ビジネスで商品を仕入れる際は、現金払いや銀行振込だけではなく、クレジットカードによって決済を行うケースもあります。商品の仕入れをクレジットカードで行うことによって、キャッシュフローが安定したり、ポイントやマイルを貯められたりなどのメリットがあります。今回は仕入れでクレジットカードを使うメリット・注意点などについて紹介します。
目次
商品を仕入れる際はクレジットカードが便利
商品の仕入れにクレジットカードを使うと、以下のようなメリットがあります。
資金が少なくても商品調達が問題なくできる
クレジットカードは決済を行った後、翌月末などの決められたタイミングでまとめて代金が引き落とされます。手元に資金がなくても商品を購入できるため、現金を手元に置いていない方や、一時的に資金を用意できないという方であっても商品を仕入れることが可能です。
キャッシュフローの安定化が容易
キャッシュフローを安定させるためには、ビジネスに関する支払いを先送りにした方が有利であると考えられています。
クレジットカードは決済を行ってから遅れて引き落としがあるため、手元に資金がある状態を保ちやすいと言えます。反対に、商品の仕入れを全て現金で行っていると手元に資金がある期間が少なくなり、オフィスの家賃や従業員の給与といった支払いに必要な資金を用意しにくくなってしまうかもしれません。支払いが滞るリスクを軽減するためにクレジットカードによる仕入れが役立つでしょう。
リボ払いなど分割払いで対応できる
クレジットカードで商品を仕入れてリボ払いや分割払いを選択することで、代金の支払いをさらに遅らせることが可能です。どうしても仕入れたい商品があるものの、すぐには資金を用意できない場合などにこれらの方法を選択すれば、負担を分散しながら支払いを行うことができるでしょう。
ポイントやマイルを貯めお得になることも
クレジットカードにはカードのプランなどに応じたポイント還元率が設定されており、買い物するほどポイントやマイルが溜まります。商品の仕入れのために頻繁にクレジットカードを利用すると「思ったよりもたくさん溜まっていた」と感じられることもあるでしょう。
クレジットカードで貯まったポイントやマイルは、欲しい商品に交換したり、月々の支払いに充てたりすることができます。現金で支払うよりもお得にやりくりできるケースも多いでしょう。
商品の仕入れにクレジットカードを使う際注意すべきことは?
商品の仕入れでクレジットカードを使う際に押さえておきたいポイントを4つ紹介します。
法人カード利用の検討
クレジットカードには、一般の消費者が利用する個人カードと、会社や個人事業主などが利用できる法人カードがあります。商品の仕入れのためにクレジットカードを利用する場合は、法人カードの利用を検討するといいでしょう。
法人カードはビジネスで使いやすいように、個人カードよりも利用限度額が高めに設定されていることが一般的です。例えば、個人カードは利用限度額として10万円〜100万円程度が設定されますが、それに対して一般的な法人カードは100万円〜500万円程度に設定されることがあります。
さらに、法人カードは追加のカードを発行しやすい点も特徴的と言えます。追加カードを発行して部署や担当社員ごとに分けて決済を行うことで、より支出を管理しやすくなるでしょう。
限度額以上の使用ができない
クレジットカードには利用限度額が設定されており、限度額を超えて決済することはできません。限度額がいっぱいになってしまったら、過去の分の支払いが完了して新たに枠が空くまで、基本的にはカードを利用できなくなってしまいます。
商品の仕入れが少額であれば問題ありませんが、高額になる予定があるという場合は、利用限度額を意識してカードの契約をする必要があります。どうしても大量の商品を購入しなくてはいけない場合は利用限度額を引き上げることもできますが、審査が行われるため希望通りになるとは限らない点に注意しましょう。
支出管理の必要性
クレジットカードは後払いであるため、現時点で自分が今いくら使っているのか把握しにくい傾向にあります。「予想していたよりも高額の請求が来て驚いた」という経験のある方も多いでしょう。
クレジットカードを使って仕入れを行う場合は、何にいくら使ったのかを把握しながら、計画的に仕入れを行うことが大切です。ついつい必要以上に仕入れをしすぎてしまわないよう、事前に仕入れ量を決めたり、これまでの利用額を把握したりしながら慎重に業務を進めましょう。
支払い方法によっては手数料が必要
クレジットカードを利用してリボ払い・分割払いなどの特定のサービスを選択すると、手数料が発生します。リボ払いは毎月の支払い金額を指定して支払う方法で、分割払いは支払回数を指定して支払う方法です。毎月の支払いを抑えられる便利な方法ですが、手数料がかかるため、本来の支払い金額よりも高くなってしまう点に注意が必要です。
リボ払いの手数料は年間15.00%程度のところが多く、例えば、10万円の買い物をして月々5,000円ずつ支払った場合、手数料の総額は13,000円程度になります。分割払いの手数料はリボ払いよりも少し低めに設定されていることが一般的です。
商品の仕入れに使うクレジットカードの選び方
商品の仕入れにクレジットカードを使用する際はどのようなカードを選べばいいのでしょうか。選び方を3つのポイントから解説します。
利用限度額が十分であるか
これまでに解説してきた通り、クレジットカードには利用限度額が設定されているため、商品の仕入れが問題なく行える金額であるかどうか確認する必要があります。
利用限度額の目安はカード会社のホームページなどから確認できます。いつでも決済できるように、ゆとりのある限度額が設定されたクレジットカードを選ぶことが望ましいでしょう。なお、具体的な金額は審査を行ってから決まるため、カード会社のホームページにはおおよその金額が記載されています。
年会費が事業規模に対して適切か
クレジットカードの年会費はカード会社やプランによって異なり、無料のものから10万円以上するものまでさまざまです。クレジットカードのランクは一般・ゴールド・プラチナ・ブラックがあり、ランクが高いほど手厚いサービスを受けられますが、年会費も高くなる傾向にあります。
サービスの充実したクレジットカードはポイントやマイルの還元率が高く設定されていることがあり、よく買い物や旅行をするという方は、よりお得に使える可能性があります。しかし、年会費が高額のためにかえって出費が増えてしまうケースもあるので、まずは年会費の安いプランを選んでおく方が安心です。
審査が通りやすいかどうか
クレジットカードの申込時には、カード会社が定めた審査基準に基づいて審査が行われます。具体的な審査基準は公開されていないため、事前に確認してから申し込むということはできません。しかし、事業規模に対して高すぎるランクのカードを選んだり、1度で複数の会社のカードを申し込んだりすると、審査に通らない可能性が高くなるでしょう。
どのクレジットカードを選んでいいかわからないという方は、まずは問題なく審査が通ると思われるプランで申し込むことをおすすめします。ある程度の期間クレジットカードを問題なく利用できると、カード会社からの信頼が高まるため、それからランクアップするかどうか検討するといいでしょう。
商品仕入れでクレジットカードが使用できない理由
クレジットカードを利用していると「決済できなかった」「支払いに遅れてしまった」といったトラブルが生じ、仕入れに支障が出ることもあります。クレジットカードが使用できなくなる主な原因について見てみましょう。
有効期限が切れている
クレジットカードには有効期限が設けられており、その期間内でしかカードを利用できません。
有効期限は基本的にカードの表面に「月/年」のように記載されています。例えば「01/25」と記載してあるのであれば、2025年の1月末までカードを使えるということです。カード番号などの情報が記載されていないナンバーレスカードであれば、有効期限も記載されていないため、利用者専用のアプリやWebサイト、申し込み完了時の書類などで確認するといいでしょう。
クレジットカードは自動的に更新されるものであるため、有効期限が近づいていても、特別な手続きは必要ありません。期限の切れる1〜2ヶ月程度前に、登録した住所宛に新しいクレジットカードが届くことを覚えておきましょう。
暗証番号を繰り返し間違えた
クレジットカードを申し込む際は、4桁の暗証番号を設定します。決済を行う際に暗証番号の入力を求められることがありますが、何回も番号を間違えてしまうと、ロックがかかり決済ができなくなってしまう可能性があります。
クレジットカードにロックがかかってしまうと、基本的にはカード会社に連絡してカードを再発行してもらうことになります。新しいカードが使えるようになるまで数週間程度を要するため、暗証番号の入力は間違えないように慎重に行いましょう。
なお、暗証番号を求められない決済や、手書きのサインによる決済では、ロックがかかったカードを引き続き使用することが可能です。
利用限度額を超えている
利用限度額は1ヶ月で使える金額ではなく、まだ引き落とされていない代金の総額で考えます。引き落としや決済のタイミングによっては「思ったよりも早く利用可能額を超えてしまっていた」と感じることもあるでしょう。
利用可能額は高めに設定されることが多いため、一般的な金額の買い物をする際に利用限度額が問題になることは少ないかもしれません。しかし、大量の商品を仕入れたり、事業の拡大を理由に一時的に高額の買い物をしたりした場合には注意が必要です。
利用限度額が気になるという方は、今のカードのまま増額の申請を行うか、もしくはカードの枚数を増やすことを視野に入れます。どちらも審査が行われるため、時間に余裕を持って手続きを行いましょう。
引き落としができなかった
引き落とし用の銀行口座にお金が用意できず、引き落としができなかった場合もクレジットカードが使えなくなる可能性があります。法人や個人の信用情報に傷がつくだけではなく、遅延損害金を請求されることもあるため、銀行口座には代金を確実に入れておくことが重要です。
引き落としができなかった時の対応はカード会社によって異なります。例えば、再度自動的に引き落とされることもあれば、振込用紙を使って指定の銀行口座へ振り込むこともあります。
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まとめ
クレジットカードで商品の仕入れを行うと、資金の管理がしやすく、ポイントやマイルが貯まりやすいなどのメリットがあります。他の取引方法に比べて実際に代金が引き落とされるタイミングが遅いため、キャッシュフローの安定化につながることもあるでしょう。
ただし、引き落としに備えて代金を確実に用意したり、利用限度額に気をつけて決済を行ったりなど、状況を適切に管理しながらクレジットカードを利用することも大切です。
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