
従業員が退職したとき、雇用保険被保険者資格喪失届をどう書けばよいか迷っていませんか。記入例を見ながら正しく作成できれば、提出のやり直しや退職者への迷惑を防げます。
この記事では、雇用保険被保険者資格喪失届の全項目の書き方を記入例付きで解説します。喪失原因コードの選び方や添付書類、提出期限まで網羅しているので、初めて手続きを担当する方でもスムーズに対応できます。
目次
雇用保険被保険者資格喪失届とは
雇用保険被保険者資格喪失届とは、雇用保険に加入していた従業員が退職したときなどに、事業主がハローワーク(公共職業安定所)に提出する届出書類です。雇用保険の資格が失われる場合に使用します。
正式名称は「雇用保険被保険者資格喪失届(離職証明書)」で、通常2枚で1組になっています。1枚目が資格喪失届本体、2枚目が離職証明書(離職票の原本となる書類)です。
提出が必要なケース
以下のいずれかに該当する場合、資格喪失届の提出が必要です。
- 退職・解雇・定年退職などによる離職
- 週の所定労働時間が20時間未満に変更された場合
- 65歳以上で高年齢被保険者から一般被保険者に変更になった場合
- 同一事業所内での転籍(被保険者番号が変わる場合)
提出先と提出期限
提出先は、事業所を管轄するハローワークです。提出期限は、被保険者でなくなった日の翌日から10日以内です。退職日が月末の場合、翌月10日が締め切りになります。期限を過ぎると過料が科される可能性があるため、速やかに手続きを進めましょう。
資格喪失届の書き方・記入例(項目別)
資格喪失届の主な記入項目と書き方を、記入例とともに解説します。
①事業所番号
ハローワークから付与された事業所番号(11桁)を記入します。事業所の労働保険関係成立届や、以前の届出書類に記載されています。分からない場合は管轄ハローワークに問い合わせてください。
②被保険者番号
退職する従業員の雇用保険被保険者番号(11桁)を記入します。雇用保険被保険者証に記載されており、入社時に本人から提出してもらった書類を確認します。以前に資格取得届を提出したときに交付された番号です。
③喪失原因
雇用保険の資格を喪失した理由を、所定のコードで記入します。主なコードは次のとおりです。
- コード1:離職以外の理由(労働時間短縮、適用除外、死亡など)
- コード2:事業主の都合による離職(解雇・倒産など)
- コード3:正当な理由のある自己都合退職(病気、家族の介護など)
- コード4:正当な理由のない自己都合退職(一般的な転職など)
コードの選択は失業給付の受給条件に直結するため、慎重に判断しましょう。
④離職年月日
従業員が実際に離職した年月日を記入します。退職辞令や労働契約書で確認した日付を記入し、記入例では「令和6年3月31日」のように元号表記にします。
⑤氏名(離職者)
退職する従業員の氏名を記入します。住民票や身分証明書と一致する正式な氏名を使用します。外国籍の従業員の場合、在留カードに記載された氏名を使います。
⑥生年月日
従業員の生年月日を元号(昭和・平成・令和)で記入します。記入例では「昭和60年5月15日」のように記載します。
⑦離職前の賃金
離職日前2年間(通算)の賃金を記入します。基本給のほか、各種手当・残業代も含みます。賃金台帳や給与明細を参照して記入してください。
離職証明書(2枚目)の書き方
資格喪失届に添付する離職証明書は、退職者が失業給付を申請する際の基礎資料となります。記入を誤ると失業給付の計算に影響するため、正確な記入が求められます。
賃金支払基礎日数の記入
離職前6か月の各月の賃金支払基礎日数を記入します。フルタイム勤務の場合は暦日数(28〜31日)、パートタイムの場合は実際の出勤日数を使います。
賃金額の記入
各月の賃金総額(税引前)を記入します。月々の支給額が変動する場合は、給与明細ごとに確認して転記してください。
離職理由の詳細
離職理由(コード)を具体的に記述する欄があります。「一身上の都合」「会社都合(事業縮小)」など、実際の状況に即した表現で記入します。退職者が後に「会社都合だった」と主張できないよう、退職届や合意書の内容と一致させることが重要です。
添付書類と電子申請
資格喪失届を提出する際に必要な添付書類と、電子申請の方法を確認しましょう。
必要な添付書類
- 雇用保険被保険者証(本人から回収)
- 離職証明書の従業員署名欄に署名・押印(本人署名が必要な場合)
- 賃金台帳の写し(3か月分以上)
- 出勤簿またはタイムカードの写し
65歳以上の高年齢被保険者は添付書類が異なる場合があるため、管轄ハローワークで確認してください。
電子申請(e-Gov)の活用
2020年からe-Gov(政府電子申請サービス)を使った電子申請が可能です。電子申請を利用すると、窓口へ赴く手間が省け、添付書類をPDFで送付できます。事業所番号とGビズIDを用意して手続きを進めましょう。
よくある記入ミスと注意点
資格喪失届の記入でミスが多い箇所と、その対処方法を紹介します。
喪失原因コードの選択ミス
最も多いミスが、喪失原因コードの選択誤りです。会社都合と自己都合を間違えると、退職者の失業給付の受給資格や給付日数に大きな影響が出ます。退職理由を慎重に確認し、不明な場合はハローワークに相談しましょう。
被保険者番号の転記ミス
11桁の被保険者番号を1桁でも誤ると、届出が受理されない場合があります。雇用保険被保険者証と照合しながら丁寧に記入してください。
賃金額の計算誤り
給与明細に記載された支給額と、賃金台帳の金額が一致していない場合があります。源泉徴収前の税引前総支給額を記入することを確認しましょう。
まとめ
雇用保険被保険者資格喪失届は、従業員が退職した日の翌日から10日以内に、管轄ハローワークへ提出する義務があります。記入時のポイントは、喪失原因コードの正確な選択、被保険者番号の確認、賃金額の正確な転記の3点です。
離職証明書(2枚目)の記入を誤ると失業給付の計算に影響するため、賃金台帳や出勤簿をもとに慎重に記入しましょう。電子申請(e-Gov)を活用すると、手続きの効率化が図れます。
初めて手続きを担当する場合は、管轄ハローワークに事前に問い合わせると安心です。書類の不備を防ぐためにも、記入後は全項目をチェックリストで確認する習慣をつけましょう。



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