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関連会社とは?関係会社・子会社との違いと判定基準【2026年版】

最終更新日:

関係会社 関連会社

– 関係会社は、親会社・子会社・関連会社・その他の関係会社を含む大きな枠組みです。

– 関連会社は、子会社ではないものの、財務・営業・事業の方針決定に重要な影響を与えられる会社です。

– 判定は議決権比率だけでなく、15%以上20%未満の実質基準、緊密者・同意者との合算、共同支配企業まで確認します。

結論からいうと、「関連会社」と「関係会社」は同じ意味ではありません。関連会社は関係会社の一部であり、子会社のように「支配」している会社ではなく、「重要な影響」を与えることができる会社を指します。

実務で注意すべきなのは、議決権20%以上なら必ず関連会社、20%未満なら必ず対象外、とは単純に言い切れない点です。財務諸表等規則では、15%以上20%未満でも役員派遣や重要な融資などがあれば関連会社に該当し得ます。また、自社の持株が0%でも、緊密者・同意者の議決権を合算して判定対象になる場合があります。

目次

関連会社とは|「重要な影響を与えることができる会社」

条文上の定義(財規8条5項/会社計算規則2条3項21号)

関連会社とは、簡単にいえば「子会社ではないが、財務・営業・事業の方針決定に重要な影響を与えることができる会社」です。

財務諸表等規則第8条第5項では、関連会社を、親会社・子会社以外で、財務および営業または事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができる会社等として整理しています。具体的な判定基準は同条第6項に置かれており、20%以上の議決権所有だけでなく、15%以上20%未満に一定の関係がある場合や、緊密者・同意者との合算、共同支配企業も対象になります。出典:財務諸表等規則第8条

会社計算規則第2条第3項第21号にも、関連会社の定義があります。会社法本文そのものに「関連会社」「関係会社」の定義があるわけではなく、このテーマで会社法第2条が直接定義しているのは、主に親会社・子会社・親会社等・子会社等です。関連会社や関係会社は、会社計算規則と財務諸表等規則で確認する用語だと押さえてください。出典:会社法第2条、会社計算規則第2条第3項

「支配」ではなく「重要な影響」がキーワード

子会社と関連会社を分ける中心概念は、親会社側が持つ影響力の強さです。

子会社は、他の会社に経営の意思決定を「支配」されている会社です。会社法上の子会社は、会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社など、その経営を支配している法人として定義され、支配している場合の具体的な考え方は会社法施行規則第3条で整理されています。出典:会社法施行規則第3条

一方、関連会社は「支配」まではしていないものの、経営方針に重要な影響を与えられる会社です。たとえば、議決権を一定割合保有している、役員を派遣している、重要な融資や技術提供をしている、主要な販売・仕入取引があるといった関係が判断材料になります。

つまり、子会社は「決められる会社」、関連会社は「決定に強い影響を及ぼせる会社」と考えると、違いをつかみやすくなります。

関連会社の実例(企業名ではなく構造で理解する)

関連会社のイメージは、具体的な企業名よりも関係性で見ると理解しやすくなります。たとえば、A社がB社の議決権30%を保有しているものの、B社の経営を単独で支配しているわけではない場合、B社はA社の関連会社に該当する可能性があります。

また、A社の議決権保有が18%にとどまっていても、A社の役員がB社の取締役に就任している、A社がB社に重要な融資をしている、B社の主要技術や主要販路をA社が支えている、といった事情があれば、関連会社と判定される場合があります。

反対に、20%以上の議決権を保有していても、財務上・営業上・事業上の関係から見て、重要な影響を与えられないことが明らかな場合は除外されます。関連会社の判定は、持株比率だけでなく、実際に方針決定へ影響できる関係があるかまで見る必要があります。

関係会社という大きな枠組みを理解する

関係会社に含まれる4つの分類

混乱を解消するための最初のステップは、「関係会社」が非常に広い範囲を指す包括的な用語だと理解することです。多くの人が「関係会社」と「関連会社」を同列に捉えがちですが、実際には階層関係にあります。

財務諸表等規則第8条第8項では、関係会社を次の範囲で定義しています。出典:財務諸表等規則第8条

分類自社から見た関係ポイント
親会社自社を支配している会社自社が支配される側にある
子会社自社が支配している会社議決権や実質支配力で判定する
関連会社自社が重要な影響を与えられる会社子会社ではないが影響力がある
その他の関係会社自社が他社の関連会社である場合の当該他社自社から見ると「影響を受ける側」の関係

つまり、「関連会社」は「関係会社」という大きなカテゴリの中に含まれる一要素にすぎません。「自動車」は「乗り物」の一種ですが、すべての乗り物が自動車ではないのと同じように、関連会社は関係会社ですが、すべての関係会社が関連会社ではありません。

見落とされがちな「その他の関係会社」とは

関係会社を理解するときに見落とされやすいのが、「その他の関係会社」です。これは、自社が他の会社等の関連会社である場合における、その相手先を指します。

たとえば、自社がC社から重要な影響を受けている場合、自社から見るとC社は親会社ではなくても「その他の関係会社」に該当する可能性があります。子会社や関連会社は「自社が支配する・影響を与える」方向で考えますが、その他の関係会社は「自社が影響を受ける」方向の関係です。

会社計算規則第2条第3項第25号でも、関係会社は親会社、子会社、関連会社などを含む概念として整理されています。出典:会社計算規則第2条第3項

関係会社の全体像

関係会社の全体像は、次のように整理できます。

大分類含まれる会社関係の向き関連会社との関係
関係会社親会社自社を支配する会社関連会社とは別分類
関係会社子会社自社が支配する会社関連会社とは別分類
関係会社関連会社自社が重要な影響を与える会社関係会社の一部
関係会社その他の関係会社自社が重要な影響を受ける相手先関連会社の相手側として現れる

日常業務で使われる「グループ会社」は、法律上の厳密な定義語ではなく、親会社・子会社・関連会社などを広く指す実務上の呼び方として使われることが多い言葉です。法令や開示書類を読むときは、「グループ会社」という通称ではなく、関係会社、子会社、関連会社といった定義語に置き換えて確認しましょう。

関連会社・子会社の判定基準

形式基準:議決権比率による原則的な判定

最も分かりやすい判断材料は、議決権の所有比率です。子会社は、原則として他の会社等の議決権の過半数、つまり50%超を自己の計算で所有している場合に該当します。

関連会社は、子会社に該当しない会社等のうち、議決権20%以上を自己の計算で所有している場合が原則的な入口です。なお「議決権20%以上50%以下なら関連会社」という説明を見かけることがありますが、条文はこのような上限を直接置いていません。関連会社の定義はあくまで「子会社以外であること」を前提としており、先に子会社判定を行ってから関連会社判定に進む構造になっています。

したがって、実務では次の順番で確認します。まず子会社に該当するかを判定し、子会社でなければ関連会社に該当するかを判定します。

実質支配力基準:子会社と判定される3パターン

子会社の判定は、議決権50%超だけではありません。財務諸表等規則第8条第4項では、次の3パターンが示されています。出典:財務諸表等規則第8条

#議決権追加要件判定根拠
1過半数(50%超)を自己の計算で所有不要子会社8条4項1号
240%以上50%以下下記イ〜ホのいずれか子会社8条4項2号
340%未満(0%を含む)だが、緊密者・同意者と合算で過半数下記ロ〜ホのいずれか子会社8条4項3号

追加要件は次のとおりです。

記号追加要件
イ緊密者・同意者と合わせて議決権の過半数を所有している
ロ自己の役員・使用人、またはこれらであった者が、取締役会等の構成員の過半数を占めている
ハ重要な財務・事業方針の決定を支配する契約等がある
ニ資金調達額の総額の過半について融資している。債務保証・担保提供を含む
ホその他、意思決定機関を支配していることが推測される事実がある

いずれも、財務上・営業上・事業上の関係から見て、意思決定機関を支配していないことが明らかと認められる場合は除外されます。

影響力基準:関連会社と判定される4パターン

関連会社の判定では、20%以上の議決権所有に加えて、15%以上20%未満の実質基準、緊密者・同意者との合算、共同支配企業も確認します。出典:財務諸表等規則第8条

#議決権追加要件判定根拠
120%以上を自己の計算で所有不要関連会社8条6項1号
215%以上20%未満下記イ〜ホのいずれか関連会社8条6項2号
3緊密者・同意者と合算で20%以上(自己所有0%を含む)下記イ〜ホのいずれか関連会社8条6項3号
4—共同支配企業に該当関連会社8条6項4号

追加要件は次のとおりです。

記号追加要件
イ自己の役員・使用人、またはこれらであった者が、代表取締役・取締役等に就任している
ロ重要な融資を行っている
ハ重要な技術を提供している
ニ重要な販売・仕入その他の営業上・事業上の取引がある
ホその他、財務・営業・事業の方針決定に重要な影響を与え得ることが推測される事実がある

こちらも、財務上・営業上・事業上の関係から見て、重要な影響を与えることができないことが明らかな場合は除外されます。

持株ゼロでも関連会社になる?緊密者・同意者の議決権合算

重要なのは、自己の議決権所有が0%でも、子会社や関連会社に該当し得る点です。

財務諸表等規則第8条第4項第3号では、自己の所有が40%未満であっても、緊密者・同意者と合算して議決権の過半数を所有し、役員構成や契約、融資などの支配要件があれば、子会社と判定される可能性があります。

同じく第8条第6項第3号では、自己の所有が0%でも、緊密者・同意者と合算して20%以上となり、役員就任、重要な融資、重要な技術提供、重要な取引などがあれば、関連会社と判定される可能性があります。

「株を持っていないから関係会社ではない」とは限りません。形式的な持株比率だけでなく、誰が同じ意思で議決権を行使するのか、資金・人事・技術・取引を通じて実質的に影響を及ぼせるのかまで確認する必要があります。

議決権比率別 判定フローチャート

議決権比率から判定するときは、次の順番で確認します。

1. 議決権は何%か?

2. 自己の計算で50%超を所有しているか?

– Yes:子会社。ただし、支配していないことが明らかな場合は除外

– No:次へ

3. 自己の計算で40%以上50%以下を所有しているか?

– Yes:緊密者・同意者との合算、役員過半数、支配契約、資金調達額の過半融資などがあるかを確認

– ある:子会社。ただし、支配していないことが明らかな場合は除外

– ない:次へ

4. 自己の所有は40%未満だが、緊密者・同意者と合算して過半数になるか?

– Yes:役員過半数、支配契約、資金調達額の過半融資などがあるかを確認

– ある:子会社。ただし、支配していないことが明らかな場合は除外

– ない:次へ

5. 子会社に該当しないうえで、自己の計算で20%以上を所有しているか?

– Yes:関連会社。ただし、重要な影響がないことが明らかな場合は除外

– No:次へ

6. 自己の計算で15%以上20%未満を所有しているか?

– Yes:役員派遣、重要融資、重要技術提供、重要取引などがあるかを確認

– ある:関連会社。ただし、重要な影響がないことが明らかな場合は除外

– ない:次へ

7. 自己所有が15%未満または0%でも、緊密者・同意者と合算して20%以上になるか?

– Yes:役員派遣、重要融資、重要技術提供、重要取引などがあるかを確認

– ある:関連会社。ただし、重要な影響がないことが明らかな場合は除外

– ない:次へ

8. 共同支配企業に該当するか?

– Yes:関連会社

– No:その他。少なくともこのフロー上は、子会社・関連会社には該当しない可能性が高い

このフローで分かるとおり、関連会社の判定は「20%以上かどうか」だけでは完結しません。特に15%以上20%未満の実質基準と、自己所有0%を含む合算基準は、必ず確認すべきポイントです。

判定から除外される場合(明らかに影響を与えられないとき)

子会社・関連会社の判定基準には、いずれもただし書きがあります。形式上は議決権比率や追加要件を満たすように見えても、財務上・営業上・事業上の関係から見て、支配または重要な影響がないことが明らかと認められる場合は除外されます。

たとえば、議決権を保有していても、法令上・契約上の制約などにより実際には方針決定へ関与できない場合は、機械的に子会社・関連会社と断定できません。

ただし、除外はあくまで「支配や重要な影響がないことが明らか」といえる場合です。実務上は、議決権比率、役員関係、融資、技術提供、取引依存度、契約内容を総合的に見て判断します。

子会社・関連会社・グループ会社の違い一覧

子会社と関連会社の比較表

子会社と関連会社の違いを整理すると、次のとおりです。

項目子会社関連会社主な出典
関係性経営の意思決定を支配している関係財務・営業・事業の方針決定に重要な影響を与えられる関係財務諸表等規則第8条
議決権の原則50%超を自己の計算で所有子会社ではない会社等について20%以上を自己の計算で所有財務諸表等規則第8条
実質基準40%以上50%以下+支配要件、または緊密者・同意者との合算で過半数+支配要件15%以上20%未満+影響力要件、緊密者・同意者との合算で20%以上+影響力要件、共同支配企業財務諸表等規則第8条
キーワード支配重要な影響会社法施行規則第3条、会社計算規則第2条第3項
会計上の扱い原則として連結の範囲で検討される持分法の適用対象として検討される会社計算規則第2条第3項
判断時の注意点50%以下でも実質支配があれば該当し得る20%未満や自己所有0%でも該当し得る財務諸表等規則第8条

「子会社は50%超、関連会社は20%以上」と覚えるだけでは不十分です。子会社には40%以上50%以下の実質支配力基準があり、関連会社には15%以上20%未満の影響力基準があります。さらに、緊密者・同意者との合算により、自己の持株が0%でも判定対象になり得ます。

グループ会社・持株会社・完全子会社・特定子会社・兄弟会社・孫会社との違い

周辺用語は、法令上の定義語と通称が混在しています。実務では、どの法律・会計ルールの文脈で使われている言葉かを確認することが重要です。

用語法令上の用語か通称か意味・関連会社との違い
グループ会社通称親会社、子会社、関連会社などを広く指す実務上の言い方。法令上の厳密な分類名ではない
持株会社法令上の用語として使われる場合あり他社株式の保有を通じてグループを管理する会社。関連会社かどうかは、保有目的ではなく議決権比率と影響力で判定する
完全子会社法令上の用語として使われる場合あり議決権や株式を100%保有される子会社。関連会社ではなく、子会社の一類型として理解する
連結子会社会計上の用語連結財務諸表に取り込まれる子会社。関連会社は通常、連結ではなく持分法の対象として検討される
非連結子会社会計上の用語子会社ではあるが、重要性などの理由で連結範囲から外れるもの。関連会社とは「支配」の有無が違う
特定子会社法令上の用語親会社グループにとって重要性の高い子会社。詳しくは特定子会社の判定基準を参照
兄弟会社通称同じ親会社を持つ会社同士。片方がもう片方を支配・影響しているとは限らない
孫会社通称子会社の子会社。詳しくは孫会社(子会社の子会社)とは、および孫会社と子会社の違いを参照
特例子会社法令上の用語障害者雇用に関する制度上の子会社。関連会社・関係会社の会計上の分類とは目的が異なる

このように、周辺用語の多くは「資本関係を説明する言葉」ではあっても、関連会社の判定基準そのものではありません。関連会社に該当するかどうかは、名称ではなく、子会社ではないこと、議決権比率、実質的な影響力、共同支配企業への該当性をもとに判断します。

会社法と金融商品取引法で定義が違う点に注意

「関係会社」「関連会社」を調べるときに注意したいのは、会社法の本文だけを見ても定義が完結しない点です。会社法第2条が定義しているのは、親会社、子会社、親会社等、子会社等などであり、「関係会社」「関連会社」という語そのものは会社法本文には定義されていません。出典:会社法第2条

会社法系では会社計算規則、金融商品取引法系では財務諸表等規則をあわせて確認する必要があります。

会社法・会社計算規則における定義

会社法上の子会社は、会社がその経営を支配している法人として整理されます。支配している場合の具体的な判定は、会社法施行規則第3条で確認します。出典:会社法施行規則第3条

一方、関連会社は会社計算規則第2条第3項第21号、関係会社は同第25号に定義があります。会社法系の計算書類を読む場面では、この会社計算規則の定義を確認することが重要です。出典:会社計算規則第2条第3項

財務諸表等規則(金商法系)における定義

有価証券報告書など、金融商品取引法に基づく開示書類では、財務諸表等規則第8条が中心になります。同条では、親会社、子会社、関連会社、関係会社の範囲や、議決権比率による判定、緊密者・同意者との合算、共同支配企業の扱いまで定められています。出典:財務諸表等規則第8条

会社法系 vs 金商法系の条文対照表は、次のとおりです。

用語・論点会社法系金商法系
親会社・子会社会社法第2条、会社法施行規則第3条財務諸表等規則第8条
関連会社会社計算規則第2条第3項第21号財務諸表等規則第8条第5項・第6項
関係会社会社計算規則第2条第3項第25号財務諸表等規則第8条第8項
注意点会社法本文に「関連会社」「関係会社」の定義はない開示・会計実務で使う詳細な判定基準が置かれている

どちらを見ればよいかの判断

会社法上の計算書類や会社法の手続きを確認する場面では、会社法、会社法施行規則、会社計算規則を見ます。上場会社や有価証券報告書提出会社の開示、連結財務諸表、持分法の実務を確認する場面では、財務諸表等規則第8条を確認します。

実務では、どちらか一方だけで判断するのではなく、「何のための判定か」を先に決めることが大切です。株主総会や計算書類の文脈なのか、金融商品取引法上の開示や連結財務諸表の文脈なのかによって、参照すべき条文が変わります。

会計処理の違いがグループ経営に与えるインパクト

子会社と関連会社の区分は、財務諸表の見え方を大きく変えます。子会社は原則として連結決算の対象として検討され、関連会社は通常、持分法の対象として検討されます。つまり、同じ出資でも「支配」しているのか、「重要な影響」にとどまるのかで、グループ業績への取り込み方が変わります。

連結決算:グループの実力を正確に映す

子会社を持つ親会社は、親会社と子会社を一つの経済的な組織とみなし、資産、負債、収益、費用を合算して連結財務諸表を作成します。そのうえで、親子間の売上、債権債務、内部利益などを相殺消去します。

連結決算の目的は、親会社単体では見えないグループ全体の財政状態や経営成績を示すことです。たとえば、親会社単体が黒字でも、子会社が大きな損失や債務を抱えていれば、グループ全体の評価は変わります。連結処理の具体的な考え方は、連結修正仕訳の具体例も参考になります。

持分法:投資の成果をシンプルに取り込む

関連会社には、連結決算のように資産・負債・売上高をすべて合算するのではなく、投資成果を持分に応じて取り込む持分法が適用されます。関連会社の純利益または純損失のうち、投資会社の持分に対応する金額を「持分法による投資損益」として反映する方法です。

持分法は、関連会社の成果を財務諸表に反映しながらも、子会社のように全科目を合算しない点に特徴があります。仕訳や会計処理の詳細は、持分法適用会社の会計処理と仕訳で確認できます。

計算例:出資30%・純利益1億円の場合

A社がB社の議決権30%を保有し、B社が当期純利益1億円を計上したとします。B社がA社の関連会社であり、持分法の対象になる場合、A社は1億円の30%である3,000万円を投資成果として取り込みます。

この場合、連結財務諸表上は「持分法による投資利益」3,000万円を計上し、同額だけ関連会社株式の帳簿価額を増加させる処理が基本になります。関連会社の売上高や費用をA社の売上高・費用にそのまま合算するわけではありません。

勘定科目「関係会社株式」のBS表示区分と仕訳例

子会社株式や関連会社株式は、貸借対照表では一般に固定資産の「投資その他の資産」に「関係会社株式」として表示されます。短期売買目的の有価証券とは異なり、支配や重要な影響を目的として保有する性質があるためです。

取得時の個別財務諸表上の基本的な仕訳は、次のように整理できます。

取引借方貸方
関連会社株式を取得した関係会社株式現金預金
配当金を受け取った現金預金受取配当金

一方、連結財務諸表で持分法を適用する場合は、関連会社の利益に応じて関係会社株式の帳簿価額を調整します。個別財務諸表の処理と、連結財務諸表上の持分法処理は分けて考える必要があります。

関連会社を設立・保有するメリット

関連会社を設立・保有するメリットの一つは、経営の効率化と意思決定の迅速化です。すべてを本体組織で抱えるのではなく、特定事業を別会社化することで、事業ごとの採算や責任範囲を明確にしやすくなります。完全な子会社化まではしない場合でも、一定の出資と役員派遣などを通じて、重要な方針に関与できます。

リスクの分散にもつながります。新規事業、海外展開、共同事業などは、本体から切り分けた会社で進めることで、事業リスクや資金負担を一定範囲に限定しやすくなります。ただし、関連会社だからリスクが完全に遮断されるわけではありません。取引関係やブランド上の結びつきが強ければ、影響は本体にも及びます。

後継者育成や事業承継にも活用できます。将来の経営者候補に関連会社の経営を任せることで、比較的小さな単位で経営経験を積ませることができます。また、事業承継の過程で一部事業を別会社化し、資本関係を調整しながら段階的に引き継ぐ方法も考えられます。

資本提携による段階的なM&Aにも向いています。最初から過半数を取得して子会社化するのではなく、20%前後の出資から始め、事業シナジーや経営相性を確認しながら関係を深めることができます。相手先の独立性を尊重しつつ、将来的な追加出資や統合を検討できる点が、関連会社化の実務上の利点です。

関連会社のデメリット・注意点

関連会社を持つと、設立・維持のコストと事務負担が発生します。法人を分ければ、登記、税務申告、会計処理、契約管理、社内規程の整備などが必要になります。出資比率が低くても、関係会社として管理する以上、財務情報や重要な意思決定を継続的に把握する体制が欠かせません。

不祥事がグループ全体に波及するリスクもあります。関連会社は子会社ほど直接支配できない一方、外部からは同じグループや提携先として見られることがあります。関連会社で不正会計、情報漏えい、法令違反などが起きれば、出資会社の信用にも影響する可能性があります。

意思決定を完全にはコントロールできない点も重要です。関連会社は「支配」ではなく「重要な影響」の関係です。取締役を派遣していても、他の株主や経営陣の意向を無視して方針を決めることはできません。共同事業では、株主間契約や重要事項の事前協議ルールを整えておく必要があります。

連結・持分法対応による決算実務の負荷も見落とせません。関連会社になると、持分法の適用可否、決算日の差異、会計方針の確認、投資損益の計算、注記情報の収集などが必要になります。会計処理の負担を避ける目的だけで出資比率を調整しても、実質的な影響力があれば関連会社と判定される可能性があります。

実務に活かす3つの視点

グループ全体の経営状況を正しく把握する

親会社単体の数字だけを見ていると、グループ全体の収益力やリスクを見誤ります。子会社の業績は連結決算を通じて、関連会社の成果は持分法を通じて反映されます。どの会社が子会社で、どの会社が関連会社なのかを整理することで、利益の源泉やリスクの所在を立体的に把握できます。

M&Aや資本提携の戦略を立てる

M&Aや資本提携では、出資比率を何%にするかが経営権、会計処理、ガバナンスに直結します。完全に支配したいなら子会社化が選択肢になります。一方、相手先の独立性を残しながら協業したい場合は、関連会社として関係を始める方法があります。ただし、最終的な区分は契約上の呼び名ではなく、議決権比率と実質的な影響力で判断されます。

実効的なグループ・ガバナンスを構築する

子会社には直接的な統制が求められますが、関連会社には間接的なガバナンスが中心になります。取締役派遣、重要事項の協議、財務情報の定期報告、内部統制上のモニタリングなどを組み合わせ、影響力の範囲に応じた管理体制を作ることが重要です。法令上の分類だけでなく、事業上の重要性や取引依存度も踏まえて設計しましょう。

よくある質問(FAQ)

関係会社と関連会社は同じ意味ですか?

同じ意味ではありません。関係会社は、親会社、子会社、関連会社、その他の関係会社を含む広い概念です。関連会社は、その関係会社の中に含まれる一分類です。

議決権20%未満でも関連会社になりますか?

なる場合があります。財務諸表等規則第8条第6項第2号では、15%以上20%未満の議決権を所有し、役員派遣、重要な融資、重要な技術提供、重要な取引などがある場合、関連会社に該当し得るとされています。出典:財務諸表等規則第8条

関連会社と子会社はどちらが結びつきが強いですか?

一般に、子会社のほうが結びつきは強いといえます。子会社は経営を「支配」している関係であり、関連会社は「重要な影響」を与えられる関係にとどまります。

グループ会社は法律上の用語ですか?

一般的な実務用語であり、関係会社のように厳密な会計上の分類を示す言葉ではありません。法令や開示書類を確認するときは、親会社、子会社、関連会社、関係会社といった定義語に置き換えて読む必要があります。

関連会社の決算は連結されますか?

関連会社は、子会社のように資産・負債・収益・費用をすべて合算する連結の対象ではありません。通常は持分法の対象として、関連会社の純利益または純損失のうち、持分に対応する金額を投資損益として反映します。

株式を1株も持たずに関連会社になることはありますか?

あります。財務諸表等規則第8条第6項第3号は、緊密者・同意者と合わせて20%以上の議決権を所有している場合について、「自己の計算において議決権を所有していない場合を含む」と明記しています。つまり、自社が1株も持っていなくても、緊密な関係者や同意者の議決権を合算し、さらに役員派遣、重要融資、重要取引などの要件を満たせば、関連会社と判定される可能性があります。出典:財務諸表等規則第8条

自社が他社の関連会社かどうかはどこで確認できますか?

上場会社や有価証券報告書提出会社であれば、有価証券報告書の「関係会社の状況」などを確認します。非上場会社の場合は、株主名簿、出資契約、株主間契約、役員派遣の有無、融資や取引の依存度などを確認します。単に出資比率を見るだけでなく、財務・営業・事業の方針決定に重要な影響を受けているかを総合的に判断します。

まとめ

関係会社は、親会社、子会社、関連会社、その他の関係会社を含む広い概念です。関連会社はその一部であり、子会社のように支配されている会社ではなく、財務・営業・事業の方針決定に重要な影響を与えられる会社を指します。

実務では、会社法本文だけでなく、会社計算規則と財務諸表等規則をあわせて確認することが重要です。特に関連会社は、議決権20%以上だけでなく、15%以上20%未満の実質基準や、自己所有0%を含む緊密者・同意者との合算でも判定される場合があります。

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この記事の投稿者:

hasegawa

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