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減価償却費は損益計算書のどこに記載される?表示区分・仕訳・計算方法までわかりやすく解説

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「減価償却費は損益計算書のどこに記載されるのか分からない」「販管費に入るのか売上原価に入るのか迷う」とお悩みではないでしょうか。減価償却費の表示区分を正しく理解できれば、自社の利益構造を正確に把握でき、銀行融資や経営判断の場面でも自信を持って決算書を語れるようになります。

本記事では、減価償却費が損益計算書のどこに表示されるのか、製造原価・販管費・営業外費用の3つの区分にどう振り分けるのかを、具体例とともに丁寧に解説します。さらに、直接法と間接法の仕訳の違い、定額法と定率法の計算方法、少額減価償却資産の特例といった実務で必須の知識まで網羅的にまとめました。

経理初心者の方や、個人事業主・中小企業の経営者の方でも、読み終えたあとには損益計算書の減価償却費に関する疑問が解消され、自社の決算書を読み解く力が身についているはずです。仕訳例や計算例も豊富に掲載しているので、ぜひ実務にも役立てていただければ幸いです。

目次

減価償却費とは何か:損益計算書を理解する前に押さえたい基礎

減価償却費とは、建物・機械・車両・備品といった固定資産の取得価額を、その資産が使える期間にわたって少しずつ費用として配分する会計処理のことです。固定資産は購入した年だけに使うものではなく、何年にもわたって事業活動に貢献します。そのため、購入年に全額を費用計上してしまうと、その年の利益が極端に小さくなり、翌年以降の利益が逆に大きく見えてしまいます。

そこで、資産の利用期間に応じて費用を分割計上することで、各年度の損益を適切に把握できるようにするのが減価償却の役割です。減価償却費は損益計算書の費用項目として計上され、企業の利益を計算するうえで欠かせない要素となります。

減価償却の対象となる資産・ならない資産

減価償却の対象となるのは、長期にわたって使用し、時間の経過や使用により価値が減少する固定資産です。具体的には、建物・建物附属設備・構築物・機械装置・車両運搬具・工具器具備品・ソフトウェアなどが該当します。これらの資産は耐用年数にわたって価値が減っていくため、毎期一定のルールで費用配分する必要があります。

一方、土地・電話加入権・骨董品など、時間が経っても価値が減らない資産は減価償却の対象外です。また、取得価額が10万円未満の少額資産や、使用可能期間が1年未満の資産も、原則として購入時に全額費用計上できるため減価償却を行いません。

減価償却費が損益計算書で果たす役割

減価償却費を損益計算書に計上することで、固定資産の取得コストを使用期間に対応した費用として認識できます。これは会計の基本原則である「費用収益対応の原則」に基づくものであり、収益を生み出している期間と費用を計上する期間を一致させる狙いがあります。

また、減価償却費は実際に現金が出ていく支出ではなく、過去に支払った固定資産の取得価額を費用化する処理である点も特徴です。そのため、損益計算書上では費用として利益を減少させますが、キャッシュフロー計算書では営業活動によるキャッシュフローに減価償却費を加算して調整します。利益とキャッシュの差を生む代表的な要因として、減価償却費の理解は資金繰り把握にも直結します。

減価償却費は損益計算書のどこに記載されるのか

減価償却費は損益計算書の費用項目として記載されますが、すべてが同じ場所に表示されるわけではありません。対象となる固定資産が、どの業務に使用されているかによって表示区分が変わります。具体的には、製造に関わる資産は「売上原価(製造原価)」、販売や管理に関わる資産は「販売費及び一般管理費(販管費)」、本業以外で使用される資産は「営業外費用」に区分されるのが基本ルールです。

この振り分けを誤ると、売上総利益や営業利益の金額がずれてしまい、経営分析の精度に影響します。そのため、減価償却費を計上する際は資産の利用目的を必ず確認することが大切です。

製造原価(売上原価)に含まれるケース

工場の建物、製造ラインの機械装置、製造に直接使用する車両運搬具、製造現場で使う工具器具備品などにかかる減価償却費は、製造原価に含まれます。製造原価に含まれた減価償却費は、製品の原価計算を通じて売上原価へと振り替えられ、最終的に損益計算書の「売上原価」の一部として表示されます。

たとえば、製造業を営む企業が工場の機械を購入し、その減価償却費を年間100万円計上する場合、この100万円は製造原価報告書に組み込まれ、製品が販売されたタイミングで売上原価として損益計算書に反映されます。製造原価に計上された減価償却費は、売上総利益(粗利)を左右する重要な要素となります。

販売費及び一般管理費(販管費)に含まれるケース

本社建物、本社で使う什器備品、営業車両、店舗内装、本社のパソコンやサーバー、販売用ソフトウェアなどにかかる減価償却費は、販売費及び一般管理費に含まれます。販管費に計上された減価償却費は、損益計算書上では「販売費及び一般管理費」の内訳として「減価償却費」という勘定科目で表示されることが一般的です。

販管費の減価償却費は売上総利益から差し引かれて営業利益を算出するため、本業の収益力を測るうえで重要な意味を持ちます。サービス業や小売業など製造活動を行わない業種では、減価償却費のほとんどがこの販管費に分類されるケースが多く見られます。

営業外費用に含まれるケース

本業とは関係のない投資用不動産や、賃貸目的で保有する建物などにかかる減価償却費は、営業外費用に含まれます。たとえば、本業が製造業であっても、副業として賃貸不動産を保有している場合、その建物の減価償却費は本業の活動と区別するため営業外費用として表示します。

営業外費用は営業利益から差し引かれて経常利益を算出する区分です。そのため、本業以外の活動でどれくらい費用が発生しているかを把握する指標となります。投資不動産の比率が高い企業では、営業外費用の減価償却費も無視できない金額になることがあります。

減価償却費の仕訳:直接法と間接法の違い

減価償却費の仕訳方法には「直接法」と「間接法」の2種類があります。どちらの方法でも損益計算書に計上される減価償却費の金額は同じですが、貸借対照表での固定資産の表示方法が異なります。それぞれの特徴を理解し、自社にとって適切な方法を選びましょう。

直接法の仕訳例

直接法は、固定資産の帳簿価額から減価償却費を直接差し引く方法です。仕訳例を見てみましょう。

たとえば、取得価額300万円の機械装置について、年間60万円の減価償却費を計上する場合、次のような仕訳になります。

借方:減価償却費 600,000円 / 貸方:機械装置 600,000円

この仕訳により、機械装置の帳簿価額は300万円から240万円に減ります。直接法のメリットは、貸借対照表に表示される固定資産の金額がそのまま未償却残高(現在の簿価)となるため、資産の残存価値が一目でわかる点です。一方、デメリットとして、過去にどれだけ減価償却を行ってきたかが貸借対照表からは分かりにくくなります。

間接法の仕訳例

間接法は、固定資産の取得価額を貸借対照表に残したまま、減価償却累計額という勘定科目を貸方に計上する方法です。同じく取得価額300万円の機械装置で年間60万円を計上する場合、仕訳は次のとおりです。

借方:減価償却費 600,000円 / 貸方:減価償却累計額 600,000円

この場合、貸借対照表には「機械装置 3,000,000円」と「減価償却累計額 △600,000円」が並んで表示され、差額の240万円が実質的な帳簿価額となります。間接法のメリットは、取得価額と累計償却額の両方が一目でわかるため、その資産の使用履歴や残存価値を把握しやすい点です。中堅企業や上場企業では間接法を採用するケースが多く見られます。

どちらを選ぶべきか

中小企業や個人事業主の多くは、計算がシンプルな直接法を採用する傾向があります。会計ソフトでも初期設定が直接法になっていることが多く、税務申告上もどちらの方法でも問題ありません。

一方、財務分析の精度を高めたい企業や、対外的に決算書を開示する機会が多い企業は、間接法を選ぶと取得価額と累計償却額の情報がそのまま貸借対照表に残るため、決算書の透明性が高まります。一度選んだ方法は継続して適用することが原則であり、頻繁に変更すると比較可能性が損なわれるので注意が必要です。

減価償却の計算方法:定額法と定率法

減価償却費の金額は、固定資産の取得価額・耐用年数・計算方法によって決まります。法人税法および所得税法では、原則として「定額法」と「定率法」のいずれかを選択することになっています。それぞれの計算方法と特徴を具体例で見ていきましょう。

定額法の計算式と具体例

定額法は、耐用年数の期間中、毎年同じ金額を減価償却費として計上する方法です。計算式は次のとおりです。

定額法の減価償却費 = 取得価額 × 定額法の償却率

たとえば、取得価額300万円・耐用年数5年の機械装置の場合、定額法の償却率は0.200となり、毎年の減価償却費は300万円 × 0.200 = 60万円となります。耐用年数5年の期間にわたって、毎年60万円ずつ計上され、5年後には備忘価額1円を残して全額が費用化されます。

定額法のメリットは、毎年の費用が一定で計画が立てやすい点です。資金繰りや事業計画の見通しを立てるうえで予測がしやすく、初心者にも理解しやすい計算方法といえます。建物・建物附属設備・構築物・無形固定資産(ソフトウェアなど)は法令により定額法のみが認められています。

定率法の計算式と具体例

定率法は、未償却残高に一定の率を掛けて減価償却費を計算する方法です。計算式は次のとおりです。

定率法の減価償却費 = 未償却残高 × 定率法の償却率

ただし、計算結果が「償却保証額」を下回った年からは、「改定取得価額 × 改定償却率」で計算する方式に切り替わります。これは、定率法の計算では理論上いつまでも資産が残ってしまうのを防ぐためのルールです。

たとえば、取得価額300万円・耐用年数5年の機械装置の場合、定率法の償却率は0.400となります。1年目の減価償却費は300万円 × 0.400 = 120万円です。2年目は未償却残高180万円 × 0.400 = 72万円、3年目は未償却残高108万円 × 0.400 = 43.2万円と、年々金額が減少していきます。

定率法のメリットは、初期に多額の費用を計上できるため、投資直後の税負担を軽減できる点です。設備投資の効果が大きい初期段階でしっかり費用化することで、節税効果を活用したい企業に向いています。

定額法と定率法の選び方

法人の場合、機械装置・車両運搬具・工具器具備品は原則として定率法ですが、税務署に届け出ることで定額法に変更できます。逆に、個人事業主の場合は原則として定額法であり、届出をすることで定率法を選択できます。

選択のポイントは、節税のタイミングと事業計画です。投資直後に利益が出る見込みがあり、税負担を抑えたい場合は定率法が有利になります。一方、利益が安定して見込める事業や、毎年の費用を平準化したい場合は定額法が向いています。一度選んだ方法は資産の種類ごとに継続適用する必要があるため、購入時に慎重に判断しましょう。

減価償却費は損益計算書のどこに記載される?表示区分・仕訳・計算方法までわかりやすく解説

法定耐用年数と主な資産の耐用年数

減価償却の計算で必須となるのが「法定耐用年数」です。法定耐用年数とは、減価償却資産の耐用年数等に関する省令に定められた、税法上の使用可能期間のことです。実際の使用期間とは別に、税務上はこの法定耐用年数に基づいて減価償却を行います。

主な資産の法定耐用年数

代表的な資産の法定耐用年数は以下のとおりです。資産の種類・用途・構造によって耐用年数が細かく定められているため、購入時には必ず確認しましょう。

・鉄骨鉄筋コンクリート造の事務所用建物:50年

・木造の事務所用建物:24年

・普通自動車(営業用):4年

・普通自動車(運送業以外の事業用):6年

・パソコン:4年

・サーバー用パソコン:5年

・事務机・キャビネット(金属製):15年

・ソフトウェア(自社利用):5年

たとえば、200万円のパソコンを購入した場合、耐用年数4年で定額法を適用すると、毎年50万円ずつ減価償却費を計上することになります。

中古資産を取得した場合の耐用年数

中古資産を取得した場合は、法定耐用年数をそのまま使うのではなく、中古資産の耐用年数を計算し直すことができます。簡便法による計算式は次のとおりです。

法定耐用年数を全部経過した中古資産:法定耐用年数 × 20%

法定耐用年数の一部を経過した中古資産:(法定耐用年数 - 経過年数)+ 経過年数 × 20%

たとえば、新車の耐用年数6年の普通自動車を、4年経過した状態で中古購入した場合、(6年 - 4年)+ 4年 × 20% = 2.8年となり、小数点以下を切り捨てて2年となります。中古資産を活用することで、減価償却の期間を短縮し、早期に費用化できるメリットがあります。

少額減価償却資産の特例:実務でよく使われる節税策

減価償却の通常ルールに加えて、中小企業や個人事業主にとって特に重要なのが「少額減価償却資産の特例」です。この制度を活用すると、一定の金額未満の固定資産を取得した年に全額を費用計上でき、税負担の軽減と経理処理の簡素化を両立できます。

少額減価償却資産の特例の概要

中小企業者等が取得価額30万円未満の減価償却資産を取得した場合、合計300万円までを限度に、その年度に全額損金算入できる制度です。本特例は租税特別措置法に定められており、適用期限はこれまで延長を重ねてきました。現行制度では2026年3月31日までに取得した資産が対象となります。

なお、令和8年度税制改正大綱では、本特例の対象上限を「30万円未満」から「40万円未満」へ引き上げ、適用期限を令和11年3月31日まで3年延長する方針が示されています。改正法案の施行日以後に取得した資産から新基準が適用される見込みです。最新の適用ルールは国税庁や中小企業庁の公表情報をその都度確認しましょう。

少額減価償却資産の特例を適用できる事業者

本特例の対象となるのは、青色申告を行っている中小企業者等です。具体的には、資本金または出資金の額が1億円以下の法人、農業協同組合等、青色申告書を提出している個人事業主が該当します。ただし、常時使用する従業員数が500人を超える法人(適用除外事業者を含む)など、一定の規模を超える法人は対象外となります。

また、貸付け(主要事業として行われるものを除く)に用いる資産は本特例の対象外とされており、近年の改正で要件が厳格化されています。たとえば、ドローンや太陽光発電設備などを取得して他者にリースする場合、本特例を使えないケースが増えているため注意が必要です。

少額減価償却資産の仕訳例

たとえば、25万円のパソコンを購入した場合、本特例を適用すると次のように仕訳します。

借方:消耗品費 250,000円 / 貸方:現金 250,000円

通常であればパソコンは「工具器具備品」として資産計上し、耐用年数4年で減価償却していくところを、特例の適用により全額を一括で費用化できます。なお、損益計算書上は販管費の「消耗品費」または「減価償却費」として計上することが多く、企業の方針に応じて勘定科目を選択します。

ただし、本特例を適用した資産であっても、償却資産税(固定資産税)の課税対象には含まれます。1月1日時点で保有している償却資産については、毎年1月末までに市区町村への申告が必要です。法人税では一括費用化できても、地方税の償却資産税は別途課税される点に注意しましょう。

減価償却費を活用した経営分析と資金繰り

減価償却費は単なる会計処理ではなく、経営分析や資金繰り管理にも大きく関わる重要な指標です。損益計算書上の減価償却費を正しく読み解くことで、自社のキャッシュフローや投資効率を把握できます。

EBITDAと減価償却費の関係

EBITDA(イービットディーエー)とは、利息・税金・減価償却費を差し引く前の利益を指します。計算式は「営業利益 + 減価償却費」で求められるのが一般的です。EBITDAは設備投資の影響を排除した本業の収益力を測る指標として、M&Aや企業評価の場面で頻繁に用いられます。

たとえば、営業利益が1,000万円で減価償却費が500万円の企業のEBITDAは1,500万円です。一方、営業利益が同じ1,000万円でも減価償却費が100万円の企業のEBITDAは1,100万円となり、設備投資規模の違いが見えてきます。減価償却費を意識した分析を行うことで、表面的な利益だけでは分からない企業の実力を見抜けるようになります。

キャッシュフローと減価償却費

減価償却費は損益計算書上では費用ですが、実際の現金支出を伴いません。固定資産を購入した時点で現金は外に出ていますが、減価償却費の計上時には現金移動は発生しないからです。そのため、キャッシュフロー計算書では当期純利益に減価償却費を加算して、営業活動によるキャッシュフローを算出します。

利益が出ているのに資金繰りが厳しいという悩みを抱える企業では、減価償却費の理解が解決の糸口になることがあります。逆に、利益は赤字でも減価償却費が大きい場合、キャッシュフロー自体はプラスというケースもあります。減価償却費を含めた資金繰り分析を行うことで、より精度の高い経営判断ができるようになります。資金繰りに関するより詳しい情報は、 https://www.invoy.jp/column/cat/funding-basics などの専門記事も参考になります。

銀行融資における減価償却費の見られ方

銀行が融資審査を行う際、減価償却費は重要な分析項目のひとつです。なぜなら、減価償却費は実際の現金支出を伴わない費用であるため、返済原資を考えるうえで「利益+減価償却費」を返済原資の目安とすることが多いからです。

たとえば、年間利益が300万円・減価償却費が200万円の企業の場合、銀行は返済原資を500万円程度と見立てて返済余力を判断します。設備投資が多い企業ほど減価償却費の比率が高くなり、損益計算書の利益だけでは返済余力が見えにくくなります。そのため、自社の決算書を銀行に説明する際は、減価償却費の金額と内訳もしっかり伝えられるようにしておきましょう。

減価償却費に関するよくある質問

最後に、減価償却費と損益計算書に関して実務でよく寄せられる質問をまとめました。経理処理や決算分析で迷ったときの参考にしてください。

Q1. 減価償却費は税務上、必ず計上しなければいけませんか

法人税法では、減価償却費の計上は任意(任意償却)とされています。法定耐用年数に基づく償却限度額の範囲内であれば、計上額を企業が自由に決められます。極端な場合、ゼロ円とすることも可能です。

ただし、計上しなかった分は翌期以降に繰り越せず、結果的に費用化のタイミングが遅れるだけです。また、銀行融資の審査では「適正に減価償却を行っているか」が重要視されるため、適切に計上することが推奨されます。一方、所得税法では個人事業主の減価償却費は強制償却となり、必ず計上しなければなりません。

Q2. 減価償却累計額と減価償却費の違いは何ですか

減価償却費は、当期の費用として損益計算書に計上される金額です。一方、減価償却累計額は、その固定資産を取得してから当期末までに計上した減価償却費の累計を表す金額であり、貸借対照表に計上されます。

たとえば、取得価額300万円・耐用年数5年・定額法で計算した機械装置の場合、毎年の減価償却費は60万円です。3年経過時点での減価償却累計額は60万円 × 3年 = 180万円となり、貸借対照表には「機械装置 3,000,000円」と「減価償却累計額 △1,800,000円」が並んで表示されます。

Q3. 期の途中で固定資産を購入した場合、減価償却費はどう計算しますか

期中に取得した固定資産については、月割計算で減価償却費を算出します。たとえば、決算日が3月31日の法人が、10月1日に取得価額120万円・耐用年数5年・定額法(償却率0.200)の機械装置を購入した場合、初年度の減価償却費は次のように計算します。

120万円 × 0.200 × 6か月 ÷ 12か月 = 12万円

このように、取得月から決算月までの月数で按分するのが原則です。1か月未満の端数は1か月として計算します。なお、少額減価償却資産の特例を適用する場合は月割計算の対象外であり、取得した事業年度に全額を費用化できます。

Q4. 減価償却費を計上しないとどうなりますか

減価償却費を計上しないと、その期の費用が少なくなり、利益と税負担が大きくなります。法人の場合は任意償却なので税務上の問題はありませんが、減価償却費を計上しないと貸借対照表の固定資産が実態より高く表示されたままとなり、財務分析の信頼性が下がります。

また、銀行や取引先から決算書を求められた際、減価償却費を適切に計上していないと「利益操作をしているのではないか」と見られるリスクもあります。長期的な信頼関係を築くためにも、毎期適切に減価償却費を計上することをおすすめします。

Q5. 損益計算書の減価償却費を確認するときのポイントは何ですか

損益計算書を見るときは、減価償却費がどの区分に計上されているかを必ず確認しましょう。販管費の中の「減価償却費」だけでなく、売上原価(製造原価)に含まれている減価償却費にも目を向けることが大切です。製造業の場合、製造原価報告書を併せて確認することで、製品原価における減価償却費の割合を把握できます。

また、前期と比較して減価償却費が大きく変動している場合は、設備投資や除却の影響がないかを確認しましょう。減価償却費の増減は、企業の投資戦略を読み解く重要な手がかりとなります。

まとめ

本記事では、減価償却費が損益計算書のどこに記載されるのか、表示区分・仕訳・計算方法・特例制度まで網羅的に解説してきました。

ポイントを振り返ると、減価償却費は対象資産の用途に応じて「製造原価(売上原価)」「販売費及び一般管理費」「営業外費用」のいずれかに区分され、損益計算書に表示されます。仕訳は直接法と間接法があり、金額は同じでも貸借対照表の表示が異なります。計算方法は定額法と定率法の2種類があり、資産の種類や事業計画に応じて選択することが大切です。

また、少額減価償却資産の特例を活用すれば、中小企業や個人事業主は30万円未満の資産を取得時に全額費用化できます。2026年4月以降の取得分については、令和8年度税制改正により40万円未満への引き上げが予定されているため、最新情報を確認しながら活用しましょう。

減価償却費を正しく理解することは、自社の利益構造を把握し、銀行融資や経営判断の場面で説得力を高めることにつながります。本記事を参考に、損益計算書の減価償却費に関する理解を深め、日々の経理業務や経営分析に活かしていただければ幸いです。

この記事の投稿者:

hasegawa

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