ファクタリングの基礎知識

ファクタリングのメリットを徹底解説|資金繰り改善に役立つ8つの利点と注意点

公開日:

ファクタリング メリット

「売上は立っているのに、入金日まで手元の現金が足りない」。中小企業や個人事業主にとって、売掛金の入金サイトと支払いのタイミングのズレは、資金繰りを圧迫する大きな悩みです。こうした課題を解決する手段として注目されているのが、売掛債権を期日前に売却して資金化するファクタリングです。

この記事では「ファクタリング メリット」をテーマに、早期資金化・負債が増えないオフバランス効果・信用情報への影響がない点・売掛先倒産リスクの移転・赤字や創業期でも利用しやすい点・担保や保証人が不要な点など、ファクタリングならではの利点を体系的に整理します。あわせて、手数料などのデメリットや注意点、向いているケース、利用の流れも簡潔に解説するため、導入を検討している事業者の判断材料として活用してください。

そもそもファクタリングとは|売掛債権を売買する資金調達手段

ファクタリングとは、事業者が保有する売掛債権(売掛金)を、支払期日より前にファクタリング会社へ売却し、手数料を差し引いた金額を早期に受け取る資金調達の方法です。法的には債権の売買、すなわち民法上の債権譲渡契約にあたり、融資(借入)とは性質が大きく異なります。民法では債権は原則として譲渡できると定められているため、売掛金をファクタリング会社へ売却することは正規の取引として認められています。

融資は「お金を借りて将来返す」契約であるのに対し、ファクタリングは「すでに発生している売掛金という資産を売って現金に換える」取引です。この性質の違いこそが、後述する数々のメリットを生み出す根本にあります。なお、2020年4月施行の改正民法では、譲渡を禁止・制限する特約が付いた債権であっても、譲渡そのものの効力は妨げられないと整理されました。これにより、取引先との契約に譲渡制限特約があるケースでも、ファクタリングを活用しやすくなっています。

ファクタリングの代表的なメリット

ファクタリングが選ばれる理由は、単に「お金が手に入る」だけではありません。融資にはない構造的な利点が複数あります。ここでは代表的なメリットを順に見ていきます。

メリット1|売掛金を早期に資金化できる(最短即日)

最大のメリットは、入金スピードです。通常、売掛金は請求から30日や60日といった支払サイトを経て入金されますが、ファクタリングを使えばこの待ち時間を待たずに現金化できます。とくに利用者とファクタリング会社の2者だけで完結する2者間ファクタリングは、売掛先への通知や承諾が不要なため手続きが速く、申し込みから最短即日での入金に対応するサービスも少なくありません。

急な仕入れ資金、外注先への支払い、納税資金など、数日のうちに現金が必要になった場面で、入金サイトのズレを一気に埋められる点は、銀行融資にはないスピード感です。融資のように審査・契約・実行に数週間かかることもなく、資金繰りの突発的な穴を素早くふさげます。

メリット2|借入ではないため負債が増えない(オフバランス効果)

ファクタリングは融資ではなく債権の売却であるため、調達した資金が借入金として貸借対照表に計上されることはありません。つまり有利子負債が増えず、毎月の元利返済も発生しないため、返済負担を抱えずに資金を確保できます。

さらに、貸借対照表に計上されていた売掛金(資産)が現金に置き換わり、その現金で買掛金などの負債を返済すれば、総資産を圧縮できます。これがオフバランス化と呼ばれる効果です。総資産が小さくなることで、総資産利益率(ROA)や自己資本比率といった財務指標が改善し、貸借対照表をスリムに見せられる点はメリットといえます。ただし、オフバランス効果を正しく得るには、後述する償還請求権のない契約であることが前提となるため注意が必要です。

メリット3|信用情報に影響しない

銀行融資やビジネスローンを利用すると、その借入は信用情報機関に登録され、以後の与信判断に影響します。一方、ファクタリングは借入ではないため、原則として個人や法人の信用情報に記録が残りません。

そのため、将来的に銀行からの大型融資や補助金・助成金の活用を予定している事業者でも、借入枠を温存したまま資金を調達できます。すでに借入があり、これ以上の負債を増やしたくない局面でも、信用力を維持しながら資金繰りを回せる点は大きな利点です。

メリット4|売掛先の倒産リスクを移転できる(ノンリコース)

一般的なファクタリング契約は、償還請求権のないノンリコース契約です。償還請求権とは、譲渡した売掛金が回収できなかった場合に、ファクタリング会社が利用者へ買い戻しや弁済を求められる権利のことです。この権利がないノンリコース契約では、万が一、売掛先が倒産して売掛金が回収不能になっても、利用者がファクタリング会社へその金額を弁済する義務は生じません。

言い換えれば、貸し倒れリスクをファクタリング会社へ移転できるということです。売掛先の経営状況に不安がある場合でも、早めに債権を売却しておけば、倒産による未回収リスクを回避できます。これは保証の機能も兼ね備えた、ファクタリングならではのメリットです。なお、償還請求権がない契約は、回収不能リスクをファクタリング会社が引き受ける分だけ手数料が高くなる傾向があります。リスク移転という安心と、その対価である手数料のバランスをどう捉えるかが、契約を選ぶうえでの判断材料になります。

メリット5|赤字決算や創業期でも利用しやすい

銀行融資の審査では、自社の決算内容や財務状況、返済能力が厳しく問われます。これに対しファクタリングの審査で最も重視されるのは、利用者自身ではなく、売掛先の信用力と売掛金の確実性です。

そのため、自社が赤字決算であっても、税金の支払いに遅れがあっても、信用力の高い売掛先に対する確実な売掛金があれば利用できるケースが多くあります。決算実績のない創業まもない企業でも、安定した売掛金があれば資金調達の選択肢になり得ます。融資の審査に通りにくい状況の事業者にとって、現実的な資金繰り手段となる点は見逃せません。

メリット6|担保や保証人が不要

ファクタリングは売掛金という資産そのものを売却する取引であり、お金を貸し借りするわけではありません。そのため、原則として不動産などの担保や、連帯保証人を用意する必要がありません。

担保にできる資産を持たない事業者や、経営者個人の連帯保証を避けたい事業者にとって、追加のリスクを負わずに資金を調達できる点は大きな安心材料です。経営者保証に依存しない資金調達手段として、ファクタリングの位置づけは年々高まっています。万が一事業がうまくいかなかった場合でも、担保や保証人を差し入れていなければ、経営者個人の資産まで失うリスクを抑えられます。事業のスタートアップ期や、保証の重さに不安を抱える局面で、心理的な負担を軽くできる点も実務上の利点といえるでしょう。

ここまでの主なメリットを整理すると、次のとおりです。

  • 売掛金を最短即日で資金化でき、入金サイトのズレを素早く埋められる
  • 借入ではないため負債が増えず、返済負担も生じない(オフバランス効果)
  • 信用情報に記録が残らず、銀行の借入枠を温存できる
  • ノンリコース契約なら売掛先が倒産しても弁済義務が生じない
  • 赤字決算・創業期でも売掛先の信用力次第で利用しやすい
  • 担保や保証人が原則不要で、追加のリスクを負わない

メリットだけではない|知っておきたいデメリットと注意点

ファクタリングには多くの利点がある一方で、デメリットや注意すべき点も存在します。メリットと天秤にかけたうえで、自社に合うかどうかを判断することが重要です。

手数料がかかり、受け取る金額が目減りする

最も大きなデメリットは手数料です。ファクタリングでは売掛金の額面から手数料が差し引かれるため、本来の入金額より受け取る金額が少なくなります。手数料の相場は契約形態によって異なり、2者間ファクタリングではおおむね8%から18%程度、売掛先も交えた3者間ファクタリングでは2%から9%程度が目安とされています。

たとえば額面100万円の売掛金を手数料10%で2者間ファクタリングを利用した場合、手元に入るのは約90万円です。資金化のスピードと引き換えにコストが発生するため、頻繁に利用すると利益を圧迫しかねません。常用するのではなく、資金繰りの一時的な調整手段として計画的に使うことが大切です。

調達できる金額は売掛債権の範囲内

ファクタリングで調達できるのは、あくまで保有している売掛債権の金額が上限です。融資のように事業計画に応じてまとまった金額を借りられるわけではなく、売掛金の額が小さければ必要な資金を満たせないこともあります。設備投資などの大型資金には向かず、当面の運転資金を補う用途に適しています。

債権譲渡登記が必要になる場合がある

2者間ファクタリングでは、ファクタリング会社が第三者に対する対抗要件を備えるため、債権譲渡登記を求められることがあります。登記には登録免許税や司法書士への報酬といった費用がかかるほか、登記情報を通じて取引先に債権譲渡の事実が知られる可能性もあります。登記の要否や費用負担は契約前に必ず確認しておきましょう。

悪質な業者・偽装ファクタリングに注意

金融庁は、ファクタリングを装った高金利の貸付けを行うヤミ金融業者の存在について注意喚起を行っています。経済的に貸付けと同様の機能を持つ取引は、貸金業に該当するおそれがあるとされています。とくに、通常のファクタリングには付かないはずの償還請求権が契約に含まれている場合、実態は貸付けである可能性が高く、貸金業登録のない業者であれば違法業者の疑いがあります。

また、個人の給与債権を買い取るとうたう給与ファクタリングについては、最高裁判所が令和5年の決定で、実質的に貸付けにあたると判断しています。年利換算で数百%に達する法外な手数料を請求される事例もあり、事業者向けの正規のファクタリングとはまったく別物です。利用にあたっては、契約内容を十分に確認し、信頼できる事業者を選ぶことが欠かせません。

ファクタリング メリット

ファクタリングが向いているケース

これまで述べたメリット・デメリットを踏まえると、ファクタリングは次のような場面で特に効果を発揮します。

  • 売掛金の入金日まで待てず、数日以内に運転資金が必要なとき
  • 赤字決算や創業まもない時期で、銀行融資の審査に通りにくいとき
  • これ以上負債を増やさず、信用情報や借入枠を維持したまま資金を確保したいとき
  • 担保にできる資産や保証人を用意できないとき
  • 売掛先の経営状況に不安があり、貸し倒れリスクを避けたいとき

反対に、低コストで長期・大型の資金を確保したい場合や、設備投資のためのまとまった資金が必要な場合は、銀行融資や公的融資のほうが適しています。ファクタリングは融資と対立するものではなく、状況に応じて使い分ける資金調達の選択肢のひとつと捉えるとよいでしょう。資金繰りや財務戦略の全体像については、OLTAのコーポレートサイトもあわせて参考になります。

ファクタリング利用の基本的な流れ

実際にファクタリングを利用する際の一般的な手順は、次のとおりです。サービスによって細部は異なりますが、大きな流れは共通しています。

  • 1. 申し込み|ファクタリング会社へ売掛金の内容や希望する資金額を伝えて申し込む
  • 2. 必要書類の提出|請求書、入出金の確認できる通帳の写し、取引先との契約書などを提出する
  • 3. 審査|売掛先の信用力や売掛金の確実性を中心に審査が行われる
  • 4. 契約|手数料や入金額、契約形態(2者間・3者間)などの条件を確認して契約を締結する
  • 5. 入金|手数料を差し引いた金額が指定口座へ振り込まれる
  • 6. 回収・精算|売掛先からの入金後、2者間では利用者がファクタリング会社へ支払い、3者間では売掛先が直接支払う

オンラインで完結するクラウド型のファクタリングサービスでは、書類提出から入金までを最短即日で進められるものもあります。請求書の発行から入金管理までを効率化したい場合は、請求業務を支援するサービスの活用も検討するとよいでしょう。請求書作成や入金管理の効率化については、INVOYでも詳しく紹介しています。

よくある質問

ファクタリングは違法ではないのですか?

正規のファクタリングは、民法上の債権譲渡を根拠とする合法的な資金調達手段です。違法とされるのは、ファクタリングを装って実質的に貸付けを行うケースや、貸金業登録のない業者が償還請求権付きの契約で高金利の取り立てを行うケースです。契約形態と業者の正当性を確認すれば、合法的に利用できます。

売掛先にファクタリングの利用を知られたくありません。

利用者とファクタリング会社の2者だけで契約する2者間ファクタリングであれば、売掛先への通知や承諾は不要のため、原則として取引先に知られずに利用できます。ただし、債権譲渡登記が必要になる場合は、登記を通じて知られる可能性がある点に留意してください。

赤字でも審査に通りますか?

ファクタリングの審査で重視されるのは、利用者自身の業績よりも売掛先の信用力と売掛金の確実性です。そのため、自社が赤字であっても、信用力の高い売掛先への確実な売掛金があれば、利用できる可能性は十分にあります。

手数料はどのくらいかかりますか?

契約形態によって異なり、2者間ファクタリングではおおむね8%から18%程度、3者間ファクタリングでは2%から9%程度が相場とされています。売掛先の信用力や売掛金の額、支払期日までの期間などによっても変動するため、複数社で見積もりを比較するのがおすすめです。

まとめ|ファクタリングのメリットを理解し、資金繰りの選択肢を広げる

ファクタリングは、売掛金を最短即日で資金化でき、借入ではないため負債が増えず、信用情報にも影響しないという、融資にはない構造的なメリットを持つ資金調達手段です。ノンリコース契約であれば売掛先の倒産リスクを移転でき、赤字決算や創業期でも売掛先の信用力次第で利用しやすく、担保や保証人も原則不要です。

一方で、手数料によって受け取る金額が目減りすること、調達額が売掛債権の範囲に限られること、悪質な偽装ファクタリングが存在することといった注意点もあります。メリットとデメリットの双方を正しく理解したうえで、資金繰りの一時的な調整手段として計画的に活用することが、ファクタリングを上手に使いこなすポイントです。自社の状況に合うかどうかを見極め、信頼できる事業者を選んだうえで、資金調達の選択肢のひとつとして検討してみてください。

この記事の投稿者:

hasegawa

ファクタリングの基礎知識の関連記事

ファクタリングの基礎知識の一覧を見る

\1分でかんたんに請求書を作成する/
いますぐ無料登録