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個人事業主の帳簿の付け方|種類・記入例と節税につながる書き方

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個人事業主 帳簿

令和8年分(2026年分)の確定申告に向けて帳簿を整えると、売上・経費・入金状況を確認しやすくなり、控除や経費の取りこぼしを防げます。この記事では、記入例と保存期間を確認します。本記事は2026年7月時点の国税庁情報をもとにした一般的な解説です。

最終更新日:2026年8月1日

監修者:税理士(氏名・所属は公開時に表示)

目次

個人事業主に帳簿の作成・保存は義務ですか

記帳義務は白色申告・青色申告を問わず課されます

個人で事業所得、不動産所得、山林所得を生ずべき業務を行う方は、日々の取引を記帳し、帳簿や書類を保存します。白色申告も対象で、所得税の申告が必要ない場合でも記帳・帳簿等の保存制度の対象です。国税庁の個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存で確認できます。平成26年(2014年)の制度変更を経て、令和8年分(2026年分)の申告では白色申告でも記帳と保存が必要です。

付けない場合に起こるリスク

帳簿がない、または不十分な場合、青色申告の承認、青色申告特別控除、純損失の繰越し、所得の推計課税、消費税の仕入税額控除に影響するおそれがあります。さらに、令和6年1月1日以後に法定申告期限が到来する申告から、売上げに関する帳簿の不保存や記載不備が税務調査で把握された場合、過少申告加算税や無申告加算税の割合に5%または10%が加重される場合があります。国税庁の加算税の加重措置に関するQ&Aで確認できます。

経営判断のためにも必要です

帳簿があると、売掛金の回収遅れ、経費増、税金や社会保険料の支払いを分けて確認できます。開業1年目から3年目はお金が混ざりやすいため、月ごとに売掛金、現金残高、経費を見ます。

表で見る申告方式ごとの必要な帳簿

白色申告に必要な帳簿

白色申告では、収入金額や必要経費を記載した帳簿が法定帳簿です。売上、仕入、経費について、取引年月日、相手方、金額などを記録します。国税庁の白色申告者の記帳・帳簿等保存制度では、日々の合計金額をまとめるなど、簡易な方法による記帳も認められると説明されています。収支内訳書には、年間の売上、仕入、経費を集計できる帳簿と請求書控え、入金記録が必要です。

青色申告10万円控除に必要な帳簿

青色申告で10万円控除を受けるのは、55万円控除や65万円控除の要件に該当しない青色申告者です。国税庁の青色申告特別控除でも、55万円・65万円の要件に該当しない青色申告者が10万円控除を受けられるとされています。現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳などの簡易帳簿で集計します。

青色申告55万円控除に必要な帳簿

青色申告で55万円控除を受けるには、事業所得または不動産所得を生ずべき事業を営み、取引を正規の簿記の原則により記帳します。一般的には複式簿記で、貸借対照表、損益計算書、所得の金額の計算に関する明細書を作成します。これらを確定申告書に添付し、その年の確定申告期限である翌年3月15日までに提出します。令和8年分(2026年分)の所得について申告する場合、通常は令和9年(2027年)3月15日が期限の基準です。

青色申告65万円控除に必要な追加要件

65万円控除は、55万円控除の要件に加え、その年分の事業に係る仕訳帳および総勘定元帳について、優良な電子帳簿の要件を満たして電磁的記録による備付けおよび保存を行うこと、または確定申告書、貸借対照表、損益計算書等を申告期限までにe-Taxで提出することで受けられます。e-Tax提出だけで自動的に65万円控除になるわけではなく、複式簿記、貸借対照表と損益計算書などの添付、期限内申告が前提です。青色申告の全体像や申請方法は、青色申告とは?最大65万円控除で節税を実現!でも確認できます。

白色・青色10万円・55万円・65万円の比較

申告方式主な帳簿記帳方法控除額
白色申告法定帳簿、任意帳簿簡易な記帳青色申告特別控除なし
青色申告10万円控除現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳など簡易帳簿10万円
青色申告55万円控除仕訳帳、総勘定元帳、補助簿複式簿記55万円
青色申告65万円控除仕訳帳、総勘定元帳、補助簿複式簿記65万円

要件は方式ごとに異なります。白色申告は収入と経費を記帳し、帳簿と書類を保存します。青色申告10万円控除は、55万円・65万円の要件に該当しない青色申告者が対象です。55万円控除は複式簿記、貸借対照表・損益計算書等の添付、期限内申告が必要で、65万円控除はこれに加えて優良な電子帳簿保存またはe-Taxでの提出が必要です。

帳簿の種類:主要簿と補助簿

主要簿:仕訳帳・総勘定元帳

主要簿は、決算書のもとになる帳簿です。仕訳帳は取引を発生順に、日付、借方科目、貸方科目、金額、摘要で残します。総勘定元帳は仕訳を勘定科目ごとに集計し、現金、普通預金、売掛金、売上高、消耗品費などの増減と残高を確認します。

補助簿:現金出納帳・売掛帳・買掛帳・経費帳・固定資産台帳

補助簿は、主要簿の内容を詳しく見る帳簿です。国税庁の青色申告制度では、簡易な記帳に用いる帳簿として、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳が例示されています。現金出納帳は現金、売掛帳は未回収売上、買掛帳は未払いの仕入代金、経費帳は経費内訳、固定資産台帳は10万円以上の備品や設備などの管理に使います。

帳簿の種類と記録する内容

帳簿名記録する内容主な利用場面
仕訳帳すべての取引の日付、借方、貸方、金額、摘要複式簿記の入り口として使います
総勘定元帳勘定科目ごとの増減と残高決算書作成や残高確認に使います
現金出納帳現金の入金、出金、残高手元現金を扱う事業で使います
売掛帳請求額、入金額、未回収残高請求後払いの売上管理に使います
買掛帳仕入額、支払額、未払残高掛け仕入や外注費の未払い管理に使います
経費帳経費の科目、支払先、金額経費の集計と見直しに使います
固定資産台帳取得日、取得価額、減価償却の状況パソコンや設備などの管理に使います

帳簿の意味や主要簿と補助簿の関係は、帳簿とは?必要性や主要簿・補助簿の違いも参考になります。

単式簿記と複式簿記の違い

単式簿記とは

単式簿記は、収入と支出を1つの側面から記録する方法です。文房具を現金で500円購入した場合、日付、内容、支出額を記録します。白色申告や青色申告10万円控除の簡易な記帳と相性がよい方法です。

日付内容収入支出残高摘要
4月1日前月繰越20,000円手元現金
4月10日消耗品費500円19,500円文房具購入

単式簿記は始めやすい反面、売掛金、買掛金、事業用資産、借入金などの残高を把握しにくくなります。

複式簿記とは

複式簿記は、1つの取引を借方と貸方に分け、同額で記録する方法です。文房具を現金で500円購入した場合、消耗品費という経費が増え、現金という資産が減ったと考えます。

日付借方科目借方金額貸方科目貸方金額摘要
4月10日消耗品費500円現金500円文房具購入

青色申告で55万円または65万円の特別控除を受けるには、一般的には複式簿記が必要です。基本は複式簿記とは?単式簿記との違いや記帳方法を確認します。

単式簿記と複式簿記の比較

項目単式簿記複式簿記
記録方法収入と支出を中心に記録します借方と貸方に分けて記録します
手間少なめです勘定科目の理解が必要です
把握できる内容現金の出入りを把握できます資産・負債・利益を把握できます
作成しやすい書類収支内訳書など貸借対照表、損益計算書など
控除との関係白色申告や青色10万円控除向きです青色55万円・65万円控除向きです

発生主義と現金主義の違い

発生主義は、取引発生時点で記録する考え方です。4月30日に110,000円の請求書を発行し、5月31日に入金された場合、4月30日に売上と売掛金、5月31日に売掛金の回収を記録します。現金主義は入金または出金日に記録する考え方で、未回収の売上や未払いの経費を把握しにくくなります。青色申告55万円控除では、現金主義による所得計算の特例を選択している方は対象外です。単式簿記のやり方とは?も参考になります。

記入例で実際の書き方を1つの取引で追いかける

例にする取引:請求書発行から入金まで

デザイン制作を行う個人事業主が、4月30日に取引先へ110,000円の請求書を発行し、5月31日に普通預金へ入金を受けた例です。消費税の区分や源泉所得税の有無は事業内容により異なるため、ここでは単純化します。請求書発行時は売上と売掛金、入金日は普通預金と売掛金を記録します。

ステップ1:仕訳帳への記入例

仕訳帳は、すべての取引を日付順に記録する帳簿です。下の表では、請求書発行と入金を含め、よくある7取引を並べています。

日付借方科目借方金額貸方科目貸方金額摘要
4月1日消耗品費3,300円現金3,300円コピー用紙購入
4月10日通信費2,200円普通預金2,200円クラウドツール利用料
4月20日旅費交通費1,200円現金1,200円取引先訪問交通費
4月28日現金8,800円24,300円売上高
4月30日売掛金110,000円売上高110,000円A社デザイン制作請求
5月10日地代家賃25,000円事業主借25,000円自宅事務所分の家賃按分
5月20日事業主貸30,000円普通預金30,000円生活費引き出し
5月31日普通預金110,000円売掛金110,000円A社入金

4月30日は売掛金を借方、売上高を貸方に記録します。5月31日は普通預金を借方、売掛金を貸方に記録します。

ステップ2:総勘定元帳への転記例

総勘定元帳では、仕訳帳の内容を勘定科目ごとに集計します。ここでは売掛金と普通預金の2科目だけを抜き出します。

勘定科目日付相手科目借方貸方残高摘要
売掛金4月30日売上高110,000円110,000円A社請求
売掛金5月31日普通預金110,000円0円A社入金
普通預金4月10日通信費2,200円497,800円クラウドツール
普通預金5月20日事業主貸30,000円467,800円生活費引き出し
普通預金5月31日売掛金110,000円577,800円A社入金

売掛金は4月30日に110,000円増え、5月31日に0円になります。

ステップ3:売掛帳への記入例

売掛帳は、取引先ごとに請求額、入金額、残高を管理する補助簿です。

取引先日付内容請求額入金額残高
A社4月30日デザイン制作請求110,000円110,000円
A社5月31日普通預金へ入金110,000円0円

残高がある取引先は、請求書の送付漏れ、入金遅れ、入金消込の漏れを確認します。

ステップ4:現金出納帳への記入例

現金出納帳は手元現金の帳簿です。今回のA社入金は普通預金への入金なので載りません。現金で備品を買った場合や現金売上を受け取った場合に記録します。

日付内容入金出金残高摘要
4月1日前月繰越20,000円手元現金
4月1日消耗品費3,300円16,700円コピー用紙購入
4月20日旅費交通費1,200円15,500円取引先訪問交通費
4月28日売上高8,800円24,300円現金売上

少額でも現金取引がある事業では、週1回の残高確認が有効です。

図解:請求書1枚が3つの帳簿に流れる仕組み

請求書を発行したら、請求書控えを保存し、仕訳帳へ売掛金と売上高の仕訳を記録します。その仕訳は総勘定元帳へ転記され、取引先別の内訳は売掛帳で管理します。入金時は普通預金と売掛金を記録します。

証憑 → 仕訳帳 → 総勘定元帳 → 売掛帳などの補助簿 → 貸借対照表・損益計算書

INVOY提供の帳簿テンプレートなら、仕訳帳、総勘定元帳、売掛帳、現金出納帳の列をそろえて始めやすくなります。帳簿テンプレートをダウンロードして記入例と同じ形式で試せます。

帳簿を作る3つの方法と向き・不向き

手書きで作る

手書きは、市販の帳簿やノートに記録する方法です。利用料は不要ですが、仕訳帳から総勘定元帳への転記、月末集計、決算書への反映を手作業で行うため、青色申告55万円・65万円控除を目指すと負担が大きくなります。

エクセルで作る

エクセルは、導入コストを抑えて表計算で集計できる方法です。仕訳帳には日付、借方勘定科目、借方金額、貸方勘定科目、貸方金額、摘要の列を用意します。総勘定元帳には科目別に抽出・集計する仕組みが必要です。55万円控除と65万円控除では、貸借対照表と損益計算書に必要な残高まで整合させます。考え方は、複式簿記はエクセルでも対応可能でも確認できます。

会計ソフトで作る

会計ソフトは、銀行口座やクレジットカード明細を取り込み、取引内容から仕訳を作成できる方法です。取引件数が多い方や請求書と入金管理を連携したい方に向きます。月額または年額の利用料がかかり、自動判定された勘定科目、家事按分の比率は確認が必要です。

3つの方法の比較

方法費用手間ミスの起きやすさ65万円控除への到達しやすさ
手書き低い高い転記・集計ミスが起きやすいです取引件数が少ない場合でも負担が大きめです
エクセル低め中程度関数破損や入力漏れに注意が必要です複式簿記の仕組みを作れれば対応できます
会計ソフト利用料がかかります低め自動連携で減らしやすいです複式簿記と申告書作成に進みやすいです

確定申告までの5ステップ

証憑を整理する

請求書、領収書、レシート、通帳、クレジットカード明細、電子メールで受け取った請求データを整理します。紙は月別、電子データは取引年月日、取引先、金額で探せるように保存します。

仕訳帳に記入する

証憑を見ながら、取引発生順に仕訳帳へ記入します。複式簿記では、借方と貸方の科目、金額、摘要をそろえます。請求書発行日には売掛金と売上高、入金日には普通預金と売掛金を記録します。

総勘定元帳へ転記する

仕訳帳の内容を総勘定元帳へ転記します。会計ソフトでは自動作成されることが多く、エクセルや手書きでは科目別に集計します。月末に普通預金の元帳残高と通帳残高、売掛金の残高を確認します。

補助簿を整える

現金、売掛金、買掛金、経費、固定資産など、詳細管理が必要な項目は補助簿で整えます。現金出納帳では手元現金、売掛帳では未回収額、買掛帳では未払いの仕入や外注費を確認します。補助簿の合計は主要簿の残高と一致させます。

決算書を作成し申告する

年末までの記帳後、減価償却、棚卸、家事按分、未収・未払などの決算整理を行い、損益計算書や貸借対照表を作成します。白色申告では収支内訳書、青色申告では青色申告決算書を作成します。青色申告55万円・65万円控除では、必要書類を確定申告書に添付し、期限内に提出します。

続けるコツ:週1・月1チェックリスト

頻度やること目的
週1回領収書と請求書を月別フォルダへ入れます証憑の紛失を防ぎます
週1回現金出納帳の残高と手元現金を合わせます現金の記録漏れを見つけます
月1回通帳と普通預金元帳を照合します入出金の入力漏れを防ぎます
月1回売掛帳の未回収残高を確認します入金遅れに早く気づきます
月1回経費の大きい科目を確認します支出の増加を把握します

表で見る帳簿・書類の保存期間

青色申告の場合

青色申告の場合、帳簿および書類などは原則として7年間保存します。ただし、請求書、見積書、納品書、送り状など、書類によっては5年間でよいものもあります。保存期間の区分は国税庁の青色申告制度で確認できます。

白色申告の場合

白色申告では、収入金額や必要経費を記載した法定帳簿は7年間保存します。業務に関して作成した上記以外の任意帳簿は5年間、請求書、納品書、送り状、領収書などの書類も5年間保存します。国税庁の白色申告者の記帳・帳簿等保存制度に保存期間の表が示されています。

申告方式保存するもの保存期間
青色申告帳簿原則7年
青色申告請求書、見積書、納品書、送り状など5年
白色申告収入金額や必要経費を記載した法定帳簿7年
白色申告業務に関して作成した任意帳簿5年
白色申告請求書、納品書、送り状、領収書など5年

電子取引データは紙保存でよいのか

メールで受け取ったPDF請求書、Webからダウンロードした領収書、電子契約データなどは電子取引データです。電子帳簿保存法では、取引情報を含む電子データの保存義務や保存方法が定められています。制度の全体は国税庁の電子帳簿保存法関係で確認できます。電子で受け取ったものは電子データのまま、取引年月日、金額、取引先を探せるように保存します。

電子帳簿保存法と記帳の関係

電子取引データの保存義務とは

電子帳簿保存法は、税務関係帳簿書類をデータで保存できる制度と、電子取引データの保存義務などを定める法律です。国税庁の電子帳簿等保存制度特設サイトでは、電子取引について確認する必要があると案内されています。個人事業主でも、メール請求書、クラウドサービスの領収書、ネットショップの購入明細などの電子取引は日常的に発生します。

優良な電子帳簿とは何か

優良な電子帳簿は、青色申告65万円控除の追加要件の1つです。55万円控除の要件を満たしたうえで、その年分の事業に係る仕訳帳および総勘定元帳について、優良な電子帳簿の要件を満たして電子データで備付け・保存する場合、65万円控除の要件の一部になります。電子帳簿保存法には、優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置もありますが、対象帳簿や届出などの要件があります。詳細は国税庁の電子帳簿保存法関係で確認します。

請求書の発行・受け取りを電子化すると記帳が楽になります

請求書の発行日、取引先、金額、入金状況がデータで残ると、仕訳帳や売掛帳へ転記しやすくなります。INVOYのような請求書管理サービスは、帳簿の入口である請求情報を整える選択肢です。電子帳簿保存法への具体的な対応手順は、電子帳簿に個人事業主が対応する際の具体的手順と注意点を参考にします。

経費と家事按分の基本

経費にできるもの・できないもの

経費にできるのは、原則として事業に関連する支出です。売上を得るために必要な仕入、広告、交通費、通信費などは経費になり得ます。一方、家族との私的な食事代、趣味の支出、事業主自身の生活費は経費にできません。所得税や住民税は必要経費にならず、所得控除の対象にもならないため、事業主貸として処理します。国民健康保険料や国民年金保険料は必要経費にはなりませんが、社会保険料控除の対象です。

支出の例経費可否の目安勘定科目の目安注意点
販売する商品の購入代金経費にできる場合があります仕入高販売目的の商品かを確認します
文房具やコピー用紙経費にできる場合があります消耗品費私用分が混ざる場合は除きます
事業所の家賃経費にできる場合があります地代家賃自宅兼用は家事按分が必要です
取引先訪問の電車代経費にできる場合があります旅費交通費目的と訪問先を残します
事業用スマートフォン料金経費にできる場合があります通信費私用分がある場合は按分します
家族との私的な食事経費にできません事業主貸など事業関連性を説明できません
所得税・住民税経費にできません事業主貸など事業主個人の税金です
国民健康保険料・国民年金経費にできません事業主貸など社会保険料控除などで扱います

自宅兼事務所の家事按分

自宅の一部を仕事場にする場合、家賃、水道光熱費、通信費などは、面積、使用時間、使用日数など税務署へ説明できる合理的な基準で按分します。家賃を面積基準で按分する例では、自宅全体が80平方メートルで、仕事専用の部屋が20平方メートルの場合、事業使用割合は20 ÷ 80 \= 25%です。月の家賃が100,000円なら、100,000円 × 25% \= 25,000円を地代家賃として記録します。

電気代を時間基準で按分する例では、1日のうち事業で使う時間が8時間なら、8 ÷ 24 \= 33.3%が事業使用割合の目安です。月の電気代が10,000円なら、10,000円 × 33.3% \= 約3,330円を水道光熱費として記録します。按分割合は個別事情により異なるため、迷う場合は税務署または税理士に確認します。

事業主貸・事業主借の使い方

事業主貸は、事業用資金をプライベートに使った場合です。事業用口座から生活費30,000円を引き出した場合、事業主貸として記録します。事業主借は、プライベート資金を事業のために使った場合です。個人の財布から事業用の切手代を立て替えた場合、事業主借として記録します。

付け方が分からないときの相談先

税務署の記帳指導を利用する

帳簿の基本が分からない場合は、所轄の税務署の記帳指導や記帳説明会を確認します。国税庁の記帳・帳簿等の保存制度ページでも、記帳方法が分からない方向けの説明会や指導が案内されています。

青色申告会に相談する

青色申告会は、青色申告を行う個人事業主向けに記帳や申告の相談を行う団体です。帳簿の付け方、青色申告決算書の作り方、日々の記帳の進め方を相談できる場合があります。

税理士に依頼する

取引件数が多い、消費税の課税事業者である、従業員や外注先への支払いが多い、不動産所得や副業所得もある場合は税理士への相談が有力です。経費の可否、家事按分、減価償却、消費税、青色申告の要件を確認できます。依頼範囲は、記帳代行、申告書作成、年1回の確認、月次相談などです。

会計ソフト・クラウドサービスで自動化する

会計ソフトやクラウドサービスで銀行明細やカード明細を取り込み、請求書データと入金を照合できるようにすると、手入力の手間が減ります。請求書の作成・受け取り、入金確認、領収書の整理をデータ化し、税務署、青色申告会、税理士、クラウドサービスを使い分けます。

よくある質問

帳簿はいつから付け始めればよいですか

帳簿は原則として開業日から付け始めます。個人事業の会計期間は1月1日から12月31日までなので、年の途中で開業した場合は開業日から12月31日までを記録します。開業前の事業準備費用は、開業費として整理できる場合があります。

領収書をなくしたら経費にできませんか

領収書がなくても、クレジットカード明細、振込明細、請求書、納品書、購入確認メールなどで支払いの事実と事業関連性を確認できる場合があります。ただし、紛失防止が基本です。

帳簿や書類はいつまで保管が必要ですか

青色申告では帳簿は原則7年、請求書や見積書など一部の書類は5年です。白色申告では法定帳簿が7年、任意帳簿と請求書・領収書などの書類が5年です。

過去の分をまとめて記帳できますか

過去分の記帳は実務上あり得ますが、時間がたつほど内容を思い出しにくくなります。通帳、カード明細、請求書、領収書を月ごとにそろえ、取引日順に入力します。

帳簿は手書きでも認められますか

手書きでも、必要事項を整然と明瞭に記録し、保存していれば帳簿として使えます。ただし、青色申告55万円・65万円控除では、仕訳帳と総勘定元帳の作成、決算書への集計が必要です。

エクセルで作った帳簿でも65万円控除は受けられますか

エクセルで作った帳簿でも、55万円控除の要件である複式簿記、貸借対照表・損益計算書等の作成、期限内申告を満たすことが前提です。65万円控除には、さらに優良な電子帳簿保存またはe-Taxによる期限内提出のいずれかが必要です。

売上がゼロ・赤字でも必要ですか

事業を行っている場合、売上がゼロでも経費や開業準備費が発生していれば記録が必要です。赤字の場合も、青色申告では純損失の繰越しなどに関係する可能性があります。

事業用とプライベートの口座は分けるべきですか

法律上、必ず分けなければならないとは限りませんが、分けたほうが記帳は楽です。生活費の引き出しは事業主貸、プライベート資金での立替は事業主借として整理します。

帳簿と確定申告書のどちらを先に作るのですか

先に作るのは帳簿です。証憑をもとに仕訳帳や補助簿を整え、総勘定元帳で科目別の残高を確認し、その数字から決算書と確定申告書を作成します。

まとめ

要点の再確認

令和8年分(2026年分)の確定申告に向けて、今月やることは3つです。まず請求書、領収書、通帳、カード明細を月別に整理します。次に、白色申告なら法定帳簿、青色申告55万円・65万円控除を目指すなら仕訳帳と総勘定元帳を作れる形にします。最後に、売掛金、現金、経費の残高を月1回確認します。

帳簿の作成と保存は、白色申告・青色申告を問わず必要です。青色申告では10万円、55万円、65万円の控除で要件が変わり、65万円控除には55万円要件に加えて優良な電子帳簿保存またはe-Tax提出が必要です。

迷う場合は、所轄の税務署、青色申告会、税理士へ確認します。請求書の作成・受け取りを整えて記帳の入口を楽にしたい方は、INVOYで請求書の作成・受け取りをかんたんにできます。

この記事の投稿者:

hasegawa

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