会計の基礎知識

帳簿(会計帳簿)とは?意味・種類・保存期間を解説

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帳簿とは、事業のお金やモノの出入りを日付順に記録し、決算書や税額計算の根拠とする記録簿です。法人と個人事業主には、事業の規模や申告方法に応じた記帳と保存が求められます。本記事では、帳簿の意味や種類、取引を記録する流れ、保存期間、青色申告特別控除との関係を解説します。

目次

帳簿(会計帳簿)とは?意味をひとことで

帳簿は法律で作成と保存が義務付けられている

帳簿は、事業で発生した取引を記録する書類です。取引の日付、金額、相手先、勘定科目などを記録し、日々のお金の流れを確認できるようにします。帳簿は「会計帳簿」と呼ばれることもあります。

株式会社は、会社法432条1項により、適時かつ正確に会計帳簿を作成しなければなりません。また、会計帳簿の閉鎖時から10年間、会計帳簿と事業に関する重要な資料を保存する必要があります。

個人商人を含む商人にも、商法19条により会計帳簿の作成と保存が求められます(法務省令で定める小商人を除きます)。税務上も、法人税法や所得税法により、帳簿と関係書類の記帳・保存が必要です。

そのため、帳簿は任意で作成する社内資料ではありません。法人と個人事業主のどちらも、事業の形態や申告方法に応じて必要な帳簿を整えます。

帳簿を付ける目的は決算書と税額の根拠と経営判断

帳簿を作成する主な目的は、決算書や税額計算の根拠を残すことです。

日々の取引を帳簿に記録すると、1年間の売上、仕入、経費、資産、負債などを集計できます。その結果をもとに、損益計算書や貸借対照表などの決算書を作成します。申告する所得や法人税、所得税などの税額も、帳簿の記録を基礎に計算します。

帳簿は経営判断にも使います。売上が伸びているか、仕入や経費に無駄がないか、入金予定と支払予定に問題がないかを確認できます。

経営者の感覚だけでは、事業のお金の流れを正確に把握できません。帳簿を定期的に確認すれば、売上の不足や経費の増加に早く気付き、今後の方針を考えやすくなります。

帳簿と台帳・書類・決算書の違い

それぞれの役割

帳簿、台帳、証憑、決算書、帳票は、いずれも事業に関係する記録や書類です。ただし、記録する対象や役割は異なります。

種類何を記録するか誰が作るか作成頻度例
帳簿事業で発生した取引と金額法人・個人事業主取引のたび、または定期的仕訳帳、総勘定元帳
台帳特定の資産や取引先などの明細法人・個人事業主対象となる取引のたび売掛帳、固定資産台帳
書類(証憑)取引が発生した事実自社または取引先取引のたび請求書、領収書、契約書、納品書
決算書一定期間の経営成績や財政状態法人・個人事業主原則として年1回損益計算書、貸借対照表
帳票業務や会計で使う書式全般事業者や取引先書類ごとに異なる注文書、納品書、請求書、申請書

台帳は、帳簿のうち特定の項目を詳しく管理するものです。たとえば、売掛帳は取引先ごとの未回収代金を管理し、固定資産台帳は固定資産の取得日や金額、減価償却の状況を管理します。

請求書や領収書は、帳簿に記録した取引の裏付けとなる証憑です。帳簿そのものではありませんが、帳簿と一緒に保存します。

決算書は、帳簿に記録した取引を一定期間ごとに集計したものです。帳簿が日々の記録であるのに対し、決算書は事業の状態をまとめた報告書です。

帳簿の種類:主要簿と補助簿

主要簿(必須):仕訳帳と総勘定元帳

主要簿は、事業の取引全体を記録する帳簿です。複式簿記で記帳する法人や個人事業主は、原則として仕訳帳と総勘定元帳を作成します。

帳簿記録するもの必須か任意か
仕訳帳すべての取引を日付順に記録複式簿記では必須
総勘定元帳仕訳を勘定科目ごとに整理複式簿記では必須
現金出納帳現金の入出金と残高必要に応じて作成
預金出納帳銀行口座の入出金と残高必要に応じて作成
売掛帳売上代金の未回収分必要に応じて作成
買掛帳仕入代金の未払い分必要に応じて作成
経費帳仕入以外の経費必要に応じて作成
固定資産台帳固定資産の取得、減価償却、処分対象資産があれば作成
得意先元帳得意先ごとの売上や入金必要に応じて作成
仕入先元帳仕入先ごとの仕入や支払い必要に応じて作成
仕入帳仕入の内容や数量、金額必要に応じて作成
売上帳売上の内容や数量、金額必要に応じて作成
商品有高帳商品の入庫、出庫、在庫商品を扱う場合に作成

仕訳帳は、取引を日付順に記録する帳簿です。商品を販売したとき、預金口座に入金されたとき、事業用の文房具を購入したときなどに記録します。

仕訳帳の内容は、勘定科目ごとに総勘定元帳へ転記します。「現金」「普通預金」「売上高」「売掛金」などに分けることで、科目ごとの増減や残高を確認できます。

仕訳帳の詳しい役割や記入例は、仕訳帳の仕訳例と書き方で確認できます。

補助簿(任意):代表的な6種と使い分け

補助簿は、主要簿の内容を補足する帳簿です。すべての事業者が同じ補助簿を作成する必要はなく、取引の種類や管理方法に応じて選びます。

現金出納帳では、現金の入出金と残高を管理します。現金で売上代金を受け取ったときや、現金で消耗品を購入したときに記録します。書き方は現金出納帳の書き方を参照してください。

預金出納帳では、銀行口座ごとの入出金を管理します。複数の口座を使っている場合は、口座ごとに分けると残高を確認しやすくなります。

売掛帳では、販売したものの、まだ入金されていない売掛金を管理します。請求日、取引先、請求額、入金日を記録すると、回収漏れを防げます。

買掛帳では、仕入れたものの、まだ支払っていない買掛金を管理します。支払期日を確認できるため、資金繰りを考えるときにも役立ちます。

経費帳では、消耗品費、通信費、水道光熱費など、仕入以外の経費を管理します。固定資産に該当しない日常的な支出をまとめる帳簿です。

固定資産台帳では、事業で使う固定資産を管理します。使用可能期間が1年以上で、取得価額が10万円以上の資産が対象となる目安です。取得年月日や取得価額、耐用年数、減価償却の状況などを記録します。

元帳の種類や経営分析への使い方は元帳の作り方と活用法で解説しています。総勘定元帳への転記方法は、総勘定元帳の書き方と転記方法も参考にしてください。

どの帳簿が必要か:事業形態別の早見表

必要な帳簿は、法人か個人事業主か、青色申告か白色申告かによって異なります。

事業形態基本となる帳簿追加で管理する帳簿記帳方法の目安
法人仕訳帳、総勘定元帳現金出納帳、売掛帳、買掛帳、固定資産台帳など複式簿記
個人事業主・青色申告(複式)仕訳帳、総勘定元帳事業内容に応じた補助簿複式簿記
個人事業主・青色申告(簡易)現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳など固定資産台帳など簡易な帳簿
個人事業主・白色申告収入金額と必要経費を記録する法定帳簿任意帳簿、棚卸表など簡易な記帳

青色申告で複式簿記を選ぶ場合は、仕訳帳と総勘定元帳を中心に記帳します。白色申告でも記帳と保存は必要ですが、複式簿記による主要簿が一律に必要となるわけではありません。

帳簿の付け方:請求書1枚を例に流れを追う

①取引が起きる:証憑を受け取り発行する

記帳は、取引の事実が発生した時点から始まります。商品を販売した場合は、注文書、納品書、請求書などを確認し、取引日、相手先、金額、内容を整理します。

請求書や領収書など、取引の根拠となる書類を証憑と呼びます。証憑の内容と帳簿の金額が一致しているかを確認してから記帳します。

②仕訳帳に記帳する:日付順に借方と貸方へ分ける

複式簿記では、1つの取引を借方と貸方に分けて記録します。取引の内容は摘要欄に短く書き添えます。

たとえば、11月30日に商品を納品し、税込11万円の請求書を発行したとします。ここでは説明を簡単にするため、税込経理とし、消費税の内訳は分けません。

日付借方金額貸方金額
11月30日売掛金110,000円売上高110,000円
12月10日普通預金110,000円売掛金110,000円

11月30日は売上が発生したものの、まだ入金されていません。そのため、売掛金が増えると同時に、売上高を計上します。

12月10日に普通預金へ入金されたら、普通預金が増え、売掛金が減少します。入金時に売上高を再度計上しない点に注意が必要です。

③総勘定元帳と補助簿に転記する

仕訳帳に記録した内容は、勘定科目ごとに総勘定元帳へ転記します。

11月30日の取引では、総勘定元帳の売掛金に11万円の増加、売上高に11万円の増加を記録します。12月10日の取引では、普通預金に11万円の増加、売掛金に11万円の減少を記録します。

売掛帳には、11月30日の請求額11万円と、12月10日の入金額11万円を記録します。これにより、売掛金を回収したかどうかを確認できます。

会計ソフトでは、取引を入力すると仕訳帳、総勘定元帳、補助簿に反映される仕組みが一般的です。ただし、入力内容が正しいとは限らないため、請求書や通帳と照合する作業は必要です。

④決算書にまとめる:貸借対照表と損益計算書を作成する

一定期間の取引を集計すると、決算書を作成できます。

損益計算書では、売上高や経費などを集計し、事業がどれだけ利益を得たかを確認します。貸借対照表では、現金、預金、売掛金、買掛金などを集計し、決算日時点の財政状態を確認します。

先ほどの例では、売上高11万円が損益計算書に反映され、12月10日の入金後は普通預金の残高にも反映されます。1件の請求書に関する取引が、補助簿、仕訳帳、総勘定元帳、決算書に反映されます。

発生主義と現金主義:売上はいつ記帳するか

発生主義では、実際に入金された日ではなく、売上の原因が発生した日を基準に記帳します。11月30日に納品して請求書を発行した場合、11月30日に売上高と売掛金を計上し、12月10日の入金時に売掛金を消し込みます。

現金主義では、実際にお金が動いた時点で売上や経費を記録します。先ほどの例では、12月10日の入金時に売上を記録します。

原則は発生主義です。ただし、青色申告者で、前々年分の事業所得と不動産所得の合計が300万円以下などの要件を満たし、適用を受ける年の3月15日までに届出書を提出した場合は、現金主義の特例を利用できます。

現金主義の特例を受けている場合、令和9年分以後の青色申告特別控除で65万円または75万円の控除は適用されません。10万円の控除は対象となる場合があります。

帳簿の保存期間一覧:法人・個人事業主・インボイス

保存期間と起算点

帳簿や関係書類は、作成後も定められた期間保存します。税務調査や取引内容の確認に備えるためです。

区分保存するもの保存期間起算点・条件
法人・法人税法帳簿、決算関係書類、取引関係書類7年確定申告書の提出期限の翌日から
法人・法人税法青色欠損金が生じた事業年度などの書類10年確定申告書の提出期限の翌日から。平成30年4月1日以後に開始する事業年度が対象
法人・会社法会計帳簿と事業に関する重要な資料10年会計帳簿の閉鎖時から
個人・青色申告帳簿、決算関係書類7年各年分の法定申告期限の翌日から
個人・青色申告現金預金取引等関係書類7年各年分の法定申告期限の翌日から。前々年分の事業所得と不動産所得の合計が300万円以下の場合は5年
個人・青色申告請求書、見積書、契約書、納品書など5年各年分の法定申告期限の翌日から
個人・白色申告法定帳簿7年各年分の法定申告期限の翌日から
個人・白色申告任意帳簿5年各年分の法定申告期限の翌日から
個人・白色申告棚卸表など決算に関して作成した書類5年各年分の法定申告期限の翌日から
個人・白色申告請求書、領収書など作成・受領した書類5年各年分の法定申告期限の翌日から
インボイス仕入税額控除のために保存する請求書等7年受領した日の属する課税期間の末日の翌日から2か月を経過した日から
インボイス交付した適格請求書の写し・電磁的記録7年交付した日の属する課税期間の末日の翌日から2か月を経過した日から

法人は、法人税法上は原則7年ですが、青色欠損金が生じた事業年度などは10年保存が必要です。会社法432条2項では、会計帳簿と事業に関する重要な資料を閉鎖時から10年間保存します。法人は税法と会社法の両方を確認し、長い保存期間に合わせると管理しやすくなります。

法人:税法は7年、欠損金の年は10年、会社法は10年

法人税法上の保存期間は、確定申告書の提出期限の翌日から7年間です。ただし、青色申告書を提出した事業年度で欠損金額が生じた場合などは10年間保存します。

会社法では、株式会社に対して会計帳簿の作成と10年間の保存を求めています。税務上7年で足りる場合でも、会社法上の会計帳簿は10年保存が必要になることがあります。

個人事業主:青色は7年、白色は法定帳簿7年・任意帳簿5年

青色申告では、帳簿と決算関係書類を7年間保存します。現金預金取引等関係書類も原則7年間ですが、前々年分の事業所得と不動産所得の合計が300万円以下の場合は5年間です。請求書や見積書、契約書、納品書などのその他の書類は5年間保存します。

白色申告でも、記帳と保存は必要です。収入金額や必要経費を記録する法定帳簿は7年間、法定帳簿以外の任意帳簿は5年間保存します。棚卸表や請求書、領収書などの書類は5年間保存します。

インボイスの写し・受け取った請求書は7年(課税事業者)

課税事業者が仕入税額控除を受けるために保存する請求書等は、受領した日の属する課税期間の末日の翌日から2か月を経過した日から7年間保存します。適格請求書発行事業者が交付した適格請求書の写しや、相手先へ提供した電磁的記録も7年間保存が必要です。

請求書を発行した場合は、発行した控えを保存します。請求書を受け取った場合は、帳簿と照合できるよう、受領した請求書も整理して保存します。

電子取引のデータは電子のまま保存する

電子帳簿保存法により、メールやクラウドサービスなどで受け取った請求書のデータは、2024年1月1日以後、要件に沿って電子データのまま保存する必要があります。印刷した紙だけを保存する方法は認められません。

ファイル名の付け方や検索方法を整え、改ざん防止や見読性などの保存要件を満たせるように管理します。電子帳簿保存法の対象書類や要件は、電子帳簿保存法の改正内容で詳しく確認できます。

個人事業主は帳簿の付け方で青色申告特別控除が変わる

令和8年分までの控除額

個人事業主は、帳簿の付け方や申告方法によって青色申告特別控除の金額が変わります。

申告・記帳の方法控除額の上限
正規の簿記による記帳と一定の要件を満たす申告65万円
正規の簿記による記帳55万円
簡易な帳簿による記帳10万円

令和8年分の確定申告までは、正規の簿記による記帳を行い、一定の要件を満たす場合に最高65万円の控除を受けられます。要件を満たさない場合でも、最高55万円の控除が適用されることがあります。

簡易な帳簿による青色申告特別控除は、最高10万円です。65万円や55万円の控除を受けるには、仕訳帳と総勘定元帳を作成し、貸借対照表と損益計算書を作成するなど、正規の簿記による記帳が必要です。記帳の手順は複式簿記の付け方、簡易な帳簿は単式簿記のやり方で解説しています。

令和9年分以後の控除額

令和9年分(2027年分)以後は、青色申告特別控除の要件が変わります。

記帳・保存・申告の方法控除額の上限
正規の簿記とe-Taxによる期限内送信に加え、優良な電子帳簿の保存またはデジタルシームレス保存を行う75万円
正規の簿記による記帳とe-Taxによる期限内送信65万円
書面で申告する場合10万円
簡易な帳簿による記帳10万円

令和8年分の確定申告までは、書面申告でも55万円の控除が使える場合があります。しかし、令和9年分以後は、書面申告の場合の控除上限額が10万円になります。紙の帳簿と書面申告を続けている人は、2027年分から控除額が大きく変わる点に注意が必要です。

簡易簿記で、前々年分の事業所得と不動産所得の収入金額が1,000万円を超える場合は、10万円の控除も適用されません。現金主義の特例を受けている場合は、65万円と75万円の控除を受けられず、10万円の控除が対象となります。

帳簿を付けない・保存しないとどうなる?

会社法上の過料を受ける可能性がある

会計帳簿に記載すべき事項を記載しない場合や、虚偽の記載をした場合などは、会社法976条7号により100万円以下の過料の対象となる可能性があります。

過料を受けるのは会社ではなく、取締役や執行役などの役員個人です。帳簿の作成者だけに任せず、会社として記帳のルールや確認体制を整える必要があります。

青色申告の承認や控除に影響する

個人事業主が帳簿を適切に作成・保存しない場合、青色申告の承認を取り消される可能性があります。青色申告特別控除の要件を満たせなければ、控除額が10万円以下になることもあります。

帳簿や証憑が不足していると、申告内容を説明できません。税務上、正確な所得を計算できない場合は、税務署が収入や経費を推計して課税する推計課税が行われることもあります。

帳簿には、税金の計算だけでなく、事業の取引を説明し、経営状況を確認する役割もあります。

帳簿の付け方の手段:手書き・エクセル・会計ソフト

3つの方法を比較する

帳簿は、手書き、エクセル、会計ソフトなどで作成できます。事業の規模、取引量、経理の知識に合う方法を選びます。

方法費用手間ミスの起こりやすさ電子保存への対応
手書き低い転記や集計に手間がかかる計算や転記で起こりやすい紙の保存が中心
エクセル既存ソフトがあれば低い形式の作成と集計が必要入力や関数の誤りに注意が必要ファイル管理の設計が必要
会計ソフト月額や年額費用がかかる場合がある入力後の集計や転記は少ない勘定科目や入力内容の確認が必要対応機能を確認しやすい

手書きは、取引が少なく、帳簿の仕組みを理解しながら記帳したい場合に向いています。一方、取引量が増えると、転記や計算に時間がかかります。

エクセルは、入力項目や集計方法を事業に合わせて調整できます。ただし、数式の設定やバックアップ、ファイルの保存場所を自分で管理する必要があります。

会計ソフトは、取引を入力すると仕訳帳や総勘定元帳、決算書へ反映できる点が特徴です。入力ミスを完全になくせるわけではないため、銀行口座や請求書との照合は欠かせません。

エクセルでの帳簿作成を検討している場合は、帳簿をエクセルで作成する方法も参考になります。

記帳のポイント:ため込まず証憑と照合する

帳簿は、取引が発生したらできるだけ早く記録します。月末や確定申告前にまとめて処理すると、記帳漏れや金額の誤りが起こりやすくなります。

記帳後は、請求書、領収書、通帳、クレジットカードの明細などと突き合わせます。売掛金や買掛金については、請求額と入金額、支払額が一致しているか確認します。

手書きの帳簿を訂正するときは、元の記載を消さず、二重線で訂正して正しい内容を近くに記入します。会計ソフトを使う場合も、訂正履歴が残る方法で直すと記録の信頼性を保ちやすくなります。

株主から帳簿の閲覧を求められたら

3%以上の議決権または株式を持つ株主が請求できる

会社法433条では、総株主の議決権の3%以上を持つ株主、または発行済株式の3%以上を持つ株主が、会計帳簿の閲覧や謄写を請求できると定めています。

請求を受けた会社は、事業上の秘密や請求理由など、法律上の要件を確認します。対象となる株主から適法な請求を受けた場合に備え、帳簿や関係資料を整理して保存しておく必要があります。

よくある質問

帳簿と台帳は同じ意味ですか?

同じではありません。帳簿は事業の取引を記録する書類全般を指し、台帳は特定の資産や取引先などを詳しく管理する記録です。

売掛帳や固定資産台帳は帳簿の一種ですが、帳簿すべてが台帳というわけではありません。

帳簿は手書きでも大丈夫ですか?

手書きでも問題ありません。法令で定められた事項を正確に記録し、必要な期間保存できれば、手書き、エクセル、会計ソフトのいずれも利用できます。

手書きの場合は、転記漏れや計算ミスを防ぐため、定期的に通帳や証憑と照合します。

帳簿は何年保存すればいいですか?

法人は、法人税法上は原則7年、青色欠損金が生じた事業年度などは10年です。会社法上の会計帳簿と重要な資料は、閉鎖時から10年保存します。

個人事業主は、青色申告の帳簿と決算関係書類が7年、白色申告の法定帳簿が7年、任意帳簿や多くの関係書類が5年です。インボイスに関係する請求書等や写しは7年保存します。

帳簿を電子データだけで保存してもいいですか?

要件を満たせば、電子データで保存できます。特に、2024年1月1日以後にメールやクラウドで受け取った請求書などの電子取引データは、紙に印刷するだけでなく、電子データのまま保存する必要があります。

保存方法や検索性、改ざん防止などの要件を確認し、必要なときに画面で確認できる状態を保ちます。

個人事業主で売上が少なくても帳簿は必要ですか?

必要です。白色申告でも、収入金額や必要経費を記録する法定帳簿を作成し、7年間保存します。請求書や領収書などの関係書類も、定められた期間保存します。

売上が少ない場合でも、記帳しておけば所得や経費を正確に計算できます。具体的な進め方は個人事業主の帳簿の付け方をご覧ください。青色申告を選ぶ場合は、控除額に応じた帳簿の作成が必要です。

請求書の発行と管理はINVOYで

帳簿の入口となる請求書を整える

帳簿を正しく作成するには、取引の根拠となる請求書を整理しておく必要があります。

INVOYは、FINUX株式会社(OLTA株式会社の100%子会社)が運営するクラウド請求書サービスです。請求書の作成・発行や請求書の受取を無料で利用できます。Standardプランは月額980円(税込)です。

銀行口座連携や資金繰り表、請求書のカード払いに対応し、JIIMAのスキャナ保存認証も取得しています。帳簿そのものを作成するサービスではありませんが、帳簿の入口となる請求書の発行と保存を整える手段として活用できます。

サービスの詳細は、INVOY公式サイトで確認できます。

まとめ

帳簿は事業の取引と経営状態を記録する資料

帳簿とは、事業のお金やモノの出入りを記録し、決算書や税額計算の根拠とする記録簿です。法人と個人事業主のどちらにも、事業形態や申告方法に応じた記帳と保存が求められます。

複式簿記では、仕訳帳と総勘定元帳を主要簿として作成します。現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳などの補助簿は、事業の内容に応じて使い分けます。

保存期間は、法人税法、会社法、青色申告、白色申告、インボイス制度によって異なります。帳簿をため込まず、証憑と照合しながら定期的に記録すると、税務上の要件を満たしやすくなり、経営判断にも活用できます。

この記事の投稿者:

hasegawa

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