建設業の基礎知識

法定福利費とは?福利厚生費との違い・料率・計算方法【令和8年度】

最終更新日:

法定福利費は、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、労災保険料など、法律で会社負担が求められる費用です。給与額だけで人件費を考えると、会社負担の社会保険料や労働保険料が後から上乗せされます。本記事は、令和8年度(2026年度)に対応し、2026年8月時点の公表情報をもとに、違い、料率、計算例、仕訳例を整理します。

令和8年度は、協会けんぽの健康保険料率が全国平均10.0%から9.9%へ引き下げられ、子ども・子育て支援金0.23%が新設され、雇用保険料率も一般の事業で13.5/1,000へ引き下げられました。実務では各機関の公式サイトで最新値を確認してください。

目次

法定福利費とは?定義と対象になる7項目

法律で会社負担が義務づけられた費用

法定福利費とは、社会保険料や労働保険料のうち、法律により会社が負担する費用です。給与額、標準報酬月額、標準賞与額、賃金総額などをもとに計算し、会社負担分を法定福利費として処理します。給与から天引きする従業員負担分は費用ではなく預り金です。

対象になる7項目の早見表

法定福利費に含まれる主な項目は、社会保険と労働保険に分かれます。令和8年度は、子ども・子育て拠出金と子ども・子育て支援金を分けて確認します。

項目区分主な対象計算のもと令和8年度の扱い
健康保険料社会保険健康保険の被保険者標準報酬月額・標準賞与額協会けんぽは都道府県別、全国平均9.9%
介護保険料社会保険40〜64歳の健康保険被保険者標準報酬月額・標準賞与額全国一律1.62%
子ども・子育て支援金社会保険関連健康保険の被保険者など標準報酬月額・標準賞与額0.23%、労使折半
厚生年金保険料社会保険厚生年金の被保険者標準報酬月額・標準賞与額全国一律18.3%
雇用保険料労働保険加入要件を満たす労働者賃金総額一般の事業は13.5/1,000
労災保険料労働保険労働者全般賃金総額業種別2.5/1,000〜88/1,000
子ども・子育て拠出金社会保険関連厚生年金適用事業主標準報酬月額・標準賞与額0.36%、全額事業主負担

会社負担分と従業員負担分の区分

同じ保険料でも、労使折半、会社負担が多いもの、会社が全額負担するものがあります。給与計算や仕訳では区分が重要です。

項目会社負担従業員負担負担の考え方令和8年度の料率の特徴
健康保険料ありあり労使折半協会けんぽは都道府県ごとに異なる
介護保険料ありあり労使折半全国一律1.62%、40〜64歳のみ
子ども・子育て支援金ありあり労使折半0.23%、各0.115%
厚生年金保険料ありあり労使折半全国一律18.3%、各9.15%
雇用保険料ありあり折半ではない一般の事業は会社8.5/1,000、従業員5/1,000
労災保険料ありなし全額事業主負担業種別、従業員負担なし
子ども・子育て拠出金ありなし全額事業主負担0.36%、従業員負担なし

福利厚生費との違いは法律上の義務か任意か

比較表で見る主な違い

法定福利費と福利厚生費の違いは、法律上の義務か任意制度かです。福利厚生費は会社の方針で設計できますが、税務上は対象者や金額の妥当性を確認します。

比較項目法定福利費福利厚生費
根拠社会保険・労働保険などの法律会社の就業規則や福利厚生制度
任意性原則として会社に負担義務あり原則として会社が任意に設計
勘定科目法定福利費福利厚生費など
具体例健康保険料、厚生年金保険料、労災保険料社員旅行、慶弔見舞金、社宅補助、食事補助
税務上の扱い会社負担分を損金算入する処理が一般的給与、交際費、福利厚生費に分かれる可能性あり

判定に迷いやすい項目

通勤手当、健康診断、社宅、慶弔見舞金、社員旅行などは、法定福利費ではありません。福利厚生費、給与、旅費交通費、交際費などに分かれる場合があります。通勤手当は社会保険の標準報酬月額に含めて扱うことが一般的で、所得税の非課税枠とは異なります。

勘定科目の使い分けと注意点

会計処理では、会社負担の社会保険料・労働保険料を法定福利費、任意制度の費用を福利厚生費などに分けます。税務調査や労務調査では、給与、社会保険料、預り金、納付額の整合性を確認される場合があります。

保険料率一覧と改定ポイント

令和8年度に変わった3つのポイント

令和8年度は、健康保険料率、子ども・子育て支援金、雇用保険料率を確認します。健康保険は協会けんぽ全国平均が9.9%へ下がりましたが、都道府県ごとの料率は異なります。

項目適用時期令和8年度の内容実務上の確認点
健康保険料率令和8年3月分から協会けんぽ全国平均10.0%から9.9%へ引き下げ都道府県別の料率を確認
子ども・子育て支援金令和8年4月分、5月納付分から0.23%を新設、労使折半会社・従業員それぞれ0.115%
雇用保険料率令和8年4月1日から令和9年3月31日まで一般の事業は13.5/1,000事業区分ごとの料率を確認
厚生年金保険料率令和8年度全国一律18.3%会社・従業員それぞれ9.15%
労災保険率令和8年度令和7年度から変更なし業種別料率を確認
子ども・子育て拠出金令和8年度0.36%全額事業主負担

健康保険料率|都道府県ごとに異なります

協会けんぽの健康保険料率は、令和8年度の全国平均で9.9%です。ただし、健康保険料率は都道府県ごとに異なります。給与計算では全国平均ではなく、会社が加入している支部の料率を確認してください。

令和8年度の協会けんぽの料率は、全国健康保険協会の令和8年度保険料率のお知らせで確認できます。健康保険組合に加入している会社では、各健康保険組合の規約や公表資料を確認してください。

介護保険料率|40〜64歳のみです

令和8年度の介護保険料率は全国一律1.62%です。対象は40〜64歳の健康保険被保険者で、会社負担分は0.81%、従業員負担分も0.81%です。40歳未満の従業員にはかかりません。

実務では、40歳に到達する月、65歳に到達する月の処理に注意し、最新の料率は協会けんぽや加入する保険者の公式情報で確認してください。

子ども・子育て支援金率|令和8年度に新設されました

子ども・子育て支援金は、令和8年度に新設された項目です。令和8年度の料率は0.23%で、労使折半により会社と従業員がそれぞれ0.115%を負担します。2026年4月分、5月納付分から徴収が始まります。

子ども・子育て拠出金は全額事業主負担です。子ども・子育て支援金は労使折半のため、計算や仕訳では別項目として扱います。料率の詳細は、全国健康保険協会などの公式情報で最新値を確認してください。

厚生年金保険料率|全国一律18.3%です

令和8年度の厚生年金保険料率は、全国一律18.3%です。会社と従業員が労使折半で負担するため、会社負担分は9.15%、従業員負担分も9.15%です。健康保険料率は都道府県ごとに異なりますが、厚生年金保険料率は全国一律です。

厚生年金保険料は、標準報酬月額と標準賞与額に対して計算します。料率や保険料額表は日本年金機構で確認できます。

雇用保険料率|一般の事業は13.5/1,000です

令和8年度の雇用保険料率は、2026年4月1日から2027年3月31日まで適用されます。一般の事業では合計13.5/1,000で、労働者負担が5/1,000、事業主負担が8.5/1,000です。令和7年度の一般の事業は合計14.5/1,000だったため、令和8年度は引き下げられています。

事業の種類労働者負担事業主負担事業主負担の内訳合計
一般の事業5/1,0008.5/1,000失業等給付等5/1,000、雇用保険二事業3.5/1,00013.5/1,000
農林水産・清酒製造の事業6/1,0009.5/1,000失業等給付等6/1,000、雇用保険二事業3.5/1,00015.5/1,000
建設の事業6/1,00010.5/1,000失業等給付等6/1,000、雇用保険二事業4.5/1,00016.5/1,000

雇用保険料は労使折半ではありません。料率は事業の種類により異なるため、自社の区分を確認したうえで、厚生労働省の令和8年度雇用保険料率の案内を確認してください。

労災保険率|業種別・全額事業主負担です

労災保険は、業務中や通勤中の事故、けが、病気などに備える労働保険です。従業員負担はなく、全額を事業主が負担します。令和8年度の労災保険率は令和7年度から変更なしとされ、業種別に2.5/1,000〜88/1,000です。

労災保険は、パートやアルバイトを含め、事業所で働く労働者が対象になり得ます。業種別の料率は厚生労働省の労災保険率ページなどで確認してください。

子ども・子育て拠出金率|全額事業主負担です

令和8年度の子ども・子育て拠出金率は0.36%です。厚生年金保険料とあわせて扱われる費用ですが、従業員負担はありません。全額を事業主が負担するため、給与から天引きする預り金ではなく、会社負担分として法定福利費に計上します。

子ども・子育て拠出金は、令和8年度に新設された子ども・子育て支援金とは別の項目です。支援金は健康保険料とあわせて扱われ、労使折半です。拠出金は厚生年金の標準報酬月額や標準賞与額をもとに計算し、全額会社負担です。

最新値の確認先

保険料率は年度改定があります。健康保険料率、介護保険料率、子ども・子育て支援金率は協会けんぽまたは健康保険組合、厚生年金保険料率と子ども・子育て拠出金率は日本年金機構、雇用保険料率と労災保険率は厚生労働省、建設業の見積書対応は国土交通省の情報を確認してください。

計算方法と会社負担額の目安

基本の計算式

会社負担額は、社会保険と労働保険で計算のもとが異なります。健康保険、介護保険、子ども・子育て支援金、厚生年金、子ども・子育て拠出金は標準報酬月額または標準賞与額、雇用保険と労災保険は原則として賃金総額を使います。基本式は、会社負担額=標準報酬月額または賃金総額×会社負担率です。

標準報酬月額・標準賞与額の決まり方

標準報酬月額は、毎月の報酬を一定の等級に当てはめたものです。基本給、残業代、役職手当、住宅手当、通勤手当などが含まれます。毎年4月から6月の報酬をもとにした定時決定や、固定的賃金が大きく変わった場合の随時改定で変わります。賞与は、税引前の賞与額から1,000円未満を切り捨てた標準賞与額を使います。

計算例|月給30万円・東京都・40歳未満

以下は、月給30万円、東京都の協会けんぽ、40歳未満、一般の事業を前提にした概算例です。健康保険料率は令和8年度の東京都9.85%として計算していますが、実務では加入支部の公表値を必ず確認してください。労災保険料は業種別で異なるため、この表には含めていません。

項目令和8年度の料率会社負担率会社負担額従業員負担額
健康保険料9.85%4.925%14,775円14,775円
子ども・子育て支援金0.23%0.115%345円345円
厚生年金保険料18.3%9.15%27,450円27,450円
子ども・子育て拠出金0.36%0.36%1,080円0円
雇用保険料13.5/1,0008.5/1,0002,550円1,500円
合計参考値参考値46,200円44,070円

計算例|月給30万円・東京都・40歳以上

40〜64歳の従業員は、介護保険料が加わります。令和8年度の介護保険料率は全国一律1.62%で、労使折半により会社負担率は0.81%です。月給30万円の場合、会社負担分は2,430円、従業員負担分も2,430円増えます。40歳未満の例と比べると、会社負担額は46,200円から48,630円になります。

項目令和8年度の料率会社負担率会社負担額従業員負担額
健康保険料9.85%4.925%14,775円14,775円
介護保険料1.62%0.81%2,430円2,430円
子ども・子育て支援金0.23%0.115%345円345円
厚生年金保険料18.3%9.15%27,450円27,450円
子ども・子育て拠出金0.36%0.36%1,080円0円
雇用保険料13.5/1,0008.5/1,0002,550円1,500円
合計参考値参考値48,630円46,500円

会社負担は給与総額の約15〜16%が目安です

会社負担分は、社会保険の加入状況、年齢、都道府県、業種、賞与の有無により変わります。一般的な会社員では、給与総額の約15〜16%程度が目安です。40〜64歳は介護保険料が加わり、建設業などでは負担割合が上がる場合があります。

対象になる従業員と加入要件

社会保険の加入要件

健康保険と厚生年金は、法人事業所で常時従業員を使用する場合など、一定の要件を満たす事業所で加入が必要です。正社員だけでなく、所定労働時間や所定労働日数が通常の従業員のおおむね4分の3以上である人も対象になります。試用期間中でも、雇用実態が加入要件を満たしていれば入社日から対象になる場合があります。

労働保険の加入要件

雇用保険は、週の所定労働時間や雇用見込み期間などの要件を満たす労働者が対象です。一般に、週20時間以上働き、一定期間以上の雇用見込みがある場合は加入対象になり得ます。雇用保険料は給与から従業員負担分を控除し、会社負担分とあわせて納付します。

労災保険は、業務中や通勤中の災害に備える制度で、パートやアルバイトを含む労働者も対象になり得ます。労災保険料は全額事業主負担で、従業員の給与から控除しません。

パート・アルバイトの加入基準

短時間労働者の社会保険加入は、週20時間以上、月額賃金8.8万円以上、学生でないことなどの要件を確認します。ただし賃金要件は令和7年年金制度改正法により撤廃され、令和8年10月1日以降は週20時間以上などの要件で判定します。企業規模要件も関係し、適用範囲は段階的に拡大されています。採用時やシフト設計時には、労働時間、賃金、雇用見込み、学生区分を入社時点で確認します。

仕訳例と計上時期

給与支給時の仕訳

給与支給時には、従業員負担分の社会保険料や雇用保険料を給与から控除します。控除した金額は会社の費用ではなく、後日納付するまで一時的に預かるお金です。そのため、貸方に預り金を計上します。

借方金額貸方金額摘要
給料手当300,000円預り金44,070円従業員負担の社会保険料・雇用保険料
普通預金255,930円差引支給額

上記は40歳未満の概算例です。所得税、住民税、その他控除は省略しています。預り金の内訳を社会保険料、雇用保険料、源泉所得税などに分けると、納付時の照合がしやすくなります。

納付時の仕訳

社会保険料を納付するときは、会社負担分の法定福利費と、従業員負担分として預かっていた預り金を合算して支払います。会社負担分だけを法定福利費として処理し、従業員負担分を費用にしないことが重要です。

借方金額貸方金額摘要
法定福利費46,200円普通預金90,270円会社負担分
預り金44,070円従業員負担分

社会保険料は当月分を翌月に納付する流れが一般的です。決算月や月次決算では、納付日だけで費用計上すると期間対応がずれる場合があります。会社の会計方針により、発生月に未払金を計上する方法もあります。

労働保険料の年度更新の仕訳

労働保険料は、年度更新で概算保険料を申告・納付し、後から確定保険料との差額を精算します。雇用保険料と労災保険料を含むため、従業員負担分の預り金、会社負担分の法定福利費、前払費用などを使い分ける場合があります。

処理場面借方貸方考え方
概算保険料の納付時法定福利費・前払費用普通預金当期分と翌期分を分ける場合があります
給与控除時給料手当預り金・普通預金雇用保険の従業員負担分を預かります
確定保険料の精算時法定福利費・預り金普通預金など過不足を精算します

労働保険料の年度更新では、賃金総額や事業区分の確認が必要です。労災保険率は業種別で、雇用保険料率も一般、農林水産・清酒製造、建設で異なります。

間違いやすい計上時期と端数処理

社会保険料は、当月分を翌月給与から徴収する会社が多くあります。たとえば4月分の社会保険料を5月給与から控除し、5月末に納付する流れです。この場合、給与支給月と保険料の対象月がずれるため、入社月、退職月、決算月では確認が必要です。

端数処理により、料率計算上の金額と納付額が1円単位でずれることがあります。差額は、会社の会計方針により雑収入、雑損失、法定福利費の調整などで処理する場合があります。

建設業は見積書に内訳明示が求められます

明示が求められる根拠

建設業では、見積書に法定福利費の内訳を明示することが求められます。根拠として、建設業法第20条第1項では、請負契約を締結するに際し、材料費、労務費その他の経費の内訳を記載した見積書を作成する努力義務が定められています。国土交通省も、社会保険等未加入対策の一環として、法定福利費を内訳明示した見積書の作成手順を公表しています。

国土交通省の資料では、見積書で内訳明示する範囲は、原則として現場労働者にかかる健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、子ども・子育て拠出金、雇用保険料の事業主負担分と整理されています。作成方法は、国土交通省の作成手順で確認できます。

簡易計算式

建設業の見積書では、法定福利費=労務費×法定福利費率という計算式を使う方法が基本です。見積額に計上した労務費を賃金とみなし、対象となる保険料率を掛けて概算額を出します。

労務費の算出が難しい場合は、工事費×工事費当たりの平均的な割合、または工事数量×数量当たりの平均的な法定福利費という方法が使われることがあります。平均割合は自社の施工実績や業界団体の資料をもとに合理的に算出します。

記載例と作成手順

見積書では、工事項目とは別に法定福利費の欄を設け、対象金額、料率、金額を示すと内訳が伝わりやすくなります。たとえば、労務費の下に法定福利費事業主負担額として、雇用保険料、健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料などを並べる方法があります。

建設業の見積書での具体的な書き方や記載例は、建設業の見積書における法定福利費で詳しく解説しています。建設業の見積書対応は、業種別の手順として分けて確認します。

実務でよくあるミスと注意点

試用期間中・入退社月の扱い

試用期間中であっても、雇用契約や労働時間などが加入要件を満たす場合は、社会保険の対象になることがあります。まだ本採用ではないという理由だけで加入を見送ると、後から遡って手続きや保険料の納付が必要になる場合があります。

退職時は、退職日の翌日が資格喪失日になります。社会保険料は資格喪失日が属する月の前月分まで発生するため、月末退職か月末前退職かで最後に控除する保険料が変わる場合があります。

未加入・未払いのリスク

社会保険や労働保険の加入手続き、保険料の納付を怠ると、遡及加入、追加納付、延滞金、行政指導などにつながる可能性があります。労災保険に未加入の状態で業務災害が起きた場合、会社に大きな負担が生じることもあります。

未払いが続く場合は、放置せず、年金事務所、労働局、社会保険労務士、税理士などに早めに相談してください。分割納付などの相談ができる場合もあります。

削減できる費用とできない費用

法定福利費そのものは、法律で会社負担が求められる費用のため、原則として任意に削減できません。見直せるのは、法定外福利費、任意手当、給与設計、採用計画、生産性の改善などです。実態に合わない雇用契約や給与設計は、労務上・税務上の問題につながる可能性があります。

よくある質問

給与の何パーセントくらいですか?

会社負担分は、概ね給与総額の15〜16%程度が目安です。令和8年度の東京都、一般の事業、40歳未満、月給30万円の概算例では、会社負担は46,200円で、給与30万円に対して約15.4%です。実額は都道府県、年齢、業種、賞与の有無により変わります。

福利厚生費との違いは何ですか?

違いは、法律上の義務か、会社の任意かです。法定福利費は健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、労災保険料など、会社が法律に基づいて負担する費用です。福利厚生費は社員旅行、慶弔見舞金、社宅補助、食事補助など、任意制度にかかる費用です。

含まれないものは何ですか?

通勤手当、社宅、慶弔見舞金、社員旅行、健康診断などは、法定福利費そのものには含まれません。福利厚生費、給与、旅費交通費、交際費などに分かれる可能性があります。通勤手当は、所得税では一定額まで非課税でも、社会保険の標準報酬月額に含めて扱うことがあります。

会社が全額負担するものはどれですか?

会社が全額負担する代表例は、労災保険料と子ども・子育て拠出金です。令和8年度の労災保険率は業種別に2.5/1,000〜88/1,000で、従業員負担はありません。令和8年度の子ども・子育て拠出金率は0.36%です。雇用保険は折半ではなく、令和8年度の一般の事業では、労働者負担が5/1,000、事業主負担が8.5/1,000です。

料率はいつ変わりますか?

健康保険料率と介護保険料率は、毎年3月分から新料率が適用されることが多く、4月納付分から影響します。雇用保険料率は年度単位で4月1日から変更されるのが一般的です。労災保険率は原則として3年ごとに改定されますが、令和8年度は令和7年度から変更なしとされています。毎年2〜4月は公式情報を確認してください。

建設業で記載しないとどうなりますか?

建設業では、見積書に内訳を明示することが求められています。国土交通省は、社会保険等未加入対策の一環として、内訳明示した見積書の作成手順を公表しています。実務では、労務費×法定福利費率を基本に、対象範囲や計算根拠を見積書上で示します。

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まとめ|年度ごとの料率確認が実務の要

要点の再確認

法定福利費は、法律で会社負担が義務づけられた社会保険料・労働保険料です。福利厚生費は会社が任意で設ける制度にかかる費用であり、法律上の義務か任意かで区別します。令和8年度は、協会けんぽの健康保険料率が全国平均9.9%へ引き下げられ、子ども・子育て支援金0.23%が新設され、雇用保険料率も一般の事業で13.5/1,000へ引き下げられました。健康保険料率は都道府県ごとに異なり、厚生年金保険料率は全国一律18.3%です。実務では、協会けんぽ、日本年金機構、厚生労働省、国土交通省などの公式情報を確認してください。

この記事の投稿者:

hasegawa

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