
手書きの始末書の書き方|コピーして使える例文と5つの注意点を解説
手書きの始末書の書き方さえ押さえれば、誠意が伝わる文面で事態を円満に収め、職場の信頼を最速で取り戻せます。この記事を読めば、件名・経緯・反省・再発防止の4要素を盛り込んだ構成と、そのままコピーできる例文・NGポイントまで網羅的に理解できます。始末書を書いたことがない方でも、本記事のテンプレートに沿って穴埋めするだけで完成させられます。
目次
始末書とは|顛末書・反省文との違い
始末書とは、会社に対して問題やミス・規律違反について事実の説明・謝罪・再発防止の誓約を書いた文書です。懲戒処分(けん責)の一環として提出を求められる場合が多く、人事記録として保管されます。
顛末書は事実経緯の報告が主で謝罪要素が少ない書類です。反省文は謝罪・反省が主で法的効力は弱いとされます。始末書は三者の中で最も正式な書類であり、内容によっては後の処分や損害賠償の根拠になり得ます。
手書き始末書の基本構成
手書きで始末書を作成する場合の基本構成は以下のとおりです。
①タイトル(始末書)
②宛名(〇〇株式会社 代表取締役 〇〇様、または所属長名)
③件名(〇〇に関する始末書)
④本文:事実経緯の説明 → 反省・謝罪 → 原因分析 → 再発防止策
⑤日付・所属・氏名・捺印
用紙はA4白無地または罫線入り便箋を使用し、縦書き・横書きどちらも可です。黒ボールペンまたは万年筆を使用し、鉛筆・消えるボールペンは避けます。文字は丁寧に書き、誤字があった場合は二重線で訂正印を押します。修正液・修正テープは使用しないことが原則です。
書き方ステップ
Step1:件名を明確にする
「〇〇(問題の内容)に関する始末書」と具体的に記載します。
Step2:事実経緯を客観的に書く
「いつ・どこで・何をしたか(しなかったか)」を簡潔に記述します。感情的な表現は避け、5W1Hで整理します。
Step3:反省・謝罪を書く
「誠に申し訳ございません」「深くお詫び申し上げます」など誠意ある言葉を使います。言い訳が先に来ないよう注意します。
Step4:原因を分析する
「〇〇の確認が不十分だった」「連絡・報告が遅れた」など具体的な原因を書きます。
Step5:再発防止策を具体的に書く
「今後は〇〇を必ず確認します」「毎週〇〇をチェックします」など具体的な行動を誓約します。「気をつけます」だけでは不十分です。
始末書の例文(手書き対応・穴埋め形式)
以下の例文はそのまま手書きで使用できます。()内を実際の内容に置き換えてください。
—
始末書
(宛名)殿
件名:(問題の内容)に関する始末書
私は令和(〇)年(〇)月(〇)日、(起きた問題の概要を一文で記載)という事態を引き起こしてしまいました。関係各位に多大なるご迷惑とご心配をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。
上記の事態が生じた原因は、(具体的な原因:確認不足・連絡怠慢等)にあったものと深く反省しております。
今後は(具体的な再発防止策)を徹底し、二度とこのような事態を起こさないよう誠心誠意努力することをお誓い申し上げます。
令和(〇)年(〇)月(〇)日
(部署名)
(氏名) ㊞
—
シンプルで誠意が伝わる構成です。事実と再発防止策の具体性がポイントです。
手書き始末書の5つの注意点
注意点①:事実と異なることを書かない
事実に反する内容を書くと、後から証拠と矛盾するリスクがあります。分からない事実は「確認中」と書き、推測を断定的に記述しないようにします。
注意点②:損害賠償の約束を書かない
「損害を全額賠償します」など明確な賠償約束を始末書に書くと、後から法的請求の根拠とされる恐れがあります。
注意点③:他者を巻き込まない
他の社員の名前や関与を書くことは状況を複雑にします。自分の行為についてのみ記述することが原則です。
注意点④:コピーや印刷を手元に残す
提出前に手書き内容を写真または複写で保管しておきましょう。後から内容を確認できるようにするためです。
注意点⑤:提出期限を守る
会社が指定した提出期限を必ず守ります。遅れることで態度が問題視され、処分が重くなるケースがあります。
始末書と関連する人事手続き
始末書の提出が求められる際、同時に行われる可能性がある人事手続きについて知っておくと安心です。
けん責・戒告処分:
始末書を伴う最も一般的な処分です。書面で厳重に注意し、始末書の提出を求めます。降格・減給等の重い処分は伴わない軽度の処分です。
始末書の保管期間:
人事記録として会社が保管します。法定保管期間はありませんが、一般的に退職後5〜10年程度は保管されます。
始末書後の評価への影響:
けん責処分の記録は人事考課に影響することがあります。年度末の評価面談で確認しておくと安心です。
同じミスの繰り返しへの対応:
同様の問題を繰り返した場合は、より重い処分(減給・出勤停止等)につながる可能性があります。始末書に書いた再発防止策を確実に実行することが信頼回復の近道です。
始末書は反省と再出発のための文書です。誠実に対応し、行動で変化を示すことが最も重要です。
デジタル(電子)提出と紙提出の違い
近年、テレワーク普及に伴い始末書を電子データで提出するケースが増えています。
電子提出の場合:
・PDF形式でメール送信または社内システムに提出
・電子署名(印鑑不要)または電子印鑑を使用
・電子帳簿保存法に対応した形式で保管
紙提出(手書き)との使い分け:
・会社の規程で紙指定:手書きで提出
・規程がない場合:上司に確認して判断
・テレワーク中:電子提出が認められるケースが多い
電子提出でも誠意は伝えられます。重要なのは内容の誠実さと再発防止策の具体性です。フォーマットにかかわらず、正確な事実と誠実な反省を書くことを最優先にしてください。
始末書を拒否された場合・書けない場合の対処法
就業規則に根拠がある場合、始末書の提出は原則として断れません。しかし、内容に問題がある場合や不当な要求の場合は異議を申し立てることができます。
内容に同意できない場合:
「この内容の一部(〇〇の点)については事実と異なる理解です」と付記した上で署名する方法があります。全面的な拒否は処分が重くなるリスクがあるため、異議を書面で残す形が無難です。
不当な要求(パワハラ等)の場合:
・労働組合に相談する
・労働基準監督署に申告する
・弁護士(法テラスの無料相談)に相談する
精神的に追い詰められている場合:
会社のEAP(従業員支援プログラム)や産業医への相談も検討してください。一人で抱え込まず、外部のサポートを活用することが大切です。

目的別・ケース別の始末書例文集
実際に手書きで使える例文をケース別に紹介します。
【業務上のミス(書類の紛失)】
始末書
〇〇部長 殿
件名:顧客書類の紛失に関する始末書
私は令和〇年〇月〇日、〇〇様の契約書類を社内にて紛失する事態を引き起こしました。お客様および関係者の皆様に多大なご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。
原因は書類の保管場所の管理が不徹底であったことにあります。今後は書類管理を専用ファイルに一元化し、受領・返却の記録を毎回実施することを誓います。
令和〇年〇月〇日 〇〇部 〇〇 印
【遅刻・無断欠勤】
始末書
〇〇課長 殿
件名:無断欠勤に関する始末書
私は令和〇年〇月〇日に体調不良のため無断で欠勤し、事前に連絡をせず、多大なご迷惑をおかけしました。誠に申し訳ございませんでした。
体調管理の不備と連絡を怠ったことを深く反省しております。今後は体調が優れない場合は前日または早朝に必ず上長に連絡し、業務に支障をきたさないよう努めます。
令和〇年〇月〇日 〇〇課 〇〇 印
【情報漏えい(軽微な場合)】
始末書
〇〇部長 殿
件名:社内情報の取り扱いに関する始末書
私は令和〇年〇月〇日、業務上知り得た情報を社外の知人との会話の中で開示してしまいました。情報管理規程に違反する行為であり、会社および関係者の皆様に多大なご心配をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます。
情報管理の意識が不足していたことを深く反省しております。今後は情報管理規程を再度徹底確認し、業務上の情報を社外で一切話さないことをお誓い申し上げます。
令和〇年〇月〇日 〇〇部 〇〇 印
職種・業種別の始末書の特徴
職種・業種によって始末書の内容・書き方の特徴が異なります。
営業職の場合:
顧客への誤案内・契約書の誤記・納期遅延等が対象になることが多いです。「顧客への影響」と「再発防止のための業務プロセス改善」を具体的に書くことが求められます。
製造・工場職の場合:
品質事故・設備の操作ミス・安全規則違反等が対象です。「なぜなぜ分析」の結果を反映した具体的な再発防止策(点検手順の変更・教育の実施等)が重要視されます。
医療・介護職の場合:
投薬ミス・情報管理ミス・介護中の転倒事故等が対象になり、患者・利用者への影響と安全管理体制の改善が核心となります。インシデントレポートと連動させる場合もあります。
公務員・行政職の場合:
法令・規則の遵守が特に厳しく求められるため、始末書の内容も詳細かつ正確な事実記述が求められます。処分の種類(訓告・戒告)に応じた書類が用意される場合があります。
IT・エンジニア職の場合:
システム障害の引き起こし・セキュリティインシデント・顧客データの誤削除等が対象です。技術的な原因分析と具体的な技術的再発防止策(コードレビュー強化・テスト工程の見直し等)が重視されます。
始末書の心理的負担を軽減するコツ
始末書を書くことは精神的に重い作業です。心理的負担を軽減しながら、誠実な始末書を書くための視点を紹介します。
始末書を「罰」ではなく「成長のチャンス」と捉える:
問題を客観的に振り返り、原因を正確に把握して再発防止策を考えるプロセスは、業務改善・自己成長の機会です。「書かされる書類」ではなく「自分の成長記録」という視点で臨むと、内容も自然と充実します。
感情を切り離して事実を整理する:
「申し訳ない」という感情は大切ですが、始末書の本体は事実の記録です。感情的にならず、5W1Hで事実を整理することで客観的な文章が書けます。
完璧を目指さない:
始末書は完璧な文章である必要はありません。誠実さと具体性が伝わることが最も重要です。文章が上手でなくても、事実を正確に書き再発防止を誓う言葉があれば十分です。
第三者(信頼できる上司・同僚)に読んでもらう:
提出前に信頼できる人に読んでもらい、事実の正確性・再発防止策の具体性を確認してもらうと安心です。
手書き始末書と就業規則の関係|提出義務の根拠を確認
始末書の提出義務は就業規則に根拠があります。就業規則には「けん責・戒告の際は始末書を提出させることができる」といった規定が設けられており、これが法的な根拠となります。
就業規則を確認する際のポイント:
・始末書の提出を求める場合の条件(どのような違反が対象か)
・提出期限の規定
・提出を拒否した場合の処分
・始末書の保管期間
就業規則に規定がない場合:
就業規則に始末書の提出に関する規定がない場合、法的な提出義務は発生しません。ただし、上司から求められた場合は任意で提出することが職場の信頼関係上は望ましいです。
パートタイム・アルバイトにも適用されるか:
パートタイム・アルバイトにも就業規則は適用されます(常時10名以上の事業場では全ての労働者に適用)。正規・非正規の区別なく始末書の提出を求められる場合があります。
就業規則の入手方法:
セルフサービス型(社内イントラ・配布)または人事部への請求で入手できます。労働者は就業規則の閲覧を要求する権利があります(労働基準法106条)。
手書き始末書の文章のコツと禁止表現
始末書の文章をより誠実に、効果的に書くためのコツと、使ってはいけない表現を解説します。
効果的な表現:
・「深く反省しております」→ 具体的に何を反省しているかを添える
・「二度とこのようなことがないよう」→ 再発防止策の具体名を記載する
・「多大なご迷惑をおかけし」→ 誰にどのような影響があったかを書く
使ってはいけない表現:
・「悪意はありませんでした」→ 言い訳に聞こえる
・「〇〇さんも同様のことをしていた」→ 他者への言及はNG
・「このような状況にさせた会社にも問題がある」→ 責任転嫁
・「以後注意します」のみ→ 再発防止策として不十分
・「損害は全額賠償します」→ 法的リスクあり
文体について:
手書き始末書は「です・ます調」(敬体)が一般的です。「だ・である調」(常体)は失礼に当たる場合があります。書き出しは事実の説明から始め、謝罪→原因→再発防止の順で構成します。
よくある質問
Q:始末書の提出期限はどれくらいが一般的ですか?
A:会社によりますが、問題発生後3〜7営業日以内が一般的です。上司に確認してください。
Q:始末書を何枚書いても構いませんか?
A:一件の事案に対して始末書は原則1枚です。複数回書くよう求められた場合(同一事案で)は、不当要求の可能性があります。
Q:退職後に始末書の提出を求められた場合は?
A:退職後には就業規則の適用がなくなるため、提出義務は原則ありません。ただし退職時に合意した内容に始末書が含まれる場合は確認が必要です。
Q:始末書を書く際に弁護士に相談する必要はありますか?
A:内容が損害賠償や法的責任に関わる重大な場合は弁護士への相談をおすすめします。軽微な業務上のミスであれば通常は不要です。
Q:始末書の文字数・長さの基準はありますか?
A:法律上の規定はありません。一般的にA4用紙1〜2枚程度(600〜1200字程度)が多いです。長すぎる始末書は読みにくくなります。要点を簡潔に伝えることが重要です。
Q:ワープロ(印刷)ではなく手書きでないといけませんか?
A:法律上の規定はありませんが、会社が手書きを指定している場合はそれに従います。手書きは誠意・本気度が伝わりやすいとされているためです。ワープロ可の会社ではパソコン作成でも問題ありません。
Q:ボールペンの色は黒でないといけませんか?
A:原則として黒または青のボールペン・万年筆を使用します。赤ペンは訂正・添削のイメージがあるため避けます。
Q:始末書に印鑑は必要ですか?
A:会社の慣習によりますが、認印(シャチハタ不可)を押すことが一般的です。印鑑がない場合はサインのみでも受け付けてもらえる場合があります。
Q:始末書を書いた後、会社からコピーを求められた場合は?
A:応じて問題ありません。自分のコピーも保管しておきましょう。
まとめ
手書きの始末書の書き方と注意点について解説しました。
件名・経緯・反省・再発防止の4要素を盛り込んだ構成が基本です。事実を正確に書き、損害賠償の約束や他者への言及を避けることが重要です。手書きは黒ボールペン・丁寧な文字で誠意を示しましょう。提出前に必ずコピーを保管し、期限内に提出してください。始末書はミスの反省と再発防止のためのものです。誠実に対応することが職場の信頼回復への近道です。手書き始末書の注意点と署名・捺印のルール
手書きで始末書を作成する際の細かなルールを解説します。
用紙の選び方:
A4の白無地用紙または便箋が一般的です。横書きの場合は罫線入りの用紙を使用すると書きやすいです。会社から用紙が指定された場合はそれに従います。
筆記用具:
黒または青のボールペンか万年筆を使用します。消せるボールペン(フリクション等)は証拠として弱くなるため避けます。鉛筆は不可です。
誤字の訂正方法:
書き間違えた場合は、二重線を引いて訂正印を押します。修正液や修正テープは使用してはいけません。重大な誤りは書き直すことをおすすめします。
宛名の書き方:
「〇〇株式会社 代表取締役 〇〇 様」または「〇〇部長 〇〇 殿」など、提出先を明記します。社内の慣習に従ってください。
署名と捺印:
氏名は必ず自署(自分の手書き)にします。認印を押す場合はシャチハタ不可で、実印または認印(押印後にぶれないよう注意)を使います。サインのみの場合も本人の手書きが原則です。
日付の記載:
始末書の最後に提出日(年月日)を記載します。事案が発生した日ではなく提出日を書くのが通常です。
提出前のチェックリスト:
□ 宛名は正確か
□ 件名は具体的か
□ 事実関係は正確か
□ 謝罪・反省の言葉が含まれているか
□ 再発防止策は具体的か
□ 日付・署名・捺印があるか
□ コピー(写真)を手元に保管したか



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