請求書の基礎知識

請求書の振込先の書き方【手書き・個人の記入例付き】

最終更新日:

請求書 振込先 書き方

請求書の振込先欄には、金融機関名、支店名、預金種目、口座番号、口座名義の5項目を記載します。振込先は適格請求書の必須記載事項ではありませんが、記載がないと相手が振込手続きを進められません。

振込先の記入例を示しながら、手書きするときの注意点、個人名義や屋号付き口座、ゆうちょ銀行、法人略語、振込先が記載されていない場合の対応を解説します。

目次

請求書の振込先に書く5項目

請求書に必要なその他の項目

金融機関名・支店名

金融機関名と支店名は、通帳やネットバンキングに表示されている正式名称で記載します。

記載例は次のとおりです。

項目記載例
金融機関名三井住友銀行
支店名新宿支店

請求書には、次のように記載します。

三井住友銀行 新宿支店

「三井住友」のように銀行名を省略すると、同じような名称の金融機関と誤認される可能性があります。金融機関名は、「銀行」「信用金庫」「信用組合」などを含めて記載してください。

支店名は統廃合によって変更されることがあります。請求書を発行する前に、通帳や金融機関の公式サイトで現在の支店名を確認しましょう。

口座種別

口座種別は、振込先の口座が普通預金か当座預金かを示します。請求書には、実際の口座種別を記載してください。

口座種別記載例
普通預金普通
当座預金当座
貯蓄預金貯蓄

一般的には、次のように記載します。

口座種別:普通

「普通預金」を「当座」と記載するなど、口座種別を間違えると振込手続きに影響する場合があります。通帳やネットバンキングの口座情報を確認してから記載しましょう。

口座番号

口座番号は、金融機関が指定する番号を記載します。多くの金融機関では7桁ですが、金融機関によって表示方法が異なる場合があります。

記載例は次のとおりです。

口座番号:1234567

口座番号を手書きするときは、数字を1つずつ確認しながら書きます。特に、0と6、1と7、3と8は見間違えやすいため注意が必要です。

口座番号が7桁未満に見えても、自己判断で数字を削ったり追加したりしてはいけません。通帳、キャッシュカード、ネットバンキングに表示された番号を確認してください。

ゆうちょ銀行では、記号・番号を他行からの振込に使う店名・預金種目・口座番号へ変換する必要があります。詳しくは後述します。

口座名義

口座名義は、金融機関に登録されているカナ表記で記載します。

記載例は次のとおりです。

口座名義:カ)ヤマモトショウジ

法人の場合は、株式会社や合同会社などの法人格を、登録されている略語で記載します。個人事業主は、個人名義または屋号付き口座の名義を確認して記載してください。

ATMやネットバンキングでは、金融機関名、支店名、口座種別、口座番号を入力すると、口座名義が表示されることがあります。表示された名義と請求書の記載が一致しているか、取引先が確認できるようにしておきましょう。

口座名義の漢字・カナの使い分けや文字数の制限は、口座名義の漢字・カナの使い分けと文字数の制限で詳しく解説しています。

金融機関コード・支店コード

金融機関コードと支店コードは、振込先を特定するための番号です。請求書への記載は必須ではありませんが、記載しておくと振込先の確認や入力ミスの防止に役立ちます。

項目桁数内容
金融機関コード4桁金融機関を示す番号
支店コード3桁支店を示す番号

記載例は次のとおりです。

金融機関コード:0009

支店コード:123

コードは、通帳、キャッシュカード、ネットバンキング、金融機関の公式サイトなどで確認できます。

そのまま使える振込先の記入例

一般的な銀行口座の振込先は、次のように記載します。

1行で書く場合

振込先:三井住友銀行 新宿支店 普通 1234567 カ)ヤマモトショウジ

表形式で書く場合

項目記載例
金融機関名三井住友銀行
支店名新宿支店
口座種別普通
口座番号1234567
口座名義カ)ヤマモトショウジ

手書き用の請求書では、口座情報を次の順番で記載すると確認しやすくなります。

金融機関名・支店名

口座種別・口座番号

口座名義

請求書のテンプレートを使う場合は、振込先欄が用意されたものを選ぶと記入漏れを防げます。請求書作成を効率化したい場合は、INVOYの請求書作成・発行サービスも利用できます。

ケース別の振込先の書き方

法人口座の場合

法人口座では、口座名義に法人格の略語を含めて記載します。正式な会社名ではなく、通帳やネットバンキングに表示される振込用の名義を書いてください。

法人格の位置によって、略語を置く場所が変わります。

法人格の位置記載例
法人格が前にある場合カ)ヤマモトシヨウジ
法人格が中にある場合シンキン(カ)ナガオカ
法人格が後にある場合ヤマモトシヨウジ(カ

略語には、次のようなものがあります。

法人格・名称略語
株式会社カ
有限会社ユ
合同会社ド
一般社団法人シヤ
一般財団法人ザイ
医療法人イ
特定非営利活動法人トクヒ
営業所エイ
出張所シユツ

「一般社団法人」はシヤ、「一般財団法人」はザイです。両者を取り違えないように注意してください。

略語や位置は金融機関の案内を確認し、口座名義の表示と一致させます。金融機関によって登録文字数や使用できる文字に制限があるため、通帳やネットバンキングの画面を確認してから記載しましょう。

個人・フリーランスの場合

個人事業主やフリーランスは、口座名義に応じて記載します。

個人名義の口座であれば、次のように書きます。

口座名義:ヤマダタロウ

屋号付き口座の場合は、金融機関に登録されている屋号と個人名を記載します。

口座名義:ヤマダデザイン ヤマダタロウ

屋号だけで登録されている場合は、次のように書きます。

口座名義:ヤマダデザイン

屋号と個人名の順番や区切り方は、金融機関の登録内容によって異なります。請求書に記載する前に、通帳やネットバンキングで正確な名義を確認してください。

屋号付き口座を使う場合でも、請求書の発行者名と口座名義が大きく異なると、取引先が確認に迷うことがあります。請求書の備考欄などに、屋号と個人名の関係を補足しておくと親切です。

ゆうちょ銀行の場合

ゆうちょ銀行の口座へ他の金融機関から振り込んでもらう場合、通帳に記載された記号・番号をそのまま記載してはいけません。

他の金融機関から振り込むときは、次の3項目に変換して記載します。

必要な項目記載内容
店名3桁の漢数字
預金種目普通など
口座番号7桁

ゆうちょ銀行の通常貯金では、記号が1から始まる場合、記号の2桁目と3桁目に8を加えた3桁を店名として使います。

たとえば、記号が10180の場合は、店名を〇一八とします。記号が12345の場合は、店名を二三八とします。

口座番号は、番号8桁の末尾にある1を除いた7桁を使います。記号と番号の間にある1桁は、振込先の口座番号として使いません。

記入例は次のとおりです。

項目記載例
店名〇一八
預金種目普通
口座番号2345678
口座名義ヤマダタロウ

請求書には、次のように書きます。

振込先:ゆうちょ銀行 〇一八支店 普通 2345678 ヤマダタロウ

店名や口座番号は、記号・番号から自己判断せず、ゆうちょ銀行の公式変換ツールや通帳の印字で確認してください。変換後の口座情報が分からない場合は、ゆうちょ銀行へ問い合わせると確実です。

振込先を複数書く場合

振込先を複数用意している場合は、金融機関ごとに分けて記載します。

振込先金融機関名支店名種別口座番号口座名義
1三井住友銀行新宿支店普通1234567カ)ヤマモトショウジ
2みずほ銀行渋谷支店普通7654321カ)ヤマモトショウジ

どちらの口座へ振り込んでもよい場合は、次のように明記します。

上記いずれかの口座へお振り込みください。

特定の口座へ振り込んでほしい場合は、振込先を1つに絞り、備考欄に指定を書きます。複数の口座を記載して選択を委ねる場合は、取引先が迷わないように、支払期限や手数料の扱いもあわせて確認しましょう。

手書きで振込先を書くときのコツ

請求書の作成で必要なもの

欄が狭いときの書き方

請求書の振込先欄が狭い場合は、情報を2行または3行に分けます。

1行目に金融機関名と支店名を書きます。

2行目に口座種別と口座番号を書きます。

3行目に口座名義を書きます。

記載例は次のとおりです。

三井住友銀行 新宿支店

普通 1234567

カ)ヤマモトシヨウジ

口座名義は、金融機関名や支店名より確認に時間がかかりやすい項目です。欄が狭い場合でも名義を省略せず、読みやすい大きさで書きましょう。

文字を詰め込みすぎると、数字やカナを読み間違えやすくなります。欄に収まらない場合は、別紙に振込先を記載するか、余白に見やすく書いてください。

カナと数字の書き間違いを防ぐ

振込用の受取人名は、金融機関のシステム上、半角カナ、英数字、一部の記号で扱われます。請求書を手書きする場合も、通帳やネットバンキングに表示されるカナ表記を確認し、同じ内容を読みやすく書きます。

次の文字は、特に間違えやすい組み合わせです。

間違えやすい文字確認方法
ソ・ン文字の払い方を確認する
シ・ツ線の向きと位置を確認する
1・7上部や横線を明確に書く
0・6丸の形を大きく書き分ける
3・8曲線を省略しない

振込入力では、小さいカナのャ、ュ、ョ、ッは使えず、大きい文字として扱われる場合があります。たとえば、一般社団法人の略語はシャではなくシヤと記載します。

手書きでは数字の間隔を空け、口座番号を3桁や4桁ごとに区切ると確認しやすくなります。ただし、金融機関に登録された番号そのものは変えないでください。

書き間違えたときの訂正方法

請求書の振込先を書き間違えた場合は、新しい用紙に書き直す方法が確実です。

書き直せない場合は、誤った部分に二重線を引き、訂正印を押して正しい内容を近くに記載します。取引先の社内ルールで訂正方法が定められている場合は、そのルールを優先してください。

修正液や修正テープで数字を消すと、訂正前の内容を確認できなくなります。特に口座番号や名義は支払いに直結するため、修正液での訂正は避けましょう。

請求書全体を手書きする場合の記載項目や訂正方法は、請求書の書き方と作り方の解説も参考にしてください。

毎回手書きするならゴム印やテンプレートを使う

同じ振込先を繰り返し記載する場合は、振込先用のゴム印やテンプレートを使うと便利です。

ただし、口座情報を変更したときは、古いゴム印やテンプレートを使わないように注意してください。変更後の情報を登録した新しいテンプレートを作り、古いものは破棄または使用停止にします。

口座名義の法人略語一覧

各金融機関が案内する主な略語

振込時に使う法人略語は、金融機関の案内を確認して記載します。主な略語は次のとおりです。

正式名称略語名義の記載例
株式会社カカ)ヤマモトショウジ
有限会社ユユ)ヤマモトショウジ
合同会社ドド)ヤマモトショウジ
一般社団法人シヤシヤ)ヤマモトショウジ
一般財団法人ザイザイ)ヤマモトショウジ
医療法人イイ)ヤマモトクリニック
特定非営利活動法人トクヒトクヒ)ヤマモトカイ
営業所エイヤマモトショウジ(エイ
出張所シユツヤマモトショウジ(シユツ

法人格が前に付く場合は、略語の後ろに右括弧を付けます。法人格が後ろに付く場合は、会社名の後ろに左括弧を付けます。

金融機関によって使用できる文字数や記号が異なることがあります。最終的には、自社の口座名義として表示される表記を使ってください。

名義の文字数とカナ表記

口座名義には、金融機関ごとに文字数の上限があります。法人名が長い場合、登録時に一部を省略していることがあります。

請求書には、正式名称を独自に短縮せず、通帳やネットバンキングに表示される名義を記載します。漢字の会社名だけを書いたり、法人略語を自己流で作ったりしないようにしましょう。

振込先を書くときの注意点

請求書の振込先を記載する際の注意点

振込手数料の負担を明記する

振込手数料を発行側と支払側のどちらが負担するかは、取引条件に従います。別段の意思表示がない場合、民法485条では弁済の費用は債務者、つまり支払う側の負担とされています。

請求書に負担者を明記すると、後から認識が食い違うことを防げます。

支払側が負担する場合は、次のように書きます。

振込手数料は貴社にてご負担ください。

発行側が負担する場合は、次のように書きます。

振込手数料は弊社が負担いたします。

取引先との契約や発注条件で別の取り決めがある場合は、その内容を優先してください。振込手数料の詳しい扱いは、請求書での振込手数料の取り扱いで解説しています。

請求書を送る前に口座情報を照合する

請求書を送る前に、次の資料と振込先を照合します。

> * 通帳の口座名義

> * キャッシュカードの口座番号

> * ネットバンキングの口座情報

> * 金融機関の支店情報

確認する項目は、金融機関名、支店名、口座種別、口座番号、口座名義です。請求書を作成した人とは別の人が確認する体制にすると、入力ミスを見つけやすくなります。

口座情報を変更した直後は、旧情報が記載されたテンプレートやゴム印が残っていないかも確認してください。

振込先を変更したときの伝え方

口座を変更した場合は、請求書に新しい振込先を記載するだけでなく、取引先へ変更内容を別途伝えます。

連絡文には、次の内容を入れます。

> * 変更日

> * 変更する金融機関名や支店名

> * 新しい口座名義

> * 新しい口座番号

> * 旧口座への振込を停止する日

振込先の変更をメールだけで伝える場合、なりすましや誤送信を防ぐため、電話など別の手段でも確認してもらうと安心です。

押印の扱いを確認する

請求書への押印は、法律上の必須記載事項ではありません。取引先や自社のルールで求められている場合は、社判や電子印を付けます。

振込先の正確性は押印の有無では確認できません。押印よりも、口座情報の照合を優先してください。

振込先は適格請求書の必須記載事項ではありません

振込先は、適格請求書に必要な記載事項には含まれません。

国税庁タックスアンサーNo.6625によると、適格請求書の主な記載事項は次の6項目です。

> 1. 発行事業者の氏名または名称と登録番号

> 2. 取引年月日

> 3. 取引内容と軽減税率の対象である旨

> 4. 税率ごとに区分した対価の額と適用税率

> 5. 税率ごとに区分した消費税額等

> 6. 交付を受ける事業者の氏名または名称

この6項目に、金融機関名、支店名、口座種別、口座番号、口座名義は含まれていません。

ただし、「振込先を書かなくてもよい」という意味ではありません。振込先が分からなければ、取引先は支払い手続きを進められません。適格請求書の要件とは別に、実務上必要な情報として振込先を記載しましょう。

振込先以外の請求書の記載項目は、請求書の記載事項と注意点で確認できます。

請求書に振込先が書かれていないときの対応

振込先がないことだけで違法にはならない

請求書に振込先が記載されていないことだけで、直ちに違法になるわけではありません。振込先は適格請求書の必須記載事項ではないためです。

一方、振込先が分からないままでは支払いができません。請求書を受け取った側は、発行元へ連絡して振込先を確認しましょう。

確認メールの文例

件名:請求書の振込先についての確認

お世話になっております。

先日お送りいただいた請求書を確認しました。

請求書に振込先の記載が見当たらなかったため、振込先の金融機関名、支店名、口座種別、口座番号、口座名義をご教示いただけますでしょうか。

確認でき次第、支払期日までに手続きを進めます。

よろしくお願いいたします。

口座情報をメールで受け取った後は、請求書の発行者や担当者から送られた内容かを確認します。取引先を装った不正な振込先変更もあるため、以前から使っている連絡先へ確認すると安全です。

振込先の記載を自動化する方法

振込先を登録して帳票へ反映する

毎回同じ振込先を手書きする場合は、請求書作成サービスに口座情報を登録すると効率化できます。

INVOYでは、設定の発行画面にある振込先の項目から、振込先を登録できます。自由入力とマスタ入力を選べるため、自社の運用に合わせて設定できます。

登録した振込先を請求書へ反映すれば、金融機関名、支店名、口座種別、口座番号、口座名義の書き間違いを減らせます。口座情報を変更した場合は、登録内容を更新してから新しい請求書を作成してください。

INVOYでは請求書の作成・発行を無料で利用できます。振込先を登録しておけば、毎回の手書き作業も不要になります。

相手がカード払いを選んだ場合

INVOYの請求書カード払いでは、支払う側がクレジットカードで決済できます。カード決済を選んだ場合でも、受取側には請求書に記載した口座へ、通常の銀行振込と同じ名義で振り込まれます。

振込はカード決済から2営業日以内に行われます。振込日は、申込日から最短当日から最長30日後まで指定できます。

カード払いを利用する場合でも、請求書の振込先は正しく記載しておく必要があります。口座番号や名義に誤りがあると、入金確認に時間がかかる可能性があります。

よくある質問

振込先はカタカナだけでよいですか

口座名義は、金融機関に登録されているカナ表記で書くことが基本です。金融機関名、支店名、口座種別、口座番号も必要なので、カタカナの名義だけでは不十分です。

銀行名は略してもよいですか

銀行名は、原則として正式名称で記載します。「三井住友銀行」を「三井住友」と書くなどの略称は避けてください。支店名も正式な名称を書きましょう。

振込先を書き忘れたらどうすればよいですか

請求書を送る前なら、振込先を追加して再発行します。送付後に気付いた場合は、修正した請求書を再送し、古い請求書を破棄してもらうよう伝えます。

ゆうちょ銀行の記号番号をそのまま書いてもよいですか

他の金融機関から振り込んでもらう場合は、記号・番号をそのまま書きません。店名、預金種目、7桁の口座番号へ変換して記載します。変換結果は、ゆうちょ銀行の公式ツールや通帳で確認してください。

海外の取引先へ振込先を伝えるにはどうすればよいですか

海外送金では、銀行名、支店名、口座番号に加えて、英文表記やSWIFTコードなどが必要になる場合があります。詳しくは振込先を英語で伝える方法を確認してください。

まとめ

請求書の振込先には、次の5項目を記載します。

> * 金融機関名

> * 支店名

> * 口座種別

> * 口座番号

> * 口座名義

法人は、金融機関に登録された法人略語と位置を確認します。個人事業主は、個人名義や屋号付き口座の登録内容に合わせて記載します。ゆうちょ銀行は、記号・番号ではなく、店名、預金種目、7桁の口座番号へ変換してください。

振込先は適格請求書の必須記載事項ではありませんが、支払いを受けるために必要な情報です。手書きの場合は数字やカナを読みやすく書き、送付前に通帳やネットバンキングと照合しましょう。

この記事の投稿者:

reg@olta.co.jp

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