クレジットカードの基礎知識

請求書支払い代行サービスとは何?その仕組みや利用するメリットについて解説

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請求書の支払い代行

BPSPという仕組み利用した「請求書支払い代行サービス」をご存じでしょうか?このサービスは、中小企業の資金繰り問題を解決できる可能性があるサービスとして注目を集めています。この記事では、請求書支払い代行サービスの基本的な概要と仕組みからサービスの利用手順までをわかりやすく説明します。

BPSP(請求書支払い代行サービス)とは何か?

BPSP(正式名:Business Payment Solution Provide)は、カード決済をしたい買い手と、カード決済を受け付けていない売り手の間で取引をつなぐBtoB向けの新しいサービスです。

BPSPは請求書の支払いを代行します。これにより、買い手は銀行振込ではなくカード決済が可能になり、企業間の取引がスムーズに進むようになります。

BPSPの現状

BtoC取引では、キャッシュレス決済が急速に広まっており、2022年には日本国内のキャッシュレス決済比率が36.0%に達し、10年前と比べて2倍以上に成長しました。

しかし、キャッシュレス決済の導入には、環境の整備や手数料などの課題も存在します。その結果、中小企業のBtoB取引において、キャッシュレス決済の導入率は低く、12.5%という状況です。つまり、現状では、企業間の取引におけるキャッシュレス決済の普及度はまだ十分ではありません。

経済産業省が実施した「キャッシュレス決済実態調査」によると、すべての取引先が一般消費者向け(BtoC)の事業のみを展開する企業の導入率は80.4%と高いですが、BtoB業種の場合、導入率はわずか12.5%です。

BPSPというアプローチは、キャッシュレス決済への対応が難しかった企業に新たな支払い手段を提供し、利便性を向上させる可能性があります。BPSPが普及すれば、このような状況を大きく変えることができます。

参照:

経済産業省「2022年のキャッシュレス決済比率を算出しました」

経済産業省「キャッシュレス決済実態調査アンケート結果」キャッシュレス決済導入状況 全体概要②【BtoC比率別導入状況】

BPSPが誕生した理由

決済手数料がかかる

BPSPが誕生した背景には、まず決済手数料の課題が挙げられます。キャッシュレス決済の手数料は、支払う金額に応じて変動するので、支払う金額が大きいほど手数料も高くなります。そのため、大規模な取引を行うBtoB(企業間取引)では、キャッシュレス決済をあまり利用しない傾向があります。なぜなら、通常、売り手がキャッシュレス決済手数料を負担する必要があるためです。その結果、多くの企業がキャッシュレス決済を利用することに消極的でした。

環境整備がしづらい

BPSPが誕生した背景として、中小企業は人材やリソース不足で新しいシステムの導入が難しく、キャッシュレス化やデジタル化が思うように進んでいないことも挙げられます。

キャッシュレス決済を使うには、専用端末の導入が必要ですが、その初期費用などは売り手側が負担しなければなりません。また、決済システムの運用にも手間がかかります。こうした環境整備の必要性がキャッシュレス決済導入のハードルとなっていました。しかし、BPSPが登場し、キャッシュレス決済の導入が簡素化され、より手軽に利用できる可能性が生まれました。

BPSPの仕組みを解説

従来、企業間でクレジットカード決済を行うには、売り手企業がクレジットカード加盟店であることが必要でした。しかし、BPSPでは、取引相手との間にBPSP事業者(疑似代理店)を置くことで、買い手企業がクレジットカード決済が可能になり、BPSP事業者が売り手企業への立替払いを行う仕組みとなっています。BPSPが機能することで、売り手企業がクレジットカード非加盟店でもキャッシュレス決済が可能です。

この仕組みを利用して生まれたのが請求書支払い代行サービスで、特に資金繰りに悩む中小企業を対象にしています。加盟店でない売り手企業でも、買い手側にカード支払い方法を提供できることが特徴です。

請求書支払い代行サービスの決済の流れ

請求書支払い代行サービスはどのような流れで決済が行われるのでしょうか。キャッシュレス決済の手順を見ていきましょう。

  1. 売り手企業が商品を仕入れし、販売する
  2. 売り手企業が販売分の請求書を送る
  3. 買い手企業が支払い代行サービス(BPSP事業者)に支払い申請を行う
  4. 支払い代行サービスが売り手企業に請求処分の買掛金を振り込む
  5. カード会社が買い手企業の口座からカード利用料を引き落とす

買い手企業はサービスに対応したクレジットカードを所持していれば、売り手企業がカード加盟店であるかどうかに関係なく、カード決済を利用できます。このシステムの大きな特徴は、既存のクレジットカードを使える点と、売り手側に代行サービスの利用を通知せずに支払いができる点です。BPSPを利用すると、従来の手続きに比べて、取引をより速やかに安全に行うことができます。

請求書支払い代行サービスを導入するメリットとは

請求書支払い代行サービスの利用でどのようなメリットが得られるでしょうか。主なメリットを5つ紹介します。

クレジットカードが使える

請求書支払い代行サービスの大きなメリットの1つは、従来の企業間取引と同じように請求書による支払いに対応していることです。つまり、請求書を受け取った後でも、支払いをクレジットカード決済で行うことができ、支払い方法の選択肢が増えます。決済方法が多彩な支払い代行サービスを選べば、ビジネスチャンスの拡大につながるでしょう。

審査など不要で申し込みが簡単

請求書支払い代行サービスのメリットの1つは、申し込みが簡単なことです。既存の法人カードを使用して支払いができるため、新しいカードを取得する必要がありません。BPSP事業者のウェブサイトで登録や必要書類の提出を済ませれば、すぐにサービスを使えます。

資金繰りの改善が期待できる

請求書支払い代行サービスでは、通常のクレジットカード決済と同じように、支払いは後払いになります。つまり、クレジットカード決済から実際に利用額が引き落とされるまでに時間がかかります。実際の支払いが最大で約40日間延長される場合もあります。BPSPサービスを利用することで後払いが可能になるため、資金繰りの負担を軽減でき、改善が期待できることもメリットです。

業務効率化につながる

BPSPに登録するクレジットカードを事業で使っているものにすれば、支出を一元管理できるため、帳簿の処理が簡単になります。支払いに関する情報は専用のウェブサイトで確認できます。支払いをカード払いに集約することで、業務効率化につながるでしょう。請求書支払い代行サービスは、事業者の資金繰りを支援するだけでなく、会計処理を簡素化するサービスでもあります。

カードのポイントが貯まる

請求書カード支払いサービスを利用すると、普段の買い物と同様にポイントを貯めることができます。特に毎月の外注費が高額な事業者にとっては、このサービスを利用することでたくさんのポイントを獲得できるため、非常にお得です。また、獲得したポイントを上手に活用すれば、節税にも役立ちます。BtoBの取引金額は一般の個人利用よりも大きい傾向があるため、ポイントを効率よく貯めることができるでしょう。

請求書支払い代行サービス(BPSP)を導入するデメリットとは

請求書支払い代行サービスを利用する際のデメリットについても把握しておきましょう。

まず、1つ目は事業者への手数料が発生すること、2つ目はクレジットカードの限度額を圧迫してしまうことです。

事業者への手数料が発生する

請求書カード支払いサービス(BPSP)を利用する場合、3~5%の手数料がかかります。通常のカード決裁であれば売り手側が手数料を負担することになりますが、BPSPの場合は買い手側が負担することになります。特に取引金額が高額になればなるほど手数料も高くなるため、注意が必要です。

クレジットカードの限度額に注意

BPSPはクレジットカードを使用して支払いをするため、カードの利用限度額を圧迫してしまう恐れがあります。

特に決済金額が大きいと、利用時にクレジットカードの上限に引っかかり、サービスのメリットを享受できない場合もあるため注意が必要です。

請求書支払い代行サービスの利用の流れ

つぎにサービスを利用する際の手順を確認しましょう。利用方法は簡単です。以下の3つのステップを踏むだけで、即日利用が可能です。

1.会員登録・ログイン

請求書支払い代行サービスの利用は、該当する法人カードを持つ企業ならすぐに始めることができます。会員登録を完了し、専用のサービスページにログインしてください。会員登録の手続きは、管理責任者が行います。企業情報や管理責任者(申込者)情報、口座情報などの入力が必要です。

2.クレジットカード番号の登録

専用サービスページで、支払いに使用するクレジットカード番号を登録します。請求書支払い代行サービスでは、通常、国内で発行された国際ブランドのクレジットカードに加えて、デビットカードやプリペイドカードにも対応しています。

3.請求書情報の入力と申請

取引先から請求書が届いたら、支払代行を依頼するために請求書情報を入力し、申請手続きを行います。申請期限内に手続きを完了すれば、支払期日までに請求書支払い代行サービスが支払ってくれます。後日、申請した振込金額と手数料がカードの利用代金に加算されますので、クレジットカードの支払日に、引き落としが行われたことを確認してください。

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まとめ

請求書支払い代行サービスを利用すると、取引先がカード決済に未対応でも、カードでの支払いが可能になります。このサービスは、売り手企業に通知することなく利用できることも

メリットと言えるでしょう。また、経費の支払いを法人カードに一元化することで、経理の負担が軽減されます。資金繰りの改善効果も期待できるため、買い手企業がビジネスを急拡大したい場面でも有効です。サービスのメリット・デメリットを加味した上で、自社に適した支払い代行サービスを検討してみてはいかがでしょうか。

この記事の投稿者:

hasegawa

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