
更正の請求とは、確定申告の内容に誤りがあり、税金を納めすぎた場合や還付金を少なく申告した場合に、税務署へ正しい内容への更正を求める手続きです。経費の計上漏れ、医療費控除、寄附金控除、社会保険料控除の誤りに後から気づいたときに使います。
本記事では、更正の請求の期限、修正申告や訂正申告との違い、必要書類、請求書の書き方、e-Taxでの提出手順をまとめます。期限や添付書類は、国税庁の手続ページで最新の様式を確認してください。
目次
更正の請求とは?
更正の請求とは、提出済みの申告内容が本来より不利だった場合に、正しい税額や還付金額へ直してもらう手続きです。所得税では、納める税金を多く申告した、還付される税金を少なく申告した、純損失等の金額を少なく申告した場合が主な対象です。
たとえば、所得税額を20万円で申告した後、経費の計上漏れを反映すると正しくは15万円だった場合、認められれば差額が還付対象になります。還付金を1万円として申告した後に控除漏れが見つかり、本来は3万円の還付を受けられる場合も対象になり得ます。
更正の請求は、税金を少なく申告していた場合の修正申告とは方向が逆です。まず誤りが「税額が増える方向」か「税額が減る方向」かを確認します。
できることとできないこと
更正の請求でできるのは、申告内容を直した結果、納める税金が減る、還付金が増える、純損失等の金額が増えるケースです。事業所得の必要経費の計上漏れ、売上の過大計上、所得控除や税額控除の適用漏れなどが該当します。
税額や純損失等の金額に変動がない場合は、更正の請求はできません。当初申告で複数の適法な処理のうち一つを選んでいた場合、後から有利な処理へ変えたいだけでは認められないことがあります。
3つの申告手続きの違い
確定申告の誤りを直す手続きには、更正の請求のほかに訂正申告と修正申告があります。違いは、法定申告期限の前か後か、税額が増える方向か減る方向かです。確定申告期限そのものを確認したい方は、確定申告はいつまで?期限と遅れた場合の対処法も参考になります。
| 比較軸 | 訂正申告 | 修正申告 | 更正の請求 |
| いつ行うか | 法定申告期限内 | 法定申告期限後 | 法定申告期限後 |
| どんなとき | 申告内容の誤りに気づいたとき | 納める税金が少なすぎた、または還付金が多すぎたとき | 納める税金が多すぎた、還付金が少なすぎた、純損失等が少なすぎたとき |
| 提出するもの | 正しい内容の確定申告書 | 修正後の申告書 | 更正の請求書と事実を証明する書類 |
| 期限 | 法定申告期限まで | 税務署から更正を受けるまで | 原則として法定申告期限から5年以内 |
| ペナルティ | 通常なし | 延滞税や加算税が生じる場合があります | 通常なし。ただし虚偽記載には罰則があります |
訂正申告は期限内に正しい確定申告書を出し直す手続きです。修正申告は税金を少なく申告していた場合に行い、更正の請求は払いすぎていた税金の減額更正を求めます。
あなたがすべき手続きはどれか
手続きの選び方は、次の順番で判断します。
判断すること / 該当する場合の手続き
まだ法定申告期限内である / 訂正申告として正しい申告書を再提出します
法定申告期限後で、税額が増えるまたは還付金が減る / 修正申告を行います
法定申告期限後で、税額が減るまたは還付金が増える / 更正の請求を検討します
税額や純損失等の金額が変わらない / 更正の請求はできません
原則の5年を過ぎている / 後発的事由に該当するかを確認します
確定申告後に複数の誤りを見つけた場合は、正しく計算し直した結果として納税額が増えるのか減るのかを確認します。減額方向なら更正の請求、増額方向なら修正申告が基本です。
更正の請求の期限
更正の請求の期限は、原則として法定申告期限から5年以内です。これは国税通則法23条1項に基づく期限で、平成23年12月2日以後に法定申告期限が到来する国税について、従来の1年から5年に延長されました。法定申告期限の考え方を整理したい場合は、確定申告の期限はいつまで?所得税・消費税の提出期限も確認してください。
起算日は法定申告期限か提出日か
個人事業主など確定申告義務がある方の所得税については、起算日は法定申告期限です。令和7年分の所得税及び復興特別所得税の法定申告期限は令和8年3月16日(月)と公表されており、この年分は原則としてそこから5年以内に請求します。
一方、確定申告の必要がない方が還付を受けるために申告した場合は、提出日から5年以内です。給与所得者が医療費控除やふるさと納税の寄附金控除を受けるために還付申告をした後、その内容を直す場合は起算日が異なることがあります。還付申告そのものの期限は、還付申告の期限は?申告可能なケースや必要書類で詳しく解説しています。
年分別の期限早見表
令和8年8月時点で、所得税及び復興特別所得税の更正の請求ができる主な年分は次のとおりです。確定申告義務がある方の申告を前提にした原則の目安で、期限日が土日祝に当たる場合は翌日が期限になります。
| 年分 | 法定申告期限 | 更正の請求ができる期限 | 令和8年8月時点 |
| 令和7年分 | 令和8年3月16日(月) | 令和13年3月16日 | 可能です |
| 令和6年分 | 令和7年3月17日(月) | 令和12年3月17日 | 可能です |
| 令和5年分 | 令和6年3月15日(金) | 令和11年3月15日 | 可能です |
| 令和4年分 | 令和5年3月15日(水) | 令和10年3月15日 | 可能です |
| 令和3年分 | 令和4年3月15日(火) | 令和9年3月15日 | 可能です |
還付申告の場合は、上表ではなく「申告書を提出した日から5年以内」で判断します。会社員の医療費控除や寄附金控除では、法定申告期限ではなく実際の提出日を確認してください。
後発的事由は2か月以内
国税通則法23条2項の後発的事由による更正の請求は、その事実に該当した日の翌日から起算して2か月以内です。申告の計算の基礎になった事実について判決や和解などで内容が確定し、当初申告と異なることが明らかになった場合などが該当します。
後発的事由は、単なる計算ミスや資料の見落としとは異なります。判決、和解、他者への所得帰属などを伴う場合は、早めに税務署や税理士へ確認するとよいでしょう。
税目別の期限一覧
本記事では所得税を中心に解説していますが、更正の請求は法人税、消費税、相続税、贈与税にもあります。税目によって期限や様式が異なるため、該当する手続ページで確認してください。
| 税目 | 原則の期限 | 後発的事由 | 確認先 |
| 所得税及び復興特別所得税 | 法定申告期限から5年以内。還付申告は提出日から5年以内 | 該当した日の翌日から2か月以内 | 国税庁の所得税手続ページ |
| 法人税及び地方法人税 | 法定申告期限から5年以内。欠損金に係るものは9年または10年など | 該当した日の翌日から2か月以内 | 国税庁の法人税手続ページ |
| 消費税及び地方消費税 | 法定申告期限から5年以内 | 該当した日の翌日から2か月以内 | 国税庁の消費税手続ページ |
| 相続税 | 平成23年12月2日以後に法定申告期限が到来する申告は5年以内 | 事由により2か月または4か月以内 | 国税庁の相続税手続ページ |
| 贈与税 | 平成23年分以後は原則6年以内 | 事由により2か月または4か月以内 | 国税庁の贈与税手続ページ |
法人税では、欠損金に係る更正の請求で9年または10年の期間が定められるケースがあります。消費税の申告を直す場合は、個人事業者向けの手続ページと、インボイス制度での確定申告のやり方のような関連情報を併せて確認すると整理しやすくなります。
1年から5年に延長された経緯
更正の請求期間は、平成23年12月2日以後に法定申告期限が到来する国税について、原則1年から5年に延長されました。当初申告時に適用金額を記載した場合に限り適用できるとされていた一部の措置も、更正の請求などで事後適用できるよう見直されています。
また、平成24年2月2日以後に行う更正の請求から、請求の理由の基礎となる事実を証明する書類の添付義務が明確化されています。現行手続きでは、請求理由に根拠資料を添付して説明する必要があります。
期限を過ぎた場合
原則の期限を過ぎると、更正の請求はできません。ただし、後発的事由に該当する場合は、その事実に該当した日の翌日から2か月以内に請求できる可能性があります。
平成23年12月2日より前に法定申告期限が到来した国税については、更正の請求期間を過ぎた場合の「更正の申出書」という運用が案内されています。ただし、申出どおりに更正されない場合でも不服申立てはできないとされています。現在の所得税の申告で期限を過ぎた場合は、後発的事由の有無を確認し、判断が難しければ専門家に相談しましょう。
更正の請求ができるケース
更正の請求は、所得の計算誤りや、本来使える控除の反映漏れがある場合に行います。個人事業主やフリーランスでは経費や売上の計上誤り、給与所得者では医療費控除、寄附金控除、社会保険料控除、扶養控除などの漏れが典型例です。
更正の請求ができる主なケース
主なケースは次のとおりです。
ケース / 内容
売上の過大計上 / 本来より売上を多く計上し、所得が過大になっていた場合です
経費の計上漏れ / 家賃、通信費、消耗品費などの必要経費を申告に反映していなかった場合です
所得控除の適用漏れ / 医療費控除、寄附金控除、社会保険料控除などを記載していなかった場合です
純損失等の記載漏れ / 青色申告の赤字繰越などで純損失等の金額が少なくなっていた場合です
還付金の過少申告 / 本来より少ない還付金額で申告していた場合です
ふるさと納税のワンストップ特例を申請していても、別途確定申告を行うと特例の適用を前提にできないため、寄附金控除を申告に含める必要があります。
更正の請求ができないケース
計算し直しても最終的な税額や純損失等の金額が変わらない場合は、更正の請求はできません。所得控除を追加しても税額に影響が出ない場合などが該当します。
また、当初申告が税法上認められる処理で行われており、単に別の適法な処理の方が有利だったという理由だけでは、認められない場合があります。当初申告要件が見直された措置もありますが、すべての制度を後から自由に適用できるわけではないため、制度ごとの案内を確認しましょう。
更正の請求に必要な書類
所得税及び復興特別所得税の更正の請求では、更正の請求書、請求の理由の基礎となる事実を証明する書類、書面提出時の本人確認書類を準備します。確定申告で使う資料の全体像を確認したい場合は、確定申告の必要書類について解説も参考にしてください。
更正の請求書
更正の請求書は、国税庁の「所得税及び復興特別所得税の更正の請求手続」ページで様式と記載要領を確認できます。年分別の様式が掲載されているため、最新の様式を使ってください。
e-Taxでは、確定申告書等作成コーナーの「更正の請求書・修正申告書作成コーナー」で作成し、そのまま送信できます。書面の場合は、必要事項を記入して所轄税務署へ持参または郵送します。
事実を証明する書類
添付書類は、請求の理由の基礎となる事実を証明する書類です。国税通則法23条3項でも、請求理由や請求に至った事情の詳細などの記載が求められています。帳簿、領収書、控除証明書などで事実を示します。
事業所得の必要経費として12月分の事務所賃借料の計上漏れがあった場合は、青色申告決算書または収支内訳書、帳簿書類の写し、領収書の写しなどを添付します。国民年金保険料の記載漏れにより社会保険料控除の金額が過少だった場合は、社会保険料控除証明書などで支払額を証明します。
本人確認書類
書面でマイナンバーを記載した申請書などを提出する場合は、本人確認書類の提示または写しの添付が必要です。マイナンバーカードがない場合は、番号確認書類と運転免許証などの身元確認書類を組み合わせます。
e-Taxで提出する場合、本人確認書類の提示や写しの添付は不要です。
ケース別の添付書類
請求の理由 / 添付する書類の例
事業所得の経費計上漏れ / 青色申告決算書または収支内訳書、該当部分の帳簿書類の写し、領収書や請求書の写し
社会保険料控除の適用漏れ / 社会保険料控除証明書など
医療費控除の適用漏れ / 医療費控除の明細書、医療費通知、支払額を確認できる資料
寄附金控除の記載漏れ / 寄附金の受領証明書、寄附金控除に関する証明書
生命保険料控除の適用漏れ / 生命保険料控除証明書など
変動所得や臨時所得がある / 変動所得・臨時所得の平均課税の計算書など
書面提出の場合 / 本人確認書類の提示または写し
添付資料は、請求の理由と金額の根拠を説明できるものをそろえます。青色申告決算書を添付するケースでは、青色申告とは?最大65万円控除の基本も確認しておくと、帳簿や決算書の関係を理解しやすくなります。
更正の請求書の書き方
更正の請求書では、誰が、どの年分の、どの申告を、どの理由で、いくら正しく直したいのかを明確にします。特に重要なのは「請求の理由」と「請求額の計算書」です。国税庁の様式は年分ごとに更新されるため、最新の様式を確認してください。
記入項目の全体像
主な記入項目は次のとおりです。
項目 / 書く内容
納税地・氏名 / 住所、氏名、個人番号、電話番号などを記入します
年分と申告の種類 / 更正の請求をする年分と、確定申告などの種類を記入します
申告年月日 / 当初の申告書を提出した日などを記入します
請求の理由 / 誤りの内容、発見した経緯、正しい金額を具体的に書きます
添付書類 / 帳簿、領収書、控除証明書など添付する資料名を書きます
所得金額 / 正しい所得区分と所得金額を記入します
所得控除 / 正しい所得控除額を記入します
課税所得・税額 / 正しい課税所得金額や税額を記入します
還付金の受取口座 / 還付を受ける口座情報を記入します
令和4年12月31日以後に課税期間が終了する所得税に係る更正の請求書と修正申告書では、更正前または修正前の課税標準等の記載が不要とされています。ただし、手元では当初申告の控えと正しい金額を比較できるようにしておきます。
請求の理由の書き方
「請求の理由」欄では、何の項目が、なぜ、いくら誤っていたのかを具体的に書きます。「令和○年12月分の事務所賃借料○円を必要経費に計上していなかったため、事業所得の金額が過大となっていた」のように、誤りの内容と金額を示します。
書ききれない場合は、別紙や理由書を添付してかまいません。更正の請求書には要点を書き、別紙で事実関係、金額の内訳、添付資料との対応を説明します。
請求の理由の文例
ケース / 請求の理由の文例
事業所得の必要経費の計上漏れ / 令和○年12月分の事務所賃借料○円を必要経費に計上していなかったため、事業所得の金額が過大となっていました。帳簿書類および領収書の写しを添付し、正しい所得金額への更正を請求します。
医療費控除の適用漏れ / 令和○年中に支払った医療費について、医療費控除の明細書への記載漏れがありました。その結果、所得控除額が過少となっていたため、明細書を添付して正しい控除額への更正を請求します。
ふるさと納税の記載漏れ / 令和○年中に行ったふるさと納税について、寄附金控除の記載が漏れていました。寄附金の受領証明書を添付し、正しい寄附金控除額を反映した税額への更正を請求します。
社会保険料控除の適用漏れ / 国民年金保険料○円について記載漏れがあり、社会保険料控除の金額が過少となっていました。社会保険料控除証明書を添付し、正しい所得控除額への更正を請求します。
後発的事由 / 当初申告の計算の基礎としていた取引について、令和○年○月○日の判決により事実関係が確定し、申告した売上金額と異なることが明らかになりました。判決書等を添付し、確定した内容に基づく更正を請求します。
文例は、年分、日付、金額、資料名を自分の事実に合わせて修正してください。添付資料と文例の内容が対応しているかも提出前に確認します。
よくある記載ミス
更正の請求書では、対象年分の誤り、当初申告日と請求日の混同、請求理由の抽象化、添付書類名の書き漏れ、還付口座の記入誤りが起こりやすいです。特に請求理由は、原因だけでなく金額まで書きます。
現在公開されている様式と古い様式では記載欄が異なることがあります。過去に保存したPDFや画像を前提にせず、国税庁の手続ページから該当年分の様式と記載要領を確認してください。
e-Taxで更正の請求をする手順
更正の請求は、書面だけでなくe-Taxでも提出できます。e-Taxの基本を整理したい方は、e-taxとeltaxの違いを解説も参考になります。
確定申告書等作成コーナーでの流れ
国税庁の確定申告書等作成コーナーでは、「提出した申告書に誤りがあった場合」から「新規に更正の請求書・修正申告書を作成する」へ進みます。年分と提出方法を選択し、マイナンバーカードの読み取り、本人情報の入力、申告準備、修正前入力、修正項目選択、修正内容入力、送信の順に進めます。
過去の確定申告データがあれば読み込めます。データがない場合でも、画面の案内に沿って当初申告の内容と正しい内容を入力し、更正の請求書を作成できます。
添付書類の提出方法
e-Taxでは、一定の添付書類をPDFなどのイメージデータで提出できます。帳簿書類、領収書、控除証明書などは、ファイルの内容が読めるか、請求理由と対応しているかを確認してから送信します。
書面で提出する場合は、更正の請求書と添付資料を所轄税務署へ持参または郵送します。郵送で提出する場合の基本的な送り方は、確定申告書を郵送で提出する方法 送り方・封筒も参考になります。
スマホで提出する場合
スマホやタブレットでは、作成コーナーのトップ画面や入力画面がパソコンと異なります。国税庁やe-Taxの案内では、確定申告書データの有無で手順が分かれるため、自分の状況に合うマニュアルを確認してください。
マイナンバーカード方式では、カード読み取り対応スマホ、利用者証明用電子証明書の暗証番号、署名用電子証明書の暗証番号などが必要です。送信後は受付結果を確認し、控えや送信データを保存します。
提出後の流れ
更正の請求書を提出すると、税務署で請求内容や添付書類の確認が行われます。認められた場合は、税額を減らす更正が行われ、還付金があるときは指定口座へ振り込まれます。還付金を受け取った後の記帳は、国税還付金の勘定科目で確認できます。
認められた場合
請求内容が認められると、税務署から更正の内容が通知されます。還付金がある場合は、請求書に記入した受取口座へ振り込まれます。口座名義や金融機関情報に誤りがあると手続きに支障が出るため、提出前に確認しましょう。
更正の請求をした場合でも、当初申告で納めるべき税額があるときは、納期限までの納付が基本です。請求が認められるまで納付しなくてよいわけではありません。
還付加算金
還付金に還付加算金が付く場合があります。国税庁の案内では、令和8年1月1日から令和8年12月31日までの還付加算金特例基準割合は年1.3%です。
更正の請求に基づく還付加算金の具体的な計算は、個別事情によって確認が必要です。金額が大きい案件では、税務署または税理士に確認してください。
認められなかった場合
更正の請求が認められない場合は、「更正をすべき理由がない旨の通知書」が届きます。納得できない場合は不服申立てができ、国税庁の案内では、処分の通知を受けた日の翌日から3か月以内に再調査の請求または審査請求を行えます。
再調査の請求を経てから審査請求を行う場合は、再調査決定書謄本の送達を受けた日の翌日から1か月以内です。訴訟へ進む場合は、裁決があったことを知った日の翌日から6か月以内とされています。金額が大きい場合や事実関係に争いがある場合は、通知を受け取った時点で専門家へ相談しましょう。
更正の請求で注意したいポイント
更正の請求は、期限、添付書類、請求理由の書き方を誤ると認められない可能性があります。提出前に次の点を確認しましょう。
当初の税額は期限までに納付する
更正の請求を出しても、当初申告で納めるべき税額の納付義務はなくなりません。認められれば後から還付されますが、それまでは当初申告に基づく納付を前提にします。
虚偽記載には罰則がある
更正の請求書に内容虚偽の記載をして提出した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金の対象になります。平成24年2月2日以後に行う更正の請求から適用されています。事実を証明できない金額や資料と異なる説明は避けましょう。
税務署の確認を前提に準備する
更正の請求は、税務署が請求内容と根拠資料を確認して判断します。請求理由が曖昧だったり、添付資料と金額が一致していなかったりすると追加確認が必要になることがあります。申告書の控え、帳簿、領収書、控除証明書を整理し、資料と金額の対応を示せるようにします。
専門家に相談した方がよいケース
後発的事由を理由にする場合、法人税の欠損金や複雑な別表を伴う場合、相続税や贈与税のように期限や事由の扱いが所得税と異なる場合は、専門家に相談した方が安全です。金額が大きい請求では、事実関係と証明書類の整合性が重要です。
よくある質問
5年を過ぎた場合は?
原則として、法定申告期限から5年を過ぎると更正の請求はできません。ただし、国税通則法23条2項の後発的事由に該当する場合は、その事実に該当した日の翌日から起算して2か月以内に請求できる可能性があります。
還付申告の起算日は?
確定申告の必要がない方が還付を受けるために申告している場合は、その申告書を提出した日から5年以内です。法定申告期限から5年以内とは異なるため、提出日を確認してください。
税務署から確認されますか?
更正の請求は、税務署が請求内容や添付資料を確認したうえで判断します。確認の有無は内容によりますが、請求理由と資料の対応関係を明確にしておきます。
当初の税金は納めますか?
はい。更正の請求をした場合でも、当初申告で納めるべき税額があるときは期限までに納付します。請求が認められた後に還付を受けます。
税理士に依頼すべきですか?
経費や控除の単純な記載漏れで証明書類がそろっている場合は、自分で作成できることもあります。一方、後発的事由、法人税、相続税、贈与税、金額が大きい案件では、税理士に相談するとよいでしょう。
認められなかった場合は?
「更正をすべき理由がない旨の通知書」が届きます。納得できない場合は、処分の通知を受けた日の翌日から3か月以内に再調査の請求または審査請求を行うことができます。
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確定申告後に経費の計上漏れを見つける背景には、日々の証憑管理や請求書管理の分散があります。書類を一元管理しておくと、更正の請求に必要な帳簿や証明書類も確認しやすくなります。
まとめ
更正の請求は、確定申告で税金を払いすぎた場合や還付金を少なく申告した場合に、正しい内容へ直して還付を受ける手続きです。原則の期限は法定申告期限から5年以内で、確定申告義務のない方が還付申告をした場合は提出日から5年以内です。後発的事由に該当する場合は、その事実に該当した日の翌日から起算して2か月以内に請求できる可能性があります。
請求書では、対象年分、正しい金額、請求の理由、請求に至った事情を具体的に書き、請求の理由の基礎となる事実を証明する書類を添付します。古い様式や記載例を前提にせず、国税庁の最新ページで様式と記載要領を確認し、期限内に手続きを進めましょう。



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