切手の値段がわからない場合は、郵便局の窓口に持ち込むことで重さを計量してもらっても構いません。指定された値段を払うと、その場で受領してもらえます。

参照:手紙・はがき

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経理業務には、書類の発行や会計ソフトへの入力をはじめとするさまざまな業務があり、日々忙しく仕事をされている方も多いのではないでしょうか。請求書の書き方にも細かなルールがあり、調べながら対応していて時間が取られてしまうという方もいるかもしれません。

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まとめ

請求書を正しく発行することは、商品やサービスの対価をスムーズに受け取ることに繋がります。請求書には金融機関の情報をはじめとするさまざまな情報を記載する必要がありますが、正しく記載することで、取引先が振込手続きを滞りなく行うことが可能になります。

本記事などを参考に請求書を作成し、経理業務をスムーズに進めましょう。また、必要に応じてシステムなどを導入し、効率的に業務を進められる環境を整えることも検討しましょう。

この記事の投稿者:

nakashima

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