
クレジットカードの締め日は1か月分の利用額を区切る日で、引き落とし日は区切った金額を銀行口座から支払う日です。多くのカードは「締め日の翌月」に引き落としが来る仕組みで、代表的なパターンは「毎月15日締め・翌月10日払い」と「月末締め・翌月27日払い」の2つです。たとえば15日締め翌月10日払いのカードなら、1月16日から2月15日までに使った分が3月10日に口座から引き落とされます。
仕組みがわかると、「今日使った分はいつ払うのか」をその場で計算できます。本記事では、主要カード会社8社の締め日と引き落とし日を各社の公式サイトで確認した一覧にまとめ、利用日によって支払いまでの日数がどう変わるか、引き落とし日が土日祝日に重なったときの扱い、支払いが遅れたときに起きることを順に説明します。
後半では、個人事業主や中小企業の経理担当者に向けて、締め日を資金繰りに生かす考え方も取り上げます。カードの支払いサイクルは、手元の現金が出ていくタイミングを後ろにずらす道具として使えます。自社の資金繰り表にどう組み込むかまで、読み終えた時点で判断できる構成にしています。
目次
クレジットカードの締め日と引き落とし日の基本
締め日と引き落とし日は、どちらも「いつの利用分を、いつ払うか」を決める日付です。言葉は似ていても、役割は別です。
締め日は利用分を区切る日
締め日は、毎月のカード利用を集計するための区切りです。15日締めのカードであれば、前月16日から当月15日までの利用分が1回分の請求としてまとめられます。月末締めなら、1日から末日までの利用分が1回分です。
締め日を1日でも過ぎた利用は、次の回の請求に回ります。15日締めのカードで16日に買い物をすると、その支払いは翌々月の引き落としです。同じ買い物でも、締め日の前後どちらで使ったかによって、引き落としが約1か月変わります。
引き落とし日は確定した金額を払う日
引き落とし日は、締め日で区切って確定した請求額が、登録した銀行口座から自動で引き落とされる日です。支払日、口座振替日とも呼ばれます。カード会社によっては、引き落とし日を2つの候補から選べます。
引き落とし日の時点で口座の残高が請求額に届いていないと、引き落としができません。遅延の扱いについては後の章で説明しますが、引き落とし日を過ぎてから入金した場合は、原則として支払いが遅れた扱いになります。
締め日から引き落とし日までの流れ
締め日から引き落とし日までは、おおむね次の順番で進みます。
- 締め日にその月の利用分が区切られます。
- 締め日から10日前後で請求額が確定します。
- 確定した請求額がメールやアプリで通知されます。
- 引き落とし日に登録口座から請求額が引き落とされます。
三井住友カードは、締め日から約10日後に支払い金額が確定すると案内しています。PayPayカードの場合は毎月12日頃に請求予定金額が「確定」の表示になり、13日または14日頃に「お支払い金額のお知らせ」が届きます。確定から引き落としまでの期間に、口座へ入金しておく流れです。
より詳しい引き落としの仕組みや残高不足時の対応は、クレジットカードの引き落としの仕組みと残高不足の対処法でも解説しています。
主要カード会社8社の締め日・引き落とし日一覧
締め日と引き落とし日はカード会社ごとに決まっています。以下は、2026年9月時点で各社の公式サイトやよくある質問のページに記載されている内容をまとめたものです。同じ会社でもカードの種類や提携先によって異なる場合があるため、手元のカードの会員ページで最終確認してください。
| カード会社 | 締め日 | 引き落とし日 |
| 三井住友カード(10日払い) | 毎月15日 | 翌月10日 |
| 三井住友カード(26日払い) | 毎月末日 | 翌月26日 |
| JCBカード | 毎月15日 | 翌月10日 |
| dカード | 毎月15日 | 翌月10日 |
| 楽天カード | 毎月末日 | 翌月27日 |
| PayPayカード | 毎月末日 | 翌月27日 |
| イオンカード | 毎月10日 | 翌月2日 |
| セゾンカード | 毎月10日 | 翌月4日 |
| エポスカード(27日払い) | 毎月27日 | 翌月27日 |
| エポスカード(4日払い) | 毎月4日 | 翌月4日 |
表のとおり、締め日と引き落とし日の組み合わせは大きく3つの型に分けられます。それぞれの型の特徴を見ていきます。
15日締め翌月10日払いのカード
JCBカードとdカードは、毎月15日締め・翌月10日払いです。JCBは、1月16日から2月15日までの利用分が3月10日に引き落とされる例を公式サイトで示しています。三井住友カードも、引き落とし日を10日にした場合は同じ15日締め・翌月10日払いになります。
この型は、月の前半で区切って翌月の上旬に払うサイクルです。給料日が25日の会社員であれば、給料が入ってから引き落としまで約2週間の余裕があり、残高を準備しやすい日程といえます。
月末締め翌月26日・27日払いのカード
楽天カードとPayPayカードは、毎月末日締め・翌月27日払いです。三井住友カードも、引き落とし日を26日にすると月末締め・翌月26日払いになります。暦どおりに1日から末日までを1回分として集計するため、家計簿や帳簿の月と請求の月が一致し、管理しやすい型です。
例外もあります。同じカードでも、利用先によって締め日が異なる例です。楽天カードは、楽天市場や楽天ペイ、楽天トラベルでの利用分の締め日を毎月25日としています。26日から月末までに楽天市場で買った分は、通常の利用分より1か月遅れて請求されます。
10日前後締めや独自サイクルのカード
イオンカードは毎月10日締め・翌月2日払い、セゾンカードは毎月10日締め・翌月4日払いです。セゾンカードは、毎月10日までに「当社に情報が届いた」利用分を翌月4日に請求すると説明しています。利用日ではなく、加盟店から売上データが届いた日で区切る点に特徴があります。
エポスカードは、引き落とし日を27日か4日から選ぶ方式です。27日払いなら前月28日から当月27日までの利用分を翌月27日に、4日払いなら前月5日から当月4日までの利用分を翌月4日に払います。締め日と引き落とし日の「日付」が同じなので、覚えやすい組み合わせです。
利用日で変わる支払いまでの日数
締め日と引き落とし日が決まっていると、利用日から実際にお金が出ていく日までの日数が計算できます。同じカードでも、使う日によって支払いまでの期間は倍近く変わります。
締め日の翌日に使うと支払いまで50日以上
支払いまでの期間が最も長くなるのは、締め日の翌日に使った場合です。15日締め・翌月10日払いのカードで1月16日に使うと、引き落としは3月10日です。日数にすると53日です。支払いまで2か月近い猶予があります。
月末締め・翌月27日払いのカードでは、1月1日に使った分が2月27日に引き落とされます。この場合は57日です。10日締め・翌月2日払いのイオンカードなら1月11日の利用で3月2日の引き落としとなり50日、10日締め・翌月4日払いのセゾンカードなら52日です。いずれのカードでも、締め日の翌日に使えば支払いまで50日以上あります。
締め日当日の利用は約1か月後に引き落とし
反対に、支払いまでの期間が最も短くなるのは、締め日当日に使った場合です。15日締め・翌月10日払いのカードで1月15日に使えば、引き落としは2月10日です。日数は26日です。翌日に使った場合の半分ほどしかありません。
月末締め・翌月27日払いでは、1月31日の利用が2月27日に引き落とされ、27日後の支払いです。高額の買い物や経費の支払いを予定しているなら、締め日の前に使うか後に使うかで、口座からお金が出ていく日が約1か月変わります。
利用日と売上データの到着がずれるケース
締め日の直前に使った分が、翌月の請求に回ることがあります。カード会社が請求に含めるのは、加盟店から売上データが届いた利用分だからです。三井住友カードは、お店からデータが届く時期によっては支払いが翌月にずれ込む場合があると案内しています。
ガソリンスタンドや公共料金、海外での利用、ネット通販の後日決済などは、利用日から売上データの到着まで数日以上かかることがあります。締め日直前の利用は「今月分に入るとは限らない」と考え、請求の確定後に利用明細で確認しておくと、想定外の請求額に慌てずに済みます。
引き落とし日が土日祝日と重なる場合と残高の準備
毎月同じ日付でも、その日が金融機関の休業日にあたる月があります。請求額の確定時期とあわせて把握しておくと、残高不足を防げます。
金融機関の休業日は翌営業日
引き落とし日が土曜日・日曜日・祝日にあたる場合、多くのカード会社は翌営業日に引き落とします。JCB、楽天カード、PayPayカード、イオンカード、セゾンカードはいずれも、支払日が休業日なら翌営業日と案内しています。27日が土曜日なら、引き落としは29日の月曜日です。
ただし、三井住友カードは、カード会社によっては前倒しで引き落とされるケースもあると説明しています。休日をまたぐ月は、前の営業日までに入金を済ませておくと確実です。年末年始や大型連休の前後は、休業日が連続して引き落とし日が数日動くこともあります。
支払額が確定する時期と確認方法
請求額は締め日から1〜2週間ほどで確定します。イオンカードは、10日の締め日のあと当月17日から20日頃に請求額の案内メールを送り、翌月2日に引き落とす流れです。PayPayカードは前述のとおり、毎月12日頃に請求額が確定します。
確定した金額は、各社の会員サイトやアプリで確認できます。確定前の「請求予定額」は、売上データの到着によって増えることがあります。口座へ入金する金額は、確定後の請求額を見て決めるのが安全です。
締め日や引き落とし日は変更できるか
対応は会社ごとに違います。三井住友カードは引き落とし日を10日と26日から選べ、変更すると締め日もあわせて切り替わります。エポスカードも27日払いと4日払いを選べますが、金融機関によっては27日払いのみの場合があります。
変更できないカードもあります。JCBは毎月の締め日と支払日を変更できないとしています。イオンカードも引き落とし日の変更はできません。給料日や売上の入金日と引き落とし日がかみ合わない場合は、変更可能なカードを選ぶか、引き落とし口座にあらかじめ余裕を持たせておく方法が考えられます。

支払いが遅れたときに起きること
口座の残高が足りず支払いが遅れると、金銭的な負担が増えます。影響はそれだけにとどまらず、カードの利用や今後の審査にも及びます。遅れの長さによって影響の重さが変わるため、段階ごとに整理します。
遅延損害金が日割りで発生する
支払いが遅れると、支払日の翌日から支払いが済む日まで遅延損害金がかかります。楽天カードの場合、ショッピング利用分の遅延損害金は年14.6%で、年365日の日割りで計算されます。たとえば30万円の支払いが30日遅れると、30万円×14.6%×30日÷365日で約3,600円です。
遅延損害金の利率は、各社の会員規約で定められています。三井住友カードも、カード会社が定めた利率で遅延損害金が発生すると説明しています。数日の遅れなら小さな金額です。ただし、遅れた日数に比例して増え続けます。
カードの利用停止と再引き落とし
引き落としができないと、カードの利用が一時的に止まることがあります。三井住友カードは、引き落としができない場合にカードの利用が一時停止されると案内しています。公共料金や携帯電話料金、サブスクリプションの支払いをそのカードにまとめている場合、それらの支払いも滞るおそれがあります。
再度の引き落としがあるかどうかはカード会社と口座によって異なります。イオンカードは、引き落とし口座がイオン銀行の場合、支払日に残高が足りなくても3日から10日(平日のみ)に再度引き落としをかけると説明しています。再引き落としがない場合は、カード会社から届く案内に沿って振込などで支払います。
61日以上の延滞は信用情報に「異動」として残る
支払いの遅れは、信用情報機関にも記録されます。指定信用情報機関のCIC(シー・アイ・シー)では、返済日から61日以上または3か月以上の支払い遅延があったものを「異動」として登録します。異動の登録は、カードの審査やローンの審査で不利に働く代表的な情報です。
CICが保有するクレジット情報の登録期間は、契約期間中および契約終了後5年以内です。延滞を解消しても、支払い状況の記録はすぐには消えません。住宅ローンや事業用の借入、新しいカードの申し込みを予定している人ほど、短期間の遅れでも早めに解消しておく必要があります。
引き落としに間に合わないときの対処
入金が間に合わないとわかった時点で、カード会社の会員ページや問い合わせ窓口で支払い方法を確認します。多くのカード会社は、引き落とし日を過ぎた後の振込先や、コンビニ払い・口座への再入金の方法を案内しています。
連絡をせずに放置すると、督促の電話や書面が届き、延滞の期間も延びます。支払いの見込みが立っている場合でも、いつ支払えるかを伝えておくと、その後の手続きを確認できます。
事業者が締め日を資金繰りに生かす考え方
個人事業主や中小企業にとって、カードの締め日と引き落とし日は、現金が出ていく日を後ろにずらすための情報です。支払いのタイミングを管理できれば、売上の入金を待ってから支払うサイクルを作れます。
仕入れや経費の支払いは締め日直後に寄せる
前の章で計算したとおり、締め日の翌日に使えば、支払いまで50日以上の期間を確保できます。広告費やソフトウェアの年間契約、備品の購入など、支払日をある程度選べる経費は、締め日の直後に決済すると現金の流出を遅らせられます。
たとえば売掛金が「月末締め・翌月末入金」で入ってくる事業者が、月末締め・翌月27日払いのカードで月初に経費を払ったとします。経費の引き落としは翌月27日で、同じ月の売上も翌月末に入金されるため、支払いと入金がほぼ同じ時期に並びます。ただし引き落としのほうが数日早いため、その間の残高は別に確保しておく必要があります。売上の入金日と引き落とし日を並べて資金繰り表に書き込むと、どのカードをどの支払いに使うべきかが見えてきます。資金繰り表の作り方や改善の手順は、資金繰り改善の方法と手順の解説にまとめています。
取引先への請求書払いをカード払いに切り替える
事業の支払いのうち大きな割合を占める外注費や仕入れ代金は、銀行振込を指定されることが多く、カードの支払いサイクルを使えません。こうした請求書の支払いをカードで行えるのが、請求書カード払いのサービスです。
INVOYの請求書カード払いでは、利用者がカードで決済すると、INVOYが取引先の口座へ代金を振り込みます。取引先は期日どおりに入金を受け取り、自社はカードの引き落とし日に支払う形になるため、支払いを最大60日間後ろ倒しできます。振込日は最短当日から最長30日後まで指定でき、VISA、Mastercard、JCBのカードに対応しています。初期費用と月額費用はかからず、公式サイトに記載の決済手数料は支払額の3%(1万円未満は一律300円)です。サービスの詳細はINVOYの請求書カード払いで確認できます。
後ろ倒しを使うときの注意点
後ろ倒しには手数料がかかります。売上の入金までのつなぎに使うのか、毎月の支払いに常に使うのかによって、手数料の負担感は大きく変わります。入金が遅れる月や大口の支払いが重なる月など、使う月を決めて利用すると、費用と効果のバランスを取りやすくなります。
もう1つの注意点は、カードの利用可能枠です。請求書の支払いに使った金額は、引き落としが済むまで利用枠を使い続けます。枠がいっぱいになると、ほかの経費の支払いに使えなくなるため、クレジットカードの限度額の決まり方と増額方法もあわせて確認しておくと安心です。後ろ倒しした分は必ず引き落とし日に払う必要があるため、前の章で触れた遅延のリスクを避ける資金計画も欠かせません。
よくある質問
締め日と引き落とし日について、特に多い疑問に答えます。
締め日当日に使った分はいつ引き落とされますか
締め日当日の利用分は、原則としてその回の請求に含まれ、翌月の引き落とし日に支払います。15日締め・翌月10日払いのカードで15日に使えば、翌月10日の引き落としです。ただし、加盟店からの売上データが締め日までに届かなかった場合は、翌々月の請求に回ることがあります。どちらの請求に入ったかは、確定後の利用明細で確認できます。
引き落とし日の当日に入金しても間に合いますか
カード会社や金融機関によって、引き落としの処理時間が異なります。当日の入金で引き落としができる場合もありますが、処理のタイミングによっては間に合わないこともあります。確実に引き落としを済ませたいなら、引き落とし日の前営業日までに入金しておくのが安全です。
法人カードやビジネスカードの締め日も同じですか
法人カードやビジネスカードも、カードごとに締め日と引き落とし日が決まっています。同じ会社が発行するカードでも、個人向けカードと同じ日程とは限りません。経費精算の締めと合わせるためにも、カードの会員規約や会員ページで日程を確認しておきましょう。
複数のカードの引き落とし日をそろえられますか
支払日を選べるカードなら、そろえられます。三井住友カードの10日払いと26日払い、エポスカードの4日払いと27日払いがその例です。反対に、あえて引き落とし日を月の上旬と下旬に分けておくと、1回あたりの引き落とし額を小さくでき、残高の管理がしやすくなります。
まとめ
クレジットカードの締め日は利用分を区切る日、引き落とし日は区切った金額を口座から払う日です。代表的な組み合わせは15日締め・翌月10日払いと月末締め・翌月27日払いで、イオンカードやセゾンカードのように10日前後で締めるカードもあります。
- 締め日の翌日に使うと、支払いまで50日以上の期間があります。
- 締め日当日の利用は、約1か月後に引き落とされます。
- 引き落とし日が休業日なら、多くのカードは翌営業日に引き落とします。
- 支払いが遅れると遅延損害金がかかり、61日以上の延滞は信用情報に異動として残ります。
事業者にとっては、締め日と引き落とし日を資金繰り表に組み込むことで、現金が出ていく日を計画的に調整できます。銀行振込を指定された請求書の支払いも、請求書カード払いを使えばカードの支払いサイクルに乗せられます。手元のカードの締め日と引き落とし日を確認し、次の大きな支払いをどのタイミングで行うかを決めるところから始めてみてください。



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