クレジットカードの基礎知識

請求書のクレジットカード払いで資金繰りを改善する方法と、インボイス制度の落とし穴

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請求書 クレジット カード払い

「請求書の支払いを先延ばしにして、手元のキャッシュ(現金)を増やしたい」「面倒な銀行振込の作業から解放されたい」

このような悩みを解決し、資金繰りを劇的に改善する方法が存在します。

本記事を読めば、銀行振込しか受け付けていない請求書を、お持ちのクレジットカードで支払う具体的な方法がわかります。これにより、支払いを最大60日先延ばしにし、貴重な手元資金を確保する「請求書カード払いサービス」の活用法を理解できます。

「手数料が高いのでは?」「取引先に知られてしまうのでは?」「インボイス制度に対応できる?」といった不安もあるかもしれません。

この記事では、「支払う側」と「受け取る側」それぞれのメリットとデメリット、最新の法制度(インボイス・電子帳簿保存法)への実務的な対応策、さらには具体的な会計処理(仕訳)まで、誰にでも実践できるよう、わかりやすく徹底的に解説します。

目次

請求書カード払いの全貌:あなたが探しているのは「支払う側」「受け取る側」どちらですか?

「請求書 クレジット カード払い」という言葉を調べるとき、多くの人は2つの異なる立場に分かれます。一つは請求書を「支払う側」、もう一つは請求書を発行して代金を「受け取る側」です。

この2つの立場では、目的も仕組みも、かかるコストもまったく異なります。まずはご自身の状況がどちらに当てはまるかを確認し、適切な情報を得ることが重要です。

【支払う側】「請求書カード払いサービス」の仕組み

これは、取引先が銀行振込しか指定していない請求書(例えば、仕入れ費、外注費、オフィスの家賃など)を、自社のクレジットカードで支払うためのサービスです。

BtoB(企業間取引)では、まだ銀行振込が主流です。しかし、このサービスを利用することで、実質的にクレジットカード決済が可能になります。

仕組みは以下の通りです。

  1. 利用者は、受け取った請求書を「請求書カード払いサービス」の運営会社に登録します。
  2. サービス会社が、利用者の名義(バイヤー名義)で、取引先(サプライヤー)の銀行口座へ期日通りに銀行振込を実行します。
  3. 利用者は、サービス会社に対して、請求金額とサービス利用手数料の合計額を、自社のクレジットカードで決済します。
  4. 取引先には通常通りの銀行振込として入金されるため、クレジットカードで支払ったことを知られることはありません。

この記事の検索意図の主流はこちらにあると想定し、主にこの「支払う側」の視点で詳しく解説を進めます。

【受け取る側】「クレジットカード決済導入」の仕組み

これは、自社が発行する請求書に対して、取引先(顧客)がクレジットカードで支払えるようにするための仕組みです。

この場合、自社はクレジットカードの「加盟店」になる必要があります。顧客がカード決済を利用できるように、決済システムを導入するイメージです。

最も一般的なのは、「決済代行会社」を経由する方法です。顧客がカード決済を行うと、決済代行会社がその代金を一時的に預かります。その後、決済代行会社が「加盟店手数料」を差し引いた金額を、後日まとめて自社の口座に入金します。

【支払う側】請求書カード払いサービス徹底活用術:資金繰り改善の切り札

ここからは、請求書を「支払う側」にとっての核心的なメリット、すなわち「資金繰りの改善」に焦点を当てて解説します。このサービスは、単なる決済手段の変更ではなく、実質的に「金融」の側面を持つ強力なツールです。

最大のメリット:支払いを最長60日延長し、キャッシュフローを劇的に改善する

このサービスの最大の価値は、銀行借入なしで支払いを先延ばしにできる点にあります。

通常、銀行振込であれば、支払期日に手元の現金(キャッシュ)が出ていきます。しかし、このサービスを使うと、その支払いをクレジットカードの引き落とし日まで延長できます。

なぜ「最大60日」の延長が可能になるのか、その仕組みを具体的に見てみましょう。

例:11月30日が支払期日の請求書(30万円)があるとします。

11月30日に、銀行振込ではなく「請求書カード払いサービス」を利用して、この請求書の支払いを申し込みます。

サービス会社が、11月30日に取引先の口座へ30万円を振り込みます。これで取引先への支払いは完了です。

一方、利用者はサービス会社への支払い(30万円+手数料)をクレジットカードで決済します。

このカード決済が、仮に「12月15日締め、翌月1月27日引き落とし」のクレジットカードだったとします。

すると、本来11月30日に必要だった30万円の現金は、実際の引き落とし日である1月27日まで手元に残すことができます。

これが「支払いの最大60日延長」のカラクリです。月末の資金繰りが厳しい時や、取引先からの入金が遅れている時でも、このサービスを使えば手元資金を確保し、黒字倒産のリスクを回避できます。

この「スピード」と「手軽さ」は、他の資金調達手段と比較すると際立っています。

  • 銀行融資:審査が厳しく、実行までに時間がかかります。
  • ビジネスローン:金利(年利6%~18%など)が高く、審査も必要です。
  • ファクタリング:手数料が非常に高額(5%~20%など)になるケースがあります。

請求書カード払いサービスは、これらの手段と比べて「最短即日」で利用でき、「原則審査なし」、「手続きの手間が少ない」という点で、短期のつなぎ資金確保の手段として非常に優れています。

隠れたメリット:経理DXの実現とクレジットカードポイント獲得

資金繰り改善以外にも、実務的なメリットが存在します。

業務効率化(経理DX)

経理担当者にとって、毎月の銀行振込作業は大きな負担です。複数の取引先への振込を手作業で行うと、手間も時間もかかります。

請求書カード払いサービスを利用すると、これらの支払いをクレジットカードの利用明細に「一本化」できます。これにより、支払い管理が容易になるだけでなく、振込作業そのものと、都度発生していた銀行の振込手数料も削減できます。

クレジットカードポイントの獲得

BtoB取引では、仕入れ費、広告費、さらにはサービスによっては社会保険料や家賃といった高額な支払いが発生します。

これらを銀行振込からクレジットカード払いに切り替えることで、支払金額に応じたクレジットカードのポイントやマイルが貯まります。

例えば、月500万円の支払いをこのサービスに切り替えた場合、手数料が3%(15万円)かかったとしても、利用するカードのポイント還元率が1%(5万円相当)であれば、実質的なコストは2%(10万円)に圧縮されます。

この「実質コスト」で「支払いを60日間延長できる」価値をどう捉えるかが、経営判断のポイントとなります。

仮に実質コスト2%で60日間の資金を調達できると考えると、単純計算での年利換算は約12%(2% × (365日 / 60日))に相当します。これは、ビジネスローンの金利水準(年利6%~18%など)と比較しても、十分に競争力のある選択肢と言える場合があります。

注意すべき2つのデメリット:手数料と利用限度額

もちろん、メリットばかりではありません。導入前に必ず確認すべきデメリットが2つあります。

手数料の発生

最大のデメリットは、サービス利用手数料が発生することです。銀行振込であれば数百円の振込手数料で済んだところ、請求書カード払いサービスでは、支払う側が請求金額の3%前後の手数料を負担する必要があります。

手数料の相場はサービスによって異なりますが、おおむね2.7%から4.4%程度の範囲です。これは新たなコスト増となるため、先述した「資金繰り改善」や「ポイント獲得」のメリットと天秤にかける必要があります。

クレジットカードの利用限度額

このサービスは、利用者が保有するクレジットカードの利用限度額(与信枠)の範囲内でしか使えません。

したがって、限度額を超えるような高額な設備投資の支払いや、大規模な仕入れには利用できない場合があります。利用を検討する際は、自社の法人カードやビジネスカードの限度額をあらかじめ確認しておく必要があります。

【2025年最新】主要「請求書カード払いサービス」徹底比較

サービスを選定する上で、手数料は最も重要な比較項目です。

ここで特に注意すべきは、手数料が「課税(消費税がかかる)」か「非課税」かという点です。

例えば、手数料率が「3.0%(課税)」のサービスAと、「2.9%(非課税)」のサービスBがあったとします。

サービスAの実質負担は 3.0% × 1.10 = 3.3% となります。

一方、サービスBは非課税のため、負担は2.9%のままです。

このように、表面的な数字だけではなく、税区分まで確認することが賢明なサービス選択につながります。

以下に、主要なサービスの特徴を比較表にまとめます。

サービス名手数料(税区分)最低手数料振込速度対応カードブランド社会保険料
INVOYカード払い3.0% (税抜)300円 (1万円未満)最短即日Visa/Mastercard/JCB可能
SBPS請求書カード払い3.0% (税抜)600円 (税抜)最短即日JCB (他は順次対応予定)可能
ゆとりペイ2.9% (非課税)(記載なし)最短即日Visa/Mastercard/JCB可能
SA請求書カード払い4.0% (税抜, 実質4.4%)(記載なし)最短翌日Visa/Mastercard/Saison可能
クレカQUICK (ゼウス)2.24%0円(要確認)5大ブランド(要確認)
LP請求書カード払い2.95% (非課税)600円最短即日Visa/Mastercard/JCB可能 (法人のみ)
フリーウェイ請求書カード払い2.7% (非課税)600円最短即日(要確認)(要確認)
SMBC (インフキュリオン)3.0%300円 (1万円未満)最短即日SMBC法人カード(要確認)

【受け取る側】クレジットカード決済導入のメリットと課題

ここからは、視点を変えて、請求書を「受け取る側(加盟店)」がクレジットカード決済を導入するケースについて解説します。

なぜBtoB(企業間取引)でカード決済導入が進むのか

従来、BtoB取引は請求書発行と銀行振込が基本でした。しかし近年、BtoBの世界でもBtoC(消費者向け取引)のような、スムーズな「購買体験(CX)」が求められるようになっています。

決済手段の多様化に対応することは、顧客の利便性を高め、企業の成長につながります。

顧客の購入単価の向上

顧客(支払う側)にとって、クレジットカード決済は手元に現金がなくても商品やサービスを購入できる手段です。そのため、予算よりも高額なものを購入する傾向があり、現金決済に比べて顧客単価が高くなることが期待できます。

業務効率化

決済を導入することで、入金・請求業務の一元管理が可能になります。銀行振込で発生する、入金確認や消込作業(どの顧客から、どの請求に対して入金があったかを確認する作業)の煩雑さを解消し、経理業務を効率化できます。

導入コストと「加盟店手数料」の相場

クレジットカード決済を導入するには、主に2つの方法があります。

カード会社との「直接契約」

クレジットカード会社(Visa, Mastercardなど)と個別に契約する方法です。会社ごとに初期費用や月額固定費がかかるほか、締め日や入金日が異なるため、経理業務が逆に煩雑になる可能性があります。

「決済代行会社経由」の契約

決済代行会社が、複数のカードブランドとの契約をまとめて代行してくれる方法です。初期費用は無料であることが多く、入金管理の窓口も一本化できるため、現在はこちらが主流です。

導入後は、月額固定費(相場は3,000円程度)や、決済1回ごとのトランザクション費用(データ処理費)がかかる場合があります。

そして、最も大きなコストが「加盟店手数料」です。

決済手数料の相場は、業種や取引額によって異なります。

  • BtoC(消費者向け):3%~10%と比較的広範囲です。
  • BtoB(企業間向け):専用プランが用意されている場合、BtoCよりも低めに設定される傾向があります。相場は~3%程度、あるいは2.24%や2.5%~といった事例が見られます。

手数料は誰が負担するのか? 支払う側との決定的な違い

ここで、この記事の前半で解説した「支払う側」のサービスとの決定的な違いが明らかになります。

支払う側のサービス(資金繰り改善)の場合

手数料(約3%)を負担したのは、支払う側(利用者)でした。

受け取る側の決済導入(売上向上)の場合

加盟店手数料(約2%~5%)を負担するのは、受け取る側(加盟店=自社)です。

日本では、クレジットカードの決済手数料は加盟店(=受け取る側)が負担することが「暗黙のルール」となっています。顧客に手数料を負担させる(上乗せする)ことは、カード会社の規約で禁止されている場合がほとんどです。

【必須知識】インボイス制度・電子帳簿保存法がカード払いに与える致命的な影響

【必須知識】インボイス制度・電子帳簿保存法がカード払いに与える致命的な影響

請求書カード払いサービスや、クレジットカード決済の利便性だけを見て導入を進めると、現代の経理実務において致命的なリスクを負うことになります。

それが「インボイス制度」と「電子帳簿保存法」への対応です。

警告:クレジットカードの「利用明細書」はインボイス(適格請求書)ではない

経理実務において、これまでクレジットカードの利用明細書を経費精算の証憑(しょうひょう)として使ってきた企業は多いかもしれません。

しかし、インボイス制度(適格請求書等保存方式)のもとでは、原則としてクレジットカード会社が発行する「利用明細書」はインボイスとして認められません。

なぜ明細書はダメなのか

インボイス制度において、仕入税額控除(支払った消費税を、納める消費税から差し引く仕組み)を受けるためには、以下の要件を満たす請求書や領収書(=インボイス)の保存が必要です。

  1. 取引相手(仕入先)が発行したものであること。
  2. 適格請求書発行事業者の「登録番号」が記載されていること。

クレジットカードの利用明細書は、あくまで「カード会社」が発行した書類であり、「取引相手(仕入先)」が発行したものではありません。そのため、上記の要件1を満たせず、これだけでは仕入税額控除が認められないのです。

必要な対応

この変更は、経理業務の根幹を揺るがすものです。

インボイス制度に対応するためには、クレジットカードで支払いを行った場合でも、必ず取引相手(店舗やサービス提供元)から「インボイスの要件を満たした領収書やレシート」を別途、受領し、保存する必要があります。

従業員が法人カードで経費精算をする際も、カード明細の提出だけでは不十分であり、必ずインボイス(領収書)をセットで提出するよう、経理フローの変更と徹底が求められます。

2つの例外処理:少額特例とETCの特例

原則としてインボイスの保存が必須となりましたが、実務上の負担を考慮したいくつかの例外措置が存在します。

まず、少額特例の誤解についてです。インボイス制度導入前は、3万円未満の取引であれば領収書がなくても帳簿への記載だけで仕入税額控除が認められていました。

しかし、制度導入後はこの「3万円未満」の基準は廃止され、原則として少額であってもインボイスの保存が必要になりました。

ただし、経過措置として「少額特例」が設けられています。これは、基準期間(2年前)の課税売上高が1億円以下である事業者などに限り、「税込み1万円未満」の支払いについては、インボイスの保存がなくても帳簿への記載のみで仕入税額控除が認められるというものです。

重要なのは、これが2029年9月30日までの時限措置であるという点です。

次に、ETCの特例です。高速道路のETC利用料については、料金所ですべての利用者がインボイスを受け取ることが現実的ではありません。

そのため特例として、ETCの利用に関しては「クレジットカードの利用明細書」と、「ETC利用照会サービスでダウンロードした利用証明書(任意の一取引分で可)」をあわせて保存することで、インボイスの要件を満たすと認められています。

電子帳簿保存法が求める「データ」保存の義務

インボイス制度と並んで重要なのが、「電子帳簿保存法」への対応です。

「請求書カード払いサービス」の利用明細や、Amazonや楽天といったECサイトでの購入、その他Webサービス(SaaSなど)の利用料は、領収書や請求書が「電子データ」(PDFやWeb画面)で提供されることが一般的です。

電子帳簿保存法では、このように電子データでやりとりした取引情報(=電子取引)は、「電子データのまま」で保存することが義務付けられています。

つまり、「PDFで受け取った領収書を印刷し、紙の領収書だけを保存して、元の電子データを削除する」という経理処理は、法律違反となります。

データで受け取ったものは、データのまま、「真実性の確保」(改ざん防止)と「可視性の確保」(検索できる状態)の要件を満たして保存する体制を整える必要があります。

実務家のための請求書カード払い「経理処理(仕訳)」ガイド

実務家のための請求書カード払い「経理処理(仕訳)」ガイド

最後に、請求書カード払いを利用した際の具体的な会計処理(仕訳)について、実務的な観点から解説します。

【支払う側】「請求書カード払いサービス」の手数料の勘定科目

サービス利用時に支払う手数料(請求金額の3%前後)は、経費として計上します。

この手数料は、元の取引(仕入れなど)とは区別し、営業外費用または販売管理費として処理するのが一般的です。

使用する勘定科目は、「支払手数料」または「雑費」が適切です。

例えば、10万円の請求書(買掛金)の支払いに対し、手数料3,300円(うち消費税300円)が課税されるサービスを利用した場合、以下のように処理します。

(借方)支払手数料 3,000 / (貸方)普通預金 3,300

(借方)仮払消費税 300

なお、「非課税」の手数料(例:2.9%)の場合は、消費税は発生せず、「支払手数料 / 普通預金」のように処理します。

【支払う側】クレジットカード利用時の正しい仕訳(未払金)

クレジットカードで経費を支払った(または請求書カード払いサービスを利用した)場合、会計処理上、注意すべき点があります。それは、債務の相手先が変わることです。

「買掛金」は、仕入先(取引先)に対する営業上の債務です。カードで決済した時点で、仕入先への債務は消滅します。

その代わり、カード会社(またはサービス会社)に対する金融上の債務が新たに発生します。

この、カード会社への債務は「未払金」という勘定科目で処理するのが会計実務上、最も適切です。

仕訳は、以下の2段階で行います。

まず、カード利用時(例: 7月2日 消耗品1万円を購入)の仕訳です。

(借方)消耗品費 10,000 / (貸方)未払金 10,000

(※この時点で、取引先への債務は消滅し、カード会社への債務「未払金」が発生)

次に、口座引落時(例: 8月27日 口座から引き落とし)の仕訳です。

(借方)未払金 10,000 / (貸方)普通預金 10,000

(※カード会社への債務「未払金」がなくなり、現金が減少)

【受け取る側】売上と手数料の同時計上(クレジット売掛金)

決済を受け取る側(加盟店)の処理も確認します。

会計の原則上、売上は手数料を差し引かれた金額(手取り額)ではなく、総額で計上する必要があります。差し引かれた加盟店手数料は「支払手数料」として別途費用計上します。

まず、カード決済で100円の売上が発生(加盟店手数料が10円と仮定)した場合の仕訳です。

(借方)クレジット売掛金 90 / (貸方)売上 100

(借方)支払手数料 10

(※「クレジット売掛金」は、決済代行会社から後日入金される権利を示す)

次に、後日、決済代行会社から入金された場合の仕訳です。

(借方)普通預金 90 / (貸方)クレジット売掛金 90

まとめ:請求書カード払いを導入する前に確認すべき最終チェックリスト

請求書のクレジットカード払いは、資金繰りと業務効率化に大きなメリットをもたらす一方、コストや法制度対応という重大な注意点も伴います。

最後に、導入を決定する前に確認すべき要点を再確認します。

あなたは「支払う側」ですか?「受け取る側」ですか?

支払う側(サービス利用)の場合、目的は「資金繰り改善(支払い延長)」です。手数料(約3%~4%)は自社負担です。取引先に知られずに利用可能です。

受け取る側(決済導入)の場合、目的は「売上向上(顧客体験UP)」です。加盟店手数料(約2%~5%)は自社(加盟店)負担です。

【支払う側】それは「決済」ですか?「資金調達」ですか?

支払う3%の手数料は、単なる決済コストではありません。それは「最大60日間のキャッシュ(手元資金)」を手に入れるための「金融コスト(金利)」です。このコスト(実質年利換算)と、調達できるキャッシュの価値を天秤にかけてください。

【最重要】インボイス制度に対応できていますか?

クレジットカードの利用明細書はインボイスではありません。

カードで支払った(またはサービスを利用した)場合でも、必ず「インボイス要件を満たした領収書・レシート」を取引先から受領し、保存してください。これを怠ると、仕入税額控除が否認され、多額の消費税を追納するリスクがあります。

電子帳簿保存法に対応できていますか?

WebサービスやECサイトで受領した「電子データ」の領収書は、印刷して紙で保存するだけでは法律要件を満たしません。「電子データのまま」法律の要件に従って保存する義務があります。

これらのメリットとリスクを正しく理解し、自社の経営状況や経理体制に合わせた最適な判断を行うことが求められます。

この記事の投稿者:

hasegawa

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