
リースバックを利用したあと、「こんなはずじゃなかった」と後悔する人が急増しています。自宅を売却しながらそのまま住み続けられる便利なしくみのはずが、気づけば家賃の支払いに苦しみ、契約満了で退去を迫られ、もとに戻れない状況に陥っているケースが後を絶ちません。
この記事では、リースバックで後悔する7つの理由を具体的なトラブル事例とともに解説します。記事を読み終えるころには、リースバックの落とし穴を事前に把握し、自分にとって本当に最善の選択かどうかを冷静に判断できるようになります。実際に相談窓口に寄せられた被害事例や、家賃計算の具体的な数字も示しながら説明しますので、検討中の方はぜひ最後まで読んでください。
リースバックは使い方によっては資金繰りの有効な手段です。しかし、仕組みを正しく理解しないまま契約すると、取り返しのつかない損失につながりかねません。どんな点に注意すれば後悔を防げるのか、チェックリストも含めて丁寧に解説していきます。
目次
リースバックで後悔する人が増えている現状
国民生活センターへの相談が急増している
リースバックに関するトラブルの件数は、近年増加の一途をたどっています。国民生活センターが2025年5月に公表した注意喚起資料によると、住宅リースバックに関する相談件数は2023年度に221件、2024年度に239件と年々増加しており、そのうち約7割が70歳以上という状況です。「売却後もそのままずっと住み続けられると説明された」「家賃が値上げされて支払えなくなった」「執拗に勧誘され断れなかった」といった声が多く寄せられています。
リースバックは比較的新しいサービスであり、内容を正確に理解している人はまだ少数にとどまります。2024年時点の調査では、リースバックの仕組みを「よく知っている」と答えた人は全体の10%以下という結果もあります。理解が不十分なまま勧誘を受け、高齢者が不利な条件で契約してしまうケースが社会問題化しているのです。
相談窓口は消費者ホットライン「188(いやや!)」が設けられています。すでにトラブルが生じている場合は、早めに最寄りの消費生活センターへ連絡することをおすすめします。
仕組みと後悔が生まれる構造的な問題
リースバックとは、自宅を不動産会社に売却し、その後は借主として家賃を支払いながら同じ家に住み続けるしくみです。売却で得た資金を老後の生活費や住宅ローンの返済に充てながら、引っ越しという手間やコストを避けられる点が最大の特徴です。
後悔が生まれる構造的な原因は、売る側と買う側の利益相反にあります。リースバックで買い取る不動産会社は投資家として利益を追求するため、できるだけ低い価格で購入し、できるだけ高い家賃を設定しようとします。一方、売る側は「今すぐまとまったお金が欲しい」「住み慣れた家から離れたくない」という切実な事情を抱えています。この非対称な関係性のなかで、条件の悪い契約が結ばれやすい土壌があるのです。
また、リースバックは不動産売買と賃貸借という2つの契約が組み合わさった複雑なしくみです。どちらか一方だけ理解しても全体像はつかめません。この複雑さが、消費者側の理解不足につながりやすい要因になっています。
後悔する理由その1〜3:価格・家賃・契約期間の落とし穴
売却価格が市場相場の60〜70%にとどまる
リースバックで後悔する最も多い理由のひとつが、売却価格の低さです。一般的な売却と比べ、リースバックの買取価格は市場価格の60〜70%程度が相場です。3,000万円の価値がある自宅でも、2,000万円前後での買い取りになることがあります。
なぜこれほど低くなるのかというと、買い取る側には複数のリスクが存在するからです。通常の不動産売却と異なり、リースバックでは購入後すぐに転売できません。借主が住み続けている間は物件を自由に使えず、借主が家賃を滞納したり、退去を拒んだりするリスクも抱えます。そのため、不動産会社はリスクを価格に織り込む形で低めに設定するのです。
また、物件の種類によっても差が出ます。マンションと比べて一戸建ては売りにくい傾向があり、買取価格がさらに低くなりやすいです。売却価格が想定より大幅に低く、ローン残債を差し引くと手元にほとんど残らなかったという事例も多く報告されています。
毎月の家賃が周辺相場より割高になる
売却価格が低いにもかかわらず、毎月の家賃は周辺の賃貸相場より2〜3割高くなることが一般的です。これはリースバックの家賃計算方法に原因があります。
リースバックの家賃は次の計算式で算出されます。
月額家賃 = 買取価格 × 期待利回り(年率7〜13%)÷ 12
たとえば買取価格が2,000万円、利回りが10%と設定された場合、月額家賃は次のようになります。
2,000万円 × 10% ÷ 12 = 約16万7,000円
同じ物件が周辺の賃貸相場なら12〜13万円程度で借りられることが多いため、リースバックの家賃は相場の1.3倍程度になる計算です。さらに、契約期間の途中で家賃の値上げを求められるケースも報告されています。住宅ローンの返済は終わっても、より高い家賃を払い続ける状況になれば、資金繰りの改善には限界があります。
定期借家契約で住み続けられる期間が限られる
リースバックで締結される賃貸借契約の多くは、定期借家契約です。普通借家契約と異なり、定期借家契約は契約期間が満了すると原則として契約終了となり、借主が更新を希望しても貸主が拒否できます。
リースバックの定期借家契約の期間は2〜3年が一般的です。「住み慣れた家にずっと住み続けられる」と思っていたのに、2年後に退去を迫られるケースが多く発生しています。特に高齢者の場合、新たな賃貸物件を探すことが難しく、入居審査で年齢や収入を理由に断られることも珍しくありません。
定期借家契約であることを知らずに契約してしまうと、後になって「こんなに短い期間だとは思わなかった」と後悔することになります。契約時に必ず「普通借家契約か定期借家契約か」を確認し、定期借家の場合は満了後の対応をどうするかを書面で取り決めておくことが大切です。
後悔する理由その4〜7:買い戻し・業者・退去・修繕の問題
買い戻し価格が売却額より高く設定される
リースバックには、将来的に自宅を買い戻す「買戻し特約」が付けられる場合があります。「将来状況が改善したら買い戻せる」という期待を持って契約する人も多いですが、実際には買い戻し価格が売却額より15〜30%高く設定されることが多く、実現が難しいケースがほとんどです。
たとえば2,000万円で売却した物件の買戻し価格が2,500万円に設定されていた場合、売却から数年以内に500万円余分な資金を用意しなければなりません。もともと資金繰りに困っていたからリースバックを選んだのに、買い戻しはさらに困難という矛盾した状況に置かれます。
さらに問題なのは、口頭での約束が守られないケースです。「いつでも買い戻せます」「値段は後で相談しましょう」と営業担当者に言われたとしても、契約書に明記されていなければ法的拘束力はありません。業者が倒産したり、物件が第三者に転売されたりした場合、以前の約束はすべて白紙になります。
悪質な業者に騙されるケースがある
リースバック市場は近年急速に拡大しており、大手から小規模な業者まで多数参入しています。その中には、強引な勧誘や不当な条件を提示する悪質な業者も存在します。国民生活センターへの相談では、「玄関前で10分だけと言われたのに、担当者2人が強引に家に上がり込んできた」「断ろうとしても何時間も居座られた」といった悪質な勧誘事例が報告されています。
また、相場より大幅に低い買取価格を提示しておきながら、急いで決断するよう迫るケースも問題です。「今週中に決めなければこの条件は出せない」「他の業者はもっと低い値段しか出せない」といったプレッシャーをかけることで、冷静な判断を妨げようとします。
特に注意が必要なのは、宅地建物取引業の許可を持たない業者です。リースバックには不動産売買が含まれるため、正規の業者であれば必ず宅建業者としての登録があります。相手の業者が宅建業者登録を持っているかどうかは、国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で確認できます。
業者の倒産や転売で予告なく退去を求められる
リースバックで後悔する深刻なケースとして、業者の倒産や物件の転売によって退去を求められるケースがあります。リースバック業者は購入した物件を投資商品として第三者に転売することがあります。新たな所有者がリースバック契約の継続に同意しない場合、定期借家契約の満了と同時に退去を求められます。
これに加え、業者が倒産した場合、建物の所有権が競売などを通じて見知らぬ第三者に移転することがあります。この場合、旧所有者(倒産した業者)との取り決めは法的に無効となり、新しい所有者から新たな条件を提示されるか、退去を求められることもあります。
定期借家契約には借地借家法第38条に基づく強い法的根拠があるため、契約期間中の突然の退去要求は通常は認められませんが、期間満了後は別です。最初の契約期間が短い場合、早ければ2年後にはこのリスクに直面します。
修繕費や維持管理費を借主が負担しなければならない
一般的な賃貸住宅では、設備の故障や大規模修繕は貸主(オーナー)が費用を負担するのが原則です。しかし、リースバックの賃貸借契約では修繕費の負担が借主(元の所有者)になっているケースが多くあります。
自分の家に住んでいるからこそ以前は自分でメンテナンスを行っていた感覚のまま、家賃を払いながらも修繕費まで自己負担するのは二重の出費になります。給湯器の交換に30〜50万円、屋根の修繕に100万円以上かかるケースもあり、リースバックで得た資金がすぐに修繕費に消えてしまうことも珍しくありません。
さらに退去時には、通常の賃貸と同じように原状回復費用も発生します。長年住み続けることで傷みが蓄積しているほど、退去時のコストは大きくなります。
リースバックの具体的なトラブル事例と教訓
ケース1:家賃の値上げで家計が苦しくなったケース
都内在住の70代のAさんは、老後資金を確保するため自宅(マンション・市場価格3,500万円)をリースバックで売却しました。買取価格は2,400万円(市場価格の約69%)で、月額家賃は20万円でした。年金収入が月15万円のため、売却代金の一部を生活費の補填に使いながら毎月の赤字を補う計画でした。
ところが2年後、業者から家賃を23万円に値上げしたいとの申し出がありました。Aさんは拒否しましたが、業者は「市場の賃料水準が上がった」として値上げを強引に迫り、最終的には法的手続きも示唆されました。家賃20万円ですでに赤字だった家計に、さらなる値上げは耐えられません。結局Aさんは退去を余儀なくされ、新たな賃貸物件への入居も年齢を理由に難航しました。
教訓として、契約時に家賃の値上げ条件を書面で明確にしておく必要があります。また、家賃が年金収入を超えるような契約はそもそも持続可能ではありません。
ケース2:契約満了で思わぬ退去を迫られたケース
神奈川県在住の60代のBさんは、住宅ローンの返済に行き詰まり、自宅をリースバックで売却しました。契約時には「ずっと住み続けられます」と口頭で説明を受けましたが、契約書には「定期借家契約・期間2年」と記載されていました。Bさんは賃貸借契約の内容を十分に確認しないまま署名しました。
2年後、業者から「契約期間が満了しましたので退去してください」と通知が届きます。「ずっと住み続けられると言われた」と抗議しましたが、書面に記載がない以上は法的に有効な請求だと説明され、結局退去することになりました。Bさんは新たな賃貸物件を探しましたが、60代という年齢と収入証明の問題から入居審査に通らず、かなりの期間を費やすことになりました。
口頭での説明を信用せず、契約書の内容を隅々まで確認することが不可欠です。特に「定期借家契約か普通借家契約か」は必ず確認が必要です。
ケース3:買い戻しの口約束が守られなかったケース
大阪府在住の50代のCさんは、事業の資金繰りのために自宅をリースバックで売却しました。業者の担当者から「3年後に同じ価格で買い戻せます」と約束してもらいましたが、この約束は契約書には記載されていませんでした。3年後、事業が回復しCさんが買い戻しを申し出ると、担当者は「そんな約束はしていない」と否定。さらに業者は物件をすでに別の投資家に転売しており、新しい所有者との交渉が必要になりました。新所有者が提示した買い戻し価格は3,500万円(元の売却価格2,800万円から25%増し)で、とても応じられる金額ではありませんでした。
買い戻しに関する条件はすべて契約書に明記してもらうことが絶対条件です。「後で相談」「口約束」は法的保護の対象になりません。

リバースモーゲージとの違いと選び方
仕組みと所有権の扱いが根本的に異なる
老後の資金対策として自宅を活用する方法には、リースバック以外にもリバースモーゲージがあります。両者は「自宅に住みながらお金を得る」という点では共通していますが、仕組みは根本的に異なります。
リースバックは「今すぐ自宅を売却して所有権を移転し、以後は賃借人として家賃を払いながら住む」方法です。一方、リバースモーゲージは「自宅を担保に融資を受け、死亡後に自宅を売却して返済する」方法です。所有権は生前には移転せず、元の所有者のまま保たれます。
主な違いとして、所有権の移転はリースバックが売却時に即座に移転するのに対し、リバースモーゲージは死亡後に移転します。受け取る資金はリースバックがまとまった一括金、リバースモーゲージは毎月分割または一括です。毎月の支出はリースバックが家賃が発生するのに対し、リバースモーゲージは利息のみで元本は死後返済となります。年齢制限はリースバックがほぼなし、リバースモーゲージが60歳以上が多いという違いがあります。
どちらが自分に向いているかの判断基準
リースバックが向いているのは、まとまった資金が今すぐ必要な人、住宅ローンに残債がある人(残債を売却代金で完済できる場合)、年齢や物件条件でリバースモーゲージの要件を満たさない人です。
リバースモーゲージが向いているのは、自宅の所有権を子供に残したい人、毎月安定した収入源として受け取りたい人、都市部に戸建てを持つ60歳以上の人です。
どちらの制度も複雑な条件があります。金融機関や専門家への相談を通じて、自分の状況に最適な方法を見極めることをおすすめします。
後悔しないためのチェックリスト
業者選びで確認すべき5つのポイント
リースバックで後悔しないために、業者を選ぶ際は以下の5点を必ず確認してください。
1点目は、宅地建物取引業者として登録されているかどうかです。国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で業者名を検索し、正規登録を確認します。無登録業者との取引は法律違反になる可能性があります。
2点目は、複数社から見積もりを取得しているかどうかです。最低でも3社、できれば5社以上から買取価格と家賃の見積もりを取りましょう。1社だけの見積もりでは相場との乖離を判断できません。複数社の条件を比較することで、妥当な価格水準が見えてきます。
3点目は、大手リースバック会社か実績が豊富な会社かどうかです。設立年数が浅い業者や実績が乏しい業者は倒産リスクが高く、業者倒産時の退去問題に巻き込まれるリスクがあります。大手不動産会社や金融機関系のリースバックサービスは相対的に安心感があります。
4点目は、担当者の説明が丁寧でわかりやすいかどうかです。複雑な条件をわかりやすく説明してくれるか、質問に誠実に答えてくれるかは業者の誠実さを示す重要なバロメーターです。
5点目は、急かすような勧誘がないかどうかです。「今日中に決めないと条件が変わる」「他の方も検討している」などのプレッシャーをかけてくる業者は要注意です。
契約書で必ず確認すべき条件
業者を選んだあと、契約書を結ぶ前に以下の項目を必ず確認してください。
賃貸借契約の種類として、定期借家契約か普通借家契約かを確認します。定期借家の場合は期間と満了後の対応を書面で確認します。家賃の金額と値上げ条件として、固定か変動か、値上げの上限や条件が明記されているかを確認します。買戻しの条件として、買戻し価格、期限、条件が書面に明記されているかを確認します。口頭の約束は無効と考えてください。修繕費の負担として、どの範囲の修繕が借主負担か、オーナー負担かが明確かを確認します。物件の転売制限として、売却後に業者が第三者に転売した場合の賃貸契約の継続可否を確認します。解約・退去時の条件として、途中解約のペナルティや退去時の原状回復の範囲を確認します。
家賃・買取価格の相場を自分で計算する方法
業者に言われた価格が適正かどうかを自分で判断するために、簡単な計算方法を覚えておきましょう。
買取価格の目安は、不動産ポータルサイトで同地域・同条件の物件の成約価格を調べ、その60〜75%が買取価格の目安です。月額家賃の目安は、買取価格 × 7〜10% ÷ 12が計算式です。業者が提示する家賃がこの範囲を大幅に上回る場合は、条件の見直しを求めることができます。
たとえば近隣の同条件物件が3,000万円で売買されている場合、リースバックの買取価格の目安は1,800〜2,250万円です。家賃は1,800万円 × 10% ÷ 12 = 15万円〜2,250万円 × 10% ÷ 12 = 約19万円が目安の範囲となります。この計算を事前にしておくことで、業者の提示条件が相場からかけ離れていないかを判断できます。
利用に向いている人・向いていない人
有効に機能するケース
リースバックがうまく機能するのは、次のような状況の人です。
住宅ローンの返済が行き詰まっているケースでは、ローンが払えなくなると競売にかけられるリスクがあります。競売になると市場価格の50〜60%程度での落札が一般的で、リースバックよりもさらに低い価格になることが多いです。リースバックであれば競売を避けながら自宅に住み続けられます。
介護費用や医療費など急な出費が必要なケースでは、老後の施設入居一時金や高額医療費など、今すぐまとまった資金が必要な状況では、不動産の換金手段として有効です。年齢や収入条件によって融資が難しい高齢者にとっては、自宅の資産価値を直接現金化できるリースバックが現実的な選択肢になります。
相続時に不動産トラブルを避けたいケースでは、相続が発生する前に自宅を現金化しておくことで、相続人間での不動産の分け方を巡るトラブルを防ぎやすくなります。
他の選択肢を検討すべき人
一方、以下のような状況の人にはリースバックが向いていない可能性が高いです。
長期的に住み続けたい人には、定期借家契約が多いリースバックでは2〜3年後に退去を求められるリスクがあります。老後の安住の場を確保したい場合は、普通借家契約が必須条件です。
子供に自宅を残したい人は、リースバックで所有権を手放すと、自宅を相続させることはできません。将来の相続財産として自宅を残す意向がある場合は、リバースモーゲージや不動産担保ローンなど所有権を維持できる選択肢を検討すべきです。
住宅ローン残債がオーバーローンの人は、買取価格よりローン残債が多い場合は、リースバックでも残債の解消ができないため利用自体が難しいです。任意売却や金融機関との返済相談など、別の方法を検討する必要があります。
よくある質問(不動産を活用した資金調達)
クーリングオフはできますか?
リースバックにはクーリングオフ制度は適用されません。不動産売買は一般的にクーリングオフの対象外です。契約を締結した後に後悔しても、法的に取り消すことは非常に困難です。そのため、契約前に十分な検討期間を確保し、内容に不明な点があれば必ず専門家(弁護士・司法書士・消費生活相談員)に相談してから署名することが大切です。
住宅ローンの残債があっても利用できますか
住宅ローンに残債がある場合でも、リースバックは利用できます。ただし、買取価格がローン残債を上回ることが条件です。売却代金がローン残債を上回る場合は、売却代金でローンを一括返済してリースバックを成立させます。買取価格がローン残債を下回るオーバーローンの場合は、差額を自己資金で補わない限りリースバックの利用は難しくなります。
賃貸契約の更新はできますか
リースバックの賃貸借契約が定期借家契約の場合、原則として契約期間満了後は退去となります。ただし、貸主(業者)との合意が得られれば再契約が可能な場合もあります。普通借家契約の場合は、正当な事由がない限り貸主から退去を求めることはできません。長期的に住み続けたい場合は、最初から普通借家契約を条件にできる業者を探すことが重要です。
売却後に税金はかかりますか
リースバックで自宅を売却した場合、不動産譲渡所得が生じれば所得税・住民税の課税対象になります。ただし、居住用財産の売却には3,000万円の特別控除(マイホームを売ったときの特別控除)が適用される場合があります。この特別控除を利用すれば、3,000万円以下の譲渡益は非課税になります。税金に関しては個人の状況によって大きく異なりますので、税理士や税務署に事前に確認することをおすすめします。
まとめ
リースバックは、自宅を売却しながら住み続けられる有用なしくみですが、仕組みを正しく理解しないと後悔につながる落とし穴が多数あります。主な後悔の理由は次の7点です。
1つ目は売却価格が市場相場の60〜70%にとどまること、2つ目は毎月の家賃が周辺相場より割高になること、3つ目は定期借家契約で住み続けられる期間が限られること、4つ目は買い戻し価格が売却額より高く設定されること、5つ目は悪質な業者に騙されるケースがあること、6つ目は業者の倒産や転売で予告なく退去を求められること、7つ目は修繕費や維持管理費を借主が負担しなければならないことです。
後悔を防ぐには、複数の業者から見積もりを取って比較すること、契約書の内容(定期借家か普通借家か、家賃値上げの条件、買い戻し価格の明記など)を細部まで確認すること、口頭での約束はすべて書面化することが不可欠です。
リースバックが自分に合った選択かどうかは、現在の資金状況や今後の生活設計によって異なります。少しでも不安や疑問があれば、消費生活センターや弁護士など中立的な立場の専門家に相談することを強くおすすめします。大切な自宅に関する決断だからこそ、十分な時間と情報をかけて判断してください。



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