経理業務について 収入印紙の払い戻しは可能?郵便局での交換の条件や還付の制度についても解説 最終更新日: 2022/10/04   公開日: 2022/10/04

収入印紙を誤った金額で購入したり、使用する見込みが無くなったりした場合は、どのように対処すればいいのでしょうか。本記事では、収入印紙の払い戻しや交換・還付などに関する制度についてご紹介します。具体的な手続きの方法についても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

収入印紙とは?

概要

収入印紙とは、印紙税を納めるための証票です。印紙税法に基づく課税文書を作成した際に、印紙税と同額の収入印紙を貼り付け使用します。課税文書に貼り付けられた収入印紙に消印が押されることで、印紙税を収めたと認められます。

印紙税の他にも、登録免許税など、国に納付すべき手数料などの支払いに使うケースもあります。収入印紙は切手のような見た目をしており、郵便局などで購入できます。

また、同じような意味合いの言葉として「収入証紙」がありますが、これは地方公共団体への支払いを行うためのものであり、収入印紙とは別物です。

参考:収入印紙関連コラム
収入印紙にかかる金額は?領収書の貼り方や購入方法を解説

収入印紙は払い戻し出来る?

収入印紙は郵便局で取り扱っていますが、できるのは購入・交換であり、払い戻すことはできません。

税務署に持参すれば還付の申請をできることがありますが、還付には後述する条件が定められています。また、未使用であれば金券ショップで換金することが可能です。その場合は本来の額面よりも少ない金額で買い取られることになるので注意しましょう。収入印紙の種類によっては買い取ってくれない店舗もあります。

このような仕組みになっていることから、収入印紙を購入する際は、金額や必要性をよくチェックしてから購入することをおすすめします。

収入印紙の郵便局における交換

収入印紙は郵便局で交換ができますが、対象となる状況が細かく定められています。交換時のルールなども含めて、事前に確認しておきましょう。

交換の対象になるもの

郵便局で交換できるものは、以下のように定められています。

・未使用の収入印紙
・明らかに印紙税の課税文書ではないものに貼り付けた収入印紙
(白紙、封筒、登記申請書、旅券引換書など)

「印紙税の課税文書」とは、収入印紙を貼ることを印紙税法で義務付けられた書類であり、領収書や請負契約書などがこれに該当します。もし誤って貼り付けてしまった場合には、郵便局ではなく納税地の所轄税務署で申請を行います。

なお、以下に当てはまる場合には交換の対象として認められません。

・汚れたり、すでに消印が押されたりしている収入印紙
・税金などの納付に用いられた疑いがある収入印紙
・すでに貼り付けられた収入印紙で、かつその書類から切り取られた収入印紙

交換対象となる収入印紙については、国税庁のホームページで詳しく述べられています。

収入印紙の交換制度|国税庁
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/07/01.htm

交換のルール

収入印紙を郵便局で交換する際には、交換手数料を支払う必要があります。収入印紙1枚あたり5円を支払うことで交換できる仕組みです。なお、10円未満の収入印紙はその金額の半分が手数料として請求されます。

郵便局で行えるのは、誤って購入した収入印紙を、その他の金額の収入印紙に交換することです。例えば、1万円の収入印紙を購入した後、取引が取りやめになったなどの理由で不要になったとしましょう。現金1万円に交換することはできませんが、その他の収入印紙に交換は可能です。200円〜1,000円など、より使う可能性の高い収入印紙に交換するといったケースが挙げられます。

収入印紙の交換は郵便局の窓口の営業時間内に持参します。夜間受付など本来の営業時間外には対応してくれないので、注意しましょう。

収入印紙の還付

場合によっては、手続きを行うことで還付金が受け取れることがあります。還付には条件があるため、よく確認してから手続きを行いましょう。

還付の対象になるもの

収入印紙は印紙税を納めるためのものであり、その返金は還付と呼ばれます。還付できるケースは、以下の通りです。

・印紙税の課税文書に貼った収入印紙が、所定の額より高い金額である場合
・印紙税の課税文書ではないのにも関わらず、課税文書と誤認して収入印紙を貼った場合
・収入印紙を印紙税の課税文書に貼りつけたが、使用する予定がなくなった場合

収入印紙を貼り付ける書類には、印紙税の課税文書だけではなく、国への手数料を支払うための書類などもあります。この場合は印紙税法による還付の対象にならず、還付は認められません。

また、還付金の請求は収入印紙を貼り付けた日から5年以内と定められています。5年を経過すると還付請求を行える権利が失われるので注意しましょう。

参考:誤って納付した印紙税の還付|国税庁

還付のルール

還付を希望する場合には、国税庁のホームページでダウンロードできる「印紙税過誤納確認申請(兼充当請求)書」を記入する必要があります。

記入後は、収入印紙を貼り付けてしまった文書とともに、納税地の税務署に持参または郵送にて提出します。郵便局での交換とは異なり、手数料は不要です。なお、誤って貼り付けた文書はそのまま送るものであり、収入印紙をはがしたり、切り取ったりする必要はありません。

印紙税の還付が認められた場合には、銀行口座振込もしくは郵便局を通じて送金されます。還付金を受け取るまでには若干の日数がかかることを覚えておきましょう。

参考:[手続名]印紙税過誤納[確認申請・充当請求]手続|国税庁

まとめ

郵便局で収入印紙を払い戻すことはできませんが、交換や税務署での還付という形で手続きを行うことは可能です。いずれの場合にも手続きの条件やルールが定められているため、確認してから申請を行いましょう。

また、汚れている場合やはがしてしまった場合などはこれらの手続きの対象となりません。誤って購入してしまった収入印紙や、使用の見込みがなくなった文書でも、慌てず保管しておくことが大切です。

この記事の投稿者:

shimohigoshiyuta

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