クレジットカードの基礎知識

BPSPとは?請求書カード払いを支える決済スキームの仕組みをわかりやすく解説

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bpsp とは

取引先に請求書を送る側でも受け取る側でも、「BPSP」という言葉を見かけて意味がわからなかった経験はないでしょうか。BPSPはBusiness Payments Solution Providerの略で、国際ブランドのVisaが提唱したBtoB向けの決済スキームの名称です。売り手がクレジットカードの加盟店になっていなくても、買い手がカードで請求書を支払える仕組みを実現するもので、近年広がりを見せている「請求書カード払い」サービスの多くがこのBPSPという仕組みを土台にしています。この記事では、BPSPの定義・登場の背景・仕組み・メリットと注意点・Mastercard/JCBの類似スキームとの違い・サービスを選ぶ際の確認ポイントまでを整理し、請求書のカード払いを検討する際に知っておきたい基礎知識をまとめます。日々の経理業務で請求書の支払い方法を見直したいと考えている方や、取引先からBPSP対応のサービス案内を受けて意味を確認したい方に向けて、できるだけ噛み砕いて解説します。

BPSPとは何の略か

BPSPはBusiness Payments Solution Provider(ビジネス・ペイメンツ・ソリューション・プロバイダー)の略称です。これは国際ブランドのVisaが2017年に提唱したBtoB決済のためのプログラム名であり、特定の一社が独自に使っている社内用語ではありません。Visaの公式サイトでも「Business Payments Solution Providers(BPSP)」として案内されており、Visaと提携する決済事業者がBPSPとして加盟店契約を結び、買い手企業と売り手企業の間に立って決済を仲介する立場を担います。

BPSPの目的は、クレジットカード決済に対応していない取引先(売り手)に対しても、買い手がカードを使って支払いを完了できるようにすることです。従来、企業間の請求書支払いは銀行振込が主流でした。売り手がカード加盟店契約を結んでいない場合、買い手はカード払いを選べず、振込での支払いに限定されていました。BPSPはこの制約を取り払うためのスキームであり、買い手のカード利用と売り手の従来型の受け取り方法を両立させる点に特徴があります。似た響きの略語として「BPS」や「BtoB Payment Service」なども存在しますが、Visaが定義するBPSPはあくまで「Business Payments Solution Provider」を指す点を押さえておくと混同を避けられます。

BPSPが登場した背景

企業間の取引では、支払い手段として銀行振込が長年の標準でした。個人の消費においてはクレジットカードや電子マネーによるキャッシュレス化が進んだ一方で、企業間の請求書払いは振込中心のまま残っている場面が多く、支払い側にとってはカード利用によるポイント還元や支払い期日の調整といったメリットを享受しにくい状態が続いていました。

この課題に対して、Visaは自社のカードネットワークを使いながらも、売り手側にカード加盟店契約という新たな負担を求めない形での解決策としてBPSPというプログラムを設計しました。買い手はカードで支払い、売り手は普段どおり銀行振込で受け取るという構造にすることで、売り手側の導入障壁を取り除きながら買い手側にカード払いの選択肢を提供する仕組みとして広がっています。日本国内では2022年3月からBPSPを活用したサービスの提供が始まり、同年4月以降、複数の決済事業者が相次いでサービスを展開しました。企業のキャッシュレス化やDXの流れとあわせて、請求書業務の効率化を目的にBPSPを取り入れる事業者が増えてきた経緯があります。

BPSPの仕組み

BPSPの仕組みを理解するポイントは、買い手・BPSP事業者・売り手という三者の関係にあります。順に見ていきます。

買い手はクレジットカードで支払う

買い手企業は、受け取った請求書の情報をBPSP事業者が提供するサービスに登録し、手持ちのクレジットカードで支払いを行います。この時点で買い手にとっての支払い手段はカード決済であり、通常の通販や店舗でのカード払いと同様の操作感で完了します。複数の請求書をまとめて登録し、一括で支払い申請できるサービスも多く、経理業務の一元化につながります。

BPSP事業者が仲介の加盟店になる

ここがBPSPの核心部分です。カードブランドの加盟店契約上、実際にカード決済を受け付ける加盟店になるのはBPSP事業者であり、売り手ではありません。つまり売り手はカード加盟店契約を結ぶ必要がなく、従来どおり銀行振込で代金を受け取る形を維持できます。BPSP事業者は買い手からカードで代金を受け取ったあと、自社の資金で立て替えて売り手へ銀行振込を行います。この立て替えの仕組みがあることで、売り手は取引先が支払い方法を変えたことを意識せずに、いつもと同じ請求・回収フローを続けられます。

売り手は振込で受け取る

売り手からみると、支払い方法や取引の実態はこれまでと変わりません。請求書を発行し、期日までに銀行振込で代金を受け取るという従来の業務フローがそのまま維持されます。カード決済の手数料や加盟店契約の負担を売り手が負う必要がない点が、このスキームが広がった理由のひとつです。

なぜ売り手はBPSP経由の支払いを受け入れられるのか

通常、企業がクレジットカードの加盟店になるには、カードブランドや決済代行会社との契約、決済端末やシステムの導入、加盟店手数料の負担といった準備が必要です。中小企業や個人事業主にとってはこの導入コストが障壁になることも少なくありません。BPSPのスキームでは、この加盟店としての役割をBPSP事業者が一括して担うため、売り手は何も新しい契約を結ぶことなく、取引先がカードで支払ったという事実だけを受け取り、代金自体は普段どおり銀行振込で受領します。売り手にとっては業務フローの変更が発生しない、という点が受け入れられやすい理由になっています。

BPSPが企業間の支払いにもたらすメリット

BPSPを利用した請求書カード払いサービスには、買い手側に次のようなメリットがあります。

  • クレジットカードの支払期日まで代金の支払いを遅らせられるため、実質的に30日から60日程度のキャッシュフロー改善効果が見込める
  • 取引先がカード決済に対応していなくても、買い手側の都合でカード払いに統一し、経理業務を一元管理できる
  • カード利用に応じたポイントやマイルを積み立てられる
  • 銀行窓口の営業時間に縛られず、オンラインで支払い手続きを完了できる

特にキャッシュフロー改善の効果は大きく、クレジットカードの締め日と支払日の関係を利用することで、銀行振込であれば即時に資金が出ていくはずの支払いを、実質的に数十日先まで遅らせられる場合があります。資金の出入りにタイムラグを作れることは、季節変動のある事業や、支払いと回収のサイクルがずれやすい事業にとって特に有効です。また、支払いのたびに振込手続きを行う必要がなくなり、複数の請求書をまとめてオンラインで処理できることも、経理担当者の作業負担を軽減する要素になります。

bpsp とは

BPSP利用時の注意点

メリットの多いBPSPですが、利用にあたっては次のような点に注意が必要です。

  • 多くのサービスで、買い手または売り手のいずれかに数パーセント程度の手数料が発生する
  • 利用にあたって事業者ごとの審査があり、審査に通過できないと利用できない場合がある
  • クレジットカードの利用上限額に達すると、新たな支払いができなくなる

手数料の負担者や割合はサービスによって異なり、買い手が負担する形態と売り手が負担する形態の両方が存在します。目安としては利用金額の3パーセントから5パーセント程度の手数料が設定されているケースが多く、決して小さくないコストであるため、継続利用を前提とする場合は年間の手数料負担額を見積もっておくことをおすすめします。利用を検討する際は、手数料の負担者・割合・支払い可能な金額の上限などを事前に確認しておくことが重要です。また、支払いのたびにカードの利用枠を消費するため、大口の請求書払いを継続的に利用する場合は、カードの利用可能額とのバランスも合わせて管理する必要があります。

MastercardのBPAP、JCBのBBPSとの違い

BPSPはVisaが提唱した名称ですが、他の国際ブランドも同様の趣旨のプログラムを展開しています。Mastercardは「Business Payment Aggregator Program(BPAP)」、JCBは「BtoB Payment Service(BBPS)」という名称で、それぞれ請求書のカード払いを仲介する仕組みを提供しています。基本的な考え方はいずれも共通しており、買い手がカードで支払い、仲介事業者が売り手へ従来の方法で資金を届けるという構造です。名称はブランドごとに異なりますが、目的は「カード非対応の取引先に対しても買い手がカード払いを選べるようにする」という点で一致しています。

日本国内でのサービス展開を見ると、三井住友カードがNTTコムウェアと連携したサービスや、クレディセゾンがUPSIDERと連携したサービスなど、カード会社とフィンテック企業が組む形での事業化が進んでいます。現在は多くの請求書カード払いサービスが、VisaのBPSP・MastercardのBPAP・JCBのBBPSのいずれか、あるいは複数のスキームに対応する形で提供されており、利用者は自分が持っているカードのブランドに応じてサービスを選べるようになっています。ブランドごとに提携する決済事業者や対応可否が異なるため、自社で使っているカードがどのブランドかを確認したうえでサービスを選ぶ必要があります。

請求書カード払いサービスを選ぶ際の確認ポイント

BPSPをはじめとした国際ブランドのスキームを活用した請求書カード払いサービスを比較検討する際は、次のような点を確認しておくとよいでしょう。

  • 対応しているカードブランド(Visa・Mastercard・JCBなど)が自社の利用カードと一致しているか
  • 手数料の負担者と割合が事業の採算に見合っているか
  • 1回あたり、または月あたりの支払い可能額に上限が設けられているか
  • 請求書の登録や支払い申請の操作が、既存の経理業務フローに組み込みやすいか

これらを事前に整理しておくことで、実際の支払いフローに導入した後のギャップを減らすことができます。特に手数料と支払い上限額は、継続的に請求書払いを利用する場合の総コストや、資金繰り改善の効果に直結する部分のため、複数サービスを比較したうえで自社に合ったものを選ぶことが望ましいといえます。また、経理担当者が複数の取引先への支払いを一括で管理できるかどうかも、日々の業務効率に大きく影響する要素です。請求書の登録から支払い実行、支払い履歴の確認までを一つの画面で完結できるサービスであれば、支払い漏れや二重支払いといったミスを防ぎやすくなります。

よくある質問

BPSPは誰でも利用できますか

BPSPを活用した請求書カード払いサービスの多くは、利用にあたって事業者ごとの審査を設けています。審査基準はサービスによって異なるため、利用を検討する場合は各サービスの申込条件を確認する必要があります。

売り手側に費用は発生しますか

サービスの設計によって異なります。買い手が手数料を負担する形態と、売り手が負担する形態の両方が存在するため、利用するサービスの契約条件を個別に確認することが重要です。売り手側は多くの場合、支払い方法の変更に伴う追加の作業負担が発生しない設計になっています。

BPSPと通常のクレジットカード決済はどう違いますか

通常のカード決済では、代金を受け取る売り手自身がカードブランドと加盟店契約を結ぶ必要があります。BPSPでは、売り手に代わってBPSP事業者が加盟店契約を担い、買い手のカード決済を受け付けたうえで売り手へは銀行振込で資金を届けます。売り手がカード加盟店契約を結ばずに済む点が最大の違いです。

BPSPはいつから日本で使えるようになりましたか

日本国内では2022年3月からBPSPを活用したサービスの提供が始まり、同年4月以降、複数の決済事業者が相次いでサービスを展開しました。現在も対応するサービスや決済事業者は増え続けています。

BPSP以外の仕組みでも請求書をカード払いできますか

BPSP以外にも、MastercardのBPAPやJCBのBBPSといった類似スキームがあり、同様に請求書をカード払いできる仕組みが用意されています。利用するサービスがどのスキームに対応しているかを確認することで、自分が持つカードブランドに合ったサービスを選べます。

まとめ

BPSPはBusiness Payments Solution Providerの略で、Visaが2017年に提唱したBtoB決済のスキームです。売り手がカード加盟店契約を結んでいなくても、買い手がクレジットカードで請求書を支払えるようにする仕組みであり、日本国内でも2022年3月以降、複数の決済事業者によってサービス化が進んでいます。MastercardのBPAP、JCBのBBPSといった類似スキームも存在し、いずれも「取引先のカード対応状況に関わらず、買い手がカード払いを選べるようにする」という共通の目的を持っています。

BPSPという言葉自体は一般消費者向けのサービスではないため、日常的に目にする機会は多くありませんが、企業間の請求書払いに関わる経理担当者や、取引先からカード払いの案内を受けた事業者にとっては、仕組みを理解しておくことで安心して利用を判断できる知識になります。特に、支払い方法を切り替える際には、手数料負担・審査条件・利用上限額といった条件面の違いがサービスごとに存在するため、複数のサービスを比較したうえで自社の資金繰りや業務フローに合ったものを選ぶ視点が欠かせません。

請求書のカード払いを検討する際は、手数料の負担者・利用可能なカードブランド・審査条件・支払い上限額などをサービスごとに比較することが欠かせません。INVOYが提供する請求書のカード払い機能でも、取引先の対応状況にかかわらずカードで支払いを進められる仕組みを用意しています。

この記事の投稿者:

hasegawa

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